全世界が対象のETF【VT】の1月末データが更新されたのでまとめてみた

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バンガード社のETFは公式サイトで月1回更新されます。月末のデータが、翌月の15日頃に反映されます。今回2021年1月末のデータが更新されましたので、バンガード・トータル・ワールド・ストックETF【VT】の組込銘柄の変化や傾向について検証します。

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基本情報を確認しよう

【VT】は全世界の先進国株式市場および新興国株式市場投資しているETFで、銘柄は時価総額加重平均で組み入れられています。これ1本で世界の大部分をフォローしたことになります。

全世界が対象の【VT】と【ACWI】、米国以外の世界が対象の【VXUS】、全米が対象の【VTI】を比較してみましょう。経費率はバンガード社の3ETFは0.1%未満と安いですが、ブラックロック社の【ACWI】は0.33%と少し高いですね。ちなみに【ACWI】のベンチマークは、投資信託の「eMAXIS Slimシリーズ・全世界株式(オールカントリー)」と同じです。

※「配当利回り」は過去1年の配当額から算出しました

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【VT】のセクター別のファンド構成比は?

【VT】に組み込まれている銘柄のセクター別の組込比率です。バンガードの公式サイトではICB(Industry Classification Benchmark)で分類されていますので、これをGICS(Global Industry Classification Standard)に変換しました。情報技術の割合が最も多く、金融と一般消費財が同じくらいで続き、ヘルスケア、資本財の順です。

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【VT】の市場別のファンド構成比は?

市場別の構成比率を見てみましょう。トップは米国で全体の約57%を占めています。以下、日本、中国、英国、フランス、カナダ、スイス、ドイツと続きます。上位10市場で87%を占めています。地域別では北米が約59%で最多、ヨーロッパが約16%です。

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【VT】にはどんな銘柄が組み込まれているのか?

【VT】の保有銘柄数は8847銘柄です。ベンチマークは、米国を含む先進国および新興国約47ヵ国の大型・中型・小型株で構成される、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス。上位20銘柄の組込比率の合計は18.5%と少なく、世界中に分散されているといえます。

上位20銘柄のうち16銘柄を米国企業が占めています。米国以外では、台湾のTSMC、中国のアリババとテンセント、スイスのネスレがランクインしています。

 

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上位20銘柄の推移

2020年5月以降の組込上位20位の銘柄はどのように変化したのでしょうか? あまり変動はありませんが、最近はテスラ【TSLA】、台湾セミコンダクタ―・マニュファクチュリング(TSMC)【TSM】が好調ですね。

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【VT】上位20銘柄は主要ETFには組み込まれているのか?

【VT】の組込比率上位20銘柄は、他のETFにどのくらいの割合で組み込まれているのでしょうか? 全世界【ACWI】、米国以外【VXUS】、米国全体【VIG】【VOO】【VTI】【DIA】、米国ハイテク【QQQ】【VGT】、米国高配当【VYM】【HDV】への組込比率(%)をまとめました。

【VT】は世界に分散されていますので、全米【VT】やS&P500【VOO】などと比較しても、上位組込銘柄の比率が低いです。同じ全世界がターゲットの【ACWI】とは似ていますね。

※配当利回りは2021年1月末の株価から算出しました。組込比率はバンガード社のETF【VT】【VXUS】【VYM】【VIG】【VOO】【VTI】【VGT】は2021年1月末、その他のETFは2月後半のデータをもとにしています。【DIA】は株価の高い順の組込比率なので、組込比率はそれほど重要ではありません。

ファンドオーバーラップで他のETFとの比較する

ファンドオーバーラップを使って、他のETFとの重複割合を調べてみましょう。【VT】は世界に分散されているので、対象ETFの組込銘柄は【VT】に100%組み込まれているかと思いましたが、そうではないようです。【VTI】組込銘柄は、50%ほどしか【VT】には入っていないようです。重複割合が似ているのは、同じ世界に投資している【ACWI】で83%です。

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【VT】の配当はどう変化したか?

【VT】は年4回配当が支払われます。3、6、9、12月に配当落ちがあり、その数日後に振り込まれます。2020年の配当額は前年の2019年と比べて18.2%も減りました。米国以外の国で減配が多かったようです。

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今年に入ってからの配当利回りは?

2020年1月以降の【VT】の株価と配当利回りを見てみましょう。過去1年の年間配当額から算出しました。青線が株価(左軸)で、赤線が配当利回り(右軸)です。2020年1月当初は配当利回りは2.3%前後で推移していましたが、2月半ば以降は株価が下がったため、3月18日には配当利回りが3.3%まで上昇しました。現在は株価がコロナ・ショック前を大幅に上回り、配当利回りは1.61%です。

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【VT】を過去に買っていた場合のYOCは?

