【SPYD】が半年に1度の銘柄入れ替えを実施、エクソン・モービル【XOM】、シェブロン【CVX】などが除外

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ステート・ストリート社のSPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF【SPYD】は年2回、大幅な銘柄入れ替えを行っています。今回、2022年1月31日頃に銘柄入れ替えが行われました。

今回の入れ替えでは10銘柄が除外されて、12銘柄が追加されました。そして2銘柄はすでに除外されていました。

 

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SPYDの銘柄入れ替え方法

【SPYD】はS&P500採用銘柄からほぼ利回りの高い80銘柄を均等に組み入れます。銘柄入れ替えは年2回、1月と7月の最終営業日に発表されます。入れ替える銘柄を決める基準日は、その1カ月前、つまり12月末と6月末です。

 

80銘柄を均等に1.25%ずつに組み込み、株価を割り当てるのは、銘柄入れ替え発表の5営業日前です。今回は1月24日の終値です。つまり、1月31日に発表されたデータは、5営業日前に均等に組み入れたものから少し変化しています。

銘柄入れ替えの方法は、全体80銘柄の80%に該当する64銘柄は、S&P500の中から利回りの高いものを自動的に選びます。残りの20%に当たる16銘柄は、既採用銘柄が利回り上位96銘柄(120%)の中に該当していれば残ります。その結果、全部で80銘柄に達しない場合は、現在組み込まれていない銘柄から利回りの高い順に選んで80銘柄にします。

ちょっとわかりづらいですが、S&P500採用銘柄の利回りの高いほぼ上位80銘柄と考えてOKです。現在組込まれている銘柄は、利回りが上位80位よりわずかに低くても残留するというイメージです。

 

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すでに除外されていた2銘柄

今回の入れ替え前にすでに除外されていたのは、ルーメン・テクノロジーズ【LUMN】です。2022年12月の配当がゼロになったので、【SPYD】から除外されました。

ボルナド・リアルティ・トラスト【VNO】は2023年1月4日にS&P500から除外となりました。そのため、【SPYD】からも除外されました。

配当がカットされた銘柄、S&P500から除外された銘柄、買収された銘柄などは、年2回の入れ替えを待たずに、【SPYD】からも自動的に除外されます。

ちなみにS&P500は年4回、3、6、9、12月に銘柄の入れ替えがあります。

 

S&P500の採用条件は、米国企業であり、時価総額が53億ドル以上、流動性が高く、浮動株が発行済株式総数の50%以上、4 四半期連続で黒字の利益を維持していることです。時価総額加重指数のため、規模の大きな会社が組込比率が高くなります。S&P500は、米国株式市場全体の時価総額の約78%を占めています。

 

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今回の入れ替えで【SPYD】から除外された10銘柄は?

今回の銘柄入れ替えで【SPYD】から外された10銘柄について見てみましょう。

なんといっても目立つのはエネルギー・セクタ-のエクソン・モービル【XOM】、シェブロン【CVX】、バレロ・エナジー【VLO】高配当の代名詞ともいうべき【XOM】【CVX】がいなくなりました。

ヘルスケア・セクターからは、医薬品メーカーのギリアド・サイエンシズ【GILD】が除外されました。カーディナル・ヘルス【CAH】は医薬品や医療用品の販売と関連サービスなど、医療に関して幅広く展開しています。

下の表の組込順位や比率は入れ替え直前の1月24日のものです。除外された銘柄の順位は、10位以内が多いですね。株価が上がり、組込比率が増えた上位銘柄が、利回りが下がって除外対象となったわけですね。

除外された銘柄の組込比率を加味した加重平均平均利回りは3.13%。除外銘柄の全体に占める割合は15.39%です。

 

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【SPYD】に新たに加わった12銘柄は?

今回の銘柄入れ替えで除外されたのが10銘柄、それ以前に除外されていたのが2銘柄なので、新たに加わったのは12銘柄です。2月1日データです。組込比率の高い順に並んでいます。セクター内訳は不動産が6銘柄、一般消費財が3銘柄、素材と金融、資本財が1銘柄ずつです。

不動産セクター(REIT)が6つと最多です。不動産の個別銘柄は日本の大手ネット証券では購入できないケースが多いので、ETFを通して買いましょう。【XLRE】のような不動産セクターETFか、この【SPYD】を保有するという手もあります。

フォード・モーター【F】は大手の自動車メーカー、アドバンス・オート・パーツ【AAP】は自動車部品小売業者。一般消費財セクターは自動車関連が目立ちます。

新加入銘柄の組込比率を加味した加重平均利回りは3.66%。なかなか高いです。新加入銘柄の全体に占める割合は15.09%でした。

先ほどの除外銘柄の加重平均利回りは3.13%でした。新加入銘柄が0.53%ほど利回りが高いです。

 

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これが【新SPYD】全80銘柄だ!

