VGT、VHT、VDC、VNQなどバンガード社の米国セクターETF、11種類と組込上位110銘柄を徹底比較!

当サイトでは月に1回、バンガード社のデータが更新される15日頃に合わせて、主要ETFについて更新しています。最新版はバンガード社の2021年8月末時点でのデータです。

今回はバンガード社のセクターETF11銘柄を様々な角度から比較します。データを分析することで、意外な事実が判明するかもしれません。

 

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基本情報を確認しよう

バンガード社のセクターETF11銘柄あります。GICS(Global Industry Classification Standard)によって分類された11種類が、そのままセクターETFになります。

利回りの高い順にエネルギー【VDE】、公益事業【VPU】、不動産【VNQ】、生活必需品【VDC】、金融【VFH】、素材【VAW】、ヘルスケア【VHT】、資本財【VIS】、通信サービス【VOX】、情報技術【VGT】、一般消費財【VCR】です。

いずれも時価総額加重型によって組み込まれています。つまり規模の大きな銘柄ほど、組込比率が高くなります。

なお、不動産【VNQ】は日本の証券会社(SBI、楽天、マネックス)では購入できません。

※上の表のセクターの背景に色をつけました。このカラーは当サイト内で共通のものとして使用しております。個別銘柄もこのセクターごとの背景色をつけています

 

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利回りとETFの規模は?

利回りは表の左側が高く、右に行くにつれて下がっています。現在の利回りは、エネルギー【VDE】、公益事業【VPU】、不動産【VNQ】が3%を超えています。生活必需品【VDC】が2.5%前後です。

運用総額は情報技術【VGT】が約5.5兆円と圧倒的な規模を誇ります。不動産【VNQ】も4.2兆円ほどで、かなり大きいです。ヘルスケア【VHT】と金融【VFH】も1兆円を超えています。それ以外のETFは4000~8000億円におさまっています。

 

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トータルリターンを比較しよう

過去1、3、5、10年のトータルリターンを比較します。Portfolio Visualizerのデータです。

過去1年のリターンは、コロナショックからの回復が始まったタイミングがETFによって異なるため、あまり参考にはならないですね。

過去3年以上のリターンでは、いずれの期間でも情報技術【VGT】が頭一つ抜けています。一般消費財【VCR】が2番目にいいですね。

3番目に成績がよかったのは過去10年ではヘルスケア【VHT】、過去5年では金融【VFH】、過去3年では通信サービス【VOX】です。

なお、一番右にS&P500ETF【VOO】のデータを掲載しました。情報技術【VGT】、一般消費財【VCR】に次ぐ3番目あたりに位置しています。

過去のリターンだけで考えるなら、セクターETFは【VGT】と【VCR】が優れています。それ以外なら、まとめて【VOO】という方法でもいいかもしれません。

 

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ETFの安定度はどうか?

ETFの安定度を比べてみましょう。こちらもPortfolio Visualizerを使用しました。過去5年のデータです。

最大ドローダウンは、計測期間における最大下落率です。マイナスの数値が小さいほど最大下落率が低いです。

シャープレシオとは、同じリスクを取った場合のリターンの比較です。「(ファンドのリターン−無リスク資産のリターン)÷標準偏差」の値です。1を超えていれば、優秀です。

ソルティノレシオはシャープレシオの改良版で、相場が軟調の際の成績を示しています。「(ファンドのリターン-無リスク資産のリターン)÷下方偏差」で計算します。1.5を超えていると、素晴らしいです。

最大ドローダウンは、生活必需品【VDC】、ヘルスケア【VHT】が優れています。

シャープレシオとソルティノレシオは、トータルリターンの良かった情報技術【VGT】がやはりいいですね。

ヘルスケア【VHT】はトータルリターンでは一般消費財【VCR】にアンダーパフォームしていましたが、シャープレシオとソルティノレシオの値は上回っています。

 

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今後のYOC予想は?

現在の過去1年分配金額と3年前の同時期の過去1年分配金額を比較して過去3年増配率を計算し、それを使って将来YOCを予想します。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの利回りのことです。

「分配金を再投資しない、税金は考えない」で検証します。

まずは利回りの高い6つのセクターETFを比較します。過去3年の年間増配率【VDE】が4.5%、【VPU】が6.4%、【VQN】が-5.5%、【VDC】が8.1%、【VFH】が10.5%、【VAW】が9.2%でした。

表の一番左の「スタート」が、それぞれのETFの現在の利回りです。過去1年の分配金から計算しています。

もっとも成績が良かったのは【VPU】。現在の利回りは3.21%となかなか高く、増配率も6.4%とまずまずだったので、10年後YOCは6.0%まで伸びました。

現在の利回りが3.6%と高い【VDE】は堅実に伸ばして、10年後YOCは5.6%でした。

【VDC】は現在の利回りが2.53%、増配率8.1%は高水準だったので、10年後YOCは5.5%でした。

 

利回りの低い6つのETFの将来YOCはどうか?

