今回は、グローバルX社のETF2種類が2022年11月8日に東証に上場することが決まったので、ご紹介します。
1つ目は、S&P500指数を使ったカバード・コール戦略で利益を生み出そうとするETFで、「グローバルX S&P500カバードコールETF」です。米国上場のETF【XYLD】が、証券コード「2868」として上場します。
もうひとつは、自動運転技術、電気自動車やその部品や材料の開発に携わる企業を組み入れたETFで、「グローバルX 自動運転&EV ETF」です。米国上場のETF【DRIV】が、「証券コード2867」として上場します。
どちらも米国に上場しており、日本の大手ネット証券の外貨建て口座で購入可能なETFです。それが東証に上場することで、日本円で購入可能となります。
この2つがどんなETFなのか調べていきます。
前半は、東証版XYLDと東証版DRIVについて
中盤は、東証版XYLD(GXSPXカバコ/2868)について。対応する米国上場の【XYLD】はどんな商品か?
後半は、東証版DRIV(GX自動EV/2867)について。対応する米国上場の【DRIV】はどんなETFか?
- グローバルX社の海外上場ETF(インカム系)の純資産総額
- 2868(XYLD)、2867(DRIV)の基本データ
- GXSPXカバコ(2868)の分配金スケジュールは?
- 東証版XYLD(GXSPXカバコ/2868)と同じ【XYLD】はどんな商品か?
- 実際のリターンはどんな感じか?
- 分配金の傾向は?
- 分配金と基準価額(NAV)の関係
- XYLDのオプション・プレミアムと分配金(対NAV比率)
- オプション・プレミアムについて
- 2020年1月以降の株価、利回り、NAV利回り(過去1年と直近)
- 【XYLD】にはどんな銘柄が組み込まれているのか?
- XYLD、VOO、VYM、JEPIのトータルリターン比較
- 今後20年間で分配金はどのくらいになるのか?
- 東証版DRIV(GX自動EV/2867)と同じ【DRIV】はどんなETFか?
- 【DRIV】にはどんな銘柄が組み込まれているのか?
- 【DRIV】のリターンは?
- ライバルとなりそうな投資信託は?
- グローバルX社の戦略は?
- まとめ
グローバルX社の海外上場ETF(インカム系)の純資産総額
グローバルX社はテーマ型やインカム系などのETFを得意としている運用会社です。
下の表は、グローバルX社のETFの中から、日本の証券会社の外貨建て口座で購入可能なETFです。運用資産残高、いわゆる純資産総額の順番に並んでいます。この中の4位と10位が東証に上場します。
4位の【XYLD】の純資産総額は約2800億円、10位の【DRIV】は約1200億円です。
まずまずの売れ行きです。ちなみに、1位の【QYLD】と3位の【PFFD】は2022年9月末に東証に上場しました。
先に上場したQYLDの売れ行きは?
下のグラフは【QYLD】の東証版、証券コード「2865」の基準価格と純資産総額の変化です。純資産総額は上場した9/28が2.3億円、1カ月後の10/24では4.5億円です。順調に増えています。
2868(XYLD)、2867(DRIV)の基本データ
基本データを表にまとめました。上段が東証に上場するデータ、下段が米国に上場している対象ETFのデータです。国内ETFは、どちらも為替ヘッジはしないようです。
左は「グローバルX S&P500・カバード・コール ETF」。証券コードは「2868」で、略称は「GXSPXカバコ」。事実上【XYLD】です。S&P500を原資産として保有してカバードコール戦略を行い、S&P500と対応するアット・ザ・マネーの1カ月物コール・オプションを毎月売却し、オプション・プレミアムを獲得します。
1カ月という時間とボラティリティの大きさで手数料を稼ぎ、毎月最大1%、年間で最大12%の利回りを目指す商品です。毎月分配型です。
経費率は、東証上場ETFが0.6385%、米国上場の【XYLD】が0.60%なので、東証上場ETFのほうが0.0385%ほど高いですね。許容範囲といえそうです。
右は「グローバルX 自動運転&EV ETF」。証券コードは「2867」で、略称は「GX自動EV」。米国上場の【DRIV】とほぼ同じです。
自動運転技術やEV(いわゆる電気自動車)、EVに使用される部品や材料の開発に携わる企業を組み入れています。自動運転のソフトウェアやハードウェアの開発に携わる企業なども含まれます。
こちらは分配金が年2回で利回りは1%を切っており、値上がり益を狙うETFです。
GXSPXカバコ(2868)の分配金スケジュールは?
