米国高配当ETF【SPYD】(SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF)が2021年12月の分配金を発表。0.1276ドル。前年同期から79%減!

ステート・ストリート社のSPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF【SPYD】が、2021年12月16日に分配金を発表しました。0.1276(厳密には0.127557ドル)です。1年前の同期は0.6066ドルでしたので、1年前の同期から79.0%減です。

2021年12月16日の終値は41.43ドル、過去1年の分配金額は1.5492ドルなので、分配金利回りを過去1年間の分配金額から算出すると利回りは3.74%になります。

※このページでの利回りは過去1年間の分配金をもとに計算します。

 

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基本情報を確認しよう

【SPYD】はS&P500の中から高配当80銘柄を1月と7月の年2回均等に組み入れています。

【SPYD】と米国の高配当ETF【VYM】【HDV】【DVY】を比較してみましょう。

経費率は【DVY】が少し高いです。利回りは、【SPYD】が約5%ほどで頭一つ抜けていましたが、今回の分配金発表で3.7%ほどに下がってしまいました。運用総額や組込銘柄数は【VYM】が多いです。

 

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【SPYD】のセクター別の構成比は?

【SPYD】に組み込まれている銘柄のセクター別の組込比率の推移です。GICS(Global Industry Classification Standard)による分類です。

2021年7月末に銘柄入れ替えが行われました。現在は公益事業と金融の割合がほぼ同じで最も多く、不動産、エネルギーと続いています。資本財はありません。公益事業、金融、不動産の3セクターで約52%とほぼ半数を占めています。

【SPYD】とライバルETFのセクター比率は?

【SPYD】とライバルの高配当ETF【VYM】【DVY】に組み込まれている銘柄のセクター比率を比べましょう。

【SPYD】は公益事業、金融、不動産の3セクターで約52%と約半数を占めています。

【SPYD】と上位セクターが似ているのは【DVY】です。どちらも金融、公益事業、エネルギー、生活必需品が上位です。また、不動産がそれなりに組み込まれているのは【SPYD】だけです。

【HDV】はヘルスケアが多いですね。高配当ETFでヘルスケア・セクターが多いのは珍しいです。

【HDV】以外は金融が多いです。

生活必需品、ヘルスケア、情報技術の3セクターは、近年は不景気に強い傾向があります。【HDV】【VYM】はこの3セクターが多く組み込まれており、【SPYD】【DVY】は少ないですね。

 

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【SPYD】の上位組込銘柄はどんな会社か?

【SPYD】の組込比率上位20銘柄です。上位20銘柄のセクターの中で金融が7銘柄で最多です。時価総額が1000億ドルを超えている超巨大企業は、1位のファイザー【PFE】、2位のブロードコム【AVGO】、12位のシェブロン【CVX】の3銘柄だけです。S&P500の中では、比較的規模の小さな会社が組み込まれています。

【SPYD】は1月と7月に銘柄の入れ替えが行われ、均等組み入れとなります。その後、株価が上昇した銘柄が、構成比率が高くなります。ただし、株価が上昇したというのは、利回りが下がることを意味します。そのため、現在の組込上位銘柄は、次回2022年1月の銘柄入れ替えで除外される可能性があります。

 

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過去の組込比率上位20銘柄の比較

上位順位20銘柄の推移です。【SPYD】は毎年1月と7月に銘柄の入れ替えがあります。下の表で銘柄の入れ替えのあったところは、黒い太線を引きました。半年に1回の均等組み入れなので、上位銘柄はコロコロ変わります。3カ月前の2021年9月15日と比べると、組込上位銘柄の構成比率が上がっています。

ちなみに、2020年7月27日は銘柄入れ替えの直前ですが、上位組込銘柄の構成比が2%を超えており、かなり高いです。これは、コロナ・ショックの影響で、2020年5~7月にかけて19銘柄が配当を維持できなくなったために除外されたからです。全組込銘柄数が80銘柄から61銘柄に減ったため、1つの銘柄の比率が高くなったわけです。かなりのレアケースですね。

 

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【SPYD】上位20銘柄は主要ETFには組み込まれているのか?

