2022年9月より購入可能となったファースト・トラスト・モーニングスター・ディビデント・リーダーズ・インデックス・ファンド【FDL】を紹介

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2022年9月から、日本のネット証券の外貨建て口座で購入可能となったファーストラスト社の米国高配当ETFファースト・トラスト・モーニングスター・ディビデント・リーダーズ・インデックス・ファンド【FDL】についてご紹介します。

データ面を様々な角度からアプローチすることで、【FDL】の本質を浮き彫りにします。

※なお、このページでの利回りは過去1年間の分配金をもとに計算します。

■このページの概要■
序盤は【FDL】の基本情報を紹介
前半は【FDL】の分配金に関する様々なデータを紹介
中盤は、組込銘柄やセクターなど、【FDL】の中身に迫ります
後半は、ライバルのインカム系5ETF【HDV】【VYM】【SPYD】【DHS】【DVY】と、トータルリターン、増配率、株価、将来YOC予想などのデータを比較します
最後に、いま【FDL】買ったら将来どのくらいの分配金になるか予測します

 

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  1. 【FDL】はどんなETFか?
  2. 【FDL】の過去の分配金と増配率は?
    1. 期別分配金で1年ごとの分配金イメージをつかもう
    2. 期別分配金を1つずつ並べて比べよう
    3. 年間分配金と株価の関係は?
    4. 過去1年分配金額を1つずつ並べて確認しよう
    5. 期別と過去1年分配金を、前年同期と比較しよう
    6. 年間増配率は?
    7. 長期の増配率をチェック!
  3. 2020年以降の利回りは?
  4. 現在の【FDL】の株価と利回りの関係は?
  5. 過去10年間の利回り、YOC、株価は?
  6. 【FDL】のセクター比率は?
  7. 【FDL】の上位組込銘柄はどんな会社か?
  8. 【FDL】とライバルETFの比較
  9. 【FDL】とライバル高配当ETFの売れ行きをチェック
    1. 【VYM】の純資産総額は?
    2. 【HDV】の純資産総額は?
  10. 【FDL】とライバルETFのセクター比率は?
  11. 【FDL】上位20銘柄は主要ETFには組み込まれているのか?
  12. 株価やリターンなどを比較する
    1. 株価推移を比較する
    2. トータルリターンを比較
    3. 過去のトータルリターンを比較
    4. 安定度などを比べよう
    5. 過去の分配金はどのくらいか?
  13. これまでの利回りは?
  14. 増配率を比較する
  15. 主要ETFの今後のYOC予想は?
    1. 10年後のYOCはどうなっているか?
    2. 20年後のYOCはどうなっているか?
  16. 今後20年間で分配金はどのくらいになるのか?
    1. 過去3年増配率で推移した場合の分配金予想
    2. 過去5年増配率で推移した場合の分配金予想
    3. 過去7年増配率で推移した場合の分配金予想
    4. 過去10年増配率で推移した場合の分配金予想
  17. 【FDL】とライバルETFのデータをランク付け
  18. まとめ

【FDL】はどんなETFか?

【FDL】はわりとオーソドックスな米国の高配当ETFです。ベンチマークはモーニングスター・ディビデンド・リーダーズ指数。

配当支払い実績があり、将来も継続して配当支払いの可能性のある配当利回りの高い企業が対象です。

具体的な銘柄選定の方法は、リートは除外されます。5年間の配当成長率がプラス、配当性向100%を超えない銘柄で企業でスクリーニング。

これらの条件に合う利回り上位100銘柄が投資対象になります。

配当金の支払い額で加重平均されるため、利回りが高く、時価総額の大きい銘柄が上位になります。

個々の銘柄の組込比率は最大10%、そして組込比率5%を超える銘柄の合計が50%を超えないように分散させます。

配当加重の米国高配当ETFなので、【HDV】や【DHS】とイメージが重なります。

四半期に1度(3、6、9、12月)リバランスされ、年に1回銘柄の入れ替えを行います。

 

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【FDL】の過去の分配金と増配率は?

