人気増配ETF【VIG】の2020年10月末のデータが更新されたのでまとめてみた

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バンガード社のETFは公式サイトで月1回更新されます。月末のデータが、翌月の15日頃に反映されます。今回2020年10月末のデータが更新されましたので、バンガード 米国増配株式ETF【VIG】の組込銘柄の変化や傾向について検証します。ちなみに経費率は年0.06%です。

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【VIG】のセクター別のファンド構成比は?

【VIG】に組み込まれている銘柄のセクター別の組込比率です。バンガードの公式サイトではICB(Industry Classification Benchmark)で分類されていますので、これをGICS(Global Industry Classification Standard)に変換しました。情報技術の割合が最も多く、生活必需品、ヘルスケアと続いています。ディフェンシブな3セクターが上位で、全体の約半分を占めています。

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【VIG】にはどんな銘柄が組み込まれているのか?

【VIG】の保有銘柄数は212銘柄です。組込銘柄の一覧を円グラフにしました。組込比率1%以上の銘柄は27あり、全体の約62.3%を占めています。組込比率1%未満は185銘柄で全体の約37.7%、円グラフの白い部分です。

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【VIG】の上位組込銘柄はどんな会社か?

【VIG】の組込比率1%以上の銘柄です。ベンチマークはNASDAQ US ディビデンド・アチーバーズ・セレクト・インデックス。大型株の中でも10年以上の増配実績のある銘柄がほとんどで、REITは除外されています。データの中身は2020年10月末時点のものです。

 

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過去7カ月の組込比率1%以上の銘柄比較

最近7カ月間の組込比率1%以上の銘柄の比較です。先月との比較では、ビザ【V】が比率を下げています。キャタピラー【CAT】が圏外から新たに加わりました。

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【VIG】上位27銘柄は主要ETFには組み込まれているのか?

【VIG】の組込比率1%以上の27銘柄は、他のETFには組み込まれているのでしょうか? その一覧が下の表です。左から連続増配【VIG】、高配当【VYM】【HDV】【SPYD】、S&P500【VOO】、米国全体【VTI】、ダウ30平均【DIA】、ナスダック100【QQQ】、情報技術【VGT】です。表内の数字は組込順位一番上の行をクリックすると、その項目の順番に並び直します。同じ箇所を続けてクリックすると数値の大小が逆になります。試してください。

※「Tik」はティッカー・コード、「配利」は配当利回りです。配当利回りは2020年10月末の株価から算出しました。【SPYD】は7月の時点で均等に組込、【DIA】は株価の高い順が組込順位なので、この2つの組込順位はあまり重要ではありません。

Tik 配利 VIG VYM HDV SPYD VOO VTI DIA QQQ VGT
WMT 1.6 1 6 23 24 14
MSFT 1.1 2 2 2 5 2 2
PG 2.3 3 2 9 9 15
JNJ 3.0 4 1 3 8 8 13
HD 2.3 5 14 15 3
UNH 1.6 6 13 13 1
V 0.7 7 11 10 8 4
DIS 0.0 8 17 18 16
CMCSA 2.2 9 8 24 26 10
ABT 1.4 10 29 31
PEP 3.1 11 12 8 31 33 13
ORCL 1.7 12 55 55 15
MCD 2.4 13 14 33 34 7
COST 0.8 14 34 35 16
NKE 0.8 15 37 37 18
NEE 3.3 16 17 39 39 12
QCOM 2.1 17 18 41 41 17 13
ACN 1.6 18 42 43 12
TXN 2.8 19 22 12 46 47 20
MDT 2.3 20 44 45
BMY 3.1 21 23 13 47 48
UNP 2.2 22 49 50
LOW 1.5 23 50 51
LMT 3.0 24 31 66 69
BLK 2.4 25 39 20 68 64
CAT 2.6 26 33 67 67
RTX 3.5 27 35 69 70

ファンドオーバーラップで他のETFとの比較する

ファンドオーバーラップを使って、他のETFとの重複割合を調べてみましょう。以下のようになりました。【VIG】と【SPYD】はまったく重なっていません。【DIA】の全30銘柄中40%が【VIG】に組み込まれています。IT系のETF【QQQ】や【VGT】は、【VIG】と重複率が低いので、お互いを補完する意味ではいいかもしれません。

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【VIG】の配当はどう変化したか?

【VIG】は年4回配当が支払われます。3、6、9、12月に配当落ちがあり、その数日後に振り込まれます。2020年は6月の配当が多かったので、年間を通して2019年を上回りそうです。【VIG】は下落相場で強いと言われていますが、配当面からも証明されました。

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今年に入ってからの配当利回りは?

2020年に入ってからの【VIG】の株価と配当利回りを見てみましょう。過去1年の年間配当額から算出しました。青線が株価(左軸)で、赤線が配当利回り(右軸)です。配当利回りは1.7%前後で推移していましたが、2月半ば以降は株価が下がったため、3月23日には配当利回りが2.4%まで上昇しました。現在は株価がコロナ・ショック前を上回り、配当利回りは1.61%です。

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【VIG】を過去に買っていた場合のYOCは?

過去に【VIG】を買った場合、現在の購入単価当たりの配当利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から5年前までの株価、配当利回り、YOCを見ていきましょう。株価は月末のもので月1回なので、やや大雑把です。

2020年11月17日の終値は138.44ドル、過去1年の配当金額は2.2306ドルなので、現在の配当利回りは約1.61%です。過去5年の平均配当利回りは約1.95%です。過去5年で株価は右肩上がりで、増配もしていますので、早い時期に買った方がYOCは上がります。2016年1月に買っていたら、現在YOCは約2.94%になっていました。

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【VIG】の今後の配当予想は?

現在の過去1年配当金額(2.2306ドル)と1、3、5、10年前の同時期の過去1年配当金額(2.1126ドル、1.95ドル、1.802ドル、0.983ドル)を比較して年間増配率を計算し、それを使って将来の配当金とYOCを予想しました。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの配当利回りのことです。【VIG】株を2020年11月17日の終値138.44ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。棒グラフが配当金予想、折れ線グラフがYOC予想です。


年間増配率は過去1年が5.6%、過去3年が4.6%、過去5年が4.4%、過去10年が8.5%でした。現在の配当利回りは1.61%です。もっとも増配率が低い過去5年のペースで増配が続くと10年後のYOCは2.5%、20年後のYOCは3.8%になります。もっとも増配率が高い過去10年の増配と同じだと10年後のYOCは3.7%、20年後のYOCは8.3%になります。配当利回りはそれほど高くありませんが、安定して増配するので、それなりのYOCになりそうです。

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まとめ

いかがでしたか? 【VIG】は相場が軟調の時に強さを見せますが、現在の好調な相場でも株価の伸びはなかなかのものです。買い時が難しいですね。