それでは東証版XYLD(GXSPXカバコ/2868)の分配金スケジュールについて見ていきましょう。
毎月分配型で、10日が分配金支払基準日です。この日が権利確定日となります。なので、権利付き最終売買日は2営業日前になります。この日の大引けに保有していれば、分配金が貰えます。上の表は最初の基準日である2023年1月のケースです。祝日や休日が絡むので注意が必要です。
米国ETFの場合、【XYLD】だと権利落ちは第3金曜日だったので、国内ETFはスケジュールが異なります。
計測期間は毎月11日から翌月の10日です。上場が11月8日なので最初だけはイレギュラーで、計測期間は11月4日から翌年の1月10日で、2カ月弱あります。
国内ETFの分配金の支払いは、基準日の約40日後が一般的です。第1回目は2月20日頃となりそうです。米国ETFのように、1週間ぐらいで支払われることはないので注意が必要です。
東証版XYLD(GXSPXカバコ/2868)と同じ【XYLD】はどんな商品か?
ここからは米国に上場しているETFについて見ていきます。
東証版XYLD(GXSPXカバコ/2868)は米国に上場しているETF【XYLD】とほぼ同じです。この【XYLD】は、カバードコール戦略というオプション取引によって得られたプレミアムを分配金として支払うETFです。
取引の方法は、(1)まずS&P500インデックスを購入します。ETFの【VOO】や【SPY】を買うようなイメージです。
(2)そして、毎月第3金曜日に、1カ月後に満期を迎えるS&P500インデックス・オプション(SPX)を販売します。
(3)コール・オプションの売りをアット・ザ・マネーで行います。今と同じ価格で1カ月後に買うことができる権利を売ります。満期は翌月の第3木曜日です。
(4)このオプションの販売と引き換えに、プレミアムを受け取ります。
(5)満期日が過ぎたら、オプションの一部を分配金として【XYLD】の投資家に分配します。
(6)そして、翌月以降も、このプロセスが繰り返されます。
アット・ザ・マネーによるオプション販売を行うため、株価上昇における利益を捨てます。そのかわりに、オプション代はそれなりに高くなるという仕組みです。
ボラティリティが大きいとオプション代がより高くなる傾向です。分配金は最大で純資産価格の1%なので、年12%の利回りを目指すというのが基本的な考え方です。
実際のリターンはどんな感じか?
グローバルX社の公式サイトには、以下のような「カバード・コール戦略」の損益イメージが記載されています。
・上昇相場では、オプションから得られるプレミアムのみとなるため、S&P500指数の株価上昇による収益は放棄する
・横ばい相場では、コールオプションの売却で得られたオプション・プレミアムの分だけ、S&P500指数のパフォーマンスを上回る可能性がある
・下落相場では、S&P500指数の下落による損失を、獲得したオプション・プレミアムの分だけ軽減する可能性がある
インデックスとトータルリターンを比較する
それでは、東証版XYLD(GXSPXカバコ/2868)の米国版である【XYLD】と、S&P500ETF【VOO】を比較します。
2022年の年初来トータルリターンです。今年は下落相場なので、【VOO】はマイナス19.3%と苦戦しています。緑色の線です。一方【XYLD】はマイナス13.3%と耐えています。水色の線です。約6%ほど【XYLD】の方が成績が良いですね。この差は【XYLD】が獲得したオプション・プレミアムの分と言えそうです。
それでは、過去3年のトータルリターンを比較しましょう。2020年3月のコロナ・ショックで暴落しましたが、その後は急回復しました。【VOO】はプラス32.6%と好調ですが、【XYLD】はプラス8%です。やはり上昇相場だと、株価の値上がり益を放棄するので、カバードコールETFのトータルリターンは劣りますね。
分配金の傾向は?
