総合ヘルスケアの世界最大手のジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】が、2021年4月20日に配当を発表しました。
これまで四半期ごとの配当が1.01ドルだったのが、1.06ドルに上がります。年間配当は4.04ドルから4.24ドルになる予定で、増配率は5.0%です。2021年4月19日の終値は162.69ドル、配当利回りは2.61%です。
ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】の連続増配は59年になります。
ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】の過去の配当、年間増配率
ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】は連続増配銘柄ですが、近年の増配率は5~7%ぐらいで安定しています。表内の青字は予想です。次回の配当落ちは5月24日です。
ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】の年間配当額と年間増配率は?
ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】の配当金と増配率を1年ごとにまとめてグラフ化しました。安定しています。
ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】の期別の配当は?
下のグラフは期別の配当です。基本的に配当落ちの月を基準にしています。毎年、着実に伸びています。
ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】の株価と配当の関係は?
下のグラフは株価と配当の比較です。株価は2021年を除いて年末のものです。かなり連動しています。
最近のジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】の株価と配当利回りは?
2020年1月以降のジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】の株価と配当利回りを見てみましょう。青線が株価(左軸)で、赤線が配当利回り(右軸)です。2020年の年初の配当利回りは2.6%前後でしたが、2月半ば以降は急降下したため、3月23日に約3.4%まで上がりました。その後、株価はコロナ・ショック前を上回り、現在の配当利回りは2.61%です。
現在のジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】の株価と配当利回りの関係は?
年間配当額が現在と同じだったら、株価によって配当利回りはどのように変化するでしょうか。下のグラフは年間配当額が現在と同じ4.24ドルが続いた場合の、配当利回りと株価の相関図です。配当利回りを0.2%ごとに株価を出しました。今後、ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】を購入しようと考えている人は、目安にしてください。
ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】を過去に買っていた場合のYOCは?
過去にジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】を買った場合、現在の購入単価当たりの配当利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から5年前までの株価、配当利回り、YOCを見ていきましょう。株価は月末のもので月1回なので、少しアバウトです。
2021年4月19日の終値は162.69ドル、年間の予想配当金額は4.24ドルなので、現在の配当利回りは2.61%です。過去5年の平均配当利回りは約2.68%です。過去5年で株価は右肩上がりで、増配率もまずまずなで、早い時期に買うとYOCは上がります。2016年11月頃に買っていたら、現在YOCは約3.8%になっていました。
競合銘柄とトータルリターンを比較する
ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】とヘルスケア・セクターの利回りの高い大型株、ファイザー【PFE】、メルク【MRK】、アムジェン【AMGN】との過去10年トータル・リターンを比較します。PORTFOLIO VISUALIZERを使って、2011年4月から2021年3月までの10年を比べます。
2011年4月に1万ドル投資して配当を再投資した場合、2021年3月には【AMGN】が5万8700ドル、【JNJ】が3万7000ドル、【MRK】が3万2600ドル、【PFE】が2万7100ドルになっていました。
年次リターン
1年ごとでリターンを比較しました。ヘルスケアセクターは不安定なため、年によって成績の良い銘柄とそうでない銘柄がはっきり分かれますね。【JNJ】は2019年が不調でした。ベビーパウダーの訴訟や麻薬入り鎮痛剤「オピオイド」の制裁金で大変な年でした。
過去のトータルリターン
過去3カ月、1、3、5、10年の年平均トータルリターンは以下の通りです。【JNJ】ははどの期間でもなかなか安定しています。
過去の分配金はどのくらいか?
2011年4月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合の年間にもらえる分配金の推移です。分配金は再投資します。税金は考慮しません。PORTFOLIO VISUALIZERのデータです。
いずれも増配率が高く、順調に配当金を増やしていますね。10年間の配当金の合計は【AMGN】が8000ドル、【PFE】が7100ドル、【MRK】が7000ドル、【JNJ】が6200ドルでした。

ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】の今後の配当予想は?
