SPDR ダウ工業株平均 ETF【DIA】が2020年12月17日に配当金を発表しました。0.5875ドルです。1年前の同期は0.8655ドルでしたので、1年前の同期との比較では32.1%の増配です。
配当利回りを過去1年間の配当金額から算出すると、2020年12月22日の終値は300.07ドル、過去1年の配当額は5.7274ドルなので、配当利回りは1.91%になります。
【DIA】の過去の配当金と増配率は?
【DIA】が設定されたのは1998年1月です。下の表は過去の配当金の一覧です。毎月配当が支払われます。配当決定の翌日が配当落ちになることが多いので、配当が決まってから購入すると間に合わない可能性が高いです。ただ、翌月も配当が支払われるので、どのタイミングで購入しても大差はないです。
一番右側の「過去1年配当額の前年同期比増配率」が常に増え続けていましたが、今回久々にマイナスとなりました。
※背景が赤になっているのが減配です
【DIA】の年間配当額と年間増配率は?
【DIA】の配当金を1年ごとにまとめてグラフ化しました。年間増配率は高い水準を続けていましたが、2020年はマイナス3.7%になりましたが。
【DIA】の期別配当は?
2020年の配当は前年2019年とほぼ同じペースで推移していましたが、最後に減らしました。ただ、2018年と比較するとかなり増えています。
【DIA】の過去1年配当額を棒グラフで確認しよう
【DIA】の年間配当額を棒グラフにして、株価と比較しました。年間配当額は、株価とある程度は連動しています。基本的には右肩上がりです。
今年に入ってからの配当利回りは?
2020年に入ってからの【DIA】の株価と配当利回りを見てみましょう。過去1年の年間配当額から算出しました。青線が株価(左軸)で、赤線が配当利回り(右軸)です。配当利回りは2.0%ぐらいで推移していましたが、2月半ば以降は株価が下がったため、3月23日には配当利回りが3.27%まで上昇しました。現在は株価がコロナ・ショック前を上回り、配当利回りは1.91%です。
現在の【DIA】の株価と配当利回りの関係は?
年間配当額が現在と同じく5.7274ドルで変わらなかったら、配当利回りはどのように変化するでしょうか。下のグラフは年間配当額が現在と同じ5.7274ドルが続いた場合の、配当利回りと株価の相関図です。配当利回りを0.1%ごとに株価を出しました。今後【DIA】を購入しようと考えている人は、目安にしてください。
【DIA】を過去に買っていた場合のYOCは?
過去に【DIA】を買った場合、現在の購入単価当たりの配当利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から5年前までの株価、配当利回り、YOCを見ていきましょう。株価は月末のもので月1回なので、やや大雑把です。下のグラフの黄色の線が、過去に買った場合の、現在の購入単価当たりの配当利回り(YOC)です。
2020年12月22日の終値は300.07ドル、過去1年の配当金額は5.7274ドルなので、現在の配当利回りは1.91%です。過去5年の平均配当利回りは約2.18%です。過去5年で株価は右肩上がりで、増配率もなかなかなので、早い時期に買った方がYOCは上がります。2016年1月に買っていたら、現在YOCは約3.5%になっていました。
【DIA】の今後の配当予想は?
現在の過去1年配当金額(5.7274ドル)と1、3、5、10年前の同時期の過去1年配当金額(5.9509ドル、4.8735ドル、4.062ドル、2.7611ドル)を比較して年間増配率を計算し、それを使って将来の配当金とYOCを予想しました。
YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの配当利回りのことです。【DIA】株を2020年12月22日の終値300.07ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。棒グラフが配当金予想、折れ線グラフがYOC予想です。
年間増配率は過去1年がマイナス3.8%、過去3年が5.5%、過去5年が7.1%、過去10年が7.6%でした。現在の配当利回りは1.91%です。もっとも増配率の低い過去1年のペースだと10年後のYOCは1.3%、20年後のYOCは0.9%になります。もっとも増配率が高い過去10年の増配率を当てはめると10年後のYOCは4.0%、20年後のYOCは8.2%になります。過去1年以外の増配率と同じように推移すれば、将来YOCはまずまず期待できそうです。
【DIA】のセクター別のファンド構成比は?
【DIA】に組み込まれている銘柄のセクター別の組込比率です。情報技術の割合が最も多く、22.1%と全体の約4分の1を占めています。以下、ヘルスケア、資本財、一般消費財、金融と続いています。
【DIA】の上位組込銘柄はどんな会社か?
【DIA】の全30銘柄の主要データです。【DIA】のベンチマークであるNYダウは、修正単純平均を用いており、計算方法は30銘柄の株価を単純に足して、除数で割るだけです。そのため、株価の高い銘柄が、組込比率が高くなります。下の表の「株価」と「構成比」はほぼ比例しています。2020年12月24日現在、組込銘柄の株価に0.022を掛けると、【DIA】における構成比率(%)になります。
過去6カ月の組込比率の推移
最近6カ月間の組込比率の比較です。8月末に3銘柄の変更とアップル【AAPL】の分割が行われましたので、太い線を引いておきました。
まとめ
【DIA】の今回の配当は前年同期比32%減になりました。理由として考えられるのは、8月末に除外された銘柄が配当利回りの高い傾向にあり、それに比べて新加入銘柄は配当利回りが低かったからです。
さらに、ウォルト・ディズニー【DIS】やボーイング【BA】が2020年に入って配当の支払いを停止したことも響いているかもしれません。
1年前と比較して、配当金を払わないor配当利回りの低いハイテク・グロース関連の株価が好調のため、比率が上がったことも要因かもしれません。逆に高配当銘柄は1年前と比べて株価が伸び悩んでいるため、【DIA】内の比率が少なくなり、その結果今回の配当が1年前より減ったとも考えられます。
【DIA】だけでなく、【VOO】や【VTI】など、高配当と無配銘柄が混合している市場全体の指数系ETFは前年同期比でマイナスになっています。ただし、株価が不調と言うわけではないので、あまり気にする必要はないかもしれません。