全世界ETF【VT】(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)の2021年12月分配金は0.7850ドル。対前年同期42.1%増

スポンサーリンク

少し前のことですが、バンガード社のバンガード・トータル・ワールド・ストックETF【VT】が、2021年12月15日に分配金を発表しました。0.7850ドルです。1年前の同期は0.5524ドルでしたので、1年前の同期から42.1%増です。

利回りを過去1年間の分配金額から算出すると、2022年2月11日の終値は101.41ドル、過去1年の分配金額は1.955ドルなので、利回りは1.93%になります。

※このページでの利回りは過去1年間の分配金をもとに計算します。

 

スポンサーリンク

【VT】の過去の分配金と増配率は?

【VT】が設定されたのは2008年6月です。下の表は過去の分配金の一覧です。

2021年12月の【VT】分配金が増配or減配なのかは、どのデータを比較するかによって異なります。もっともオーソドックスなのは、前年の同期との分配金額の比較です。今回が0.7850ドル、前年の同期が0.5524ドルなので42.1%の増配になります。また、前年同期との過去1年分配金額の比較では、今回が1.9550ドル、前年の同期が1.5354ドルなので、27.3%の増配となります。

※背景がになっているのが減配です

【VT】の期別分配金は?

2021年12月の分配金額0.7850ドルは前年同期を大きく上回りました。年間分配金も、2021年は過去最高を記録しました。

【VT】の年間分配金と株価の関係は?

【VT】の分配金を1年ごとにまとめてグラフ化しました。年間分配金は2020年はコロナ・ショックの影響で減りましたが、翌2021年は回復しました。株価は堅調に伸びています。

【VT】の分配金額を棒グラフで確認しよう

期ごとの分配金額を株価と比較しました。世界が対象なので、分配金の支払いが年2回のケースが多いです。そのため、6月と12月が多く、3月と9月は少ない傾向にあります。2021年12月の0.7850ドルというのは過去最高です。かなり飛び抜けた金額です。

【VT】の過去1年分配金額を棒グラフで確認しよう

過去1年の分配金額と株価の比較です。過去1年の分配金にすると、デコボコが少なくなり、マイルドな動きになります。分配金額と株価とは結構連動しています。

スポンサーリンク

【VT】の年間増配率は?

年間増配率を確認しましょう。最初に分配金が支払われたのが2008年ですが、本格的な金額は2009年からなので、データは2010年からになります。2015年と2020年がマイナスですが、前年は二桁%のプラスでした。ETFは前年が多すぎると翌年マイナスになるというケースが結構あります。

長期の増配率をチェック!

1年ごとの増配率は年によって結果が異なるので、若干イメージしづらいかもしれません。そういう時は、複数年単位で増配率をチェックしましょう。下のグラフは過去3年と過去5年の増配率の推移です。

過去5年では2020年を除くと5%以上と安定しています。長期で見ると、漸減傾向と言えるかもしれません。

 

スポンサーリンク

2020年以降の株価と利回りは?

2020年以降の【VT】の株価と利回りを見てみましょう。利回りは、過去1年の年間分配金額から算出しました。青線が株価(左軸)で、赤線が利回り(右軸)です。2020年の年初は利回りが2.3%前後で推移していましたが、2月半ば以降はコロナ・ショックで株価が下落し、3月23日には利回りが3.3%まで上昇しました。その後、株価はコロナ・ショック前を上回り、2022年2月11日時点での利回りは1.93%です。

 

スポンサーリンク

現在の【VT】の株価と利回りの関係は?

年間分配金額が現在と同じだったら、利回りはどのように変化するでしょうか。下のグラフは年間分配金額が現在と同じ1.9550ドルが続いた場合の、利回りと株価の相関図です。利回りを0.1%ごとに株価を出しました。今後【VT】を購入しようと考えている人は、目安にしてください。

 

スポンサーリンク

【VT】を過去に買っていた場合のYOCは?