【FDL】が設定されたのは2006年3月です。下の表は過去の分配金の一覧です。【FDL】は四半期に一度、3、6、9、12月に分配金が支払われます。

直近2022年9月の【FDL】の分配金が増配or減配なのかは、どのデータを比較するかによって異なります。もっともオーソドックスなのは、下の表の(1)「期別分配金」の今回と前年同期の比較です。今回が0.4022ドル、前年の同期が0.2747ドル。(2)「期別分配金の対前年同期増減率」46.4%増になります。

また、(3)「過去1年分配金」を1年前と比較するのも参考になります。今回が1.3460ドル、前年の同期が1.2274ドルです。(4)「過去1年分配金の対前年同期増減率」9.7%増となります。

色をつけた箇所のデータをグラフにして解説していきます。「期別分配金」と「過去1年分配金」のデータを様々な角度から比較することで、【FDL】の分配金の傾向を探ります。

 

期別分配金で1年ごとの分配金イメージをつかもう

(1)「期別分配金」を1年ごとに重ねて棒グラフにしました。設定された2006年からの分配金のグラフです。

2008年9月のリーマン・ショックの影響で、2009年はかなり分配金が減りました。そこから着実に増えています。

直近の2022年9月の分配金0.4022ドルは、9月の中では最高額です。年間の分配金は2020年が1.326ドルで最高額。今年はあと1回、12月に分配金があります。年間分配金は昨年や一昨年と同水準ぐらいにはなりそうです。

 

期別分配金を1つずつ並べて比べよう

(1)「期別分配金」を1つずつ棒グラフにして、株価と比較しました。そして、株価と比較しました。

分配金は期によってバラつきがあります。分配金や株価は2009~10年ぐらいが底で、2011年以降は安定して上昇しています。直近の2022年9月分配金は、過去2番目の額ですね。

株価と分配金の伸びは似ていますが、最近は分配金の伸びがやや優勢のように見えます。

 

年間分配金と株価の関係は?

(3)「過去1年分配金」を1年ごとにまとめて年間分配金とし、株価と比較しました。

株価は最新年を除いて年末のものです。【FDL】の分配金が最初に支払われたのは2006年6月です。直近の2022年は3、6、9月のもので、あと1回分配金があります。

 

過去1年分配金額を1つずつ並べて確認しよう

(3)「過去1年分配金」を期ごとに棒グラフにして、株価と比較しました。2つ前の期別分配金は期によって分配金に差があり、棒グラフがデコボコしていましたが、過去1年にするとマイルドになります。

高配当ETFの分配金は期ごとで一喜一憂するのではなく、過去1年分などを比較して、伸びているかどうかをチェックするのが重要です。

過去1年分配金は2019年後半ぐらいから横ばいですね。

 

期別と過去1年分配金を、前年同期と比較しよう

(2)「期別分配金の対前年同期増減率」、(4)「過去1年分配金の対前年同期増減率」をグラフにしました。

ETFの場合、「期別分配金の対前年同期増減率」で増配や減配を決めることが多いですが、大きく減ることも比較的あるので、あまり気にする必要はありません。赤い折れ線の部分です。

それよりも「過去1年分配金の対前年同期増減率」の長期の傾向が重要です。紫色の階段面です。【FDL】は2012年から2020年にかけては、この値がプラスが多いですね。2021年以降は増えたり減ったりです。

 

年間増配率は?

(4)「過去1年分配金の対前年同期増減率」の1年ごとのデータを見てみましょう。いわゆる年間増配率です。

最初に分配金が支払われたのが2006年の6月なので、2008年から見てみましょう。リーマン・ショックの影響で2008年と2009年はマイナスでした。2011年以降はプラスが多く、13%以上増配した年が5回もあります。

 

長期の増配率をチェック!

年間増配率だとざっくりしすぎていて、若干イメージしづらいかもしれません。そういう時は、複数年単位で増配率をチェックしましょう。過去3年と過去5年の増配率の推移です。

2014年以降は、過去3年、過去5年ともに6~10%の間で推移しています。結構安定しています。

 

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2020年以降の利回りは?

2020年以降の株価と利回りを見てみましょう。利回りは、過去1年の年間分配金額から算出しました。青線が株価(左軸)で、赤線が利回り(右軸)です。

2020年の年初は利回りが約4.0%でしたが、2月半ば以降はコロナ・ショックで株価が下がったため、3月後半には利回りが6%を超えました。現在は株価がコロナ・ショック前を少し上回っており、2022年10月31日の利回りは3.72%です。

 

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現在の【FDL】の株価と利回りの関係は?