【XYLD】は毎月分配金が支払われます。設定以来の【XYLD】の期別分配金を棒グラフにして重ねました。
【XYLD】はこれまで2回、ベンチマークが変更されています。2018年1月と、2020年8月です。増配率が高く見えますが、矢印より前の分配金はベンチマークが異なるので、あまり参考にならないです。
2022年の分配金は10月までです。すでに前年2021年の総額とほぼ同じ額になりました。
分配金と基準価額(NAV)の関係
カバードコールETFでもっとも気になるのは、分配金が基準価額の上限の1%を獲得できたかということです。
「XYLD」の毎月の分配金と第3金曜日の基準価額(NAV)の比較です。今のベンチマークとなった2020年8月以降のデータです。
基準価額(NAV)と株価はだいたい同じです。赤い折れ線の基準価額と、青い棒線が分配金が、ちょうど重なっていれば1%の上限を獲得したということです。
【XYLD】は2022年の1月以降は、10カ月連続で満額の1%を獲得しています。つまりオプション取引がうまくいっているということです。
ただし、2022年の年初から、米国の相場全体が軟調なため、右側の赤い折れ線グラフは下落しています。そのため現在は、分配金の上限も減っています。
XYLDのオプション・プレミアムと分配金(対NAV比率)
獲得したオプション・プレミアムと分配金の月ごとのデータです。基準価額であるNAVに対して、分配金がどのくらいの比率だったかです。
1つ前のグラフとは異なり、単位は%です。100%カバードコール戦略の場合、青い棒グラフのオプション・プレミアムが基準価額(NAV)の2%以上を獲得できていれば、赤い棒グラフの分配金は満額の1%となります。
【XYLD】の分配金(赤い棒グラフ)は2021年以降はほぼ1%が続いています。なお、最新の2022年10月と9月のオプション・プレミアムは、公式から発表されていません。
オプション・プレミアムについて
下のグラフは、S&P500の今後30日間の価格変動を予測する、いわゆるボラティリティを示す【VIX】と【XYLD】が獲得したオプション・プレミアムの関係です。
赤い階段面が獲得したオプション・プレミアム(右軸)です。2%以上だと、分配金は上限の1%となります。
オプション・プレミアムはボラティリティとほぼ連動しています。現在の【VIX】の値は30をやや上回っており、かなり高いです。なので、来月も分配金は期待できそうです。
2020年1月以降の株価、利回り、NAV利回り(過去1年と直近)
2020年以降の【XYLD】の株価、利回り、NAV利回りを見てみましょう。青い線が株価(左軸)で、赤い線が利回り(右軸)、緑色の線がNAV利回り「過去1年」(右軸)、紫色の線はNAV利回り「直近」(右軸)です。
NAV利回りというのは、分配金が基準価額(NAV)の何%だったかを示す値です。毎月1%が上限なので、年換算すると最大12%になります。「過去1年」と、「直近」を12倍して1年換算したもの、2つあります。
通常の利回りは現在の株価に左右されるので、カバードコールETFは、NAV利回りの方が現実的といえます。紫色のNAV利回り「直近」が12%の場合は、その月の分配金が満額の1%だったということです。
ベンチマークが変更されて分配金が現在の水準になったのが2020年8月です。なので、利回りとNAV利回り「過去1年」は、その1年後の2021年7月以降のデータが重要です。NAV利回り「直近」は2020年8月以降が現実的です。
NAV利回り「直近」は2022年に入ってから12%の上限が続いています。
【XYLD】にはどんな銘柄が組み込まれているのか?
【XYLD】の組込銘柄について見てみましょう。組込上位10銘柄です。ベンチマークは、CBOE S&P 500・バイライト・インデックスです。
組込上位10銘柄は全体の約29%を占めています。原資産としてS&P500を保有してカバードコール戦略を行うので、中身はETFの【SPY】や【VOO】とほぼ同じです。
表の右端が【SPY】組込順位と比率です。上位10番目までの順位はそっくり同じです。
【XYLD】のセクターの傾向は?
セクター比率を見てみましょう。情報技術が26%で全体の約1/4。ヘルスケア、一般消費財、金融と続きます。
XYLD、VOO、VYM、JEPIのトータルリターン比較
トータルリターンを比較します。対象は、S&P500ETFの【VOO】、主要高配当ETF【VYM】、そして、【XYLD】と似たようなETFで、S&P500の大型株でカバードコール戦略を取っている【JEPI】です。
【XYLD】はトータルリターンでは苦戦しています。過去1年の下落相場では【VOO】よりは成績がよいです。
【XYLD】の分配金はどうか?
2年前に1万ドルを購入して再投資した場合の、分配金額の推移です。税金や手数料は考えません。これは【XYLD】が一番多いですね。2年間の分配金合計は約2500ドルでした。【JEPI】は2100ドルほどです。
今後20年間で分配金はどのくらいになるのか?
