JEPIの2023年4月分配金は0.4451ドルで、先月より8.2%増(JPモルガン・米国株式・プレミアム・インカムETF)

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JPモルガン・米国株式・プレミアム・インカムETF【JEPI】が2023年3月31日に分配金を発表しました。0.4451ドル(厳密には0.44506ドル)でした。

1年前の同期は0.5878ドルだったので、1年前の同期との比較では24.3%減です。前回2023年3月の分配金は0.4112ドルなので、先月との比較では8.2%増です。

2023年4月6日の終値は54.34ドル、過去1年の分配金は6.2304ドルなので、利回りは11.47%になります。

※このページでの利回りは、過去1年間の分配金をもとに計算します。

 

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【JEPI】の過去の分配金と増配率は?

【JEPI】が設定されたのは2020年5月です。下の表は過去の配当金の一覧です。期間が短いので何とも言えませんが、2021年2月に分配金が一気に減り、徐々に回復し、2022年は好調でした。

※背景がになっているのが対象月と比べてマイナスです

 

【JEPI】の毎月の分配金は?

期別の分配金を重ねて1年ごとにしました。権利落ちは毎月1日ごろです。毎月の分配金は、2020年は0.4ドル台後半が多く、2021年は0.3ドル台に低迷しましたが、2022年は回復して0.5~0.6ドルが多かったです。2022年の年間分配金額は、2021年の約1.47倍と大きく増えました。

最近3回は0.5ドルを切っており、やや苦戦しています。

 

【JEPI】の分配金と株価の関係は?

毎月の分配金(青い棒グラフ)株価(赤い折れ線グラフ)の比較です。数値が二桁異なるので、棒グラフと折れ線グラフが重なると月利1%で、年間利回りは12%の目安となります。

2023年2月以降は、株価よりも棒グラフが下の位置なので、利回りは12%に届いていません。

株価は50~64ドルの間で推移しています。分配金は結構バラつきがあり、0.25~0.62ドルです。株価と分配金の関係は何とも言えませんね。

 

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分配金とボラティリティの関係

【JEPI】はELNを使ってS&P500のカバードコール戦略を行います。そのため、ボラティリティの値と、毎月の分配金は、ある程度関連があると考えられます。

下のグラフは、S&P500の将来の不確実性を示すインプライド・ボラティリティを表す指数【VIX】【JEPI】の分配金の関係です。

2020年後半は【VIX】の値が25を超えており、分配金額も好調でした。そして2021年の前半から中盤にかけては【VIX】の値が20を切っており、分配金も減りました。2021年の終盤以降は【VIX】の値が25を超えており、分配金額も増えました。

【JEPI】の分配金額は、【VIX】とある程度連動していると言えます。【VIX】が20を下回ると、【JEPI】の分配金は少なくなる傾向です。【VIX】が25を超えると、分配金は多いですね。

2022年終盤以降は【VIX】の値が下がっており、20前後ですね。2月以降の分配金が今ひとつな理由はこのあたりにありそうです。

 

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設定来の株価と利回りは?

株価と利回りの比較しましょう。株価が青い線です。ほぼ横ばいですね。2020年5月に50ドルでスタートして、2021年12月頃が最も高く63ドル、2023年2月現在55ドル付近まで下がりました。

利回りを過去12カ月の分配金から算出した「12カ月利回り」が、赤い線です。分配金を支払いはじめてから1年後から登場します。2021年5月は約8%、現在の2023年4月6日は11.47%ですね。

現在の分配金を12倍して利回りを計算する方法もあります。これが黄色い線です。毎月分配金が異なりますのでデコボコです。4月は分配金が今ひとつだったので、現在の直近の利回りは9.83%です。

【JEPI】のように月々の分配金の差が激しい場合は、この2つの利回りを見比べて、現在どのくらいなのかをイメージするといいかもしれません。

 

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ライバルETFとの比較

【JEPI】のライバルといわれるカバードコールETFの【XYLD】、そして【QYLD】【RYLD】【JEPQ】と主要データを比べましょう。

【XYLD】はS&P500をカバードコール戦略するETFなので、【JEPI】との類似性があります。【QYLD】【JEPQ】の対象はナスダック100指数、【RYLD】はラッセル2000という全米の小型株が対象です。

運用総額は【JEPI】が最も多く約3.1兆円で、【QYLD】が約9200億円です。【XYLD】は約3300億円なので、少し差がついています。【JEPI】は設定が2020年5月と最近ですが、売れ行きはかなり好調です。

