米国高配当ETF【HDV】が2022年6月に銘柄入れ替えを実施。アルトリア・グループ【MO】、IBMが新加入、JPモルガン、P&Gが除外!(iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF)

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ブラックロック社のiシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF【HDV】は、モーニングスター配当フォーカス指数に連動したETFです。財務の健全性が高く、持続的に平均以上の配当を支払うことのできる、質の高い米国籍企業75銘柄前後で構成されています。

毎年3、6、9、12月の計4回組み換えがあります。直近では、2022年6月17日頃に銘柄の入れ替えを行いました。9銘柄が除外、9銘柄が追加となりました。前回の2021年12月の入れ替えでは13銘柄が新加入だったので、今回は少なめです。

 

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新たに組み込まれた銘柄は?

新たに追加されたのは13銘柄です。セクター別では金融が5銘柄と最多で、生活必需品が2銘柄です。利回りの高い2銘柄を組込比率3%台で新加入させ、分配金のテコ入れを図った感があります。

アルトリア・グループ【MO】は世界最大のタバコ製品の製造・販売メーカー。2008年にスピンオフしたフィリップ・モリス・インターナショナルが米国外で展開しているのに対し、こちらは米国内で展開。

アイ・ビー・エム【IBM】はIT関連サービスの大手。かつてはコンピュータ製造に強みがあったが、近年はクラウドやソフトウェアにシフトチェンジ。正式名称はインターナショナル・ビジネス・マシンズ、略してIBM。

新加入銘柄の組込比率を加味した平均利回りは5.79%。かなり高いです。新加入銘柄の全体に占める割合は9.1%でした。

 

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除外された銘柄は?

除外されたのは9銘柄です。セクター別の数では金融が3銘柄、生活必需品が2銘柄です。

JPモルガン・チェース【JPM】は世界有数の金融グループで、全米No.1の投資銀行です。前回の2022年3月に新加入しましたが、すぐに除外となりました。【JPM】は高配当【VYM】、連続増配【VIG】、バリュー【VTV】などメジャーなETFにも組込順位5位以内に入っています。

プロクター・アンド・ギャンブル【PG】は日用品の世界最大手。洗剤、清掃用品、美容製品、食品・飲料、ヘルスケア用品などを取り扱っている。

【JPM】と【PG】は組込順位が一桁と影響力が高く、利回りがそれほど高くないため、【HDV】全体の利回りを上げるために除外となった可能性が高いです。

除外された銘柄の組込比率を加味した平均利回りは3.31%。除外された銘柄の全体に占める割合は12.0%でした。

先ほどの新加入銘柄の組込比率を加味した平均利回りは5.79%だったのに対し、除外は3.31%でした。この部分での比較では、2.48%も新加入の方が高く、新加入によってETFの利回りを上げようとしている意図が見えます。

なお、除外された銘柄の全体に占める割合は12.0%でしたが、新加入は9.1%2.9%も新加入が少ないです。これは、この入れ替えで既存銘柄の合計比率が2.9%ほど増えることを意味しています。

 

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【HDV】全組込銘柄がどのように変化したのか?

下の表は【HDV】全組込銘柄を、組み換え前後の2022年6月7日と2022年6月17日で比較したものです。保有比率の大きい順に並べました。左側(6月7日)の表の一番左側に背景が灰色で「除」と書かれているのが今回除外された銘柄です。右側(6月17日)の表の一番左側が背景ピンク色で「新」と書かれているのが、今回新たに組み込まれた銘柄です。

目立った新加入は、組込順位10位のアルトリア・グループ【MO】、同12位のアイ・ビー・エム【IBM】です。

除外された銘柄では組込順位5位だったJPモルガン・チェース【JPM】、同8位のプロクター・アンド・ギャンブル【PG】などがあります。

エネルギー・セクターは株価が好調だったため、既存銘柄では首位のエクソン・モービル【XOM】は入れ替え前の比率が9.07%から、今回のリバランスで7.19%に減らしました。一方、ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】が比率5.73%から6.66%に増え、順位も4位から2位に上がりました。

セクター別では、組込上位はエネルギー、ヘルスケア、生活必需品、情報技術が多いです。2番手集団に資本財が見えます。中位になると公益事業、金融、一般消費財が目立ちます。

 

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2020年以降の主な銘柄の入れ替えは?

【HDV】は75銘柄前後で構成されていて、4半期に1回銘柄の入れ替えが行われます。新加入や除外の組込比率1%以上の銘柄についてまとめました。他のETFに比べると、上位陣の入れ替わりが激しいのが特徴です。

アルトリア・グループ【MO】は2021年6月に除外されて以来の復帰。1年ぶりの登場です。前回は1期で除外になりましたが、今回はどうでしょうか。

アイ・ビー・エム【IBM】は最近では【HDV】に組み込まれていたことはないですね。2018年頃に入っていたようです。

利回りが2%台後半ぐらいの大型銘柄が、株価や増配によって頻繁に入れ替えが行われている傾向にあります。

※なお比率は、入れ替えの直前と直後のドンピシャのタイミングではなく、数日ずれている場合もあります

これまでの銘柄入れ替え数は?

過去10回の銘柄入れ替え数です。上の棒が新加入、下の棒が除外です。今回の9銘柄の変更というのは、近年では最も少ないです。

2020年6月は入れ替え数が多いです。これはコロナ・ショックで株価や業績予想に大幅な変化があったためです。

 

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セクター比率はどう変化したか?