過去に【VT】を買った場合、現在の購入単価当たりの利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から5年前までの株価、利回り、YOCを見ていきましょう。株価は月末のもので月1回なので、ややアバウトです。

下のグラフの黄色の線が、過去に買った場合の、現在の購入単価当たりの利回り(YOC)です。この線が左肩上がりの場合は、株価好調&増配傾向にあるといえます。【VT】はまずまずですね。

2022年2月11日の終値は101.41ドル、過去1年の分配金額は1.9550ドルなので、現在の利回りは1.93%です。過去10年の平均利回りは約2.2%です。

利回りは2.0~2.6%がレンジで、2.3%を超えたら買いと言えそうです。

過去10年で株価は右肩上がりで、分配金も2019年までは増配傾向だったので、早い時期に買っていればYOCは上がりました。2012年5月頃に買っていたら、現在YOCは約4.5%になっていました。

 

スポンサーリンク

基本情報を確認しよう

【VT】は全世界の先進国株式市場および新興国株式市場投資しているETFで、銘柄は時価総額加重平均で組み入れられています。 FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動するように運用されています。

先進国および新興国の株式市場に幅広く分散投資しており、世界47カ国以上の株式が含まれています。 世界の投資可能な時価総額の98%以上をフォローしています。

全世界が対象の【VT】と【ACWI】、米国以外の世界が対象の【VXUS】、全米が対象の【VTI】を比較してみましょう。

経費率はバンガード社の3つのETFは0.1%未満と安いですが、ブラックロック社の【ACWI】は0.33%と少し高いですね。ちなみに【ACWI】のベンチマークは、投資信託の「eMAXIS Slimシリーズ・全世界株式(オールカントリー)」と同じです。

 

スポンサーリンク

【VT】のセクター別の構成比は?

【VT】とライバルのETF【ACWI】【VTI】【VXUS】に組み込まれている銘柄のセクター比率を比べましょう。GICS(Global Industry Classification Standard)による分類です。

全世界同士の【VT】と【ACWI】の内訳はほぼ同じです。

全米ETF【VTI】との比較では、金融や資本財セクターが【VT】の方が多く、情報技術やヘルスケア、通信サービスが【VTI】に多く組み込まれています。ハイテクを駆使している業種が米国に多いと言えますね。

米国以外【VXUS】は金融がトップで資本財が続き、情報技術は3番目です。金融はどこの国にでもありますし、資本財は土木や建築などほとんどの国で一定の割合があるセクターと言えます。

 

スポンサーリンク

【VT】の市場別の構成比率は?

地域別と市場別の構成比率を見てみましょう。地域別では北アメリカ、市場別(国別)では米国が圧倒的で、約6割のシェアを占めています。地域別はヨーロッパが続き、アジア太平洋と新興国が同じくらいです。2021年12月末のデータです。

 

スポンサーリンク

【VT】の上位組込銘柄はどんな会社か?

【VT】の保有銘柄数は約9300銘柄です。ベンチマークは、米国を含む先進国および新興国約47ヵ国の大型・中型・小型株で構成される、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス。上位20銘柄の組込比率の合計は約20%なので、かなり分散されているといえます。

上位20銘柄のうち17銘柄を米国企業が占めています。米国以外では、台湾のTSMC、中国のテンセント、スイスのネスレがランクインしています。

 

スポンサーリンク

2020年5月以降の組込上位20銘柄の推移

組込比率上位20銘柄の推移です。上位銘柄の構成は【VOO】や【VTI】に、米国以外が少し加わっただけですね。アリババ【BABA】は2020年の8月は組込順位が5位でしたが、ちょうど1年後の2021年8月にはトップ20から陥落してしまいました。テスラ【TSLA】は構成比率の変動が大きいですね。

 

スポンサーリンク

【VT】上位20銘柄は主要ETFには組み込まれているのか?

