米国以外が対象のETF【VXUS】の1月末データが更新されたのでまとめてみた

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バンガード社のETFは公式サイトで月1回更新されます。月末のデータが、翌月の15日頃に反映されます。今回2020年1月末のデータが更新されましたので、バンガード・トータル・インターナショナル・ストック(除く米国)ETF【VXUS】の組込銘柄の変化や傾向について検証します。

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基本情報を確認しよう

【VXUS】のベンチマークは、FTSEグローバル・オールキャップ(除く米国)インデックスです。米国を除く世界の市場の約98%が対象で、このETF1本で米国以外のほとんどの地域をカバーしています。

米国以外の世界が対象の4つのETFを比較します。全米を除く世界が対象の【VXUS】と【VEU】、全米を除く先進国【VEA】、ヨーロッパ【VGK】を比較します。すべてバンガード社なので、経費率は低いですね。

運用総額は、米国を除く先進国【VEA】が9.5兆円とかなり大きいです。ヨーロッパ【VGK】が1.5兆円と少なめです。

【VXUS】と【VEU】の違いは、【VXUS】は小型株を含んでいるため組込銘柄数が7361と多いですが、【VEU】は小型株を含まないので組込銘柄数は3480と半分ほどです。やや強引に米国のETFに当てはめると、【VXUS】は【VTI】で、【VEU】は【VOO】のような感じです。そんなわけで【VXUS】と【VEU】のリターンの差はほとんどありません。

※「配当利回り」は過去1年の配当額から算出しました

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【VXUS】のセクター別のファンド構成比は?

【VXUS】に組み込まれている銘柄のセクター別の組込比率です。バンガードの公式サイトではICB(Industry Classification Benchmark)で分類されていますので、これをGICS(Global Industry Classification Standard)に変換しました。金融の割合が最も多く、情報技術、資本財、一般消費財と続いています。

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【VXUS】の市場別のファンド構成比は?

市場別の構成比率を見てみましょう。トップは日本。以下、中国、英国が続き、カナダ、フランス、スイス、ドイツの順です。地域別ではヨーロッパが約38%で最多、太平洋が約28.7%です。

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【VXUS】にはどんな銘柄が組み込まれているのか?

【VXUS】の上位20銘柄の組込比率の合計は約15%と少なく、世界中に分散されています。国別でトップのシェアだった日本は、ランクインしているのはトヨタ自動車、ソニー、ソフトバンク・グループです。上位は中国とスイスが多く、台湾と韓国は1企業だけ飛び抜けています。セクター別では情報技術、一般消費財が多いですね。

 

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上位20銘柄の推移

2020年3月以降、組込比率上位20銘柄の5カ月ごとの比較です。TSMC(台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング)【TSM】の比率が、かなり増えています。

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【VXUS】上位20銘柄は主要ETFには組み込まれているのか?

【VXUS】の組込比率上位20銘柄は、他のETFにどのくらいの割合で組み込まれているのでしょうか? 米国以外【VXUS】【VEU】、米国以外先進国【VEA】、欧州【VGK】、新興国【VWO】、世界【VT】への組込比率(%)をまとめました。

【VXUS】と【VEU】はほぼ同じです。組込銘柄数の少ない【VEU】のが若干個別銘柄の組込比率が高くなっています。米国除く先進国【VEA】と新興国【VWO】はまったく重複していません。強引に計算式を作ると、【VEA】+【VWO】=【VXUS】or【VEU】で、【VXUS】+【VTI】=【VT】でしょうか。

※組込比率は2021年1月末のデータをもとにしています

ファンドオーバーラップで他のETFとの比較する

ファンドオーバーラップを使って、他のETFとの重複割合を調べてみましょう。米国以外【VEU】、米国以外先進国【VEA】、欧州【VGK】、新興国【VWO】、世界【VT】と比較しました。【VT】の中に【VXUS】がすっぽり入っており、【VXUS】の中には【VEU】【VEA】【VGK】がほとんど含まれています。新興国【VWO】は【VXUS】との重複割合が20%と低く、【VXUS】の中に80%ほどしか入っていません。

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【VXUS】の配当はどう変化したか?

【VXUS】は年4回配当が支払われます。3、6、9、12月に配当落ちがあり、その数日後に振り込まれます。2020年は、6月の配当が前年同期を大きく下回りました。そのため1年間のトータルでは2020年は2019年より24.5%も減りました。

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今年に入ってからの配当利回りは?

2020年に入ってからの【VXUS】の株価と配当利回りを見てみましょう。過去1年の年間配当額から算出しました。青線が株価(左軸)で、赤線が配当利回り(右軸)です。2020年の初頭の配当利回りは3%前後でしたが、2月半ば以降は株価が下がったため、3月18日には配当利回りが約4.6%まで上昇しました。現在は株価がコロナ・ショック前を上回り、さらに2020年の配当が今ひとつだったので、配当利回りは2.09%まで下がっています。

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【VXUS】を過去に買っていた場合のYOCは?