【SPYD】の組込比率上位20銘柄は、他のETFにどのくらいの割合で組み込まれているのでしょうか? 高配当【SPYD】【HDV】【DVY】【VYM】、連続増配【SDY】【VIG】、市場全体【DIA】【VOO】【VTI】、ハイテク・グロース系【QQQ】【VUG】【VGT】の主要12ETFへの組込比率(%)をまとめました。

背景色のオレンジ色が濃いほど、組込比率が高いことを意味しています。

【SPYD】上位銘柄は【DVY】に比較的組み込まれています。この2ETFの重複率は50%を超えており、ほぼ半分が同じ銘柄です。

【VYM】の中には【SPYD】構成銘柄が約8割も組み込まれていますが、【SPYD】の中には【VYM】構成銘柄はあまりありません。

連続増配【VIG】やハイテク・グロース系ETF【VUG】【QQQ】【VGT】とはほとんど重複していません。

※組込比率は、バンガード社のETFは2021年11月末、その他のETFは12月15日のデータをもとにしています。【DIA】は株価の高い銘柄が比率が高くなり、【SPYD】は均等平均加重組入なので、これらのETFの組込比率はあまり重要ではありません。

主要ETFの並び順は基本的に左端が最も利回りが高く、右に行くにつれて下がっていきます。ただし、【VGT】は少し毛色が異なるセクターETFなので、右端にしました。主要ETFのティッカー・コードの下の数字は12月16日の利回り(%)です。

一番下のETF同士の比率は「etfrc.com」のデータです。

 

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【SPYD】の過去の分配金と増配率は?

【SPYD】が設定されたのは2015年10月です。下の表は過去の分配金の一覧です。

今回の【SPYD】の分配金が増配or減配なのかは、どのデータを比較するかによって異なります。もっともオーソドックスなのは、前年の同期との分配金額の比較です。今回が0.1276ドル、前年の同期が0.6066ドルなので79.0%の減配になります。また、前年同期との過去1年分配金額の比較では、今回が1.5492ドル、前年の同期が1.6321ドルなので、5.1%の減配となります。

※背景がになっているのが減配です

2017年12月は通常の分配金が0.399ドル、特別分配金が0.3133ドルでしたが、すべて含めて0.7123ドルにしました

【SPYD】の期別分配金は?

コロナ・ショックのダメージを受けたのは、2020年6月と9月です。今回2021年12月の0.1276ドルは、1年前と比べて大幅に減っています。設定以来、最も低い金額ですね。

【SPYD】の年間分配金額と株価は?

【SPYD】の分配金を1年ごとにまとめてグラフ化しました。2016年以降はほぼ横ばいです。

【SPYD】の分配金額を棒グラフで確認しよう

期ごとの分配金を株価と比較したものです。最近の分配金は、2020年12月と2021年3月が突出しています。今回2021年12月の少なさが際立っています。

【SPYD】の過去1年分配金額を棒グラフで確認しよう

過去1年分配金額を棒グラフにして、株価と比較しました。過去1年分配金額は、株価と結構連動していました。それも前回2021年9月までの話です。

 

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【SPYD】の年間増配率は?

年間増配率はどうでしょうか? 最初に分配金が支払われたのが2015年の12月なので、データは2017年からです。横ばいか、やや減少傾向です。

 

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2020年以降の株価と利回りは?

2020年以降の【SPYD】の株価と利回りを見てみましょう。過去1年の年間分配金額から算出しました。青線が株価(左軸)で、赤線が利回り(右軸)です。2020年当初の利回りは4.5%前後で推移していましたが、2月半ば以降は株価が下がったため、3月23日には利回りが8.5%まで上昇しました。その後の利回りは4.5~5.0%ぐらいでしたが、2021年12月の分配金が大幅に減ったため、3.74%まで下がりました。

利回りや分配金は妥当か?

公式サイトに掲載されている利回りについてです。一番右の「インデックスの配当利回り(Index Dividend Yield)」は、組込銘柄から算出した利回りです。4.05%とあります。

右から2番目の「ファンドの利回り(Fund Distribution Yield)」は過去1年分配金から算出した利回りです。こちらは3.80%です。

過去1年の分配金額という視点で考えれば、いずれのデータも妥当な数値ですね。

組込銘柄から【SPYD】の利回りを考える

【SPYD】はS&P500の中から(ほぼ)利回りの高い80社を選んでいます。そこで、「marketchameleon」というサイトで【SPYD】の組込銘柄を利回りの高い順に並び替えました。

画像の赤い数字は利回りの高い順番です。ちょうど真ん中の40番目は【ETR】(エンタジー)という銘柄で、利回りは3.7%! 2021年12月の減配発表後の【SPYD】の年間分配金から算出した利回りとほぼ同じです。

S&P500から【SPYD】の利回りを考える

つぎに、現在のS&P500の40番目(つまりSPYDの真ん中ぐらい)の利回りはどれくらいかをチェックしましょう。

「finviz」というサイトを使用しました。S&P500の利回りの40番目は【NEM】(ニューモント)という銘柄で、利回り3.73%!。こちらも2021年12月の減配発表後の【SPYD】の年間分配金から算出した利回りとほぼ同じです。

 

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現在の【SPYD】の株価と利回りの関係は?