【VT】の組込比率上位20銘柄は、他のETFにどのくらいの割合で組み込まれているのでしょうか? 全世界【ACWI】、米国以外【VXUS】、欧州【VGK】、新興国【VWO】、全米【VTI】、ナスダック【QQQ】、高配当【VYM】の主要ETFへの組込比率(%)をまとめました。

【VT】は世界に分散されていますので、全米【VTI】やナスダック【QQQ】などと比較しても、上位組込銘柄の比率が低いです。

同じ全世界がターゲットの【ACWI】とはほぼ同じです。組込銘柄数が【VT】の方が多いので、上位組込銘柄の比率は【ACWI】が少し高いです。

【VT】との重複率はやはり【ACWI】が81%と高いです。

※組込比率は、バンガード社のETFは2021年12月末、【ACWI】【QQQ】は2022年2月11日のデータをもとにしています。主要ETFのティッカー・コードの下の数字は2月11日の利回り(%)です。一番下のETF同士の比率は「etfrc.com」のデータです。

スポンサーリンク

ライバルETFとトータルリターンを比較する

【VT】と世界の広範囲をターゲットにしているETFを比較します。対象は全世界【ACWI】、米国以外の世界【VXUS】、全米【VTI】。PORTFOLIO VISUALIZERを使って、過去10年を比べます。

2012年2月に1万ドル投資して配当を再投資した場合、2021年1月には【VTI】が4万400ドル、【VT】が2万8200ドル、【ACWI】が2万8000ドル、【VXUS】が1万8800ドルになっていました。【VT】と【ACWI】はチャートもそっくりです。

ちなみに【VTI】(全米)と【VXUS】(米国以外の世界)を足すと、ほぼ【VT】や【ACWI】(全世界)になります。そのため、下のチャートでは【VT】や【ACWI】は【VTI】と【VXUS】のほぼ中間を推移しています。

ライバルとのトータルリターン比較

過去1、3、5、10年の年平均トータルリターンは以下の通りです。【VT】と【ACWI】は差がないですね。【VT】は米国以外が対象の【VXUS】【VGK】【VWO】よりも成績がよいです。【VYM】とリターンは似ています。

危険度はどのくらいか?

ETFの安定度を比べてみましょう。最大ドローダウンは、計測期間における最大下落率です。マイナスの数値が小さいほど最大下落率が低いです。

シャープレシオとは、同じリスクを取った場合のリターンの比較です。「(ファンドのリターン?無リスク資産のリターン)÷標準偏差」の値です。

ソルティノレシオはシャープレシオの改良版で、相場が軟調の際の成績を示しています。「(ファンドのリターン-無リスク資産のリターン)÷下方偏差」で計算します。

【VT】はいずれの値もまずまずです。ここでも【VXUS】【VGK】【VWO】を上回っています。ここ10年は米国が強かったので、米国を含んでいる【VT】に分があったといえます。

過去10年の分配金はどのくらいか?

2012年2月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合の年間にもらえる分配金の推移です。分配金は再投資します。税金は考慮しません。PORTFOLIO VISUALIZERのデータです。

10年間の配当金の合計は【VYM】が最も多く6000ドル、【VGK】が4800ドル、【VXUS】が3900ドル、【VT】が3800ドル、【VTI】が3700ドル、【ACWI】が3500ドル、【VWO】が2900ドル、【QQQ】が2200ドルでした。【VT】はこの中では平均的ですね。

 

スポンサーリンク

【VT】の今後のYOC予想は?

現在の過去1年分配金額(1.9550ドル)と1、3、5、10年前の同時期の過去1年分配金額(1.5354ドル、1.6589ドル、1.456ドル、1.018ドル)を比較して年間増配率を計算し、それを使って将来YOCを予想します。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの利回りのことです。【VT】株を2022年2月11日の終値101.41ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。

