全米網羅ETF【VTI】の2020年7月末データが更新されたので分析してみた

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バンガード社のETFは公式サイトで月1回更新されます。月末のデータが、翌月の15日頃に反映されます。今回2020年7月末のデータが更新されましたので、バンガード・トータル・ストック・マーケットETF【VTI】の組込銘柄の変化や傾向について検証します。

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【VTI】のセクター別のファンド構成比は?

【VTI】に組み込まれている銘柄のセクター別の組込比率です。バンガードの公式サイトではICB(Industry Classification Benchmark)で分類されていますが、これをGICS(Global Industry Classification Standard)に変換しようと思いました。ところが、【VTI】は3500銘柄も組み込まれているので、この変換作業はものすご~く時間がかかってしまいます。

そこで次善の策として、【VOO】のセクター比率(GICS)で代用します。【VTI】の上位約75%がS&P500なので、S&P500をベンチマークしている【VOO】は、【VTI】の上位75%にすっぽりと入るイメージです。そのため、両ETFのセクター比率はかなり似通っています。ちなみに、バンガードの公式サイトでは、なぜか【VOO】だけはGICSで分類されています。

 

【VTI】と【VOO】のセクター比率をサイトで比較する

【VTI】と【VOO】のセクター比率がほぼ同じかどうかを、「ETF.com」「Seeking Alpha」で比較してみましょう。下のグラフの上段がETF.comの【VTI】と【VOO】の比較、下段がSeeking Alphaの【VTI】と【VOO】の比較です。ちなみにETF.com、Seeking Alphaともに、セクター分類はICBでもなければ、GICSでもないです。

どちらも【VTI】と【VOO】の各セクター比率は、せいぜい1%ぐらいしか違いがないことが分かりますね。そんなわけで、【VTI】のGICSでのセクター比率を知りたい場合は、同じバンガード社の【VOO】を参考にするといいでしょう。

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【VTI】のセクター比率はどう変化したか?

セクター別の組込比率を1カ月前と比較しました。ICBのデータです。ほとんど変化はありません。

 

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【VTI】にはどんな銘柄が組み込まれているのか?

【VTI】の保有銘柄数は3529銘柄です。組込銘柄の一覧を円グラフにしました。組込比率0.5%以上の銘柄が36銘柄あり、全体の約40.0%を占めています。組込比率0.5%未満は3493銘柄で全体の約60.0%、円グラフの白い部分です。

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【VTI】の上位組込銘柄はどんな会社か?

【VTI】の組込比率0.5%以上の銘柄です。ベンチマークは、米国株式市場のほぼすべてをカバーする「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」です。ランク上位銘柄は配当を支払っていないIT系が占めています。データは2020年7月末日のものです。

 

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過去4カ月の組込比率0.5%以上の銘柄比較

最近4カ月間の組込比率0.5%以上の銘柄の比較です。ITが好調ですね。1位はマイクロソフト【MSFT】が続いていましたが、7月末にアップル【AAPL】になりました。エヌビディア【NVDA】ペイパル【PYPL】はここ数カ月で比率を上げています。テスラ【TSLA】は6月末にランクインして、7月末には大幅に順位を上げており、躍進著しいですね。

逆にエクソン・モービル【XOM】シェブロン【CVX】などのエネルギーは毎月比率を下げています。ITではインテル【INTC】が苦戦しています。

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【VTI】上位36銘柄は主要7ETFには組み込まれているのか?

【VTI】の組込比率0.5%以上の36銘柄は、他のETFには組み込まれているのでしょうか? その一覧が下の表です。左から米国全体【VTI】、S&P500【VOO】、ナスダック100【QQQ】、ダウ30平均【DIA】、連続増配【VIG】、高配当【VYM】【HDV】【SPYD】です。表内の数字は組込順位一番上の行をクリックすると、その項目の順番に並び直します。同じ箇所を続けてクリックすると数値の大小が逆になります。試してください。

※「Tik」はティッカー・コード、「配利」は配当利回りです。配当利回りは2020年7月末の株価から算出しました。【SPYD】は7月の時点で均等に組込、【DIA】は株価の高い順が組込順位なので、この2つの組込順位はあまり重要ではありません。