過去1年分配金から算出した利回りは、現在は【RYLD】が高く、【JEPQ】【XYLD】【QYLD】が同じくらいで、【JEPI】は少し劣っています。

分配金利回り(12カ月)は過去1年の分配金を株価で割って算出したものです。【JEPQ】はまだ1年分が支払われていないので、これまでの分を1年に換算して計算しました

分配金利回り(直近)は直近の分配金を1年換算して計算しました

表の中の数値が他のETFと比較して優れている場合は赤字にしました。なかなか素晴らしいデータはオレンジ色です。

 

ライバルETFとの関係

【JEPI】とライバルETFの比較です。4つのETFの関係や大まかな違いはこんな感じです。

左から2列目は対象がS&P500です。【JEPI】のライバルは同じS&P500をカバードコールするETF【XYLD】です。

一番左の列の【JEPQ】【QYLD】ナスダック100が対象です。

上段の【JEPQ】と【JEPI】はJPモルガン・アセットマネジメント社の商品で、80%が低ボラティリティ銘柄で、残りの20%がELNという仕組債で、コールオプションを売ります。

下段の【QYLD】と【XYLD】はグローバルX社のカバードコールETFです。原資産を保有しながら、コールオプションを売ります。

大まかに言うと、JPモルガンとグローバルX社のETFは似ていますよね。コール・オプションの売りにおける権利行使価格が原資産よりも高い「アウト・オブ・ザ・マネー」か、権利行使価格が原資産と同額の「アット・ザ・マネー」の違いはあります。

経費率はJPモルガン・アセット・マネジメント社の【JEPQ】【JEPI】が0.35%、グローバルX社の【QYLD】【XYLD】は0.60%なので少し差があります。

 

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カバードコール系ETFの利回り推移

カバードコール系ETF【RYLD】【QYLD】【XYLD】【DJIA】【JEPI】の利回りの変化を見てみましょう。利回りは直近の分配金を1年換算したものから算出しました。株価は月末のものです。

※2021年12月に【RYLD】【QYLD】はキャピタルゲイン分配金を出しました。これを含めて計算するとイメージしづらくなるので、2021年12月分配金は【RYLD】【QYLD】はNAVの上限1%で計算しました

 

カバードコール系ETFの利回りを過去1年分配金から算出

先ほどのグラフだと、月によって分配金の変動があるため少しイメージしづらいかもしれません。過去1年の分配金から利回りを算出しました。

引き続き株価が低迷しているので、利回りはかなり高くなっています。実際は【RYLD】【QYLD】【JEPQ】が12%、【XYLD】【JEPI】が10~11%、【DJIA】が10%ぐらいが目安ですかね。

※このグラフも前項同様に、2021年12月分配金は【RYLD】【QYLD】はNAVの上限1%で計算しました

 

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【JEPI】はどんなETFか?

JPモルガン・米国株式・プレミアム・インカムETF【JEPI】は、米国大型株(主にS&P500)とオプションの販売の投資を組み合わせ、オプション・プレミアムと株式配当から毎月の収益を得ることを目指します。

【JEPI】の約80%が、S&P500採用銘柄を中心とした低ボラティリティ銘柄。この部分で株価の値上がり益を狙います。

20%を上限に、エクイティ・リンク・ノート(ELN)が組み込まれています。これは、株式に連動してインカムを狙う仕組債の一種です。S&P500指数の1カ月のアウト・オブ・ザ・マネーのコール・オプションを売るデリバティブです。原資産よりも権利行使価格が高く設定されているので、値上がり益も多少狙えます。

S&P500のカバードコール戦略を行う【XYLD】と少し似ています。ただし、こちらはアット・ザ・マネーなので、原資産と権利行使価格が同じです。

【JEPI】は基本的にELNでインカムゲインを狙い、大型株の部分でキャピタルゲインを狙う、いいところどりのETFとも言えます。

 

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【JEPI】のセクター比率は?

【JEPI】に組み込まれている銘柄のセクター別の組込比率で、金融が12.7%と多く、以下ヘルスケア、資本財、情報技術、生活必需品と続きます。上位5セクターは似たような比率です。ELN(Equity Linked Note)は14.8%です。

【JEPI】は米国大型株(主にS&P500)の中から低ボラティリティ銘柄を組み込みます。右の円グラフ、S&P500ETF【SPY】と比較すると、【JEPI】は情報技術セクターの比率が低く、資本財と生活必需品、公益事業セクターが多めです。

情報技術セクターはボラティリティの大きい銘柄が多く、資本財や生活必需品、公益事業セクターは株価の安定した連続増配銘柄が多いので、このようなセクター比率になったと言えそうです。

 

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【JEPI】の上位組込銘柄は?