年間分配金額が現在と同じで変わらなかったら、利回りはどのように変化するでしょうか。

このグラフは年間分配金額が現在と同じ1.3460ドルが続いた場合の、利回りと株価の相関図です。利回りを0.1%ごとに株価を出しました。今後【FDL】を購入しようと考えている人は、目安にしてください。

 

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過去10年間の利回り、YOC、株価は?

過去に【FDL】を買った場合、取得価格当たりの利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から10年前までの株価、利回り、YOCを見ていきましょう。株価は月末のもので月1回なので、ややアバウトです。

下のグラフの黄色の線が、過去に買った場合の、取得価格当たりの利回り(YOC)です。この線が左肩上がりの場合は、株価好調&増配傾向にあるといえます。なので【FDL】は長期で見ると、なかなか好調です。

2022年10月31日の終値は36.16ドル、過去1年の分配金額は1.3460ドルなので、現在の利回りは3.72%です。過去10年の平均利回りは約3.6%なので、現在の利回りは平均よりわずかに高いです。

高配当ETFには珍しく、利回りは結構変動があり、ここ数年は以前と比べると少し高いですね。利回り4%を超えたら買いたいところです。

過去10年で株価は上昇して増配率も高かったので、早い時期に買った方がYOCは上がります。10年前の2012年10月に買っていたら、現在YOCは約7.0%になっていました。また、5年前の2007年10月に買っていた場合は、現在YOCは約4.7%になっていました。

 

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【FDL】のセクター比率は?

ここからは【FDL】の中身について見てきます。

【FDL】に組み込まれている銘柄のセクター別の組込比率の推移です。GICS(Global Industry Classification Standard)による分類です。

首位はエネルギーで23.5%、金融が18.7%で2位。以下、生活必需品、ヘルスケア、情報技術と続きます。上位3セクターは高配当ETFでおなじみですね。セクター比率から見ると、わりとオーソドックスな高配当ETFといえそうです。

 

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【FDL】の上位組込銘柄はどんな会社か?

【FDL】の組込上位20位の銘柄です。上位組込銘柄のセクターは、セクター比率上位2つのエネルギーと金融が多いですね。

ベンチマークは、モーニングスター・ディビデント・リーダーズ指数です。

上位20銘柄で全体の約77%を占めており、かなりの集中投資といえます。上位10銘柄でも全体の56%なので、上位銘柄の影響が大きく出るETFと言えます。

【FDL】は配当金の支払総額によって加重平均しています。つまり、並び順は時価総額と配当利回りを掛けた数値のほぼ大きい順になります。表の右から2列目です。

パッと見た感じでは【HDV】に似ていますね。【DHS】とも似ています。

 

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【FDL】とライバルETFの比較

ここからは、【FDL】とライバルのインカム系ETF(高配当系ETF)【HDV】【VYM】【SPYD】【DHS】【DVY】、6つのETFの様々なデータを比較していきます。

赤い文字が他のETFと比べて素晴らしい、オレンジ色が優秀です。

設定されたのが最も古いのが【DVY】で2003年。【FDL】は2006年で、なかなかの古株です。

組込銘柄数は【VYM】が約440で、分散が利いています。【FDL】は100ちょうどで、まずまずです。

経費率は【VYM】【HDV】【SPYD】が0.1%を切っており、かなり低いです。【FDL】の経費率は0.45%と少し高いです。

運用総額は【VYM】は約6.9兆円と規模が大きく、【DVY】が約3.1兆円と続いています。【FDL】は5600億円ほどです。やや苦戦しています。

利回りは【SPYD】が約4.1%と最も高いです。【FDL】は3.7%なので、2番目に高いですね。

 

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【FDL】とライバル高配当ETFの売れ行きをチェック

【FDL】の純資産額の変化を見ていきましょう。

過去5年のデータです。1ドル145円で計算すると、約2900億円(2.01ビリオン$)増えています。2022年に入ってからは、資産額が一気に増えているのが、わかりますね。右端に注目です。

 

【VYM】の純資産総額は?

つづいて【VYM】を見てみましょう。こちらは5年間で3.05兆円(21.09ビリオン$)増えています。ただし、右端の2022年の伸びは、先ほど【FDL】ほどではないように見えます。

 

【HDV】の純資産総額は?

さらに【HDV】はどうでしょうか。5年間で約6000億円(4.16ビリオン$)増です。こちらも2022年は資金流出が少しありますね。

【FDL】は資産規模は【VYM】や【HDV】よりは劣りますが、2022年の純資産額はかなり増加しています。

 

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【FDL】とライバルETFのセクター比率は?

