【SPYD】が半年に1度の銘柄入れ替えを実施! 公益事業セクターが首位・金融に肉薄

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ステート・ストリート社のSPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF【SPYD】は年2回、大幅な組み換えを行っています。今回、2021年7月29日と30日の間に組み換えが行われました。

【SPYD】の組み換えは、S&P500の配当利回りの高い順に80銘柄を選び、各銘柄の保有比率を均等に1.25%ずつにします。

今回の銘柄組み換えの前に、ホーリーフロンティア【HFC】、ゼロックス・ホールディングス【XRX】、SLグリーン・リアルティ【SLG】がすでに除外されており、77銘柄になっておりました。今回の組み換えでは80銘柄に戻りました

今回は6銘柄が除外されて、9銘柄が追加されました。

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これが【新SPYD】全80銘柄だ!

さて、【SPYD】はどのように生まれ変わったでしょうか? 以下の表が2021年7月30日現在の【新SPYD】の組込銘柄です。組込比率順に並んでいます。左端の背景がピンク色で「新」となっているのが新たに加わった銘柄です。

セクターの背景色はかなりカラフルですね。満遍なく組み込まれているのがわかります。上位ではエネルギー、素材、金融、不動産セクターがやや目立ちます。全80銘柄の配当利回りを単純に平均化すると、4.1%です。

 

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セクター比率はどう変化したか?

【SPYD】のセクター比率がどう変化したのか、検証してみました。左の円グラフが、前回の入れ替え直前(2021年1月12日)です。真ん中の円グラフは、今回の入れ替え直前(2021年7月29日)。右側の円グラフが今回の入れ替え直後(2021年7月30日)です。

入れ替え前までは金融セクターが22.7%と圧倒的に多かったですが、今回は17.5%に減りました。公益事業セクターが前回の13.5%から17.4%に増え、金融とほぼ同じ割合になりました。不動産やエネルギー・セクターは前回よりも少し減らしました。

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【新SPYD】全80銘柄をセクターの比率順に並び替える

それでは【新SPYD】に組み込まれている銘柄をセクターの比率順に並び替えてみましょう。金融と公益事業が最多の14銘柄、不動産が13銘柄、エネルギーが9銘柄、生活必需品が7銘柄、素材、情報技術、ヘルスケア、通信サービスが5銘柄、一般消費財が3銘柄、資本財はありません

 

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【SPYD】から除外された6銘柄は?

【SPYD】から外された6銘柄について見てみましょう。いずれの銘柄も株価が好調で配当利回りが下がったため、除外されました。7月29日のS&P500の配当利回り80番目のボーダーラインは3.1%ぐらいです。

すでに除外されていた3銘柄

7月の入れ替え前に除外されていたのは、以下の3銘柄です。ゼロックス・ホールディングス【XRX】SLグリーン・リアルティ【SLG】は、2021年3月のS&P500の銘柄入れ替えで除外されました。【SPYD】はS&P500銘柄が対象なので、必然的に除外となりました。

ホリーフロンティア【HFC】は、ピュージェット・サウンド・リファイナリーを買収するための購入資金を調達するため、2021年5月に1年間の配当停止を宣言しました。そのため【SPYD】から除外されました。

 

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【SPYD】に新たに加わった9銘柄は?

【SPYD】に新たに加わった9銘柄です。組込比率の高い順に並んでいます。セクター内訳は公益事業と生活必需品が3銘柄ずつ、ヘルスケアが2銘柄、素材が1銘柄です。

ゼネラル・ミルズ【GIS】、ケロッグ【K】、とカーディナル・ヘルス【CAH】は2020年の7月、つまり前々回の入れ替えで除外された銘柄です。いずれもなかなか優良銘柄です。

メルク【MRK】、キンバリークラーク【KMB】は連続増配銘柄です。生活必需品とヘルスケア・セクターの5銘柄は、どれも安定している会社ですね。

公益事業セクターのアメリカン・エレクトリック・パワー【AEP】、パブリック・サービス・エンタープライズ・グループ【PEG】、ナイソース【NI】も10年前後の連続増配銘柄です。

ニューモント【NEM】は米国とカナダを中心に活動する世界最大規模の産金会社です。

 

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過去の組込比率上位20銘柄の比較

上位順位20銘柄の推移です。下の表で銘柄の入れ替えのあったところは、黒い太い線を引きました。ざっと見るとバラバラです。【SPYD】は毎年1月と7月に銘柄の入れ替えがあり、S&P500採用銘柄の利回りの高い80銘柄を均等に組み込みます。そして、組み込まれた後に株価が上がると【SPYD】内の比率も高くなりますが、利回りが下がるので、次回の入れ替えで除外される可能性も出てきます。そんなわけで、同じ銘柄が長期間にわたって上位に留まることはないですね。

約1カ月前の2021年6月16日と比べると、上位には素材セクターが増えていますね。

 

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【SPYD】組込上位銘柄は主要ETFには組み込まれているのか?

【SPYD】の組込比率上位20銘柄は、他のETFにどのくらいの割合で組み込まれているのでしょうか? 高配当【SPYD】【HDV】【DVY】【VYM】、連続増配【SDY】【VIG】、市場全体【DIA】【VOO】【VTI】、ハイテク・グロース系【QQQ】【VUG】【VGT】の主要12ETFへの組込比率(%)をまとめました。

ざっと見た感じでは【SPYD】の上位組込銘柄は、同じ高配当ETFの【DVY】【VYM】に多く組み込まれています。

【SPYD】との重複率は【HDV】17%、【DVY】49%【VYM】22%、【SDY】16%、【VIG】が1%、【DIA】は6%、【VOO】が10%、【VTI】が8%、【VUG】1%、【QQQ】3%、【VGT】3%です。

※組込比率は、バンガード社のETFは2021年6月末、【DIA】は7月22日、【SPYD】は7月30日、その他のETFは7月16日のデータをもとにしています。【DIA】は株価の高い銘柄が比率が高くなり、【SPYD】は均等平均加重組入なので、これらのETFの組込比率はあまり重要ではありません。

主要ETFの並び順は基本的に左端が最も利回りが高く、右に行くにつれて下がっていきます。ただし、【VGT】は少し毛色が異なるセクターETFなので、右端にしました。主要ETFのティッカー・コードの下の数字は7月20日の利回り(%)です。

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【SPYD】の過去の分配金と増配率は?

【SPYD】が設定されたのは2015年10月です。下の表は過去の分配金の一覧です。

2021年6月の分配金は0.3989ドルでした。前年の同期が0.3657ドルなので9.1%の増配になります。また、前年同期との過去1年分配金額の比較では、2021年6月1.9053ドル、前年の同期が1.7068ドルなので、11.6%の増配となります。

※背景がになっているのが減配です

2017年12月は通常の分配金が0.399ドル、特別分配金が0.3133ドルでしたが、すべて含めて0.7123ドルにしました

【SPYD】の期別分配金は?

2020年6月と9月にコロナ・ショックのダメージを受けて分配金が減りました。2021年6月は、1年前と比べると増えていますが、2年前との比較では14%ほど減っています。

 

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まとめ

いかがでしたか? 今回の入れ替えでは生活必需品、ヘルスケア、公益事業の優良銘柄がいくつか新加入しましたので、安定した感じがありますね。

金融の割合が減って、セクターのバランスもよくなりました。

なお、次回は9月17日が権利落ちで、その前日までに保有していれば分配金がもらえます。