ステート・ストリート社のSPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF【SPYD】の組込銘柄数が、ここ2カ月で80から70に減少しました。どの銘柄がなくなったのか。そして残っている銘柄すべての増配・減配情報、今後の可能性について調べて明らかにします。
【SPYD】の組込銘柄から除外されたものは?
下の円グラフはコロナ・ショック直前の2020年2月21日頃の【SPYD】に組み込まれている全80銘柄です。2020年5月8日時点で組み入れ銘柄から外されたものは、ティカーを赤色で囲みました。
組込銘柄から除外されたのは全部で10銘柄。エネルギーが1銘柄で、アパッチ【APA】。一般消費財が9銘柄でカーニバル【CCL】、フォード・モーターズ【F】、ギャップ【GPS】、ノードストローム【JWN】、コールズ【KSS】、エル・ブランス【LB】、ラスベガス・サンズ【LVS】、メーシーズ【M】、タペストリー【TPR】です。
これらの銘柄は株価が暴落しており、大幅な減配や配当カットを宣言しています。
2月後半以降のセクター比率の変化は?
【SPYD】に組み込まれている銘柄のセクターの占める割合を、暴落直前の2020年2月21日、暴落後の3月19日、そして5月8日で比較しました。セクター別でみると、一般消費財は2月から3月にかけて17.5%から14.7%に縮小しました、さらに今回は6.4%まで減りました。14銘柄あったものが5銘柄になったので、割合は減りますよね。
エネルギーの割合は2月から3月にかけて13.4%から9.1%に減らしましたが、5月には12.4%まで戻しました。さすがに売られすぎていたようです。生活必需品とヘルスケアの割合は前回に引き続き増えています。
【SPYD】全70銘柄のコロナ・ショック後の増配・減配状況は?
【SPYD】の組込銘柄全70銘柄の現在の増配・減配状況です。並び順は2~3月のセクター騰落率順です。
右端の「増減配状況」に注目してください。すでに減配が決まった銘柄は赤字にしました。【CNP】【WRK】【KIM】【WELL】【IVZ】【HOG】【OXY】【SLB】です。8銘柄もあります。減配が決まった銘柄は、すぐに【SPYD】から除外されるわけではないようです。
株価が大幅下落した3月以降に配当金が決定した銘柄は「OK」と表記しました。それ以外の銘柄は、昨年のデータをもとにした直近の配当決定日です。素材、不動産、一般消費財などは、もう少し減配銘柄が増える可能性はありますね。
除外銘柄、減配銘柄と騰落率の関係を調べる
下のグラフは【SPYD】組込銘柄ごと騰落率です。株価が急降下した2020年2月21日と3月21日を比較しました。表の右端に、5月8日の時点で【SPYD】から除外されたものと、減配があったものを記入しました。騰落率の悪いものほど【SPYD】から除外されていたり、その後、減配になることが伺えます。
まとめ
いかがでしたか? 除外&減配ラッシュで、次回以降の配当は下がりそうです。例年だと6月半ばごろに配当額が決まり、その数日後が配当落ちです。
【SPYD】は年2回、銘柄を組み換えています。次回は7月の予定です。大幅に変更になりそうですが、その前に減配銘柄を除外するかもしれませんね。
【SPYD】の直近1年間の配当額は1.803ドルで、現在の株価は26.7ドルなので、配当利回りは6.75%です。ただこれを額面通りに受け取らない方がいいかもしれません。除外された銘柄や減配銘柄、今後減配される銘柄を加味すると、今後の配当利回りはもう少し低くなりそうですね。
元々【SPYD】の配当利回りは4.5%前後でした。コロナ・ショックで株価が下がったことで配当利回りが上がっただけですので、今後配当金が下がることで、以前の配当利回りぐらいになる可能性がありそうですね。