【SPYD】が半年に1度の銘柄入れ替えを実施、スリーエム【MMM】、アムジェン【AMGN】など10銘柄が新加入

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ステート・ストリート社のSPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF【SPYD】は年2回、大幅な銘柄入れ替えを行っています。今回、2021年1月31日に組み換えが行われました。

今回の入れ替えでは6銘柄が除外されて、10銘柄が追加されました。そして4銘柄はすでに除外されていました。

 

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SPYDの銘柄入れ替え方法

【SPYD】はS&P500採用銘柄からほぼ利回りの大きな80銘柄を均等に組み入れます。銘柄入れ替えは年2回、1月と7月の最終営業日に組み入れます。入れ替える銘柄を決める基準日は、その1カ月前、つまり12月末と6月末です。

銘柄入れ替えの方法は、全体80銘柄の80%に該当する64銘柄は、S&P500の中から利回りの高いものを自動的に選びます。残りの20%に当たる16銘柄は、現在組込まれている銘柄が利回り上位96銘柄(120%)の中に該当していれば残ります。その結果、全部で80銘柄にならない場合は、現在組込まれていない銘柄から利回りの高い順に選びます。

ちょっとわかりづらいですが、S&P500採用銘柄の利回りの高いほぼ上位80銘柄と考えてOKです。現在組込まれている銘柄は、利回りが上位80位よりわずかに低くても残留するというイメージです。

 

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すでに除外されていた4銘柄

今回の入れ替え前にすでに除外されていたのは、以下の4銘柄です。いずれもS&P500から外れたことによるものです。

配当がカットされた銘柄やS&P500から除外された銘柄は、年2回の入れ替えを待たずに、【SPYD】からも自動的に除外されます。

ちなみにS&P500は年4回、3、6、9、12月に銘柄の入れ替えがあります。

ヘインズ・ブランズ【HBI】、レゲット・アンド・プラット【LEG】、ウェスタン・ユニオン【WU】は、2021年12月のS&P500の銘柄入れ替えで除外されました。

ユーナム・グループ【UNM】は、2021年9月にS&P500から外れました。

 

S&P500の採用条件は、米国企業であり、時価総額が53億ドル以上、流動性が高く、浮動株が発行済株式総数の50%以上、4 四半期連続で黒字の利益を維持していることです。時価総額加重指数のため、規模の大きな会社が組込比率が高くなります。S&P500は、米国株式市場全体の時価総額の約78%を占めています。

 

除外銘柄が2021年12月の大幅減配に与えた影響を考察する

2021年の12月にヘインズ・ブランズ【HBI】、レゲット・アンド・プラット【LEG】、ウェスタン・ユニオン【WU】の3銘柄がS&P500から除外されたことは、2021年12月の【SPYD】の分配金が大幅減になったことと関係があるのでしょうか?

【SPYD】の12月分配金は12月16日(木)に発表され、12月17日(金)が権利落ちでした。一方、S&P500の銘柄入れ替えは、12月17日(金)の引け値で行われました。ほぼ同時です。何とも微妙なタイミングですね。

直近の権利落ち日を確認しましょう。ヘインズ・ブランズ【HBI】は11月8日、レゲット・アンド・プラット【LEG】は12月15日、ウェスタン・ユニオン【WU】は12月16日、9月にS&Pから除外されたユーナム・グループ【UNM】は10月28日です。

【HBI】以外の3銘柄は、2021年12月の分配金の大幅減と関連がありそうですね。

 

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今回の入れ替えで【SPYD】から除外された6銘柄は?

今回の銘柄入れ替えで【SPYD】から外された6銘柄について見てみましょう。ファイザー【PFE】やブロードコム【AVGO】などの大型株がありますね。

いずれの銘柄も株価が好調で配当利回りが下がったため、除外されたと考えられます。下の表の組込比率は入れ替え直前の1月27日のものです。配当利回りは2月1日のデータです。ファイザー【PFE】の利回りが3%ちょうどくらいで、それ以外の5銘柄は3%を切っています。

 

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【SPYD】に新たに加わった10銘柄は?

