前回の記事では、時価総額が大きくて増配年数の長い50銘柄について、配当利回りや目安となる目標配当利回りについて調べました。
今回は、S&P500が最高値をつけた2月19日の株価と、現在の株価(3月16日の終値)を比較して、配当利回りの変化を確認します。前回の「時価総額が高い&増配銘柄」に、「主な高配当銘柄」、「ADR銘柄」、「NYダウ採用銘柄」を加えて81銘柄にしました。いま、個別銘柄がどのくらい割安になっているかを、セクターごとに比較しましょう。
オールド・エコノミー3セクターの26銘柄
銘柄数が多いので、セクターを3つに分けます。最初は生活必需品、ヘルスケア、エネルギーのオールド・エコノミー銘柄です。昔からある銘柄で、比較的ディフェンシブと言われています。エネルギー・セクターはディフェンシブではなくなったみたいですね。
表の右から2列目「配当利回り変化」は、単純に配当利回りが何ポイント上がったかの数値です。3月16日の配当利回りから、2月19日の配当利回りを引き算しただけです。元々の配当利回りが低い銘柄は、この数値が上がりづらいです。たとえば、配当利回りが1%の銘柄が10%上昇すると、配当利回りは1.1%になるため、この数値は0.1です。一方、配当利回り4%の銘柄が同じく10%上がると、4.4%になるため、この数値は0.4になるからです。
下の表の1番右側の列「配当利回り上昇率」は、2つの期間を比較して、配当利回りが何%上がったかを示しています。こちらの数値の方が重要です。セクター内は、この配当利回り上昇率の低い順に並んでいます。
生活必需品は全般的に優秀ですが、タバコと清涼飲料水は少し苦戦しましたね。ヘルスケアは製薬会社はよかったですが、それ以外は今ひとつ。エネルギーはすべてダメでした。
インフラ系3セクターから22銘柄
2番目は公益事業、通信サービス、情報技術の3セクター。いわゆるインフラ系ですね。安定しています。
公益事業は差がなく平均的。通信サービスはインフラ系が優秀でした。情報技術(IT)は、半導体と配当利回りの高い銘柄がやや不調でした。
景気に敏感な4セクターから32銘柄をピックアップ
最後は一般消費財、資本財、金融、素材の4セクター。景気に敏感と言われ、今回の下落相場で苦戦したセクターが目立ちます。下がりすぎたため、いまが狙い目ともいえます。
一般消費財は、生活必需品を取り扱う量販店のターゲット【TGT】が優秀でしたが、それ以外は下落が目立ちます。資本財は部品関連はまずまずでしたが、運輸や軍需がダメ。金融と素材は軒並み不調でした。
まとめ
いかがでしたか? セクター内でもこの相場で耐えた業種、ダメだった業種に分かれましたね。今回のデータをもとに、米国株全体の現在をイメージして、上手に売買していただければ幸いです。