Tik配利VTIVOOQQQDIAVIGVYMHDVSPYD
AAPL0.81111
MSFT1.022341
AMZN332
FB444
GOOGL555
GOOG666
JNJ2.87710413
BRK.B88
PG2.4991232
V0.6101065
UNH1.7111227
HD2.3121336
MA0.51314
JPM3.71411183
NVDA0.215158
VZ4.316162324
PYPL17179
NFLX182011
ADBE191810
PFE4.02019305527
TSLA217
DIS2221
T7.023226134
MRK3.024232077
INTC2.8252412248
CMCSA2.2262613910
BAC2.9272711
PEP3.0282814101210
WMT1.7292913214
KO3.530302513
CSCO3.13125152799
ABT1.4323112
XOM8.333322815268
ABBV5.034341646
CRM3533
TMO0.23635

【VOO】と【VTI】の上位銘柄はほとんど同じです。S&P500に採用されていないテスラ【TSLA】が【VOO】には入っていません。

【QQQ】の上位6銘柄と【VTI】【VOO】の上位6銘柄は同じですね。いわゆるGAFAMです。

高配当ETF【VYM】【HDV】【SPYD】には、米国全体【VTI】の組込上位20社はあまり入っていないですね。20番目を過ぎると【VYM】組込銘柄が一気に増えます。

 

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今年に入ってからの配当利回りは?

2020年に入ってからの【VTI】の株価と配当利回りを見てみましょう。過去1年の年間配当額から算出しました。青線が株価(左軸)で、赤線が配当利回り(右軸)です。配当利回りは1.7%台で推移していましたが、2月半ば以降は株価が下がったため、3月23日には配当利回りが2.6%まで上昇しました。現在は株価がコロナ・ショック前と同じぐらいまで戻り、配当利回りは1.68%です。

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【VTI】を過去に買っていた場合のYOCは?

過去に【VTI】を買った場合、現在の購入単価当たりの配当利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から、【VTI】が設定された19年前の2001年まで、1年ごと遡って【VTI】を買った場合のYOCと株価を見ていきましょう。

2020年8月21日の終値は172.22ドル、過去1年の配当金額は2.899ドルなので、現在の配当利回りは約1.7%です。

【VTI】の株価は11年前の2009年以降は右肩上がりで、増配率もまずまずでした。そのため、早い時期に買っていれば、YOCはかなり上がります。10年前に買っていたら、現在YOCは約5.3%になっていました。10年前に買っていれば、株価、YOCともに約3.2倍になっていました。

 

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【VTI】の今後の配当予想は?

現在の過去1年配当金額(2.899ドル)と1、3、5、10年前の同時期の過去1年配当金額(2.7543ドル、2.383ドル、2.002ドル、1.111ドル)を比較して年間増配率を計算し、それを使って将来の配当金とYOCを予想しました。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの配当利回りのことです。【VTI】株を2020年8月21日の終値172.22ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。棒グラフが配当金予想、折れ線グラフがYOC予想です。


年間増配率は過去1年が5.3%、過去3年が6.8%、過去5年が7.7%、過去10年が10.1%でした。現在の配当利回りは1.68%です。もっとも増配率が低い過去1年のペースで増配が続くと10年後のYOCは2.8%、20年後のYOCは4.7%になります。もっとも増配率が高い過去10年の増配と同じだと10年後のYOCは4.4%、20年後のYOCは11.5%になります。現在の配当利回りは高くないですが、増配率はまずまずので、将来のYOCはそれなりに見込めそうです。

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まとめ

いかがでしたか? 【VTI】の株価は、コロナ・ショック前の過去最高値まで戻ってきました。

【VTI】は全米をフォローしている投資しているETFで、GAFAMをはじめとしたIT系の割合が多いため、なかなかのパフォーマンスを見せています。仮に現在上がり続けているIT関連株が一気に暴落しても、組込銘柄の割合を臨機応変に変えてくれるので、下値は限られています。今後も米国の強さと成長を信頼するのならば、安心して保有できるETFといえそうです。

また、現在の配当利回りはあまり高くないですが、相場が好調の時は増配率と株価の両方が期待できるので、長期保有向きともいえます。

 

 

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