今回の銘柄入れ替えで除外されたのが6銘柄、それ以前に除外されていたのが4銘柄なので、新たに加わったのは10銘柄です。1月31日データです。組込比率の高い順に並んでいます。セクター内訳はヘルスケアが4銘柄、生活必需品が2銘柄、エネルギー、公益事業、金融、資本財が1銘柄です。

面白いのはヴィアトリス【VTRS】が新加入されたことですね。特許切れ医薬品などを扱う会社です。今回の入れ替えで除外されたファイザー【PFE】から、2020年にスピンオフしたことは記憶に新しいところですね。

オルガノン【OGN】も2021年にメルク【MRK】から独立したバイオ医薬品メーカーです。また、アムジェン【AMGN】ブリストル・マイヤーズ・スクイブ【BMY】もバイオ医薬品メーカーの超大手。

スリーエム【MMM】は世界的な化学・電気素材メーカーです。資本財セクターは【SPYD】に組み込まれていなかったので、久々の登場です。

シティグループ【C】は米国の銀行大手3強のひとつ。

センプラ・エナジー【SRE】は天然ガスに強みを持つ電力・ガス会社。EOGリソーシズ【EOG】は独立系の中堅エネルギー会社。

コナグラ・ブランズ【CAG】は北米最大の食品加工会社、キャンベル・スープ【CPB】はスープなどを扱う、こちらも食品加工会社。

新加入10銘柄は、スピンオフ、バイオ医薬品、食品加工、エネルギーなどが中心です。

 

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これが【新SPYD】全80銘柄だ!

さて、【SPYD】はどのように生まれ変わったでしょうか? 以下の表が2022年1月31日現在の【新SPYD】の組込銘柄です。組込比率順に並んでいます。左端の背景がピンク色で「新」となっているのが新たに加わった銘柄です。

【SPYD】は銘柄変更をする1カ月前の12月末を基準日として、1.25%ずつ均等に組み込んだことにします。現在は1カ月経過して株価が上がった銘柄が、その分組込比率が上がっています。

全80銘柄の配当利回りを組込比率を加味して計算すると、3.9%です。

 

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【新SPYD】全80銘柄をセクターの比率順に並び替える

それでは【新SPYD】に組み込まれている銘柄をセクターの比率の大きい順に紹介します。組込銘柄数は、金融と公益事業と金融が最多の14銘柄、不動産が11銘柄、エネルギーが10銘柄、生活必需品が9銘柄、ヘルスケアが8、素材と通信サービスが5、情報技術が2、一般消費財と資本財が1銘柄です。

公益事業セクター

最も比率が高いのが公益事業で、全部で14銘柄です。新加入がセンプラ・エナジー【SRE】。デューク・エナジー【DUK】、サザン【SO】、ドミニオン・エナジー【D】は公益事業セクターのなかでは、時価総額2~4番目に大きいですね。

金融セクター

金融も14銘柄で最多タイです。新加入がシティグループ【C】。シティグループ【C】を除くと、規模が大きくない銘柄がほとんどです。

不動産セクター

不動産は11銘柄。新加入はありません。

不動産セクターの個別銘柄は日本の証券会社では基本的に購入できないので、リートのETFか、不動産セクター比率の高い【SPYD】で代用する方法があります。比較的利回りの高い銘柄が多いです。

エネルギーセクター、生活必需品セクター

エネルギーセクターは10銘柄。EOGリソーシズ【EOG】が新加入です。エクソン・モービル【XOM】とシェブロン【CVX】というスーパーメジャーが入っていますね。

生活必需品セクターは9銘柄。コナグラ・ブランズ【CAG】キャンベル・スープ【CPB】が新加入。どちらも規模はそれほど大きくない食品加工会社です。フィリップモリス【PM】やアリトリア・グループ【MO】というタバコメーカーが入っています。