年間分配金額が現在と同じく1.5492ドルで変わらなかったら、利回りはどのように変化するでしょうか。下のグラフは年間分配金額が現在と同じ1.5492ドルが続いた場合の、利回りと株価の相関図です。利回りを0.2%ごとに株価を出しました。今後、【SPYD】を購入しようと考えている人は、目安にしてください。

 

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過去の利回り、株価、YOCは?

過去に【SPYD】を買った場合、現在の購入単価当たりの利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 株価、利回り、YOCを見ていきましょう。株価は月末のもので月1回なので、ややアバウトです。

下のグラフの黄色の線が、過去に買った場合の、現在の購入単価当たりの利回り(YOC)です。この線が左肩上がりの場合は、株価好調&増配傾向にあるといえます。

2021年12月16日の終値は41.43ドル、過去1年の分配金額は1.5492ドルなので、現在の利回りは3.74%です。過去6年2カ月の平均利回りは約4.8%です。

利回りは安定しないですね。過去のデータからは、5%前後なら買いと言えそうです。

コロナ・ショックで大幅に株価が下がった2020年3月頃を除くと、長期的な株価は緩やかな右肩上がりですが、分配金はわずかに減少傾向なので、YOCは利回りとあまり変わりません。2016年1月頃に買っていればYOCは約5.4%でした。コロナ・ショック時の2020年3月頃に購入しているとYOCは6.3%前後まで上がっています。

ちなみに利回りは過去1年の分配金から算出しているので、設定から11カ月は出ません。そのため、上のグラフの左端の利回りはありません。

 

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ライバルETFとトータルリターンを比較する

【SPYD】とライバルの高配当ETF【VYM】【HDV】【DVY】とトータルリターンを比較します。PORTFOLIO VISUALIZERを使って、2015年12月から2021年11月までの6年間を比べます。

2015年12月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合、2021年11月には【VYM】が1万8800ドル、【DVY】が1万8400ドル、【SPYD】が1万7200ドル、【HDV】が1万5800ドルになっていまた。【SPYD】はコロナ・ショック後に回復し始めたのは遅かったですが、その後の伸びはなかなかです。

危険度はどのくらいか?

ETFの安定度を比べてみましょう。最大ドローダウンは、計測期間における最大下落率です。マイナスの数値が小さいほど最大下落率が低いです。

シャープレシオとは、同じリスクを取った場合のリターンの比較です。「(ファンドのリターン?無リスク資産のリターン)÷標準偏差」の値です。一概には言えませんが、1を超えていれば優秀です。

ソルティノレシオはシャープレシオの改良版で、相場が軟調の際の成績を示しています。「(ファンドのリターン-無リスク資産のリターン)÷下方偏差」で計算します。

【SPYD】は最大ドローダウンはよくないですね。この中では【VYM】が安定が目立ちます。

過去の分配金はどのくらいか?

2015年12月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合の年間でもらえる分配金の推移です。分配金は再投資します。税金は考慮しません。PORTFOLIO VISUALIZERのデータです。

6年間の配当金の合計は【SPYD】が3500ドル、【DVY】【HDV】が2800ドル、【VYM】が2500ドルでした。現在の利回りの高さと分配金額は、だいたい比例しています。

このデータは2021年11月までなので、今回の【SPYD】減配が発表される前のものですが、すでに2021年の【SPYD】の分配金は残りの3つと比べて少ないですね。

 

ちなみにPORTFOLIO VISUALIZERでは、2021年4月以降でバックテストをすると、【SPYD】のインカム(分配金)はゼロになります。

主要ETFとのトータルリターン比較

高配当【SPYD】【HDV】【DVY】【VYM】、連続増配【SDY】【VIG】【DGRW】【RDVY】、インデックス【DIA】【VOO】【VTI】の過去1、3、5、7、10年のトータルリターンを比較しました。現在の利回りは紫の★です。