現在の配当金額(1.06ドル)と1、3、5、10年前の同時期の配当金額(1.01ドル、0.9ドル、0.8ドル、0.57ドル)を比較して年間増配率を計算し、それを使って将来の配当金とYOCを予想します。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの配当利回りのことです。【JNJ】株を2021年4月19日の終値162.69ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。
購入金額は1万ドルにします。そうすると、年間配当額から利回り(YOC)が一瞬で計算できます。たとえば、年間配当額が300ドルなら利回り(YOC)は3.0%、年間配当額777ドルなら利回り(YOC)は7.77%になります。
年間増配率は過去1年が5.0%、過去3年が5.6%、過去5年が5.8%、過去10年が6.4%でした。現在の配当利回りは2.61%です。
配当を再投資しない場合
まずは配当を再投資しないケースを見てみましょう。税金は考慮しません。現在の配当利回りが2.61%なので、年間配当額は261ドルです。
もっとも増配率の低い過去1年のペースだと5年目の配当額は316ドル、10年目の配当額は403ドルになります。もっとも成績の良い過去10年の増配率を当てはめると5年目の配当額は334ドル、10年目の配当額は456ドルになりそうです。配当額456ドルはYOC(購入額に対する利回り)4.56%です。
配当を再投資する場合
つぎに配当を再投資するケースを見てみましょう。税金は考慮しません。再投資する場合の配当金額は、現在と10年前の株価を比較して年平均騰落率を計算し、それを使って調整しています。
もっとも増配率の低い過去1年のペースだと5年目の配当額は350ドル、10年目の配当額は520ドルになります。もっとも成績の良い過去10年の増配率を当てはめると5年目の配当額は370ドル、10年目の配当額は598ドルになりそうです。配当額598ドルはYOC(購入額に対する利回り)5.98%です。
配当を再投資する場合(税引き後)
最後に配当を再投資し、税金を引いた額で計算してみましょう。配当金は28%の税金を引いた72%で計算します。1年目は261ドルではなく、税引き後の188ドルになります。
もっとも増配率の低い過去1年のペースだと5年目の配当額は245ドル、10年目の配当額は349ドルになります。もっとも成績の良い過去10年の増配率を当てはめると5年目の配当額は259ドル、10年目の配当額は399ドルになりそうです。配当額399ドルはYOC(購入額に対する利回り)3.99%です。
ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】は主要ETFに組み込まれているか?
高配当の【VYM】【HDV】、連続増配【VIG】には2~3位に組み込まれています。【VOO】や【VTI】は10番目です。米国を代表する銘柄というのが読み取れます。
ETF | 組込可否 | 組込順位 | 割合(%) |
---|---|---|---|
VYM(416) | ○ | 2 | 3.4 |
HDV(75) | ○ | 3 | 6.5 |
SPYD(78) | × | ― | ― |
VIG(247) | ○ | 2 | 3.8 |
VOO(509) | ○ | 10 | 1.3 |
VTI(3705) | ○ | 10 | 1.1 |
DIA(30) | ○ | 14 | 3.1 |
QQQ(102) | × | ― | ― |
VGT(333) | × | ― | ― |
※表内の「ETF」の右側の()内の数字は全組込銘柄数です。組込比率はバンガード社のETF【VYM】【VIG】【VOO】【VTI】【VGT】は2021年3月末、その他のETFは2021年4月14日頃のデータをもとにしています。
ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】の財務データは?
ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】の財務データです。2017年や翌2018年の値だけ極端なのは、税制改革の影響で2017年の純利益が減ったためです。あまり気にする必要はありません。
まとめ
ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】は医療機器の売上が堅調に伸び、医薬品の売上高は予想を上回るなど好調です。ただ、同社の開発したコロナウイルス用のワクチンから6人の患者が異常な血栓を起こしたのが気になるところです。