【JEPI】に組み込まれているエクイティ・リンク・ノート(ELN)です。S&P500に連動した仕組債で、全部で15銘柄あり、合計比率は14.8%です。1つ前の右側の円グラフの黒い部分です。

エクイティ・リンク・ノートの満期日は1週間ごとに設定されています。複数のエクイティ・リンク・ノートを持つことで、満期日が1週間ごとにずれるようにして、ロールコストを最小限に抑えることができます。

これにより、コントランゴ現象(期日が遠い先物価格の方が、期日が近い先物価格よりも価格が高い状態のため、高く買って安く売ることになる)を回避し、JEPIの目的である高い分配金を実現することが可能となっているようです。

 

株式の上位組込銘柄は?

下の表は【JEPI】に組み込まれている株式の上位10銘柄です。全組込銘柄数が134で、上位10銘柄の比率は14.9%なので、まずまず分散されています。

 

上位組込銘柄はどう変化したのか?

【JEPI】の上位組込銘柄の推移です。ELNなどは含まず、株式のみです。2021年10月は情報技術、一般消費財セクターが上位で目立っていましたが、最近は生活必需品、ヘルスケア、情報技術が多いです。

 

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ELNとは利率(クーポンレート)はどのくらいか?

下の表はJPモルガンアセットマネジメントの公式資料に記載されている内容です。

【ELN】の発行体はカナダ・ロイヤル銀行、BNPパリバ、UBS、シティグループ、バークレイズ、クレディ・スイスなど世界的な金融機関ばかりです。償還日が1週ずつずれています。

左上が2021年6月末、右上が2021年12月末、左下が2022年3月末、右下2022年6月末、一番下が2022年9月末です。

下の表の赤線を引いたところが、ELNのクーポンレート(いわゆる利率)です。2021年6月末は30%台で、2021年12月末は平均が40%台でしたが、2022年3月末以降はかなり高くなり、60%以上になりました。ちょうどこの頃から分配金も0.5ドルを超えることが多くなりました。利率の高いときは、分配金額も多いですね

 

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運用総額の変化は?

【JEPI】の運用総額の変化です。1ドル133円で計算すると、【JEPI】は約3.3兆円(24.64ビリオン$)増えています。売れ行きはかなり好調です。

 

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ライバルETFとデータを比較する

【JEPI】とライバルETFのトータルリターンを比較します。S&P500カバードコールETF【XYLD】、ナスダック100カバードコールETF【QYLD】、ラッセル2000カバードコールETF【RYLD】と比べました。さらに高配当ETFの代表格【VYM】、S&P500ETF【VOO】とも比較します。

【JEPI】が設定されたのが2020年5月なので、2020年6月から2023年3月末までの2年10カ月を比べます。PORTFOLIO VISUALIZERを使用します。

 

株価推移を比較

まずは2年10カ月の株価推移を比較します。

2020年6月に1万ドルを投資した場合、2023年3月の株価は【VOO】が1万3400ドル、【VYM】が1万3100ドル、【JEPI】は1万600ドルで3番目の成績でした。

 

トータルリターン推移を比較

分配金を再投資した場合のトータルリターンの推移です。税金や手数料は考慮しません。

2020年6月に1万ドルを投資した場合、2023年3月には【VYM】が1万4400ドル、【VOO】が1万4100ドル、【JEPI】は1万3800ドルでした。

2年10カ月のトータルリターンは、【VYM】がもっともよく、【VOO】【JEPI】がほぼ互角で続いています。

 

過去のトータルリターン

1年、2年、2年10カ月のトータルリターンの比較です。1年あたりのリターンのことで、幾何平均のCAGR(Compound Annual Growth Rate/年平均成長率)で計算します。

【JEPI】は2年10カ月は【VYM】【VOO】に少し劣りますが、1年や2年ではもっとも成績がよいですね。

 

ETFの安定度は?

