ウィズダムツリー社のウィズダムツリー 米国株大型株配当ファンド【DLN】が、2021年3月24日に分配金を発表しました。0.2495ドルです。1年前の同期は0.25ドルでしたので、0.2%の減配です。
分配金利回りを過去1年間の分配金額から算出すると、2021年4月9日の終値は117.37ドル、過去1年の分配金額は2.7049ドルなので、利回りは2.30%になります。
※このページでの利回りは過去1年間の分配金をもとに計算します。
基本情報を確認しよう
【DLN】は米国の大型株の中から配当利回りの高い約300銘柄を抽出し、支払った配当額によって比重を決めます。そのため、時価総額が大きく配当利回りの高い銘柄の組込比率が高くなります。
下の表は米国のおもな高配当ETFの基本情報です。【DLN】は毎月分配金が支払われるのが特徴です。利回りは2.3%で、高配当ETFよりは低いですが、市場平均インデックスETFよりは高いです。経費率は0.28%とやや高いです。
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【DLN】の過去の分配金と増配率は?
【DLN】が設定されたのは2006年6月です。下の表は過去の分配金の一覧です。
今回の【DLN】の分配金が増配or減配なのかは、どのデータを比較するかによって異なります。もっともオーソドックスなのは、前年の同期との分配金額の比較です。今回が0.2495ドル、前年の同期が0.25ドルなので0.2%の減配です。また、前年同期との過去1年分配金額の比較では、今回が2.7049ドル、前年の同期が2.7139ドルなので、0.3%の減配となります。
2020年12月は2回分配金が支払われました。背景が黄色になっている部分です。0.36ドル、0.0454ドルなので合わせて0.4054ドルにしました。
※背景が赤になっているのが減配です
【DLN】の年間分配金額と年間増配率は?
【DLN】の分配金を1年ごとにまとめてグラフ化しました。リーマン・ショック以降では、ほとんどの年で前年比プラスです。長期で見ると右肩上がりです。
【DLN】の期別分配金は?
期別の分配金です。当初の分配金の支払いは年4回でした。2012年11月から現在と同じ毎月分配型ETFになりました。同じ月を比較した場合、分配金額にバラつきがあるので、年間トータルで考えた方がいいかもしれません。
【DLN】の過去1年分配金額を棒グラフで確認しよう
過去1年分配金額を棒グラフにして、【DLN】の年末の株価を比較しました。株価と年間の分配金は比較的連動しています。
2020年以降の株価と利回りは?
2020年以降の【DLN】の株価と利回りを見てみましょう。過去1年の年間分配金額から算出しました。青線が株価(左軸)で、赤線が利回り(右軸)です。2020年の年初は利回りが2.5%前後でしたが、2月半ば以降は株価が下がったため、3月23日には利回りは約4.0%まで上昇しました。現在の株価はコロナ・ショック前を上回り、利回りは2.30%です。
現在の【DLN】の株価と利回りの関係は?
年間分配金額が現在と同じく2.7049ドルで変わらなかったら、利回りはどのように変化するでしょうか。下のグラフは年間分配金額が現在と同じ2.7049ドルが続いた場合の、利回りと株価の相関図です。利回りを0.2%ごとに株価を出しました。今後【DLN】を購入しようと考えている人は、目安にしてください。
【DLN】を過去に買っていた場合のYOCは?
過去に【DLN】を買った場合、現在の購入単価当たりの利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から5年前までの株価、利回り、YOCを見ていきましょう。株価は月末のもので月1回なので、ややアバウトです。下のグラフの黄色の線が、過去に買った場合の、現在の購入単価当たりの利回り(YOC)です。
2021年4月9日の終値は117.37ドル、過去1年の分配金額は2.7049ドルなので、現在の利回りは2.30%です。過去5年の平均利回りは約2.63%です。過去5年の株価は右肩上がりで、早い時期に買った方がYOCは上がります。2016年5月に買っていたら、現在YOCは約4.0%になっていました。なお、コロナ・ショック時の2020年3月に買った場合は、YOCは約3.7%になっています。
ライバルETFとトータルリターンを比較する
高配当ETF【VYM】【HDV】【DHS】とトータルリターンを比較します。PORTFOLIO VISUALIZERを使って、2011年4月から2021年3月までの10年間を比べます。
2011年4月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合、2021年3月には【VYM】が3万1200ドル、【DLN】が3万1100ドル、【DHS】は2万6800ドル、【HDV】は2万6500ドルになっていました。【DLN】は【VYM】とリターンがほぼ同じです。
年次リターン
1年ごとでリターンを比較しました。【DLN】は2020年は結構プラスでした。高配当銘柄よりも下落相場では強さを見せています。
過去のトータルリターン
過去3カ月、1、3、5、10年の年平均トータルリターンは以下の通りです。【DLN】は過去3年や5年では【VYM】を上回っています。
過去の分配金はどのくらいか?
2011年4月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合の年間にもらえる分配金の推移です。分配金は再投資します。税金は考慮しません。PORTFOLIO VISUALIZERのデータです。
10年間の分配金の合計は【DHS】が6400ドル、【HDV】が6400ドル、【VYM】が5900ドル、【DLN】が4900ドルドルでした。
【DLN】の今後の分配金予想は?