今【XYLD】を購入したら、将来どのくらい分配金をもらえそうかをシミュレーションします。
1万ドルを投資した場合の、将来もらえる分配金の推移を検証します。「分配金を再投資しない(税引き後)」と「分配金を再投資する(税引き後)」の2パターンで検証します。
通常は過去3、5、7、10年などの増配率を使って、将来の分配金を予測します。ただし、【XYLD】の分配金は少し特殊で、基準価額に対して1%上限というルールがあります。
そこで、「分配金の変化なし」「増配率マイナス1%」「増配率マイナス2%」「マイナス3%」の4パターンで検証します。
また、過去1年分配金から算出した現在の利回りは13.4%ですが、これもあまり現実的ではありません。
分配金はNAVから算出した上限が続いているので、利回りは12%と仮定します。10年後や20年後の分配金を予測します。
分配金に変化がなかった場合の将来分配金予想
まずは分配金に変化がなかった場合の、将来の分配金を予測します。増配率0%です。
分配金は28%の税金を引いた72%で計算します。スタート時の利回りは12.0%としましたので、税金を引いた72%の8.64%になります。投資額が1万ドルなので、スタート年の分配金は864ドルになります。
分配金を再投資をしない場合は、10年後分配金、20年後分配金ともに864ドルで変わりません。
分配金を再投資をする場合は、10年後分配金は1979ドル、20年後分配金は4532ドルになります。YOCだと45.3%です。
このままの分配金が20年続いて、再投資し続ければ、20年後の分配金は凄まじい額になりますね。
増配率マイナス1%で推移した場合の分配金予想
次に増配率マイナス1%で推移した場合の、分配金を計算します。
分配金を再投資をしない場合は、10年後分配金は781ドル、20年後分配金は707ドルになります。
分配金を再投資をする場合は、10年後分配金は1728ドル、20年後分配金は3213ドルになります。YOCだと32.1%です。
増配率マイナス1%でも、再投資し続ければ、かなりの分配金になりますね。
増配率マイナス2%で推移した場合の分配金予想
今度は増配率マイナス2%で推移した場合の、分配金を計算します。
分配金を再投資をしない場合は、10年後分配金は706ドル、20年後分配金は577ドルになります。
分配金を再投資をする場合は、10年後分配金は1510ドル、20年後分配金は2307ドルになります。YOCだと23.1%です。
増配率マイナス2%でも、再投資し続ければ、分配金は増えていきます。スタート時の利回りが大きいと、増配率が低くても再投資効果は大きいというのは意外と知られていないです。覚えておきましょう。
増配率マイナス3%で推移した場合の分配金予想
最後に増配率マイナス3%で推移した場合の、分配金を計算します。
分配金を再投資をしない場合は、10年後分配金は637ドル、20年後分配金は470ドルになります。
分配金を再投資をする場合は、10年後分配金は1321ドル、20年後分配金は1675ドルになります。YOCだと16.7%です。
増配率マイナス3%でも、再投資し続ければ、なんとか分配金は増えます。
東証版DRIV(GX自動EV/2867)と同じ【DRIV】はどんなETFか?
ここからは「東証版DRIV」についてご紹介。
東証版DRIV(GX自動EV/2867)は、米国に上場しているETF【DRIV】と同じです。どちらも名称は「グローバルX 自動運転&EV ETF」です。
世界の自動運転及び、電気自動車(EV)関連企業にフォーカスします。自動運転を対象とした国内ETFは他にありませんので、貴重です。
投資対象は、自動運転技術、EV、EVに使用される部品および材料の開発に 携わる企業です。結構幅広いです。
銘柄選定のルールは?
銘柄選定はこのようになります。最初のステップで、先進国及び韓国、台湾上場の株式を対象に時価総額、流動性などでスクリーニング。
次のステップでは、3つのサブテーマに関連する企業を抽出します。「自動運転技術」、「EV製造」、「EV関連事業(部品および材料)」です。
最後のステップでは、キーワードスクリーニングで 関連度合いをランク付けし、 75銘柄に投資します。時価総額をもとに組入比率を決定し、年2回銘柄の入れ替えを行います。
【DRIV】にはどんな銘柄が組み込まれているのか?
