ナスダック100連動ETF【QQQ】が2021年9月の分配金を発表。0.4139ドル。対前年同期6.6%増

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インベスコ QQQ 信託シリーズ1【QQQ】が、2021年9月21日に分配金を発表しました。0.4139ドルです。1年前の同期は0.3882ドルでしたので、1年前の同期との比較では6.6%増です。

利回りを過去1年間の分配金額から算出すると、2021年9月24日の終値は373.33ドル、過去1年の分配金額は1.7667ドルなので、利回りは0.47%になります。

※このページでの利回りは過去1年間の分配金をもとに計算します。

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基本情報を確認しよう

【QQQ】はナスダックに上場している時価総額上位100銘柄ほどが対象のETFです。時価総額加重方式で組み込まれています。米国のハイテク・グロース系の銘柄の大部分が組み込まれており、最近10年のリターンは素晴らしいです。

下の表は米国ハイテク・グロースの代表的なETFの基本情報です。成長株が多いため、利回りはいずれも1%を切っています。運用会社は【QQQ】がインベスコで、【VUG】と【VGT】はバンガード、【XLK】はステートストリートです。運用総額は【QQQ】が21.5兆円と多く、残りの3つも5兆円を超えており、かなり売れています。経費率は【QQQ】が0.2%と少し高いですね。

 

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【QQQ】のセクター別のファンド構成比は?

【QQQ】に組み込まれている銘柄のセクター別の組込比率です。GICS(Global Industry Classification Standard)で分類されています。情報技術の割合が圧倒的に多く50%弱です。一般消費財と通信サービスは20%弱。ヘルスケア、生活必需品、資本財、公益事業が少し組み込まれています。

3カ月前との比較では、ほとんど変化はありません。

 

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【QQQ】の上位組込銘柄はどんな会社か?

【QQQ】の組込比率1%以上の上位23銘柄です。ベンチマークはナスダック100指数で、ナスダック市場に上場している時価総額上位100銘柄の時価総額加重平均によって算出しています。ただし、金融は除いています。上位23銘柄で、全体の約71%を占めています。2021年9月24日のデータです。

 

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2020年5月以降の上位組込銘柄の推移

2020年5月以降の組込比率1%以上の銘柄の推移です。この1年ではあまり変化はありませんが、2020年中ごろと比較すると、上位3銘柄アップル【AAPL】、マイクロソフト【MSFT】、アマゾン【AMZN】が比率を下げています。あと、テスラ【TSLA】の比率と順位が安定しません。

 

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【QQQ】上位20銘柄は主要ETFには組み込まれているのか?

【QQQ】の組込比率上位20銘柄は、他のETFにどのくらいの割合で組み込まれているのでしょうか? 高配当【SPYD】【HDV】【DVY】【VYM】、連続増配【SDY】【VIG】、市場全体【DIA】【VOO】【VTI】、ハイテク・グロース系【QQQ】【VUG】【VGT】の主要12ETFへの組込比率(%)をまとめました。

背景色のオレンジ色が濃いほど、組込比率が高いことを意味しています。

【QQQ】との重複率は【SPYD】が3%、【HDV】8%、【DVY】が3%、【VYM】15%、【SDY】3%、【VIG】が19%、【DIA】は13%、【VOO】が42%、【VTI】36%、【VUG】62%、【VGT】47%です。

【QQQ】の上位10銘柄は【VOO】【VTI】【VUG】にすべて組み込まれています。いわゆる「GAFAMテスラエヌペイアド」です。そういう呼び名があるかは存じませんが。

【VGT】は情報技術セクターETFのため、【QQQ】の上位陣はあまり含まれていません。【QQQ】の上位10銘柄のうち、【VGT】に入っているのは5銘柄ですね。

※組込比率は、バンガード社のETFは2021年8月末、【HDV】【DVY】【QQQ】は9月22~24日、その他のETFは9月14日頃のデータをもとにしています。【DIA】は株価の高い銘柄が比率が高くなり、【SPYD】は均等平均加重組入なので、これらのETFの組込比率はあまり重要ではありません。

主要ETFの並び順は基本的に左端が最も利回りが高く、右に行くにつれて下がっていきます。ただし、【VGT】は少し毛色が異なるセクターETFなので、右端にしました。主要ETFのティッカー・コードの下の数字は9月17日頃の利回り(%)です。

 

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【QQQ】の過去の分配金と増配率は?

