2020年2月24(月)~28(金)の週の米国株は連日大幅に下がりました。NYダウは前の週の21(金)の終値と比較すると、1週間で12.4%も下がりました。この1週間の個別銘柄の値動きはどうだったのでしょうか? 米国株をセクター別に分けて、時価総額の大きい銘柄の1週間騰落率を比較します。健闘した銘柄、ダメージを受けた銘柄を検証することで、再び大幅下落があったときの参考にしましょう。なお、一部ADR銘柄もあります。
指数連動型ETFとセクター別ETFの騰落率は?
下の表は主要指数とバンガード社のセクター別ETFの1週間の騰落率です。セクター別ETFは成績の良かった順に並んでいます。通信サービス、生活必需品、ヘルスケアの成績がよく、エネルギー、金融、素材が悪かったです。
通信サービスが最も安定していた
成績の良かったETFから順に、時価総額の大きい銘柄の週間騰落率をチェックします。表の一番上はバンガードのセクターETFです。通信サービスセクターは、最も安定していました。自宅で完結するサービスが多く、コロナウィルスの影響をあまり受けないからです。動画配信サービスのネットフリックス【NFLX】はマイナス2.9%と素晴らしいパフォーマンスでした。ベライゾン【VZ】とAT&T【T】の通信インフラもまずまずでした。一方、ウォルト・ディズニー【DIS】はマイナス15.3%と冴えなかったです。
生活必需品で頑張ったのは「紙」
生活必需品も予想通り強かったですね。キンバリークラーク【KMB】は紙製品を中心とした日用品を扱っています。日本のトイレットペーパー騒動を考えると、この銘柄が奮闘しているのもうなずけます。フィリップモリス【PM】とブリティッシュ・アメリカン・タバコ【BTI】のタバコ勢も踏みとどまってました。景気がどうなろうと、人はスパスパ吸いたいものなんでしょうね。
ヘルスケアは製薬会社が健闘
ヘルスケアも検討が光りましたね。ギリアド・サイエンシズ【GILD】はコロナウィルスの特効薬の期待から連日激しい値動きです。ほかにも大手製薬会社は全体的に下落率が低かったです。ドラックストアのCVSヘルス【CVS】は冴えなかったです。
ITはソフトウェアが踏ん張った
情報技術はまずまずでした。アドビ【ADBE】やオラクル【ORCL】などソフトウェア会社が強かったです。ビザ【V】やマスターカード【MA】などのカード会社は、外出を控える人が増えたためか、芳しくなかったです。
公益事業は比較的安定
公益事業はサービス内容が似たり寄ったりなので、あまり差は出なかったかもしれません。もっとも巨大なネクステラ・エナジー【NEE】がセクターを牽引していました。
一般消費財の旅行関連は厳しい結果に
一般消費財は大ダメージを受けた分野があります。クルーズ船、カジノ、ホテルなど旅行関連が暴落しました。ロイヤル・カリビアン・クルーズ【RCL】やMGMリゾーツ【MGM】は大暴落となりました。そんな中健闘したのがTJXカンパニーズ【TJX】。安売りの会社です。
資本財は航空と軍需が大幅下落
資本財は機械や製品などを扱う会社が踏ん張り、航空や軍需産業がダメでした。スリーエム【MMM】のマスクはテレビのニュースで頻繁に見かけましたね。航空はアメリカン航空【AAL】以外もみな暴落していましす。
素材は軒並み下落
素材は景気に敏感といわれるだけあり、全面安でした。
金融の銀行株はみんなダメ
金融は冴えなかったです。とくに銀行が軒並み下落しました。唯一健闘したのが先物のCMEグループ【CME】。指数のS&Pグローバル【SPGI】、バフェットのバークシャー・ハサウェイ【BRK-B】も耐えたほうです。
エネルギーは全敗
エネルギーはもっともパフォーマンスが悪かったです。ロイヤル・ダッチ・シェルB【RDS.b】とエクソン・モービル【XOM】は上位にランクインしていますが、この相場の前からかなり下がっていましたので、健闘したわけではありません。
まとめ
いかがでしたか? 在宅で行うサービスが下落率が低く健闘してましたね。逆に外出して不特定多数の人と接触しそうなサービスが冴えませんでした。コロナウィルスに罹りたくないと考える人が多いので、これらの業界の株価が下落したのは仕方ないかもしれません。早く暖かくなり、事態が収束することを望みます。製薬会社にも期待したいですね。