ETFの安定度などを比べてみましょう。「ボラティリティ」は株価の変動性です。「最大下落率」はマイナスの数値が小さいほど安定しています。どちらの値も0に近いほど安定していると言えます。

【JEPI】はボラティリティは12.5%で2番目に小さく、最大下落率はマイナス13.0%でマイナスの数値がもっとも低いです。この中では安定していると言えそうです。

 

シャープレシオは?

続いて、シャープレシオとソルティノレシオをチェックしましょう。シャープレシオは同じリスクを取った場合のリターンで、投資効率の良さを数値化したものです。ソルティノレシオはシャープレシオの改良版で、相場が軟調の際のデータで、下落局面での強さを示しています。

シャープレシオやソルティノレシオともに【JEPI】が最も素晴らしく、【VYM】が続いています。ただし、過去2年10カ月と短い期間のデータなので、最近の地合いに強いかどうかという意味が大きいです。

 

2年10カ月前に購入した場合の年間分配金は?

2020年6月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合の年間でもらえる分配金の推移です。分配金は再投資します。税金は考慮しません。

2年10カ月の分配金の合計は【RYLD】が4200ドル、【QYLD】が3600ドル、【XYLD】が3300ドル、【JEPI】が3000ドルでした。【JEPI】の分配金は2022年は素晴らしかったですが、2021年の分配金は今ひとつだったので、他のカバードコールETFよりは少ないです。

 

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今後20年間で分配金はどのくらいになるのか?

最後に、今【JEPI】を購入したら、将来どのくらい分配金をもらえそうかをシミュレーションします。

1万ドルを投資した場合の、将来もらえる分配金の推移を検証します。「分配金を再投資しない(税引き後)」と「分配金を再投資する(税引き後)」2パターンで検証します。

【JEPI】は増配銘柄ではありません。分配金に変化なし、増配率1%、増配率マイナス1%の3パターンを使います。現在の利回り11.47%です。

株価は変化がなかったという設定にします。

 

増配率0%(分配金変化なし)で推移した場合の分配金予想

まずは増配率0%で推移した場合の、分配金を計算します。

分配金は28%の税金を引いた72%で計算します。スタート時の利回りは11.47%なので、税金を引いた72%の8.26%になります。投資額が1万ドルなので、1年目の分配金は826ドルになります。

ちなみに今回は1万ドルの投資なので、もらえる分配金のデータをYOCに簡単に変換できます。たとえば、スタート時の分配金は826ドルなので、利回り(YOC)は8.26%になります。YOC(Yield on Cost)とは、取得価格あたりの利回りのことです。

再投資をしない場合は、10年目の分配金は826ドル、20年目の分配金も826ドルになります。

再投資をする場合は、10年目の分配金は1684ドル、20年目の分配金は3720ドルになります。YOCだと37.20%です。

 

1万ドルを投資したシミュレーションですが、日本円の1万円に変換してもOKです。また、100万円という仮定なら、数値を100倍にすれば大丈夫です。例えば100万円を投資した場合は「増配率0%で推移し、再投資する場合の20年後の分配金」は37万2000円になります。

 

増配率1%で推移した場合の分配金予想

次に増配率1%で推移した場合の、分配金を計算します。

再投資をしない場合は、10年後の分配金は903ドル、20年後の分配金は997ドルになります。

再投資をする場合は、10年後の分配金は1894ドル、20年後の分配金は5155ドルになります。YOCだと51.55%です。

 

増配率マイナス1%で推移した場合の分配金予想

最後に増配率マイナス1%で推移した場合の、分配金を計算します。

再投資をしない場合は、10年後の分配金は754ドル、20年後の分配金は682ドルになります。

再投資をする場合は、10年後の分配金は1498ドル、20年後の分配金は2716ドルになります。YOCだと29.07%です。

いずれのケースでも、「再投資する」場合の分配金の伸びが素晴らしいです。増配率マイナス1%でも、20年後の分配金はかなりの額になります。複利効果ですね。

 

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まとめ

【JEPI】の2023年4月分配金は0.4451ドルで、先月より回復しました。【VIX】のボラティリティは低迷しているのが気になりますね。

ライバルは、S&P500をカバードコールする【XYLD】です。株価推移やトータルリターンは【JEPI】が上回っています。

【RYLD】や【QYLD】と比較しても、トータルリターンは【JEPI】が優れていました。

経費率が0.35%と低いですね。【QYLD】【XYLD】などグローバルX社のカバードコールETFは0.6%なので、良心的です。これが売れている理由とも言えそうです。

 

 

 

 

 

 

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