過去10年のリターン(年平均)は【VOO】が16.5%、【VTI】が16.3%、【VIG】が14.4%、【SDY】は13.3%、【VYM】は13.0%でした。

利回りの低いほど、リターンがいいですね。【SPYD】の過去5年リターンは【HDV】と同じぐらいで、【VYM】【DVY】【SDY】には劣っています。

 

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主要ETFと増配率を比較する

高配当【SPYD】【HDV】【DVY】【VYM】、連続増配【SDY】【VIG】、インデックス【DIA】【VOO】【VTI】の過去の増配率を比較しました。

どの期間も素晴らしいのが【VIG】です。【SDY】は過去1年と3年が好調です。【VYM】【VOO】【VTI】は過去10年が8%以上といいですね。【DVY】はどの期間も安定しています。【SPYD】は直近の分配金が悪かった影響でよくないです。【HDV】は過去1年が冴えなかったので、このデータは今ひとつです。

 

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【SPYD】の今後のYOC予想は?

現在の過去1年分配金額(1.5492ドル)と1、2、3、5年前の同時期の過去1年分配金額(1.6321ドル、1.7463ドル、1.619ドル、1.5139ドル)を比較して年間増配率を計算し、それを使って将来YOCを予想します。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの利回りのことです。【SPYD】株を2021年12月16日の終値41.43ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。

年間増配率は過去1年がマイナス5.1%、過去2年がマイナス5.8%、過去3年がマイナス1.5%、過去5年が0.5%でした。現在の利回りは3.74%です。

・分配金を再投資しない ・分配金を再投資しない(税引き後) ・分配金を再投資する ・分配金を再投資する(税引き後)4パターンで検証します

分配金を再投資しない場合のYOC

まずは分配金を再投資しない場合のYOCを見てみましょう。税金は考慮しません。スタート年は、現在の利回りの3.74%です。

もっとも増配率の低い過去2年の増配率(マイナス5.8%)で推移すると、5年後のYOCは2.77%、10年後のYOCは2.05%になります。もっとも成績の良い過去5年(0.5%)で推移すると5年後のYOCは3.83%、10年後のYOCは3.92%です。

分配金を再投資しない場合(税引き後)のYOC

次に分配金を再投資しないケースで、税金を引いた場合のYOCをチェックしましょう。分配金は約28%の税金を引いた72%が支払われます。スタート年のYOCは3.74%ではなく、税引き後の2.69%になります。

もっとも増配率の低い過去2年の増配率(マイナス5.8%)で推移すると、5年後のYOCは2.00%、10年後のYOCは1.48%になります。もっとも成績の良い過去5年(0.5%)で推移すると5年後のYOCは2.76%、10年後のYOCは2.82%です。

分配金を再投資する場合のYOC

それでは分配金を年1回再投資する場合のYOCを見てみましょう。税金は考慮しません。再投資する分配金額は、現在と5年前の株価を比較して年平均騰落率を計算し、それを使って調整します。

もっとも増配率の低い過去2年の増配率(マイナス5.8%)で推移すると、5年後のYOCは3.25%、10年後のYOCは2.71%になります。もっとも成績の良い過去5年(0.5%)で推移すると5年後のYOCは4.58%、10年後のYOCは5.62%です。

分配金を再投資する場合(税引き後)のYOC

最後に分配金を再投資するケースで、税金を引いた場合のYOCをチェックしましょう。分配金は約28%の税金を引いた72%が支払われます。スタート年のYOCは3.74%ではなく、税引き後の2.69%になります。

もっとも増配率の低い過去2年の増配率(マイナス5.8%)で推移すると、5年後のYOCは2.24%、10年後のYOCは1.81%になります。もっとも成績の良い過去5年(0.5%)で推移すると5年後のYOCは3.14%、10年後のYOCは3.66%です。

 

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まとめ

今回の分配金0.1276ドルは、かなり少なかったです。組込銘柄の減配や、それに伴う削除銘柄はなかったので意外です。

株価が上がりすぎていたので、利回りが下がって分配金が減った可能性はありますが、それにしても減りすぎですね。

1年トータルの分配金は1.5492ドルです。最近4年間は1.6~1.75ドルだったので、それと比較すると5~10%ぐらいの少ないとも言えます。