半導体の大手ブロードコム【AVGO】が、2020年12月10日に配当を発表しました。
これまで四半期ごとの配当が3.25ドルだったのが、3.6ドルに上がります。年間配当は13ドルから14.4ドルになる予定で、増配率は10.8%です。2020年12月11日の終値は405.82ドル、配当利回りは3.55%です。
ブロードコム【AVGO】の連続増配は10年になります。
ブロードコム【AVGO】の過去の配当、年間増配率
ブロードコム【AVGO】はとてつもない増配率を続けていましたが、今回は少し控えめです。それでも二桁パーセントです。次回の配当落ちは12月18日です。
ブロードコム【AVGO】の年間配当額と年間増配率は?
ブロードコム【AVGO】の配当金と増配率を1年ごとにまとめてグラフ化しました。これまでの増配率はありえないような数字でしたが、ようやく常識的になりました。
ブロードコム【AVGO】の期別の配当は?
下のグラフは期別の配当です。基本的に配当落ちの月を基準にしています。5年前の2015年と比較して8倍以上になっています。
今年に入ってからのブロードコム【AVGO】の株価と配当利回りは?
2020年に入ってからのブロードコム【AVGO】の株価と配当利回りを見てみましょう。青線が株価(左軸)で、赤線が配当利回り(右軸)です。年初の配当利回りは4.2%ぐらいでしたが、2月半ば以降は急降下したため、3月18日には配当利回りが約7.7%まで上昇しました。現在は株価がコロナ・ショック前を大きく上回り、配当利回りは3.55%です。
現在のブロードコム【AVGO】の株価と配当利回りの関係は?
年間配当額が現在と同じだったら、株価によって配当利回りはどのように変化するでしょうか。下のグラフは年間配当額が現在と同じ14.4ドルが続いた場合の、配当利回りと株価の相関図です。配当利回りを0.2%ごとに株価を出しました。今後、ブロードコム【AVGO】を購入しようと考えている人は、目安にしてください。
ブロードコム【AVGO】を過去に買っていた場合のYOCは?
過去にブロードコム【AVGO】を買った場合、現在の購入単価当たりの配当利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から5年前までの株価、配当利回り、YOCを見ていきましょう。株価は月末のもので月1回なので、やや大雑把です。
2020年12月11日の終値は405.82ドル、年間の予想配当金額は14.4ドルなので、現在の配当利回りは約3.55%です。過去5年の平均配当利回りは約2.82%です。過去5年で株価はかなり上昇し、増配率も抜群に高かったので、早い時期に買っていればYOCは上がります。2016年1月頃に買っていたら、現在YOCは約10.8%になっていました。
ブロードコム【AVGO】の今後の配当予想は?
現在の配当金額(3.6ドル)と1、3、5、10年前の同時期の配当金額(3.25ドル、1.75ドル、0.44ドル、0.07ドル)を比較して年間増配率を計算し、それを使って将来の配当金とYOCを予想しました。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの配当利回りのことです。ブロードコム【AVGO】株を2020年12月11日の終値405.82ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。棒グラフが配当金予想、折れ線グラフがYOC予想です。
増配率は過去1年が10.8%、過去3年が27.2%、過去5年が52.3%、過去10年が48.3%でした。現在の配当利回りは3.55%です。もっとも増配率が低い過去1年のペースで増配が続くと10年後のYOCは9.9%、20年後のYOCは27.4%になります。もっとも増配率が高い過去5年の増配と同じだと10年後のYOCは237.5%、20年後のYOCは15901.1%になります。2年前までは増配率がとてつもなく高かったので、将来YOCはありえないような数字が出ました。現実的には過去1年の増配率ぐらいに落ち着きそうです。
ブロードコム【AVGO】は主要ETFに組み込まれているか?
高配当でIT銘柄のため、たくさんのETFに組み込まれています。組込比率が1%を超えるETFが目立ちます。個別銘柄で持っていなくても、自身のポートフォリオにブロードコム【AVGO】が結構な割合を占めている人がいそうです。
ETF | 組込可否 | 組込順位 | 割合(%) |
---|---|---|---|
VYM(413) | ○ | 20 | 1.41 |
HDV(74) | × | ― | ― |
SPYD(79) | ○ | 18 | 1.41 |
VIG(212) | × | ― | ― |
VOO(508) | ○ | 40 | 0.52 |
VTI(3590) | ○ | 40 | 0.43 |
DIA(30) | × | ― | ― |
QQQ(103) | ○ | 19 | 1.29 |
VGT(330) | ○ | 11 | 1.60 |
※表内の「ETF」の右側の()内の数字は全組込銘柄数です
ブロードコム【AVGO】の財務データは?
ブロードコム【AVGO】の財務データです。キャッシュフローは潤沢ですね。
ライバル企業とトータルリターンを比較する
ブロードコム【AVGO】とライバル企業のトータル・リターンを比較します。テキサス・インスツルメンツ【TXN】、クアルコム【QCOM】、Vanguard S&P500 ETF【VOO】と比べました。
2015年12月に1万ドル投資して配当を再投資した場合、2020年11月には【AVGO】が3万6000ドル、【QCOM】が3万5700ドル、【TXN】が3万1700ドル、【VOO】が1万9100ドルになっていました。
過去10年のトータルリターンを比較する
それでは、過去10年ではどうでしょうか? 2010年12月に1万ドル投資して配当を再投資した場合、2020年11月には【AVGO】が19万4700ドル、【TXN】が6万5500ドル、【QCOM】が4万1200ドル、【VOO】が3万7600ドルになっていました。この10年のブロードコム【AVGO】のリターンは素晴らしいですね。
まとめ
ブロードコム【AVGO】はここ10年は好調で、増配率は際立っていましたが、さすがに今回は落ち着きました。それでも10%をクリアしています。