セクター比率を比べます。

【FDL】はエネルギーの占める割合が大きいです。黄土色の部分です。【HDV】と【DHS】も同じくエネルギーが一番多いです。

【FDL】と【HDV】は上位セクターが似ています。エネルギー、生活必需品、ヘルスケア、情報技術が上位で共通しています。違いは【HDV】の上位には金融がない点です。

【FDL】と【DHS】は上位4セクターが同じで、エネルギー、金融、ヘルスケア、生活必需品です。首位のエネルギー以外は、順番が多少異なります。

セクター比率という点では、【FDL】は【HDV】【DHS】とかなり似ているといえます。

 

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【FDL】上位20銘柄は主要ETFには組み込まれているのか?

【FDL】の組込比率上位20銘柄は、他のETFにどのくらいの割合で組み込まれているのでしょうか?   5つのインカム系ETFへの組込順位と比率(%)をまとめました。

背景色のオレンジ色が濃いほど、組込比率が高いことを意味しています。

【FDL】上位20銘柄は【VYM】に19銘柄、【HDV】と【SPYD】に16銘柄、【DHS】には15銘柄入っています。高配当で会社の規模の大きな銘柄が上位に組み込まれるので、他の高配当ETFと銘柄が重複しています。

組込順位と比率を見ると、【FDL】は【HDV】とかなり似ています。ウェイトの重複比率も62%と高いですね。

【FDL】は【DHS】との重複比率も50%と高く、両者は上位組込銘柄の類似性もあります。

ちなみに【HDV】と【DHS】の重複比率は60%です。

1つ前のコーナーのセクター比率も共通点が多かったですし、【FDL】【HDV】【DHS】の3つはかなり似たETFといえます。どれか1つ保有していればオーケーという考え方もできます。

 

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株価やリターンなどを比較する

ここからはPORTFOLIO VISUALIZERを使って、【FLD】とライバルのインカム系ETF(高配当系ETF)【HDV】【VYM】【SPYD】【DHS】【DVY】のデータを比較します。

 

株価推移を比較する

まずは10年間の株価推移を比べます。【SPYD】は設定から約7年しか経っていないので、比較対象外です。

2012年11月に1万ドル投資した場合、2022年10月末の株価は【VYM】が2万1300ドル、【DVY】が2万400ドル、【FDL】が1万8800ドル、【DHS】が1万8200ドル、【HDV】が1万7000ドルになっていました。【VYM】と【DVY】が優勢で、【FDL】は3番目に成績がよかったです。

 

トータルリターンを比較

分配金を再投資した場合のトータルリターンの推移です。税金や手数料は考慮しません。

2012年11月に1万ドル投資して、分配金を再投資した場合、2022年10月末は【VYM】が2万9100ドル、【DVY】が2万8700ドル、【FDL】が2万7500ドル、【DHS】が2万5800ドル、【HDV】が2万4300ドルになっていました。こちらも【VYM】と【DVY】が優勢で、【FDL】は3番目にリターンがよかったです。

 

過去のトータルリターンを比較

過去1、3、5、10年のトータルリターンをグラフにして、現在の利回りと比べました。

【FDL】は先ほどの過去10年リターンは3番目でした。それ以外の期間は、リターンがすべて9%以上と素晴らしいです。高いレベルで安定しており、全体的に見ると6つのETFの中では最もリターンが良いといえます。

 

安定度などを比べよう

ETFの安定度などを比べます。

ボラティリティ最大下落率は0に近いほど安定しています。【SPYD】が激しいですね。安定感が一番あるのは【VYM】です。【FDL】は最大下落率が今ひとつです。

シャープレシオとは、同じリスクを取った場合のリターンです。「(ファンドのリターンー無リスク資産のリターン)÷標準偏差」の値です。

ソルティノレシオはシャープレシオの改良版で、相場が軟調の際の成績を示しています。「(ファンドのリターンー無リスク資産のリターン)÷下方偏差」で計算します。

シャープレシオやソルティノレシオの値も【VYM】が一番よく【FDL】は【DVY】や【DHS】と同じぐらいですね。まずまずです。

 

過去の分配金はどのくらいか?

