インベスコ QQQ 信託シリーズ1【QQQ】は、ナスダック市場の大型株ナスダック100指数に連動するETFです。経費率は0.2%とまずまず。このETFについて、最近の構成銘柄の変化、組込銘柄の傾向、株価の動き、配当利回りの変化、他のETFとの類似性などを調べてみます。
【QQQ】のセクター別のファンド構成比は?
【QQQ】に組み込まれている銘柄のセクター別の組込比率です。GICS(Global Industry Classification Standard)で分類されています。情報技術の割合が圧倒的に多く、通信サービス、一般消費財、ヘルスケアと続いています。金融、エネルギー、素材、不動産はありません。
【QQQ】にはどんな銘柄が組み込まれているのか?
【QQQ】の組込銘柄数は103銘柄です。円グラフにしました。組込比率1%以上の銘柄は22あり、全体の約72.6%を占めています。組込比率1%未満は81銘柄で全体の約27.4%、円グラフの白い部分です。GAFAMの6銘柄が上位に鎮座しています。この6銘柄で46.2%、約半分を占めています。
※上位30銘柄とメジャーな銘柄はティッカー・コードを追加しました
【QQQ】の上位組込銘柄はどんな会社か?
【QQQ】の組込比率上位22銘柄です。データの中身は2020年11月初旬のものです。ランク上位銘柄は配当を支払っていないIT系ばかりです。
過去6カ月の組込比率1%以上の銘柄比較
最近6カ月間の組込比率1%以上の銘柄の比較しましょう。順位の変化はあまりないですね。マイクロソフト【MSFT】とアマゾン【AMZN】が熾烈な2位争いをしています。インテル【INTC】とシスコ・システムズ【CSCO】は構成比率が減っていますね。
【QQQ】上位22銘柄は主要7ETFには組み込まれているのか?
【QQQ】の組込比率1%以上の22銘柄は、他のETFには組み込まれているのでしょうか? その一覧が下の表です。左からナスダック100【QQQ】、情報技術【VGT】、ダウ30平均【DIA】、S&P500【VOO】、米国全体【VTI】、連続増配【VIG】、高配当【SPYD】【HDV】【VYM】です。表内の数字は組込順位。一番上の行をクリックすると、その項目の順番に並び直します。同じ箇所を続けてクリックすると数値の大小が逆になります。試してください。
※「Tik」はティッカー・コード、「配利」は配当利回りです。配当利回りは2020年11月頭の株価から算出しました。【SPYD】は7月の時点で均等に組込、【DIA】は株価の高い順が組込順位なので、この2つの組込順位はそれほど重要ではありません。
Tik | 配利 | QQQ | VGT | DIA | VOO | VTI | VIG | VYM | HDV | SPYD |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
AAPL | 0.8 | 1 | 1 | 21 | 1 | 1 | – | – | – | – |
MSFT | 1.1 | 2 | 2 | 5 | 2 | 2 | 2 | – | – | – |
AMZN | – | 3 | – | – | 3 | 3 | – | – | – | – |
FB | – | 4 | – | – | 4 | 4 | – | – | – | – |
GOOGL | – | 5 | – | – | 5 | 5 | – | – | – | – |
GOOG | – | 6 | – | – | 6 | 6 | – | – | – | – |
TSLA | – | 7 | – | – | – | 11 | – | – | – | – |
NVDA | 0.1 | 8 | 3 | – | 11 | 12 | – | – | – | – |
ADBE | – | 9 | 6 | – | 17 | 18 | – | – | – | – |
PYPL | – | 10 | 8 | – | 18 | 19 | – | – | – | – |
CMCSA | 2.2 | 11 | – | – | 23 | 24 | 9 | 6 | – | – |
NFLX | – | 12 | – | – | 22 | 21 | – | – | – | – |
INTC | 3.0 | 13 | 9 | 28 | 21 | 22 | – | 5 | – | – |
PEP | 3.1 | 14 | – | – | 29 | 30 | 10 | 11 | 10 | – |
CSCO | 4.0 | 15 | 10 | 30 | 33 | 38 | – | 14 | 9 | – |
COST | 0.8 | 16 | – | – | 35 | 35 | 14 | – | – | – |
QCOM | 2.1 | 17 | 13 | – | 48 | 49 | 21 | 23 | – | – |
TMUS | – | 18 | – | – | 92 | 96 | – | – | – | – |
AVGO | 3.7 | 19 | 11 | – | 39 | 40 | – | 19 | – | 16 |
TXN | 2.8 | 20 | 14 | – | 49 | 50 | 22 | 24 | 12 | – |
AMGN | 3.0 | 21 | – | 4 | 38 | 39 | – | 17 | 13 | – |
CHTR | – | 22 | – | – | 63 | 68 | – | – | – | – |
【QQQ】の上位6銘柄(GAFAM)は【VOO】【VTI】と同じですね。【QQQ】の組込比率1%以上の22銘柄中、10銘柄が【VGT】に組み込まれていました。
ファンドオーバーラップで他のETFとの比較する
ファンドオーバーラップを使って、他のETFとの重複割合を調べてみましょう。以下のようになりました。【VGT】との重複割合は47%と約半分ですね。高配当ETFとの重複割合は、予想通り少ないです。【DIA】ともあまり重複していません。
今年に入ってからの配当利回りは?
2020年に入ってからの【QQQ】の株価と配当利回りを見てみましょう。過去1年の年間配当額から算出しました。青線が株価(左軸)で、赤線が配当利回り(右軸)です。配当利回りは0.7%前後で推移していましたが、2月半ば以降は株価が下がったため、3月20日には配当利回りが約0.9%まで上昇しました。現在は株価がコロナ・ショック前を大幅に上回り、配当利回りは0.58%です。
【QQQ】を過去に買っていた場合のYOCは?
過去に【QQQ】を買った場合、現在の購入単価当たりの配当利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から5年前までの株価、配当利回り、YOCを見ていきましょう。株価は月末のもので月1回なので、やや大雑把です。
2020年11月10日の終値は283.42ドル、過去1年の配当金額は1.6329ドルなので、現在の配当利回りは約0.58%です。過去5年の平均配当利回りは約0.85%です。株価は右肩上がりで、増配率もまずまずなので、早い時期に買えばYOCは上がります。2016年2月に買っていたら、現在YOCは約1.59%になっていました。
【QQQ】の今後の配当予想は?
現在の過去1年配当金額(1.6329ドル)と1、3、5、10年前の同時期の過去1年配当金額(1.5445ドル、1.3269ドル、1.149ドル、0.3299)を比較して年間増配率を計算し、それを使って将来の配当金とYOCを予想しました。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの配当利回りのことです。【QQQ】株を2020年11月10日の終値283.42ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。棒グラフが配当金予想、折れ線グラフがYOC予想です。
年間増配率は過去1年が5.7%、過去3年が7.2%、過去5年が7.3%、過去10年が17.3%でした。現在の配当利回りは0.58%です。もっとも増配率が低い過去1年のペースで増配が続くと10年後のYOCは1.0%、20年後のYOC1.8%になります。もっとも増配率が高い過去10年の増配と同じだと10年後のYOCは2.9%、20年後のYOCは14.1%になります。現在の配当利回りは低いですが、過去10年の増配率が続くなら、将来YOCは結構期待できますね。
まとめ
いかがでしたか? コロナ・ショック後の株価の回復が凄まじかった【QQQ】ですが、2020年9月以降は足踏み状態です。今後がどうなるのか注視したいところですね。