【QQQ】が設定されたのは1999年3月です。下の表は過去の分配金の一覧です。

今回の【QQQ】の分配金が増配or減配なのかは、どのデータを比較するかによって異なります。もっともオーソドックスなのは、前年の同期との分配金額の比較です。今回が0.4139ドル、前年の同期が0.3882ドルなので6.6%増配になります。また、前年同期との過去1年分配金額の比較では、今回が1.7667ドル、前年の同期が1.6329ドルなので、8.2%増配となります。

【QQQ】は分配金目当ての銘柄ではないかもしれません。ただし、上の表の一番右側の「過去1年分配金額の対前年同期増減率」はほとんどがプラスで、マイナスだったときもわずかな数値でした。着実に分配金を積み重ねています。

※背景がになっているのが減配です

上の表以外に、2014年2月に特別分配金が0.3731ドルがありました。それは加えていません。このページで増配率などを求める場合は、ないものとして計算します。

【QQQ】の期別分配金は?

2020年はすべての期で前年同期を上回りました。ほとんどの期が安定した右肩上がりです。今回の0.4139ドルは1年前よりも多いです。いままでのところ、前年を上回るペースです。

※このグラフだけ、2014年2月の特別分配金0.3731ドルを追加しました。黒い棒です

【QQQ】の年間分配金額と年間増配率は?

【QQQ】が設定されたのは1999年ですが、分配金を出し始めたのは2003年からです。2009~12年は強烈な増配率ですね。最近の増配率は10%前後です。

【QQQ】の分配金額を棒グラフで確認しよう

期ごとの分配金額を株価と比較しました。分配金を支払わない企業が上位に多いですが、それでも分配金は増えています。最近の株価の伸びには、分配金がついていけていないですね。

【QQQ】の過去1年分配金額を棒グラフで確認しよう

過去1年分配金額と株価の比較です。過去1年分配金額は、株価とある程度は連動していましたが、2020年以降は株価が突き抜けています。

 

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2020年以降の利回りは?

2020年以降の【QQQ】の株価と利回りを見てみましょう。利回りは、過去1年の年間分配金額から算出しました。青線が株価(左軸)で、赤線が利回り(右軸)です。2020年当初の利回りは0.7%台で推移していましたが、2月半ば以降は株価が下がったため、3月20日には利回りが0.95%まで上昇しました。現在は株価がコロナ・ショック前の値を大幅に更新し、利回りは0.47%です。

 

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現在の【QQQ】の株価と利回りの関係は?

年間分配金額が現在と同じく1.7667ドルで変わらなかったら、利回りはどのように変化するでしょうか。下のグラフは年間分配金額が現在と同じ1.7667ドルが続いた場合の、利回りと株価の相関図です。利回りを0.1%ごとに株価を出しました。今後【QQQ】を購入しようと考えている人は、目安にしてください。

 

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【QQQ】を過去に買っていた場合のYOCは?

過去に【QQQ】を買った場合、現在の購入単価当たりの利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から5年前までの株価、利回り、YOCを見ていきましょう。株価は月末のもので月1回なので、ややアバウトです。

下のグラフの黄色の線が、過去に買った場合の、購入単価当たりの利回り(YOC)です。この線が左肩上がりの場合は、株価好調&増配傾向にあるといえます。

2021年9月24日の終値は373.33ドル、過去1年の分配金額は1.7667ドルなので、現在の利回りは約0.47%です。過去10年の平均利回りは約0.9%です。

株価は右肩上がりで、増配率も高いので、早い時期に買えばYOCは上がります。2011年12月に買っていたら、現在YOCは約3.2%になっていました。

 

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ライバルETFとトータルリターンを比較する

情報技術セクターETF【VGT】、大型グロース株ETF【VUG】とトータルリターンを比較します。参考として、S&P500ETF【SPY】とも比べます。2006年9月から2021年8月までの15年間を、PORTFOLIO VISUALIZERを使って比べます。

2006年9月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合、2021年8月には【QQQ】が9万7700ドル、【VGT】が8万9400ドル、【VUG】は5万7400ドル、【SPY】は3万4500ドルになっていました。【QQQ】が【VGT】をアウトパフォームしています。

過去のトータルリターン

過去3カ月、1、3、5、10、15年の年平均トータルリターンです。過去15年のリターン(年平均)は、【QQQ】が17.4%、【VGT】が16.8%、【VUG】は13.7%、【SPY】は10.8%でした。ハイテク・グロース系ETFはどの期間も素晴らしいです。

ちなみに過去3、5、10年のリターンでは【VGT】が【QQQ】を1~3%ほど上回っています。

危険度はどのくらいか?