ヘルスケアセクター、素材セクター

ヘルスケアセクターは8銘柄。新加入が4銘柄もあります。元からいた銘柄ではアッヴィ【ABBV】、メルク【MRK】、ギリアド・サイエンシズ【GIS】などの巨大製薬会社があります。

素材セクターは5銘柄。新加入はありません。もっともマイナーなセクターですが、ダウ【DOW】は世界最大の素材・化学メーカーです

通信サービス、情報技術、一般消費財、資本財セクター

通信サービスセクターは5銘柄。新加入はなく、通信インフラの超巨大企業ベライゾン【VZ】とAT&T【T】がいます。

情報技術は2銘柄。IBMは有名ですね。

一般消費財と資本財は1銘柄ずつ。スリーエム【MMM】が新加入しました

 

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セクター比率はどう変化したか?

【SPYD】のセクター比率がどう変化したのか、検証してみました。左の円グラフが、前回の入れ替え直前(2021年7月29日)です。真ん中の円グラフは、今回の入れ替え直前(2022年1月26日)。右側の円グラフが今回の入れ替え直後(2022年1月31日)です。

入れ替え前までは金融セクターが18.8%と一番多かったですが、今回は公益事業セクターが17.7%で首位で、金融セクターが2位になり、差はわずかですが入れ替わりました。ただそれ以外のセクター順位は変動はないです。

生活必需品とヘルスケアが少し増えたので、ポートフォリオは安定しそうです。また、いままで資本財セクターはなかったですが、新規でスリーエム【MMM】が入ったので登場しました。

 

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公式サイト掲載の利回りについて

公式サイトに掲載されている利回りについてです。銘柄入れ替え直前の2022年1月27日と直後の2月1日を比較してみましょう。一番右の「インデックスの配当利回り(Index Dividend Yield)」は、組込銘柄から算出した利回りです。

ちなみに右から2番目の「ファンドの利回り(Fund Distribution Yield)」は過去1年分配金から算出した利回りです。

インデックスの配当利回りは、組み換え前後で3.94%から3.90%に下がりました。

ちなみに、自分で全組込銘柄の利回りを組込比率を加味して計算したところ、入れ替え前は3.86%、入れ替え直後は3.90%でした。組込前後はどちらも約3.9%で、ほぼ変化なしです。

 

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【SPYD】の組込比率の変化について

【SPYD】は年2回の銘柄入れ替えで、80銘柄に均等に組み込みます。そして株価が上昇すると、その割合だけ組込比率が上がります。下がった場合は、比率が下がります。

今回の1月入れ替えの場合、銘柄を入れ替える日は1月最終営業日ですが、基準日となる1カ月前の12月最終営業日のデータで、新SPYD採用銘柄が決定します。

そして、均等に組み込んだことにして、株価を割り当てるのは、銘柄入れ替えの5営業日前にあたる1月24日の終値です。

上の表は新SPYDの、切りのいい組込順位の9銘柄の組込比率です。

【A】が1月31日の組込比率。【B】が1月24日から1月31日にかけての株価倍率。この数字に、今回の場合は1.23を掛けると【C】になります。

そして【A】と【C】が同じ数字なので、1月24日から1月31日にかけての株価変化率が、組込比率にも反映されているのがわかります。

 

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これまでの銘柄入れ替え数は?

過去4回の銘柄入れ替え数です。上の棒のオレンジ色が新加入銘柄数、下の棒の赤色が除外された銘柄数、灰色は途中で除外された銘柄数です。今回の新加入10銘柄というのは、前回や前々回よりは多いですね。

2020年7月は途中除外が19銘柄もありました。コロナ・ショックの影響で、店舗の営業ができなくなった一般消費財セクターの銘柄の多くが、売り上げがなくなり、配当をカットしたためです。こちらの記事で速報して随時更新しました。

 

