下落相場直前でフルインベストメント状態の場合、助かる道はあるのか?

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2月24日(月)以降、アメリカ株の下落が止まりません。この相場でフルインベストメント状態の人は大打撃をこうむりました。なかには退場を余儀なくされた人や、大幅ロスカットをすることになった人もいます。今回は、フルインベスト状態について考えてみましょう。

※ちなみにフルインベストメントとは、わずかな生活防衛資金のみを残し、金融資産の大半を株式投資することです。

 

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リーマン・ショック以降のS&P500の傾向

下の図は2018年以降のS&P500のチャートです。最高値は2020年2月20日の3389ドル。リーマンショック後の2009年は800ドルを割っていましたので、約4倍になりました。その後、下げて3月5日の終値は3024ドルです。

 

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下落した場合のシナリオを考えよう

あまり考えたくないのですが、今後、アメリカ株が下がり続けた場合、フルインベストメント状態の人がどうなるか検証してみましょう。下の表は、リーマンショックの2008年9月から、毎月1回月末にS&P500を決まった金額を積み立てた場合のケースです。【VOO】【SPY】を積み立てたとイメージしてください。一番左の列から、積み立て期間、積み立て始めた時期、積み立て始めた月の終値、平均購入株価、現在の騰落率(損益)。右側は2020年3月5日の終値を起点に、株価が10、20、30、40、50%下落した場合の、現在保有している株の騰落率(損益)です。

なお、将来の積み立て金については考慮していません。どのくらいの期間にわたって下落するのかの予測ができないからです。将来下落しているときも積み立てを行えば、平均購入株価は多少は下がります。

真ん中の「現在の騰落率(損益)」を見てください。S&P500は2009年以降、株価が右肩上がりだったので、早くに投資を始めた人ほど現在の騰落率(損益)が高くなっています。たとえば7年前に積み立てを始めた人なら現在30.51%プラスになっています。逆に最近1、2年で積み立てを始めた場合は、ほとんどプラスになっていません

さて今後、株価がさらに下落したらどうなるでしょうか? 早い段階で積み立てを始めた人は、現在までの含み益のおかげで、騰落率(損益)がマイナスになるのが遅くなります。逆にここ1、2年で積み立てを始めた人は、早い段階で含み損を抱えることになります。ただし、積み立てを始めたばかりの人は、積立金額が少ない可能性が高いので、株価が下がっている局面でどんどん資金を投入すれば、長期投資家よりは平均取得額を上げることが容易です。

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ここ1、2年でフルインベストメントした人は?

最近1、2年にアメリカ株を買い始め、すぐにフルインベストメント状態にしたは危険です。今後株価が下がり続けたり、低迷が長引いた場合、耐えられなくなってしまう可能性があります。

タイトルの答えですが、投資を始めてすぐにフルインベストメント状態にしてはいけません。現金や債券など、リスクの少ない資産をある程度、持っておかないと、下落相場で身動きが取れなくなってしまいます。

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フルインベストして大丈夫なケースとは?

では、フルインベストメントにしても大丈夫のなのは、どのようなケースでしょうか。現在の相場が絶望的な状態で、かつ今後右肩上がりになる可能性が極めて高いときです。つまり、リーマンショック直後のような状況です。しかし、そのような状況で買いを入れるのは極めて難易度が高いです。恐怖に打ち勝つ必要があるからです。

もし、フルインベストしたくてたまらないという場合は、何年もかけてフルインベストメント状態を作りましょう。3~10年ぐらいかけて、のんびり気楽にするといいでしょう。それなら退場するリスクは減ると思います。

また、例外的にフルインベストメントしても大丈夫なケースとしては、入金力がベラボウに高く、鋼のメンタルを持っている人です。いくらマイナスが膨らんでも、どんどん追加投資を続けられます。該当する人はあまりいないと思いますが、うらやましいですね。

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ブログにおけるフルインベストメントについて

ブログで発信している人は、フルインベストメント状態が目立ちます。ただし、あまり参考にしないほうがいいです。早い段階で投資を始めたケースが多く、現在含み益がたっぷりあるので、下落が続いても耐えられるからです。ブロガーさんがいつから投資を始めたかを、しっかりチェックしましょう。投資初心者がマネして、すぐにフルインベスト状態にするのは大変危険です。

ちなみに、たかにんは2019年6月からアメリカ株に参戦しました。のんびり打診買いを続けており、フルインベストメントとは、ほど遠い状況です。今後もず~と打診買いにしようと思っています。ここ2年、NISAはアメリカの債権ETFを買ってます。