10年前の2012年11月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合の年間でもらえる分配金の推移です。税金は考慮しません。

10年間の分配金の合計は【FDL】が6700ドル、【DVY】が6300ドル、【DHS】が6000ドル、【HDV】が5900ドル、【VYM】が5800ドルでした。

【FDL】がもっとも多いですね。とくに2019年から2021年にかけての伸びは素晴らしいです。ただし、直近の2022年は今ひとつです。

 

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これまでの利回りは?

過去10年の利回り推移をチェックしましょう。利回りは過去1年分配金から算出しました。株価は月に1度、月末のものです。

利回りは【SPYD】が常に高いです。【FDL】は太い青線です。利回りは2番目に高いですね。

過去5年の平均利回りは【SPYD】が4.7%、【FDL】が3.9%、【DHS】と【HDV】が3.6%、【DVY】が3.4%、【VYM】が3.1%です。

 

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増配率を比較する

現在の過去1年分配金額と1、3、5、7、10年前の同時期の過去1年分配金額を比較して、年間増配率を計算しました。四半期タイプは最新2022年9月分配金発表後、毎月タイプの【DHS】は10月分配金発表後の最新データです。

【FDL】の過去1年増配率は9.7%、3年増配率は3.4%、5年増配率は7.6%、7年増配率は7.1%、10年増配率は7.6%です。【FDL】は3年増配率を除くと、すべて7%以上と高水準です。

全体的に見て、【FDL】は6つのETFの中で最も素晴らしいと言えそうです。

 

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主要ETFの今後のYOC予想は?

1つ前で出した増配率を使って、現在の利回りをもとに、将来YOCを予想します。

YOC(Yield on Cost)とは、取得価格あたりの利回りのことです。2022年10月20日の終値で買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。

対象は【FDL】とライバルのインカム系ETF【HDV】【VYM】【SPYD】【DHS】【DVY】です。

「分配金を再投資しない、税金を考慮しない」で検証します。

 

10年後のYOCはどうなっているか?

まずは10年後のYOCを予測します。ちなみに黒い★は利回りです。各ETFともに、ここがスタート地点となるので、現在の利回りは結構重要です。

【FDL】が一番成績が良いですね。過去5、7、10年増配率で推移すると、いずれも7%台と安定しています。

 

20年後のYOCはどうなっているか?

続いて、20年後のYOCを予測します。

【FDL】はスタート時の利回りが【SPYD】に次いで2番目に高く、増配率は過去3年以外は素晴らしいため、将来YOC予想も高くなります

過去5、7、10年増配率で推移するなら20年後YOCは15%前後と、かなり期待できそうです。

 

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今後20年間で分配金はどのくらいになるのか?

最後に、今【FDL】を購入したら、将来どのくらい分配金をもらえそうかをシミュレーションします。先ほどの将来YOCの分配金版です。現在の利回り、増配率を使用します。

1万ドルを投資した場合の、将来もらえる分配金の推移を検証します。「分配金を再投資しない(税引き後)」と「分配金を再投資する(税引き後)」2パターンで検証します。

先ほどの高配当ETFの将来YOC予想比較は「分配金は再投資をしない、税金は考慮しない」だったので、条件が異なります。今回は「税引き後」です

 

増配率は過去3、5、7、10年の4パターンを使います。年間増配率は過去3年が3.4%、過去5年が7.6%、過去7年が7.1%、過去10年が7.6%でした。現在の利回りは3.72%です。

なお、再投資するケースは過去10年の株価騰落率(6.5%)で調整します。つまり、株価が年6.5%上がるので、分配金の再投資額はその分減らします。

 

過去3年増配率で推移した場合の分配金予想

まずは過去3年増配率で推移した場合の、分配金を計算します。増配率は3.4%です。

分配金は約28%の税金を引いた72%で計算します。スタート時の利回りは3.72%なので、税金を引いた72%の2.68%になります。投資額が1万ドルなので、スタート年の分配金は268ドルになります。

ちなみに今回は1万ドルの投資なので、もらえる分配金のデータをYOCに簡単に変換できます。たとえば、スタート時の分配金は268ドルなので、利回り(YOC)は2.68%になります。YOC(Yield on Cost)とは、取得価格あたりの利回りのことです。

再投資をしない場合は、10年後の分配金は373ドル、20年後の分配金は520ドルになります。

再投資をする場合は、10年後の分配金は499ドル、20年後の分配金は1037ドルになります。YOCだと10.4%です。

 