ETFの安定度を比べてみましょう。最大ドローダウンは、計測期間における最大下落率です。マイナスの数値が小さいほど最大下落率が低いです。

シャープレシオとは、同じリスクを取った場合のリターンの比較です。「(ファンドのリターン−無リスク資産のリターン)÷標準偏差」の値です。

ソルティノレシオはシャープレシオの改良版で、相場が軟調の際の成績を示しています。「(ファンドのリターン-無リスク資産のリターン)÷下方偏差」で計算します。

最大ドローダウンが悪いのは2008年後半から2009年にかけてリーマン・ショックがあったからです。【QQQ】のソルティノレシオは、ライバルたちに差をつけています。

過去の分配金はどのくらいか?

2006年9月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合の年間でもらえる分配金の推移です。分配金は再投資します。税金は考慮しません。PORTFOLIO VISUALIZERのデータです。

【QQQ】【VUG】【VGT】は途中まで似たようなインカムでしたが、最近数年は【VGT】の伸びが素晴らしいです。

15年間の分配金の合計は【SPY】が4300ドル、【VGT】が3800ドル、【QQQ】が3400ドル、【VUG】は3200ドルでした。

 

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【QQQ】の今後のYOC予想は?

現在の過去1年分配金額(1.7667ドル)と1、3、5、10年前の同時期の過去1年分配金額(1.6329ドル、1.3141ドル、1.3141ドル、1.2407ドル)を比較して年間増配率を計算し、それを使って将来YOCを予想します。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの利回りのことです。【QQQ】株を2021年9月24日の終値373.33ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。

増配率は過去1年が8.2%、過去3年が10.4%、過去5年が7.3%、過去10年が15.7%でした。現在の分配金利回りは0.47%です。

分配金を再投資しない場合のYOC

まずは分配金を再投資しない場合のYOCを見てみましょう。税金は考慮しません。スタート年は、現在の利回りの0.47%です。

もっとも増配率の低い過去5年の増配率(7.3%)で推移すると、5年後のYOCは0.67%、10年後のYOCは0.96%になります。もっとも成績の良い過去10年の増配率(15.7%)で推移すると5年後のYOCは0.98%ドル、10年目のYOCは2.04%になりそうです。

 

分配金を再投資する場合のYOC

つぎに分配金を年1回再投資する場合のYOCを見てみましょう。税金は考慮しません。再投資する分配金額は、現在と10年前の株価を比較して年平均騰落率を計算し、それを使って調整します。

もっとも増配率の低い過去5年の増配率(7.3%)で推移すると、5年後のYOCは0.69%、10年後のYOCは1.01%になります。もっとも成績の良い過去10年の増配率(15.7%)で推移すると5年後のYOCは1.01%ドル、10年目のYOCは2.20%になりそうです。

分配金を再投資する場合(税引き後)のYOC

最後に分配金を再投資するケースで、税金を引いた場合のYOCをチェックしましょう。分配金は約28%の税金を引いた72%再投資で計算します。スタート年のYOCは0.47%ではなく、税引き後の0.34%になります。

もっとも増配率の低い過去5年の増配率(7.3%)で推移すると、5年後のYOCは0.49%、10年後のYOCは0.72%になります。もっとも成績の良い過去10年の増配率(15.7%)で推移すると5年後のYOCは0.72%ドル、10年目のYOCは1.55%になりそうです。

【QQQ】は増配率は高いですが、株価が上がりすぎているため、分配金の再投資額が減ってしまうというジレンマに陥ってしまい、結果的にYOCはあまり伸びませんでした。ただし、株価の値上がり益はかなり大きいものになりそうです。

 

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まとめ

【QQQ】は今回の分配金は、なかなか良かったですね。インカム狙いのETFではないので利回りは低いですが、増配率が高いので長期保有でキャピタルとインカムの両方が狙えそうです。

なお、例年通りだと、次回は12月半ばか後半に分配金額が決定して、すぐに権利落ちになりそうです。