すでに米国上場されている【DRIV】の組込銘柄について見てみましょう。組込上位20銘柄です。
ベンチマークは、Solactive Autonomous & Electric Vehicles Index(ソラクティブ・オートノマス&エレクトリック・ビークル・インデックス)です。
上位9銘柄は米国を代表するメジャーな銘柄がほとんどですね。S&P500やナスダック100の上位と似ています。EVメーカーのテスラ【TSLA】、自動運転開発に取り組んでいるアップル【APPL】も含まれています。
9位以降は米国の自動車、オーストラリアの資源などが目立ちます。
日本からは7位にトヨタ自動車、20位に日立製作所が組み込まれています。
【DRIV】の国別の傾向は?
国別比率を見てみましょう。米国が56%と半数以上を占めています。日本が2番目に多く約10%、オーストラリア、ドイツ、カナダと続きます。
【DRIV】のセクター別の傾向は?
セクター比率を見てみましょう。一般消費財、情報技術、素材、資本財の4つが目立ちます。一般消費財は自動車、情報技術は半導体や自動運転技術、素材と資本財は電気自動車(EV)の材料や部品の関連企業が多そうです。
【DRIV】のリターンは?
トータルリターンを比較します。
同じ自動運転をテーマにしたブラックロック社のETF【IDRV】と比較します。ただしこのETFは日本の証券会社では取り扱っていません。ほかにナスダック100連動ETF【QQQ】、S&P500ETF【VOO】とも比較します。
もっとも後発の【IDRV】が設定されたのが2019年4月なので、2019年5月から2022年9月までの3年5カ月間を比べます。
2019年5月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合、【DRIV】は1万4700ドル、【QQQ】が1万4400ドル、【IDRV】が1万3700ドル、【VOO】が1万2800ドルになっていました。【DRIV】のリターンが一番良いです。
トータルリターンの期間ごとに比較
それでは過去1、2、3年のトータルリターンを比較しましょう。
過去2年や過去3年のリターンは【DRIV】のリターンがもっとも良いです。期間は短いですが、【QQQ】や【VOO】をアウトパフォームしています。
ライバルとなりそうな投資信託は?
国内のETFは自動運転を扱ったものはありませんが、投資信託はあるので、これらと比べます。
一番左が、東証に上場予定のグローバルX 自動運転&EV ETF【2867】、その隣がすでに米国に上場している【DRIV】。この2つのETFの中身はほぼ同じです。
自動運転がテーマの投資信託は3つあります。
1つは「グローバル自動運転関連株式ファンド」。こちらはアクティブ・ファンドなので経費率が高いです。為替ヘッジありとなしの2パターンあります。
「eMAXIS Neo 自動運転」は、購入手数料なしで、経費率も0.82%ほどなのでまずまず抑えられています。
日本の投資信託はリターンがかなりいいですね。ただし、ここ1年でかなり円安となったので、その恩恵を受けたと言えそうです。主に米国が対象の国内投資信託で、為替ヘッジを行っていない金融商品は、為替の分だけ成績が良くなります。
東証に上場する「グローバルX 自動運転&EV ETF」【2867】のライバルは、eMAXIS Neo 自動運転になりそうです。
グローバルX社の戦略は?
グローバルX社はテーマ型ETFをたくさん扱っています。今後、獲得できる市場規模を推定して、現時点における市場の普及曲線を重視しているようです。
下のグラフはエベレット・M・ロジャース教授が提唱したイノベーター普及に関する理論です。グローバルX社が取り扱っているETFが、どの普及段階にあるかを示しています。
「自動運転&電気自動車(EV)」はイノベーター(革新者)の段階です。今後の成長の余地が大きいと考えているようです。
まとめ
「東証版XYLD」(GXSPXカバコ/2868)は米国上場の【XYLD】とは権利落ちなどのスケジュールが異なります。
米国で源泉徴収される10%の税金については、後々に二重課税調整の対象となりそうです。東証上場ETFは米国ETFより経費率はわずかに高いですが、オトクになるかも。
【XYLD】オプション・プレミアムは2022年は好調で、分配金は満額が続いていますが、株価が軟調なため、分配金の上限額は下がっています。
「東証版DRIV」(GX自動EV/2867)は国内のETFとしては初となる自動運転がテーマのETFです。
米国上場の【DRIV】はトータルリターンは好調。【QQQ】や【VOO】をアウトパフォームしています。
「東証版DRIV」(GX自動EV/2867)のライバルは、投資信託の「eMAXIS Neo 自動運転」になりそうです。
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