大暴落した原油価格は今後どんな動きを見せるのでしょうか？ そんな中、エネルギーの中流事業を手掛けるキンダー・モルガン【KMI】が、2020年4月22日に増配を発表しました。
これまで四半期ごとの配当が0.25ドルだったのが、0.2625ドルに上がる予定です。年間配当は0.95ドルから1.0375ドルに、今後1年間の年間配当は1.05ドルの予定です。増配率は5.0%、年間増配率は9.2%の予定です。2020年4月23日の株価は14.45ドル近辺、配当利回りは7.27%です。
キンダー・モルガン【KMI】の連続増配年数は3年です。
キンダー・モルガン【KMI】の過去の配当、年間増配率
キンダー・モルガン【KMI】は原油価格の下落の影響で2016年に大幅な減配を行いました。2018年からは増配しています。今回は増配でしたが、今後どうなるかは予断を許さない状況といえます。表内の青字は予想です。次回の配当落ちは5月1日です。
キンダー・モルガン【KMI】の今後の配当予想は？
現在と1、３、5年前の同時期の配当金額を比較して増配率を計算し、それを使って将来の配当金とYOCを予想しました。YOC（Yield on Cost）とは、購入単価あたりの配当利回りのことです。キンダー・モルガン【KMI】株を2020年4月23日の株価14.45ドルで買った場合、将来の利回り（YOC）がいくらになるかという予測です。棒グラフが配当金予想、折れ線グラフがYOC予想です。
増配率は過去1年が5.0％、過去3年が28.1％、過去5年が-11.4％でした。現在の配当利回りは7.27%です。もっとも増配率が低かった過去5年のペースで増配が続くと10年後のYOCは2.2%に、もっとも増配率が高かった過去3年の増配と同じだと10年後のYOCは86.2％になります。2016年に大幅な減配をして、2018年にはかなりの増配を行ったため、過去3年と5年では、まったく異なる予想になりました。どちらも当てにならなさそうです。
キンダー・モルガン【KMI】をいつ買ったら正解だったか？
過去5年の配当利回りの平均は4.17%です。
黄色の線はYOC（Yield on Cost）です。過去5年に購入した場合、現時点での購入単価当たりの利回りが何％になっているかを、過去に買ったタイミングごとに示しています。配当利回り（赤い線）と連動した動きになります。
YOCを上げるコツは（１）増配率の高い銘柄を買う、（２）連続増配年数の長い銘柄を買う、（３）株価が低迷しているときに買うなどがあります。いずれの場合もなるべく早い時期に買った方が、YOCは上がっていきますが、長期にわたって株価が右肩下がりの場合は最近購入した方が数値が上がります。
キンダー・モルガン【KMI】は株価が右肩下がりで、大幅減配を行ったので、早い時期に購入するとYOCが低くなります。過去5年で最もYOCが高いのが2020年3月頃に買った場合で、現在約7.5％になっています。
今年に入ってからのキンダー・モルガン【KMI】の株価と配当利回りは？
先ほどのグラフは少し大雑把なので、もう少し細かく1日ごとのデータで見ていきます。下のグラフは、2020年に入ってからのキンダー・モルガン【KMI】の株価と配当利回りです。青線が株価（左軸）で、赤線が配当利回り（右軸）です。配当利回りは4.5～5.2%で推移していましたが、2月末以降は株価が下落したため、3月18日には配当利回りが10%まで上昇しました。現在は株価が多少上がって、配当利回りは7.27%です。
現在のキンダー・モルガン【KMI】の株価と配当利回りの関係は？
年間配当額が現在と同じく1.05ドルで変わらなかったら、配当利回りはどのように変化するでしょうか。下のグラフは年間配当額が現在と同じ1.05ドルが続いた場合の、配当利回りと株価の相関図です。配当利回り0.5％ごとに株価を出しました。今後、キンダー・モルガン【KMI】を購入しようと考えている人は、目安にしてください。
キンダー・モルガン【KMI】の財務データは？
キンダー・モルガン【KMI】の財務データです。原油価格と連動しています。
まとめ
キンダー・モルガン【KMI】はエネルギー銘柄です。今回の石油価格の大暴落と、コロナ・ショックによる経済の停滞の影響を受けそうです。今回は増配しましたが、手を出しづらいですね。