現在の過去1年分配金額(2.7049ドル)と1、3、5、7年前の同時期の過去1年分配金額(2.7139ドル、2.2197ドル、1.9922ドル、1.6322ドル)を比較して年間増配率を計算し、それを使って将来の分配金とYOCを予想しました。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの分配金利回りのことです。【DLN】株を2021年4月9日の終値117.37ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。
購入金額は1万ドルにします。そうすると、年間分配金額から利回り(YOC)が一瞬で計算できます。たとえば、年間分配金額が300ドルなら利回り(YOC)は3.0%、年間分配金額777ドルなら利回り(YOC)は7.77%になります。
増配率は過去1年がマイナス0.3%、過去3年が6.8%、過去5年が6.3%、過去7年が7.5%でした。現在の分配金利回りは2.30%です。
分配金を再投資しない場合
まずは分配金を再投資しないケースを見てみましょう。税金は考慮しません。現在の利回りが2.30%なので、1年目の年間分配金額は230ドルです。
もっとも増配率の低い過去1年のペースだと5年目の分配金額は227ドル、10年目の分配金額は224ドルになります。もっとも成績の良い過去7年の増配率を当てはめると5年目の分配金額は308ドル、10年目の分配金額は441ドルになりそうです。分配金額441ドルはYOC(購入額に対する利回り)4.41%です。
分配金を再投資する場合
つぎに分配金を再投資するケースを見てみましょう。税金は考慮しません。再投資する場合の分配金額は、現在と10年前の株価を比較して年平均騰落率を計算し、それを使って調整しています。
もっとも増配率の低い過去1年のペースだと5年目の分配金額は248ドル、10年目の分配金額は269ドルになります。もっとも成績の良い過去7年の増配率を当てはめると5年目の分配金額は338ドル、10年目の分配金額は567ドルになりそうです。分配金額567ドルはYOC(購入額に対する利回り)5.67%です。
分配金を再投資する場合(税引き後)
最後に分配金を再投資するケースで、税金を引いた額で計算してみましょう。分配金は28%の税金を引いた72%で計算します。1年目は230ドルではなく、税引き後の278ドルになります。
もっとも増配率の低い過去1年のペースだと5年目の分配金額は174ドル、10年目の分配金額は184ドルになります。もっとも成績の良い過去7年の増配率を当てはめると5年目の分配金額は237ドル、10年目の分配金額は381ドルになりそうです。分配金額381ドルはYOC(購入額に対する利回り)3.81%です。
【DLN】のセクター別のファンド構成比は?
【DLN】に組み込まれている銘柄のセクター別の組込比率です。情報技術の割合が最多で、生活必需品、ヘルスケア、金融と続いています。上位セクターはS&P500【VOO】や連続増配ETF【VIG】と似ていますね。ディフェンス力のある高配当ETFというイメージですね。
【DLN】の上位組込銘柄はどんな会社か?
2021年4月9日の【DLN】の組込比率上位20銘柄です。ベンチマークは、ウィズダムツリー 米国大型株配当インデックス。上位20銘柄で全体の約45%を占めています。構成銘柄数は全部で308銘柄。セクターは生活必需品、ヘルスケア、情報技術が多いですね。トップ20は世界的な有名企業がズラリ勢ぞろいですね。
【DLN】組込上位銘柄は主要ETFには組み込まれているのか?
【DLN】の組込上位20銘柄は、他のETFにどのくらいの割合で組み込まれているのでしょうか? 高配当【VYM】【HDV】【SPYD】、市場全体系【VIG】【VOO】【VTI】【DIA】、ハイテク【QQQ】【VGT】への組込比率(%)をまとめました。
【DLN】の上位銘柄はメジャーなものがほとんどなので、主要ETFの上位銘柄と似ていますね。とくにNYダウ連動ETF【DIA】、高配当の【VYM】とはかなりの数が重なっています。【DLN】との重複率は【VYM】が59%、【VIG】が38%、【DIA】が34%、【HDV】が30%、【SPYD】が18%でした。
※組込比率は、バンガード社のETFは2021年2月末、【SPYD】と【QQQ】は3月12日、【HDV】と【DIA】は3月23日頃、【DLN】は4月9日のデータをもとにしています。バンガードのETFの組込比率が低すぎるものは対象外にしました。【DIA】と【SPYD】の組込比率はそれほど重要ではありません。
まとめ
【DLN】は大型銘柄の中で配当を支払った額の大きい銘柄、つまり利回りと時価総額を掛けた数値の大きい順に銘柄が組み込まれているETFです。S&P500【VOO】から無配銘柄を除き、時価総額加重平均の高配当ETF【VYM】の中間あたりのイメージでしょうか。
なかなか興味深いETFですが、リターンは【VYM】とほぼ同じなので、高配当投資する人にとっては少し利回りが物足りないと感じてしまうかもしれません。
マネックス証券ではウィズダムツリー社をはじめとした9つのETFの購入手数料が実質無料になります。【DLN】はその対象ETFなので実質無料で購入できます。マネックス証券の口座開設はコチラ