バンガード・米国長期債券ETF【BLV】の利回りを不定期のキャピタルゲインを含めるかどうかで比較する

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バンガード・米国長期債券ETF【BLV】が2021年3月31日に配当金を発表しました。0.55756ドルです。今回は通常の分配金0.25636ドルに加え、ロングターム・キャピタルゲイン(LTCG)が0.3012ドルあったので、合計0.55756ドルでした。2021年4月9日の終値は98.85ドル、過去1年配当額は6.306ドルなので、利回りは6.38%になります。ただしこれは、通常分配金とキャピタルゲインも含めて出した数字です。

【BLV】はロングターム・キャピタルゲインやとショートターム・キャピタルゲインを4月と12月に分配する傾向があります。ただし、毎年出しているわけではありません。これらを加えて利回りを計算するかどうかは判断の難しいとこです。

仮に、キャピタルゲインなしで計算すると、過去1年分配金額は3.1358ドルで、2021年4月9日の終値は98.85ドルなので、利回りは3.17%で約半分になります。

今回は、キャピタルゲインを加えて計算する場合と、そうしないケースの両面から、【BLV】の分配金の流れを追っていきます。

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【BLV】の過去の配当金と増配率は?

【BLV】が設定されたのは2007年4月です。下の表は2014年以降の分配金の一覧です。背景が黄色の部分が、通常の配当とは別に、ロングターム・キャピタルゲインやショートターム・キャピタルゲインが出たもので、それらも含めて計算しています。

【BLV】の通常の分配金は0.25~0.30ドルの間で安定しています。ただし最近は0.25ドル近辺と漸減傾向です。

 

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【BLV】の年間配当額と年間増配率は?

2014年以降の【BLV】の配当と増配率を1年ごとにまとめてグラフ化しました。ほぼ横ばいが続いていましたが、2020年は大量のキャピタルゲインが発生したため、前年より79%も増えました。

キャピタルゲインなしの年間配当額と年間増配率は?

こちらはキャピタルゲインを含めず、通常の分配金のみ計算したものです。毎年、ほんのわずかずつ減っていますね。

 

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【BLV】の期別の配当は?

下のグラフは毎月の分配金を1年ごとに積み重ねたものです。12月は翌月の1月分が12月末に支払われるため、2回の支払いとなります。2020年に一気に増えているのがわかりますね。4月と12月のキャピタルゲインのおかげです。とくに2020年12月はキャピタルゲインが2.2869ドルもありましたので、年間配当額は例年の約2倍になりました。

 

キャピタルゲインを分けて考えてみよう

今度は毎月の分配金を、通常分配金とキャピタルゲイン(CP)に分けて表示します。キャピタルゲインは4月と12月に支払われています。そこで、4月のキャピタルゲインを、12月のキャピタルゲインを濃い灰色にして、棒グラフの一番上にもってきました。

キャピタルゲインを除いて考えると、分配金はほぼ一定だというのが一目瞭然ですね。キャピタルゲインは2020年の12月が飛び抜けて多く、2020年4月と今回の2021年4月も結構多いですね。

 

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2015年以降の配当利回りは?

2015年以降の【BLV】の株価と配当利回り、キャピタルゲインを入れないで計算した利回りを見てみましょう。利回りは過去1年の年間配当金額から算出しました。青線が株価(左軸)、赤線が利回り(右軸)、黄線がキャピタルゲインを入れない利回り(右軸)です。

利回りは4%前後で推移していましたが、2019年1月以降は株価が上昇していますので、最近は3%台に減りました。キャピタルゲインを含めないで計算すると、現在の利回りは3.2%ほどです。

 

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【BLV】はどんな債券ETFなのか?

【BLV】のベンチマークは、残存期間が10年超の米国債、政府機関債、社債および米国政府が保証する米国外の発行体による米ドル建て債券をカバーする、バークレイズ米国政府/クレジット浮動調整(10年超)インデックスです。経費率は年0.05%。構成債権銘柄数は2683と広く分散されています。

 

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【BLV】の格付け別の比率は?

【BLV】の中身は信用格付けの高いものが多いです。総合債券【BND】や短期債券【BSV】と比べると、やや格付けが下がります。利回りが高くなれば、信用格付けが低くなる傾向ですね。Yahoo! financeのデータです。

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【BLV】のリターンや値動きは?

【BLV】は残存期間の長い長期債券なので、値動きは結構激しいです。総合債券【BND】や短期債券【BSV】と比べると、ボラティリティにかなり差があります。【LQD】や【JNK】に近いですね。それにしても、ここ数カ月で【BLV】はかなり株価が下落しました。ETFreplay.comのデータです。

 

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過去10年間の分配金はどのくらいか?

2011年4月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合の年間にもらえる分配金の推移です。分配金は再投資します。税金は考慮しません。PORTFOLIO VISUALIZERのデータです。

10年間の分配金の合計は【JNK】が7500ドル、【PFF】が7400ドル、【BLV】が6700ドル、【LQD】が4500ドル、【BND】が3100ドルでした。

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まとめ

債券は定期的に満期を迎えるため、運用者は株式と同じようにタックス・ロス・ハーベスト戦略を利用することができません。また、債券ETFは、所定のデュレーションや満期の範囲を維持するため、年間を通じて売買しければなりません。そのため、ほぼ毎年キャピタルゲインを分配することになりそうです。

【BLV】の利回りを考える場合、不定期のキャピタルゲインも含めて計算してもいいと思います。ただし、2020年12月のような大量な額の場合は判断が難しくなります。