過去に【VT】を買った場合、現在の購入単価当たりの配当利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から5年前までの株価、配当利回り、YOCを見ていきましょう。株価は月末のもので月1回なので、ややアバウトです。

2021年2月25日の終値は95.63ドル、過去1年の配当金額は1.5354ドルなので、現在の配当利回りは1.61%です。過去5年の平均配当利回りは約2.21%です。過去5年で株価は一応右肩上がりで、配当も昨年までは増配傾向だったので、早い時期に買っていればYOCは上がりました。2016年3月頃に買っていたら、現在YOCは約2.7%になっていました。

 

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ライバルETFとトータルリターンを比較する

【VT】と広範囲をターゲットにしているETFとの過去10年トータル・リターンを比較します。【ACWI】【VXUS】【VTI】と比べます。

2011年2月に1万ドル投資して配当を再投資した場合、2021年1月には【VTI】が3万5400ドル、【VT】が2万4000ドル、【ACWI】が2万3700ドル、【VXUS】が1万6200ドルになっていました。【VT】と【ACWI】はチャートもそっくりですね。ちなみに【VTI】(全米)と【VXUS】(米国以外)を足すと、【VT】や【ACWI】(全世界)のようになるので、【VT】や【ACWI】のチャートは【VTI】と【VXUS】のちょうど中間に位置しています。

 

過去3カ月、1、3、5、10年の年平均トータルリターンは以下の通りです。ほとんどの期間で【VTI】が優勢です。【VT】と【ACWI】は差がないですね。【VXUS】は過去3年や過去10年のパフォーマンスが今ひとつです。

過去10年の配当金はどのくらいか?

過去10年の配当金を比較します。下のグラフは、10年前に1万ドルを投資した場合の、年間配当金の推移です。配当金は再投資します。税金は考慮しません。

【VT】【ACWI】【VXUS】【VTI】の配当額に違いはあまりないですね。【VTI】が少し多いです。【VT】は10年目の2020年には395ドルになっていました。

 

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【VT】の今後の配当予想は?

現在の過去1年配当金額(1.5354ドル)と1、3、5、10年前の同時期の過去1年配当金額(1.8775ドル、1.5645ドル、1.414ドル、0.918ドル)を比較して年間増配率を計算し、それを使って将来の配当金とYOCを予想しました。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの配当利回りのことです。【VT】株を2021年2月25日の終値95.63ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。

購入金額は1万ドルにします。そうすると、年間配当額から利回り(YOC)が一瞬で計算できます。たとえば、年間配当額が300ドルなら利回り(YOC)は3.0%、年間配当額550ドルなら利回り(YOC)は5.5%になります。

増配率は過去1年がマイナス18.2%、過去3年がマイナス0.6%、過去5年が1.7%、過去10年が5.3%でした。現在の配当利回りは1.61%です。

配当を再投資しない場合

まずは配当を再投資しないケースを見てみましょう。税金は考慮しません。現在の配当利回りが1.61%なので、年間配当額は161ドルです。まだ配当が発表されていないので、起点となる年は1年前の2020年にします。

もっとも増配率の低い過去1年のペースだと2024年の配当額は72ドル、2029年の配当額は26ドルになります。もっとも成績の良い過去10年の増配率を当てはめると2024年の配当額は197ドル、2029年の配当額は255ドルになりそうです。配当額255ドルはYOC(購入額に対する利回り)2.55%です。

 

配当を再投資する場合

つぎに配当を再投資するケースを見てみましょう。税金は考慮しません。再投資する場合の配当金額は、現在と10年前の株価を比較して年平均騰落率を計算し、それを使って調整しています。

もっとも増配率の低い過去1年のペースだと2024年の配当額は75ドル、2029年の配当額は28ドルになります。もっとも成績の良い過去10年の増配率を当てはめると2024年の配当額は211ドル、2029年の配当額は300ドルになりそうです。配当額300ドルはYOC(購入額に対する利回り)3.00%です。

ちなみに、前々項の10年前に1万ドルを投資した場合の10年後の配当金額と、この項目の過去10年増配率を使って現在1万ドルを投資した場合の10年後の配当予想は、ほぼ同じ内容です。ただ10年前に投資した場合の10年後配当は395ドル、今回の10年後の配当予想は300ドルと差がつきました。これは開始時の株価(配当利回り)が異なっていたからです。現在の利回りよりも10年前の利回りが高いため、この差が将来の配当金額の違いとなりました。つまり今の【VOO】は、10年前と比較して株価が割高という考え方ができます。

配当を再投資する場合(税引き後)

最後に配当を再投資するケースで、税金を引いた額で計算してみましょう。配当金は28%の税金を引いた72%で計算します。起点となる年(2020年)は161ドルではなく、税引き後の116ドルからのスタートになります。

もっとも増配率の低い過去1年のペースだと2024年の配当額は53ドル、2029年の配当額は20ドルになります。もっとも成績の良い過去10年の増配率を当てはめると2024年の配当額は149ドル、2029年の配当額は207ドルになりそうです。配当額207ドルはYOC(購入額に対する利回り)2.07%です。

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まとめ

いかがでしたか? 【VT】の株価は上昇しており、配当利回りは低くなっています。2020年の配当金額は少なかったですが、2021年はどうでしょうか? 米国以外の国の成長に期待したいです。

 

 

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