年間増配率は過去1年が27.3%、過去3年が5.6%、過去5年が6.1%、過去10年が6.7%でした。現在の利回りは1.93%です。

「分配金を再投資しない」「分配金を再投資しない(税引き後)」「分配金を再投資する」「分配金を再投資する(税引き後)」の4パターンで検証します

分配金を再投資しない場合のYOC

まずは分配金を再投資しない場合のYOCを見てみましょう。税金は考慮しません。スタート年は、現在の利回りの1.93%です。

もっとも増配率の低い過去3年の増配率(5.6%)で推移すると、5年後のYOCは2.53%、10年後のYOCは3.33%になります。もっとも成績の良い過去1年の増配率(27.3%)は2020年の分配金が少なすぎたため増配率が高くなっており、これが続く可能性は低そうです。2番目に成績の良い過去10年増配率(6.7%)で推移すると5年後のYOCは2.67%ドル、10年後のYOCは3.70%です。

分配金を再投資しない場合(税引き後)のYOC

次に分配金を再投資しないケースで、税金を引いた場合のYOCをチェックしましょう。分配金は約28%の税金を引いた72%が支払われます。スタート年のYOCは1.93%ではなく、税引き後の1.39%になります。

もっとも増配率の低い過去3年の増配率(5.6%)で推移すると、5年後のYOCは1.83%、10年後のYOCは2.40%になります。2番目に成績の良い過去10年増配率(6.7%)で推移すると5年後のYOCは1.92%ドル、10年後のYOCは2.67%です。

分配金を再投資する場合のYOC

それでは分配金を年1回再投資する場合のYOCを見てみましょう。税金は考慮しません。再投資する分配金額は、現在と10年前の株価を比較して年平均騰落率を計算し、それを使って調整します。

もっとも増配率の低い過去3年の増配率(5.6%)で推移すると、5年後のYOCは2.80%、10年後のYOCは4.19%になります。2番目に成績の良い過去10年増配率(6.7%)で推移すると5年後のYOCは2.95%ドル、10年後のYOCは4.71%です。

分配金を再投資する場合(税引き後)のYOC

最後に分配金を再投資するケースで、税金を引いた場合のYOCをチェックしましょう。分配金は約28%の税金を引いた72%が支払われます。スタート年のYOCは1.93%ではなく、税引き後の1.39%になります。

もっとも増配率の低い過去3年の増配率(5.6%)で推移すると、5年後のYOCは1.96%、10年後のYOCは2.83%になります。2番目に成績の良い過去10年増配率(6.7%)で推移すると5年後のYOCは2.07%ドル、10年後のYOCは3.17%です。

 

スポンサーリンク

まとめ

【VT】の2021年12月の分配金は、過去最高額でした。2021年の分配金は1.955ドルで、こちらも過去最高となりました。

これ一本で世界のほとんどをカバーできるので、この銘柄のみ保有という戦略もよさそうですね。

 

 

スポンサーリンク
ウィブル証券
BDC銘柄を特定口座で購入できるウィブル証券
スポンサーリンク

マネックス証券ではQYLD、XYLDなどの買付手数料無料キャンペーンを実施中!【PR】

マネックス証券では、米国ETFの買付手数料を全額キャッシュバックするキャンペーンを実施中です。

対象のETFは21。カバードコールETFの【QYLD】【XYLD】、人気高配当ETF【PFFD】【SDIV】【QDIV】【HDV】【SPYD】、定番ETF【VTI】【VOO】【VT】などバラエティに富んだラインナップ。

対象銘柄の詳細はこちら

まだの人は、この機会にマネックス証券で口座開設をしよう。

マネックス証券
スポンサーリンク
【PR】米国株の口座開設はこちら  SBI証券  楽天証券  マネックス証券  松井証券  ウィブル証券
BDCやCFD取引が気になる人は  IG証券の全口座(全般共通)  サクソバンク証券
CFD取引なら  DMM CFD  GMOクリック証券CFD

こちらのランキングに参加しております。応援クリックお願いします
 にほんブログ村 株ブログ 米国株へ

個人投資家のブログをまとめたサイトです。素晴らしい記事がたくさんあります。

VT
スポンサーリンク
たかにんをフォローする