バンガード米国増配株式ETF【VIG】が2021年3月の分配金0.5131ドルを発表。前年同期から8.2%の増配

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バンガード社のバンガード米国増配株式ETF【VIG】が、2021年3月18日に分配金を発表しました。0.5131ドルです。1年前の同期は0.474ドルでしたので、1年前の同期から8.2%の増配です。

利回りを過去1年間の分配金額から算出すると、2021年3月19日の終値は144.1ドル、過去1年の分配金額は2.3356ドルなので、利回りは1.62%になります。

※このページでの利回りは過去1年間の分配金をもとに計算します。

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基本情報を確認しよう

【VIG】は財務が健全で10年以上連続して増配の実績がある銘柄を、時価総額加重平均方式で組み入れています。ベンチマークは、NASDAQ US ディビデンド・アチーバーズ・セレクト・インデックス。

【VIG】と米国の(ほぼ)市場全体をターゲットにしている主要ETF、S&P500ETF【VOO】、NYダウ連動ETF【DIA】、全米ETF【VTI】と比較します。利回りは【DIA】がもっとも高く、【VIG】は2番目ですね。運用総額は【VTI】と【VOO】が抜きんでています。

 

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【VIG】の過去の分配金と増配率は?

【VIG】が設定されたのは2006年4月です。下の表は過去の分配金の一覧です。

今回の【VIG】の分配金が増配or減配なのかは、どのデータを比較するかによって異なります。もっともオーソドックスなのは、前年の同期との分配金額の比較です。今回が0.5131ドル、前年の同期が0.474ドルなので8.2%増配になります。また、前年同期との過去1年分配金額の比較では、今回が2.3356ドル、前年の同期が2.0982ドルなので、11.3%増配となります。

※背景がになっているのが減配です

【VIG】の年間分配金額と年間増配率は?

【VIG】の分配金を1年ごとにまとめてグラフ化しました。着実に増やしている印象です。

【VIG】の期別分配金は?

期別の分配金を見比べると、前年同期と比べて大きく減らしたことがほとんどないですね。安定しているといえます。

【VIG】の過去1年分配金額を棒グラフで確認しよう

過去1年分配金額を棒グラフにして、【VIG】の株価と比較しました。過去1年分配金額の伸びと株価の動きは、ある程度連動しています。

【VIG】の分配金額を棒グラフで確認しよう

こちらは期ごとの分配金額を株価と比較したものです。デコボコしていますが、順調に伸びています。12月の分配金が多い傾向ですね。

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2020年以降の利回りは?

2020年以降の【VIG】の株価と利回りを見てみましょう。過去1年の年間分配金額から算出しました。青線が株価(左軸)で、赤線が利回り(右軸)です。2020年の年初は利回りは1.7%前後で推移していましたが、2月半ば以降は株価が下がったため、3月23日には利回りが約2.4%まで上昇しました。現在の株価はコロナ・ショック以前を上回り、利回りは1.62%です。

 

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現在の【VIG】の株価と利回りの関係は?

年間分配金額が現在と同じく2.3356ドルで変わらなかったら、利回りはどのように変化するでしょうか。下のグラフは年間分配金額が現在と同じ2.3356ドルが続いた場合の、利回りと株価の相関図です。利回りを0.1%ごとに株価を出しました。今後【VIG】を購入しようと考えている人は、目安にしてください。

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【VIG】を過去に買っていた場合のYOCは?

過去に【VIG】を買った場合、現在の購入単価当たりの利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から5年前までの株価、利回り、YOCを見ていきましょう。株価は月末のもので月1回なので、ややアバウトです。

2021年3月19日の終値は140.1ドル、過去1年の分配金額は2.3356ドルなので、現在の利回りは1.62%です。過去5年の平均利回りは約1.90%です。過去5年で株価は右肩上がりで、増配もしていますので、早い時期に買った方がYOCは上がります。2016年4月に買っていたら、現在YOCは約2.9%になっていました。

 

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ライバルETFとトータルリターンを比較する

S&P500ETF【VOO】、ニューヨークダウ連動ETF【DIA】、全米ETF【VTI】とトータルリターンを比較します。2011年3月から2021年2月までの10年を比べます。

2011年3月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合、2021年2月には【VTI】が3万5200ドル、【VOO】が3万5000ドル、【DIA】は3万1800ドル、【VIG】は3万1000ドルになっていました。チャートもリターンも4つとも似ていますが、【VTI】と【VOO】がやや優勢です。

 

過去3カ月、1、3、5、10年の年平均トータルリターンは以下の通りです。過去1年は【VTI】と【VOO】が好調で、結構差がつきました。過去3、5、10年のリターンは似ています。

過去の分配金はどのくらいか?

2011年3月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合の年間でもらえる分配金の推移です。分配金は再投資します。税金は考慮しません。

4つのETFともに似たような伸び具合ですね。【DIA】がやや優勢です。【VIG】は2020年は507ドルになりました。つまり10年前に【VIG】を購入して再投資し続ければYOCが5.07%になったはずです。

 

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【VIG】の今後の分配金予想は?

