全米ETF【VTI】の2020年10月末のデータが更新されたのでまとめてみた

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バンガード社のETFは公式サイトで月1回更新されます。月末のデータが、翌月の15日頃に反映されます。今回2020年10月末のデータが更新されましたので、バンガード トータルストックマーケットETF【VTI】の組込銘柄の変化や傾向について検証します。ちなみに経費率は年0.03%です。

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【VTI】のセクター別のファンド構成比は?

【VTI】に組み込まれている銘柄のセクター別の組込比率です。バンガードの公式サイトではICB(Industry Classification Benchmark)で分類されていますので、これをGICS(Global Industry Classification Standard)に変換しました。情報技術の割合が最も多く、全体の4分の1以上を占めています。以下、ヘルスケア、一般消費財、通信サービス、金融と続いています。

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【VTI】にはどんな銘柄が組み込まれているのか?

【VTI】の保有銘柄数は3590銘柄です。組込銘柄の一覧を円グラフにしました。組込比率0.5%以上の銘柄は33あり、全体の約38.4%を占めています。組込比率0.5%未満は3557銘柄で全体の約61.6%、円グラフの白い部分です。

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【VTI】の上位組込銘柄はどんな会社か?

【VTI】の組込比率1%以上の銘柄です。ベンチマークはCRSP USトータル・マーケット・インデックス。米国株式市場の投資可能銘柄のほぼ100%をカバーしています。データの中身は2020年10月末時点のものです。

 

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過去7カ月の組込比率1%以上の銘柄比較

最近7カ月間の組込比率0.5%以上の銘柄の比較です。トップ10の並び順は先月と同じですね。マスターカード【MA】インテル【INTC】の比率が少し下がっています。アルファベット【GOOGL】【GOOG】は比率を上げました。

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【VTI】上位33銘柄は主要ETFには組み込まれているのか?

【VTI】の組込比率0.5%以上の33銘柄は、他のETFには組み込まれているのでしょうか? その一覧が下の表です。左から米国全体【VTI】、S&P500【VOO】、高配当【VYM】【HDV】【SPYD】、連続増配【VIG】、ダウ30平均【DIA】、ナスダック100【QQQ】、情報技術【VGT】です。表内の数字は組込順位一番上の行をクリックすると、その項目の順番に並び直します。同じ箇所を続けてクリックすると数値の大小が逆になります。試してください。

※「Tik」はティッカー・コード、「配利」は配当利回りです。配当利回りは2020年10月末の株価から算出しました。【SPYD】は7月の時点で均等に組込、【DIA】は株価の高い順が組込順位なので、この2つの組込順位はあまり重要ではありません。

Tik 配利 VTI VOO VYM HDV SPYD VIG DIA QQQ VGT
AAPL 0.8 1 1 19 1 1
MSFT 1.1 2 2 2 5 2 2
AMZN 3 3 3
FB 4 4 4
GOOGL 5 5 5
GOOG 6 6 6
BRK.B 7 7
JNJ 3.0 8 8 1 3 4 13
PG 2.3 9 9 2 3 15
V 0.7 10 11 7 8 4
NVDA 0.1 11 10 8 3
JPM 3.7 12 12 3 21
UNH 1.6 13 13 6 1
TSLA 14 7
HD 2.3 15 14 5 3
MA 0.6 16 15 5
VZ 4.4 17 16 4 4 45 25
DIS 18 17 8 16
PYPL 19 18 11 8
ADBE 20 19 9 6
NFLX 21 21 12
CRM 22 20 3 7
PFE 4.3 23 22 5 6 56
WMT 1.6 24 23 6 1 14
T 7.7 25 25 7 1 62
CMCSA 2.2 26 24 8 9 10
MRK 3.2 27 26 9 10 24
INTC 3.0 28 27 10 28 14 9
TMO 0.2 29 28
KO 3.4 30 30 11 7 26
ABT 1.4 31 29 10
BAC 3.0 32 32 13
PEP 3.1 33 31 12 8 11 13

【VOO】と【VTI】の上位銘柄はほとんど同じです。S&P500に採用されていないテスラ【TSLA】が【VOO】には入っていません。

【QQQ】の上位6銘柄と【VTI】【VOO】の上位6銘柄は同じですね。いわゆるGAFAMです。

ファンドオーバーラップで他のETFとの比較する

ファンドオーバーラップを使って、他のETFとの重複割合を調べてみましょう。【VTI】との重複割合が高いのは【VOO】ですね。これは【VTI】の上位8割弱がS&P500銘柄のためです。この2つのETFは株価の動きやトータルリターン比較などもほぼ同じです。

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【VTI】の配当はどう変化したか?

【VTI】は年4回配当が支払われます。3、6、9、12月に配当落ちがあり、その数日後に振り込まれます。2020年の3、6、9月に支払われた配当は、前年の同期の合計とほぼ同じです。コロナ・ショックのダメージは軽微だったといえそうです。

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今年に入ってからの配当利回りは?

2020年に入ってからの【VTI】の株価と配当利回りを見てみましょう。過去1年の年間配当額から算出しました。青線が株価(左軸)で、赤線が配当利回り(右軸)です。配当利回りは1.7%前後で推移していましたが、2月半ば以降は株価が下がったため、3月23日には配当利回りが2.6%まで上昇しました。現在は株価がコロナ・ショック前を上回り、配当利回りは1.57%です。

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【VTI】を過去に買っていた場合のYOCは?

過去に【VTI】を買った場合、現在の購入単価当たりの配当利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から5年前までの株価、配当利回り、YOCを見ていきましょう。株価は月末のもので月1回なので、やや大雑把です。

2020年11月18日の終値は183.18ドル、過去1年の配当金額は2.8731ドルなので、現在の配当利回りは約1.57%です。過去5年の平均配当利回りは約1.83%です。過去5年で株価は右肩上がりで、増配もしていますので、早い時期に買った方がYOCは上がります。2016年1月頃に買っていたら、現在YOCは約2.9%になっていました。

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【VTI】の今後の配当予想は?

現在の過去1年配当金額(2.8731ドル)と1、3、5、10年前の同時期の過去1年配当金額(2.7401ドル、2.397ドル、2.045ドル、1.16ドル)を比較して年間増配率を計算し、それを使って将来の配当金とYOCを予想しました。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの配当利回りのことです。【VTI】株を2020年11月18日の終値183.18ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。棒グラフが配当金予想、折れ線グラフがYOC予想です。


増配率は過去1年が4.9%、過去3年が6.2%、過去5年が7.0%、過去10年が9.5%でした。現在の配当利回りは1.57%です。もっとも増配率が低い過去1年のペースで増配が続くと10年後のYOCは2.0%、20年後のYOCは4.1%になります。もっとも増配率が高い過去10年の増配と同じだと10年後のYOCは3.9%、20年後のYOCは9.6%になります。配当利回りはそれほど高くありませんが、どの期間でも安定して増配しているので、まずまずのYOCが見込めそうです。

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まとめ

いかがでしたか? 【VTI】の株価は、コロナ・ショック前を上回りました。

【VTI】は全米をフォローしている投資しているETFです。最近はハイテク系が頭打ちの状態ですが、それ以外の出遅れていた銘柄の株価が伸びており、【VTI】の株価は高い水準を保っています。今後も米国の強さと成長を信頼するのならば、安心して保有できるETFといえそうです。