過去に【VXUS】を買った場合、現在の購入単価当たりの配当利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から5年前までの株価、配当利回り、YOCを見ていきましょう。株価は月末のもので月1回なので、ややアバウトです。

2021年2月26日の終値は61.7ドル、過去1年の配当金額は1.2867ドルなので、現在の配当利回りは2.09%です。過去5年の平均配当利回りは約2.81%です。過去5年の配当額は不安定ですが、株価は一応右肩上がりなので、早い時期に買っていればYOCは多少上がりました。2016年3月頃に買っていたら、現在YOCは約2.9%になっていました。

 

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ライバルETFとトータルリターンを比較する

【VXUS】と米国以外の世界の広範囲をターゲットにしているETFとの過去10年トータル・リターンを比較します。同じ全米を除く世界が対象の【VEU】、全米を除く先進国【VEA】、ヨーロッパ【VGK】と比べます。

2011年2月に1万ドル投資して配当を再投資した場合、2021年1月には【VEA】が1万7100ドル、【VGK】が1万6500ドル、【VEU】が1万6400ドル、【VXUS】が1万6200ドルになっていました。いずれも似たようなリターンですが【VXUS】と【VEU】はチャートもそっくりですね。下のグラフの青い線赤い線はずっと重なっています。

 

過去3カ月、1、3、5、10年の年平均トータルリターンは以下の通りです。ほとんどの期間が似ています。過去1年では【VXUS】と【VEU】が優勢です。

過去10年の配当金はどのくらいか?

過去10年の配当金を比較します。下のグラフは、10年前に1万ドルを投資した場合の、年間配当金の推移です。配当金は再投資します。税金は考慮しません。

【VGK】がやや優勢ですね。残りの3つは同じぐらいです。【VXUS】は10年目の2020年には341ドルになっていました。

 

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【VXUS】の今後の配当予想は?

現在の過去1年配当金額(1.2867ドル)と1、3、5、9年前の同時期の過去1年配当金額(1.7047ドル、1.5531ドル、1.276ドル、1.291ドル)を比較して年間増配率を計算し、それを使って将来の配当金とYOCを予想しました。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの配当利回りのことです。【VXUS】株を2021年2月26日の終値61.7ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。

購入金額は1万ドルにします。そうすると、年間配当額から利回り(YOC)が一瞬で計算できます。たとえば、年間配当額が300ドルなら利回り(YOC)は3.0%、年間配当額550ドルなら利回り(YOC)は5.5%になります。

増配率は過去1年がマイナス24.5%、過去3年がマイナス6.1%、過去5年が0.2%、過去9年が0.0%でした。現在の配当利回りは2.09%です。

配当を再投資しない場合

まずは配当を再投資しないケースを見てみましょう。税金は考慮しません。現在の配当利回りが2.09%なので、年間配当額は209ドルです。まだ配当が発表されていないので、起点となる年は1年前の2020年にします。

もっとも増配率の低い過去1年のペースだと2024年の配当額は68ドル、2029年の配当額は17ドルになります。もっとも成績の良い過去5年の増配率を当てはめると2024年の配当額は210ドル、2029年の配当額は212ドルになりそうです。配当額212ドルはYOC(購入額に対する利回り)2.08%です。

 

配当を再投資する場合

つぎに配当を再投資するケースを見てみましょう。税金は考慮しません。再投資する場合の配当金額は、現在と10年前の株価を比較して年平均騰落率を計算し、それを使って調整しています。

もっとも増配率の低い過去1年のペースだと2024年の配当額は72ドル、2029年の配当額は18ドルになります。もっとも成績の良い過去5年の増配率を当てはめると2024年の配当額は228ドル、2029年の配当額は254ドルになりそうです。配当額254ドルはYOC(購入額に対する利回り)2.54%です。

ちなみに、前々項の10年前に1万ドルを投資した場合の10年後の配当金額と、この項目の過去9年増配率を使って現在1万ドルを投資した場合の10年後の配当予想は、ほぼ同じ内容です。ただ10年前に投資した場合の10年後配当は341ドル、今回の10年後の配当予想は249ドルと差がつきました。これは開始時の株価(配当利回り)が異なっていたからです。現在の利回りよりも10年前の利回りが高いため、この差が将来の配当金額の違いとなりました。つまり今の【VXUS】は、10年前と比較して株価が割高という考え方ができます。

配当を再投資する場合(税引き後)

最後に配当を再投資するケースで、税金を引いた額で計算してみましょう。配当金は28%の税金を引いた72%で計算します。起点となる年(2020年)は209ドルではなく、税引き後の150ドルからのスタートになります。

もっとも増配率の低い過去1年のペースだと2024年の配当額は51ドル、2029年の配当額は13ドルになります。もっとも成績の良い過去5年の増配率を当てはめると2024年の配当額は160ドル、2029年の配当額は174ドルになりそうです。配当額174ドルはYOC(購入額に対する利回り)1.74%です。

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まとめ

いかがでしたか? 【VXUS】の2020年の配当が少なかったため、それ基準に考えると、将来の配当は良くない結果になりました。ただ、そろそろ米国一強の時代が終わるかもしれませんので、その時のために仕込んでおくという考え方もありかなと思います。

 

 

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