巨大製薬会社のメルク【MRK】が、2020年11月17日に配当を発表しました。
これまで四半期ごとの配当が0.61ドルだったのが、0.65ドルに上がります。年間配当は2.44ドルから2.6ドルになる予定で、増配率は6.6%です。2020年11月17日の終値は81.5ドル、配当利回りは3.19%です。
メルク【MRK】の連続増配は10年になります。
メルク【MRK】の過去の配当、年間増配率
メルク【MRK】は四半期あたり0.01ドルの増配を続けていましたが、ここ3年はなかなかの増配率です。次回の配当落ちは12月14日です。
メルク【MRK】の年間配当額と年間増配率は？
メルク【MRK】の配当金と増配率を1年ごとにまとめてグラフ化しました。2018年以降は増配率が高くなっています。
メルク【MRK】の期別の配当は？
下のグラフは期別の配当です。基本的に配当落ちの月を基準にしています。
今年に入ってからのメルク【MRK】の株価と配当利回りは？
2020年に入ってからのメルク【MRK】の株価と配当利回りを見てみましょう。青線が株価（左軸）で、赤線が配当利回り（右軸）です。配当利回りは2.7%ぐらいでしたが、2020年の年初から株価は下落傾向で、2月半ば以降は急降下したため、3月23日には配当利回りが3.6%まで上昇しました。株価はコロナ・ショック前まで戻っておらず、現在の配当利回りは3.19%です。
現在のメルク【MRK】の株価と配当利回りの関係は？
年間配当額が現在と同じだったら、株価によって配当利回りはどのように変化するでしょうか。下のグラフは年間配当額が現在と同じ2.6ドルが続いた場合の、配当利回りと株価の相関図です。配当利回りを0.2％ごとに株価を出しました。今後、メルク【MRK】を購入しようと考えている人は、目安にしてください。
メルク【MRK】を過去に買っていた場合のYOCは？
過去にメルク【MRK】を買った場合、現在の購入単価当たりの配当利回り（YOC）はどのくらいでしょうか？ 現在から5年前までの株価、配当利回り、YOCを見ていきましょう。株価は月末のもので月1回なので、やや大雑把です。
2020年11月17日の終値は81.5ドル、過去1年の配当金額は2.6ドルなので、現在の配当利回りは約3.19%です。過去5年の平均配当利回りは約3.03%です。過去5年で株価は上昇しており、増配率もまずまずのため、早い時期に買っていればYOCは上がります。2016年2月頃に買っていたら、現在YOCは約5.2%になっていました。
メルク【MRK】の今後の配当予想は？
現在の配当金額（0.65ドル）と1、３、5、10年前の同時期の配当金額（0.61ドル、0.48ドル、0.46ドル、0.38ドル）を比較して年間増配率を計算し、それを使って将来の配当金とYOCを予想しました。YOC（Yield on Cost）とは、購入単価あたりの配当利回りのことです。メルク【MRK】株を2020年11月17日の終値81.5ドルで買った場合、将来の利回り（YOC）がいくらになるかという予測です。棒グラフが配当金予想、折れ線グラフがYOC予想です。
増配率は過去1年が6.6％、過去3年が10.6％、過去5年が7.2％、過去10年が5.5%でした。現在の配当利回りは3.19%です。もっとも増配率が低い過去10年のペースで増配が続くと10年後のYOCは5.5%、20年後のYOCは9.3%になります。もっとも増配率が高い過去3年の増配と同じだと10年後のYOCは8.8％、20年後のYOCは24.0%になります。現在の配当利回りと増配率がどちらもまずまずのため、このままのペースで増配が続けば、将来YOCはなかなか期待できそうです。
メルク【MRK】は主要ETFに組み込まれているか？
高配当ETFの【VYM】や【HDV】では上位に組み込まれています。
| ETF | 組込可否 | 組込順位 | 割合(%) |
|---|---|---|---|
| VYM（413） | ○ | 9 | 1.97 |
| HDV（74） | ○ | 10 | 3.55 |
| SPYD（80） | × | ― | ― |
| VIG（212） | × | ― | ― |
| VTI（3590） | ○ | 27 | 0.58 |
| VOO（508） | ○ | 24 | 0.75 |
| DIA（30） | ○ | 24 | 1.80 |
| QQQ（103） | × | ― | ― |
| VGT（330） | × | ― | ― |
※表内の「ETF」の右側の（）内の数字は全組込銘柄数です
メルク【MRK】の財務データは？
メルク【MRK】の財務データです。営業利益率が伸びているのは好感が持てます。
ライバル企業とトータルリターンを比較する
メルク【MRK】とライバル企業のトータル・リターンを比較します。ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】、ファイザー【PFE】、Vanguard S&P500 ETF【VOO】と比べました。
2015年11月に1万ドル投資して配当を再投資した場合、2020年10月には【VOO】が1万7300ドル、【MRK】が1万6000ドル、【JNJ】が1万5500ドル、【PFE】が1万2600ドルになっていました。
過去10年のトータルリターンを比較する
それでは、過去10年ではどうでしょうか？ 2010年11月に1万ドル投資して配当を再投資した場合、2020年10月には【VOO】が3万3800ドル、【PFE】が2万9400ドル、【MRK】が2万9000ドル、【JNJ】が2万8800ドルになっていました。
まとめ
メルク【MRK】の増配率は前回ほどではありませんが、まずまずでした。主力のキートルーダ以外の売り上げも伸びているようです。