今度は利回りの低い6つのセクターETFを比較します。過去3年の年間増配率【VHT】が12.8%、【VIS】が0.4%、【VOX】が29.5%、【VGT】が12.7%、【VCR】が0.8%。参考までにSP500ETF【VOO】(増配率4.5%)も追加します。

こちらは【VHT】の成績が際立っていました。現在の利回りは1.27%ですが、増配率が12.8%と高水準だったため、10年後YOCは4.25%になりました。

【VGT】の増配率は12.7%と高いですが、現在の利回りが0.66%と低いため、10年後YOCは2.28%までしか伸びません。

【VOX】の増配率はマイナス29.5%と壊滅的ですが、これは2018年9月にGICSのセクター入れ替えがあったためです。グーグル【GOOGL】やフェイスブック【FB】などのハイテク系の無配銘柄が、情報技術から通信サービスセクター【VOX】に移ったため、最近の配当額が低下しました。そのため増配率がマイナスになりました。

 

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各セクターの組込上位銘柄と主要ETFの関係を調べる

下の円グラフはバンガード社のETF【VTI】のセクター比率を、GICS(Global Industry Classification Standard)に変換したものです。

このETFには全米のほぼすべての銘柄が、時価総額の大きい順に銘柄が組み込まれています。情報技術セクターが最も多く約1/4を占めています。ヘルスケア、一般消費財、金融、通信サービスと続いています。

次の項では、この順番ごとにセクターETFの上位10銘柄を見てみましょう。

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セクターETF上位10銘柄の主要ETF組込比率(セクター順)

バンガード社のセクターETFに組み込まれている上位10銘柄は、主要12ETFにどのような比率で組み込まれているのでしょうか?

ちなみに主要12ETFとは、 高配当【SPYD】【HDV】【DVY】【VYM】、連続増配【SDY】【VIG】、市場全体【DIA】【VOO】【VTI】、ハイテク・グロース系【QQQ】【VUG】【VGT】です。銘柄選択の基準は規模が大きい経費率が低い日本の個人投資家に人気などの観点から選びました。

11のセクターETFの組込上位10銘柄を、主要12ETFの組込比率を調べます。(VGTはセクターETFと主要ETFに重複しています)

バンガード社のETFの組込比率は2021年8月末、その他のデータは9月下旬~10月上旬のものです。組込比率が大きいほど背景のオレンジ色が濃くなっています。

一番上の各ETFの下にある数字(例えばSPYDなら5.1)は、ETFの利回り(%)です。2021年10月8日のデータです。

セクターの並び順は、前項の【VTI】組込比率の大きい順です。つまり情報技術、ヘルスケア、一般消費財と続きます。

情報技術セクターの上位10銘柄は、全米【VTI】の上位30位内に入っています。ヘルスケア・セクターの上位10銘柄は【VTI】の45位以内に収まっています。この2つのセクターの比率がかなり大きいことがわかりますね。

逆に【VTI】比率の下位セクターである素材、公益事業、エネルギーは、【VTI】の上位100位以内には1つか2つしか入っていません。

セクターによる強さが、はっきりと出ていますね。

ティッカー・コードの背景色の説明

米国株にはアップル社なら【AAPL】など、アルファベット1~4文字のティッカー・コードがついています。上のグラフだと、左から4列目の部分です。

当サイトでは、この部分の背景色を所属しているセクターの色にしています。GICS(Global Industry Classification Standard)による分類を使用しています。当サイトのすべてのページで以下のカラーを共通のものとして使用しています。

 

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セクターETF上位10銘柄の主要ETF組込比率(VTI組込比率順)

つぎに、セクタの組込上位10銘柄を、【VTI】の組込銘柄順に並び替えてみます。【VTI】は全米が対象のETFで、時価総額加重平均で組み込まれています。つまり、下の表は全米の銘柄がほぼ時価総額の大きい順に並んでいることになります。だいたい知名度の高い順になっています。

上位に組み込まれている銘柄のセクターは、情報技術、ヘルスケア、通信サービなどが目立っています。

惜しくも入らなかった銘柄

各セクターの上位10銘柄を【VTI】の組込順位に並べると、歯抜け状態になります。下の表は【VTI】の組込順位80番以内で、セクター順位11位以降の銘柄です。

ほとんどが情報技術セクターヘルスケアセクターですね。ようやく79位に金融セクターのチャールズ・シュワヴ【SCHW】が入ってきます。

情報技術とヘルスケア・セクターの強いことがわかりますね。

 

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セクターETF上位10銘柄の主要ETF組込比率(利回りの高い順)

最後に、利回りの高い順に並べました。利回りの区切りのいい箇所で線を引きました。

セクター内順位が1位や2位の銘柄で、利回りの高いケースはあまりないですね。エネルギー・セクターのエクソン・モービル【XOM】やシェブロン【CVX】ぐらいです。

利回りの高い銘柄は、エネルギー、公益セクターなどが目立ちます。また、利回り上位は【VTI】組込順位が100位以降が多いですね。

 

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まとめ

11のセクターそれぞれに特徴がありました。

ここ10年ぐらいはハイテク・グロース系の強さが目立つので、情報技術セクター【VGT】はあらゆる数値で秀でていました。

ハイテク系銘柄の多い、一般消費財【VCR】、通信サービス【VOX】にとってもなかなかの結果でした。ヘルスケア・セクターは安定感が目立ちました。

セクターETFを買うなら、【VOO】や【VTI】でもいいような気はしますが、そのあたりは人それぞれですね。

 

 

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