1万ドルを投資したシミュレーションですが、日本円の1万円に変換してもOKです。また、100万円という仮定なら、数値を100倍にすれば大丈夫です。例えば100万円を投資した場合は「過去3年増配率で推移し、再投資する場合の20年後の分配金」は10万3700円になります。

 

過去5年増配率で推移した場合の分配金予想

次に過去5年増配率で推移した場合の、分配金を計算します。増配率は7.6%です。

再投資をしない場合は、10年後の分配金は559ドル、20年後の分配金は1164ドルになります。

再投資をする場合は、10年後の分配金は794ドル、20年後の分配金は3395ドルになります。YOCだと33.9%です。

過去5年増配率(7.6%)は、過去3年増配率(3.4%)よりも高いので、もらえる分配金も増えます。

 

過去7年増配率で推移した場合の分配金予想

次に過去7年増配率で推移した場合の、分配金を計算します。増配率は7.0%です。

再投資をしない場合は、10年後の分配金は530ドル、20年後の分配金は1047ドルになります。

再投資をする場合は、10年後の分配金は746ドル、20年後の分配金は2867ドルになります。YOCだと28.7%です。

過去7年増配率(7.0%)は、過去5年増配率(7.6%)よりも低いので、もらえる分配金は減りますね。

 

過去10年増配率で推移した場合の分配金予想

最後に過去10年増配率で推移した場合の、分配金を計算します。増配率は7.6%です。

再投資をしない場合は、10年後の分配金は559ドル、20年後の分配金は1165ドルになります。

再投資をする場合は、10年後の分配金は794ドル、20年後の分配金は3396ドルになります。YOCだと33.9%です。高い増配率が続き、再投資し続けると、分配金は相当増え、将来YOCはかなり上がります。

過去10年増配率は、過去5年増配率と同じ7.6%なので、結果もほぼ同じでした。厳密には過去10年増配率が7.622%で、過去5年増配率は7.621%です。

いずれのケースでも「再投資をしない」に比べて、「再投資する」場合の分配金の伸びが素晴らしいです。10年後はそれほど差がありませんが、20年後はかなり差がつきます。複利効果ですね。

また、過去5年や10年増配率(7.6%)で進めば分配金はかなり増えます。ただし、最近の増配率はやや減少傾向なので、過去3年増配率(3.4%)ぐらいで推移する可能性も考えられます。

 

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【FDL】とライバルETFのデータをランク付け

これまでのデータを「A」~「D」にしてランク付けしました。「A」が最高で、「B」はまずまず、「C」は普通、「D」は良くないです。

どのETFも高い数値のケースは、やや強引に差をつけました相対比較が多く、主も多少は入っているので、参考程度にしてください。

「A」の数は【VYM】が6個で最多、【FDL】が4つで続いています。

【VYM】は過去10年分配金と利回り以外はすべて「B」以上と高水準です。人気ETFだけのことはあります。

【FDL】は運用総額は「D」ですが、それ以外はなかなかです。トータルリターン、過去の分配金、増配率、将来YOC予想が、この中では最も素晴らしく「A」です。

【DVY】は「B」が多く、高いレベルで安定しています。【DHS】も「B」が多いですが、【DVY】にはやや劣ります。

データからは【SPYD】が今ひとつ。【HDV】もやや苦戦ですね。

 

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まとめ

【FDL】は他の主要高配当ETFと比べて、データ面からは互角以上でした。日本のネット証券での取り扱いが始まったばかりなので、知名度は今ひとつですが、成績は悪くないです。

利回りは【SPYD】の次の2番目に高かったです。トータルリターンや増配率は【VYM】とほぼ互角でした。増配率は過去3年が3.4%とやや低いですが、過去5、7、10年は7%台で、高いレベルで安定しています。

唯一気になったのは、経費率が0.45%とやや高いところです。【VYM】【HDV】【SPYD】は0.1%を切っており、【DVY】【DHS】【SDY】は0.3%台なので、それらと比べると【FDL】はやや割高です。

経費率が少し高いので、その分リターンはやや劣るかと思いきや、リターンはトップクラスです。意外ですね。

セクター比率や組込銘柄は【HDV】【DHS】とかなり似ていました。保有するなら、【FDL】を含め、3つのETFからどれか1つで良さそうです。

経費率や規模の大きさを重視したい人は【HDV】、毎月分配金がほしい人は【DHS】、リターンや利回り、増配率の実績で選ぶなら【FDL】ですね。

 

 

 

 

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