現在の過去1年分配金額(2.3356ドル)と1、3、5、10年前の同時期の過去1年分配金額(2.0982ドル、1.8908ドル、1.77ドル、1.095ドル)を比較して年間増配率を計算し、それを使って将来の分配金とYOCを予想します。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの利回りのことです。【VIG】株を2021年3月19日の終値144.1ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。

購入金額は1万ドルにします。そうすると、年間分配金額から利回り(YOC)が一瞬で計算できます。たとえば、年間分配金額が300ドルなら利回り(YOC)は3.0%、年間分配金777ドルなら利回り(YOC)は7.77%になります。

年間増配率は過去1年が11.3%、過去3年が7.3%、過去5年が5.7%、過去10年が7.9%でした。現在の利回りは1.62%です。

分配金を再投資しない場合

まずは分配金を再投資しないケースを見てみましょう。税金は考慮しません。現在の利回りが1.62%なので、年間分配金額は162ドルです。

もっとも増配率の低い過去5年のペースだと5年目の分配金額は202ドル、10年目の分配金額は267ドルになります。もっとも成績の良い過去1年の増配率を当てはめると5年目の分配金額は249ドル、10年目の分配金額は425ドルになりそうです。分配金額425ドルはYOC(購入額に対する利回り)4.25%です。

 

分配金を再投資する場合

つぎに分配金を年1回再投資するケースを見てみましょう。税金は考慮しません。再投資する場合の分配金額は、現在と10年前の株価を比較して年平均騰落率を計算し、それを使って調整します。

もっとも増配率の低い過去5年のペースだと5年目の分配金額は215ドル、10年目の分配金額は307ドルになります。もっとも成績の良い過去1年の増配率を当てはめると5年目の分配金額は266ドル、10年目の分配金額は506ドルになりそうです。分配金額506ドルはYOC(購入額に対する利回り)5.06%です。

 

分配金を再投資する場合(税引き後)

最後に分配金を再投資するケースで、税金を引いた額で計算してみましょう。分配金は28%の税金を引いた72%で計算します。1年目は162ドルではなく、税引き後の117ドルになります。

もっとも増配率の低い過去5年のペースだと5年目の分配金額は152ドル、10年目の分配金額は213ドルになります。もっとも成績の良い過去1年の増配率を当てはめると5年目の分配金額は188ドル、10年目の分配金額は347ドルになりそうです。分配金額347ドルはYOC(購入額に対する利回り)3.47%です。

 

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【VIG】のセクター別のファンド構成比は?

【VIG】に組み込まれている銘柄のセクター別の組込比率です。バンガードの公式サイトではICB(Industry Classification Benchmark)で分類されていますので、これをGICS(Global Industry Classification Standard)に変換しました。情報技術の割合が最も多く、ヘルスケア、資本財、生活必需品と続いています。最近は生活必需品の比率が最近少し減っていますね。

 

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【VIG】の上位組込銘柄はどんな会社か?

【VIG】の組込比率1%以上の上位29銘柄です。ベンチマークは、NASDAQ USディビデンド・アチーバーズ・セレクト・インデックス。財務が健全かつ増配実績のある大型株を組み入れています。上位29銘柄で全体の64.1%を占めており、それなりに集中投資と言えそうです。ちなみに構成銘柄数は全部で212です。

 

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上位組込銘柄の推移は?

2020年4月以降の組込比率1%以上銘柄の推移です。2カ月前との比較では、プロクター・アンド・ギャンブル【PG】、ウォルマート【WMT】が比率を下げています。比率を上げたのはマイクロソフト【MSFT】、ウォルト・ディズニー【DIS】、アボット・ラボラトリーズ【ABT】などです。

 

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【VIG】上位20銘柄は主要ETFには組み込まれているのか?

【VIG】の組込比率上位20銘柄は、他のETFにどのくらいの割合で組み込まれているのでしょうか? 高配当、市場全体、ハイテクの主要9ETFへの組込比率(%)をまとめました。背景色のオレンジ色が濃いほど、比率が高いことを意味しています。

【VIG】の組込上位8銘柄は【DIA】にも含まれています。財務が健全な銘柄の集まりという意味では、この2つのETFは似ています。

【VIG】と【SPYD】はまったく重複していません。上位銘柄だけではなく、全組込銘柄でも重なっていません。分散投資するなら、この2つを保有する方法はおもしろいかもしれません。【VIG】はある程度財務が健全な銘柄が対象なので、【SPYD】に組み込まれている銘柄は財務が不健全という見方もできます。それゆえ高配当になるわけですね。

※組込比率は、バンガード社のETFは2021年2月末、その他のETFは3月12日のデータをもとにしています。バンガードのETFの組込比率が低すぎるものは対象外にしました。【DIA】と【SPYD】の組込比率はそれほど重要ではありません。

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まとめ

【VIG】の分配金は今回も堅実でした。期待を裏切ることの少ないETFですね。買う銘柄に迷ったときに、とりあえず買う候補として頭の片隅に置いておくのもいいかもしれません。

なお、例年通りだと、次回は6月21日が権利落ち予定日なので、その前日までに購入すれば分配金をもらえます。