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組込比率上位20銘柄の推移

組込上位20銘柄の推移です。下の表で銘柄の入れ替えのあったところは、黒い太い線を引きました。ざっと見るとバラバラです。

【SPYD】は毎年1月と7月に銘柄の入れ替えがあり、S&P500採用銘柄の利回りの高い80銘柄を均等に組み込みます。そして、組み込まれた後に株価が上がると【SPYD】内の比率も高くなりますが、利回りが下がるので、次回の入れ替えで除外される可能性も出てきます。そんなわけで、同じ銘柄が長期間にわたって上位に留まることはないですね。

構成比の上位は、銘柄入れ替え後の株価が好調だったという意味です。現在は入れ替え直後なのであまり差はないです。エネルギー、公益事業、ヘルスケアセクターが多いですね。

 

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【SPYD】組込上位10銘柄の高配当ETF組込状況

【SPYD】の組込比率上位10銘柄は、他の高配当ETFにどのくらいの割合で組み込まれているのでしょうか? なお、参考用として一番右に全米ETF【VTI】のデータも入れておきました。

【SPYD】は均等組み入れなので上位組込銘柄の重要性はあまりないです。

会社の規模の大きいエクソン・モービル【XOM】以外で上位に組み込まれている銘柄はないですね。【VTI】の順位が全米の会社の時価総額順のようなものなので、【SPYD】のトップ10は全米の200~700番ぐらいです。

【VYM】は組込銘柄数が400と多いので、【SPYD】組込銘柄も入っていますが、順位は100番前後です。【DHS】は7銘柄入っており、それなりの順位ですね。

【SPYD】との重複率は【VYM】が25%、【DVY】が53%、【HDV】が26%、【DHS】が36%、【VTI】が10%でした。

※組込比率は【SPYD】は1月31日、【VYM】【VTI】は2021年12月末、【DVY】【HDV】は1月14日、【DHS】は1月21日のデータをもとにしています。

 

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【SPYD】の期別分配金は?

2020年6月と9月はコロナ・ショックのダメージを受けて大幅に減りました。その後は順調に回復しましたが、直近の2021年12月は0.1276ドルで、1年前と比べて大幅に減っています。設定以来、最も低い金額ですね。

【SPYD】の過去の分配金と増配率は?

【SPYD】が設定されたのは2015年10月です。下の表は過去の分配金の一覧です。

直近の2021年12月の分配金は0.1276ドル、前年の同期が0.6066ドルなので79.0%減になります。また、前年同期との過去1年分配金額の比較では、直近が1.5492ドル、前年の同期が1.6321ドルなので、5.1%の減配となります。

※背景がになっているのが減配です。2017年12月は通常の分配金が0.399ドル、特別分配金が0.3133ドルでしたが、すべて含めて0.7123ドルにしました

ETFの分配金は結構バラつきがありますので、1回ごとの分配金ではなく、過去1年分配金を重視したほうがいいですね。この表の右から3列目です。

【SPYD】の過去1年分配金と株価の推移

表の右から3列目の「過去1年分配金」をグラフにしました。1.6ドル~1.8ドルに収まっていることが多いですね。2021年の最初の3回は1.87ドル、1.9ドル、2.02ドルだったので、出しすぎた感があります。そのため12月で減らして調整したという考え方もできます。

 

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ライバルETFと基本情報を比較しよう

最後に【SPYD】と米国の高配当ETF【VYM】【HDV】【DVY】を比較してみましょう。

経費率は【DVY】が少し高いです。利回りは、以前は【SPYD】が約5%ほどで頭一つ抜けていましたが、2021年12月の分配金が激減したため、3.6%ほどに下がってしまいました。運用総額や組込銘柄数は【VYM】が多いです。

 

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まとめ

今回の入れ替えでは、スピンオフ、バイオ医薬品、食品加工、エネルギーなどが中心でした。

ヘルスケアと生活必需品の割合が増えたので、ポートフォリオは安定しそうです。

全組込銘柄から算出した利回りは入替前が3.86%、入れ替え後は3.90%だったので、ほとんど変化はありません。

次回3月の分配金がどうなるかは分かりませんが、1年単位なら1.6ドルぐらいで進みそうです。

なお、次回は3月18日が権利落ちで、その前営業日までに保有していれば分配金がもらえます。
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