【HDV】に組み込まれている銘柄のセクターの占める割合を、今回と前回の組み換え前後で比較してみました。

前回との比較ではあまり変化はないですが、アイ・ビー・エム【IBM】が加わったため、情報技術セクターが7.9%から13.0%に増えました。

金融セクターは10.6%から6.4%に減りました。JPモルガン・チェース【JPM】が除外されたためです。エネルギーセクターは株価が好調で比率が上がりすぎていたため、少し比率を下げて調整しました。

上位3セクターは変わりません。この3セクターの合計は約60%から58%へと少し減りました。

組込銘柄数とセクター比率の比較

【HDV】の組込銘柄数は金融が17銘柄で最多で、公益事業が14銘柄です。どちらもセクター比率はそれほど高くありません。ちなみにセクター比率だと金融は7番目で6.4%、公益は5番目で7.5%と全体から占める割合は小さいです。

セクター比率の首位ヘルスケアは、組込銘柄数では6と少ないです。ヘルスケア・セクターの6銘柄はすべて20位以内に入っており、時価総額の大きい銘柄ばかりです。

公益事業と金融の規模の小さい高配当銘柄をたくさん組み込んでいるのが、【HDV】の特徴ともいえます。

 

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【HDV】の上位組込銘柄はどんな会社か?

【HDV】の組込比率1%以上の6月17日のデータです。全部で27銘柄あります。ベンチマークは、モーニングスター配当フォーカス指数です。上位27銘柄で、全体の約86%を占めており、かなりの集中投資といえます。上位10銘柄でも全体の約50%、20銘柄で約76%なので、上位銘柄の影響が大きく出るETFと言えます。

【HDV】は配当金の総支払額によって加重平均しています。つまり、並び順は時価総額と配当利回りを掛けた数値のほぼ大きい順になります。下の表の右から2列目です。

【HDV】は財務の健全性が高く、持続的に平均以上の配当を支払うことのできる、質の高い米国籍企業が対象です。そのため、上位組込銘柄の多くが連続増配年数10年を超えています。表の一番右側の列です。

 

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2020年5月以降の上位銘柄の推移

上位組込銘柄の推移です。【HDV】は毎年3、6、9、12月の中盤から後半にかけて銘柄の入れ替えがあります。下の表ではすべての期間で銘柄の入れ替えが行われています。

上位12銘柄の顔ぶれはあまり変化がないですね。常連組の最近の変化はAT&T【T】、ファイザー【PFE】がいなくなったぐらいです。

【HDV】は年4回銘柄を入れ替えていますが、コアの部分は不動のメンバーで固められており、しかも比率が高いですね。

 

以下の10銘柄が、2020年以降、ほとんどの期間で上位に組み込まれています。

 

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【HDV】上位20銘柄は主要ETFには組み込まれているのか?

【HDV】の組込比率上位20銘柄は、他のETFにどのくらいの割合で組み込まれているのでしょうか?  インカムETFを、高配当【SPYD】【HDV】【DHS】、中配当【DVY】【VYM】【SDY】、低配当【VTV】【DGRW】【VIG】の3つにやや強引に分類し、市場全体インデックス【DIA】【VOO】【VTI】も加えた主要12ETFへの組込比率(%)をまとめました。

背景色のオレンジ色が濃いほど、組込比率が高いことを意味しています。【HDV】の上位銘柄は濃いオレンジ色なので、他のETFよりも集中投資なのがはっきりとわかりますね。【HDV】の上位10銘柄は【DHS】にもかなりの比率で組み込まれています。濃いオレンジ色ばかりですね。

【HDV】との重複率は【DHS】が56%と一番高く、【VYM】が40%、【DGRW】が36%と続いています。

【HDV】構成銘柄は、ほぼ100%【VYM】や【VTI】にも組み込まれています。

【HDV】上位銘柄は利回りが3%を超えていると【SPYD】【DVY】に組み込まれており、3%未満は【VIG】【DIA】の上位に入っています。【HDV】は高配当が主力ですが、利回りの高くない健全な銘柄もフォローしていると考えられます。

組込銘柄では、8位のコカ・コーラ【KO】が12ETFのうち11ETFに組み込まれています。10ETFに入っているのが5位のシェブロン【CVX】、7位のメルク【MRK】、20位のスリーエム【MMM】です。

※組込比率は、【HDV】は6月17日、バンガード社のETFは2022年5月末、その他のETFは6月7~14日頃データをもとにしています。主要ETFのティッカー・コードの下の数字は6月17日の利回り(%)です。

一番下のETF同士の比率は「etfrc.com」のデータです。

 

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【HDV】の期別分配金は?

直近の分配金は、2022年6月8日に発表されました。0.5697ドル(厳密には0.569695ドル)です。1年前の同期は0.8103ドルでしたので、1年前の同期と比べて29.7%減です。

0.5697ドルというのは、6月の分配金としてはかなり少ないですね。0.6ドル以下は、2014年以来です。また、前回3月も前年同期比でマイナスだったので、2期続けてマイナスとなりました。

 

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まとめ

いかがでしたか? 入れ替えは9銘柄は少なめでした。

上位3セクターはヘルスケア、エネルギー、生活必需品で変わりなかったですが、エネルギーの割合が高くなっていたので、少し減らしました。情報技術が4番目になりましたね。

2022年の6月分配金は前年同期から29.7%減、その前の3月の分配金は12.7%減で、2期続きて大幅マイナスでした。これは、高配当銘柄のAT&T【T】が抜けた影響をカバーできていない可能性があります。

今回の銘柄入れ替えでは、利回りの低いJPモルガン・チェース【JPM】、プロクター・アンド・ギャンブルを除外し、利回りの高いアルトリア・グループ【MO】、アイ・ビー・エム【IBM】を新加入させました。

大幅なテコ入れだと思いますので、次回9月の分配金は期待できそうです。9月26日が権利落ち日なので、その前営業日までに購入していれば、分配金がもらえます。

 

 

 

 

 

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