さて、【SPYD】はどのように生まれ変わったでしょうか? 以下の表が2023年2月1日現在の【新SPYD】の組込銘柄です。組込比率順に並んでいます。左端の背景がピンク色で「新」が新たに加わった銘柄です。

全80銘柄の配当利回りを組込比率を加味して計算した加重平均利回りは4.16%でした。

 

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セクター比率はどのように変化したか

【SPYD】のセクター比率がどう変化したでしょうか、左の円グラフが銘柄入れ替え直前の2023年1月24日のセクター比率。右側が2023年2月1日の新SPYDのセクター比率です。

入れ替え前までは金融セクターが22%で一番比率が高かったですが、20.2%に減って2位に陥落しました。組込首位になったのは不動産セクターで、13.5%から21.3%に増えました。

エクソン・モービル【XOM】やシェブロン【CVX】のいなくなったエネルギー・セクターは4位から8位に落ちて、比率は10.3%から4.7%に減りました。

 

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公式サイト掲載の利回りについて

公式サイトに掲載されている利回りについてです。銘柄入れ替え直前の2022年1月31日と直後の2月1日を比較してみましょう。(実際の銘柄入れ替えは1月31日のデータで更新されましたが、このデータは1日遅れており、銘柄入れ替えは翌2月1日となっています)

右下の「インデックスの配当利回り(Index Dividend Yield)」は、組込銘柄の配当額から算出した利回りです。

左下の「ファンドの利回り(Fund Distribution Yield)」は【SPYD】の過去1年分配金から算出した利回りです。

「インデックスの配当利回り」は、銘柄入れ替え前後で4.14%から4.29%になりました。利回りは0.15%上がりました

 

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これまでの銘柄入れ替え数は?

過去6回の銘柄入れ替え数です。上の棒のオレンジ色が新加入銘柄数、下の棒の赤色が除外された銘柄数、灰色は途中で除外された銘柄数です。今回の新加入12銘柄は、平均的ですか。

2020年7月は途中除外が19銘柄もありました。コロナ・ショックの影響で、店舗の営業ができなくなった一般消費財セクターの銘柄の多くが、売り上げがなくなり、配当をカットしたためです。こちらの記事で速報して随時更新しました。

 

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組込比率上位20銘柄の推移

組込上位20銘柄の推移です。下の表で銘柄の入れ替えのあったところは、黒い太い線を引きました。ざっと見るとバラバラです。

【SPYD】は毎年1月と7月に銘柄の入れ替えがあり、S&P500採用銘柄の利回りの高い80銘柄を均等に組み入れます。そして、採用後に株価が上がると【SPYD】内の比率も高くなりますが、利回りが下がるので、次回の入れ替えで除外される可能性が高くなります。そんなわけで、同じ銘柄が長期間にわたって上位に留まることはないですね。

一番右端が直近のデータです。現在は入れ替え直後なのであまり差はないです。上位銘柄は、銘柄入れ替え後の数日間の株価が好調だったという意味です。不動産と金融が少し多いですね。

 

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【SPYD】の分配金は?

【SPYD】が設定されたのは2015年10月です。下の表は過去の分配金と増減率の一覧です。

直近の2022年12月の分配金は0.5073ドル、前年の同期が0.1276ドルなので297%増です。また、前年同期との過去1年分配金額の比較では、直近が1.9833ドル、前年の同期が1.5492ドルなので、28%増です。

※背景が赤色が、対象と比べて減ったという意味です

ETFの分配金は結構バラつきがありますので、1回ごとの分配金ではなく、過去1年分配金を重視したほうがいいですね。この表の右から3列目です。

 

分配金で1年ごとの分配金イメージをつかもう

分配金を1年ごとに重ねて棒グラフにしました。

【SPYD】の分配金は多い時と少ない時の差が激しいですね。どの期が多いというような傾向はないですね。また、分配金が多かった前後は少ないように見え、長期で見ると横ばいで帳尻を合わせているようにも見えます。

2022年12月は1年前の同期(2021年12月)と比べてかなり増えました。過去1年の分配金は前年と比べて28%増です。

 

【SPYD】の過去1年分配金と株価の推移

「過去1年分配金」をグラフにして、株価と比較しました。過去1年分配金は1.5ドル~2.0ドルの間で横ばいです。2021年12月の期別分配金が0.1276ドルとかなり少なかったので、右端から2~5番目は1.5ドル台と少なめでした。

 

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まとめ

今回は銘柄入れ替え数が12でした。セクターの首位は金融から不動産になりました。

エクソン・モービル【XOM】、シェブロン【CVX】が除外されたのは意外でした。株価が上がりすぎて、利回りが下がったためですね。

新加入は不動産一般消費財セクターが目立ちました。

公式サイトによる利回りは入替前が4.14%、入れ替え後は4.29%だったので、0.15%上がりました。

前回2022年12月の分配金はかなり多かったですね。次回3月の分配金は同水準をキープできるか注目ですね。

なお、次回は3月17日が権利落ちで、その前営業日までに保有していれば分配金がもらえます。