超人気高配当ETF【SPYD】が前年同期比20.8%の減配

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ステート・ストリート社のSPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF【SPYD】が、2020年6月18日に配当金を発表しました。0.3657ドルです。1年前の同時期は0.462ドルでしたので、1年前の同時期との比較では20.8%の減配です。

配当利回りを過去1年間の配当金額から算出すると、2020年6月18日の終値は29.31ドル、過去1年の配当額は1.7068なので、配当利回りは5.82%になります。

三大高配当ETF【VYM】【HDV】【SPYD】のトータルリターン比較を追記しました(2020/6/21)

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【SPYD】の過去の配当金と増配率は?

【SPYD】が設定されたのは2015年10月です。下の表は過去の配当金の一覧です。

配当利回りの計算方法を説明します。年4回配当金を支払う個別銘柄の場合は、最新の配当金額を4倍した額が年間配当額となり、それを株価で割って配当利回りが算出されます。

ところがETFの場合は、組み込まれている銘柄によって配当金を払うタイミングが異なるため、期によってバラバラになります。そこで、最新の配当金と過去3回の配当金を足した数字、つまり過去1年分の配当額が年間配当額となり、それを元に配当利回りが算出されることが多いです。

よって今回の【SPYD】の配当が減配かどうかを調べるには、四半期ごとに過去1年分の配当金のデータを作成する必要があります。下の表の右から3番目が過去1年配当額です。今期の【SPYD】の過去1年配当額は1.7068ドルで、前期の過去1年配当額は1.8031ドルなので、5.3%の減配といえるでしょう。ただし、この計算方法だと、減配かどうかの判断は今期と1年前の同時期の配当の比較によって決まります。なぜなら、残り3つの期はデータが同じだからです。

ちなみに前年の同時期との配当額の比較では、今回が0.3657ドル、前年の同時期が0.462ドルなので20.8%の減配になります。また、前年の同時期との過去1年配当額の比較では、今回が1.7068ドル、前年の同時期の過去1年配当額が1.6955ドルなので、0.7%の増配となります。

そんなわけで、個別銘柄の減配とETFの減配は、少し意味合いが異なります。ETFで多少減配されたとしても、それほど神経質にならなくてもいいかもしれません。

※背景がになっているのが減配です

【SPYD】の年間増配額と年間増配率は?

【SPYD】の配当金を1年ごとにまとめてグラフ化しました。配当を支払い始めたのが2015年の12月からなので、翌2016年は年間増配率はありません。また、2020年は3月と6月の配当額で、今後9月と12月分が加わる予定です。さらに、2017年12月の配当0.7122ドルですが、その中に特別配当0.3132ドルが含まれています。それを除くと0.399ドルです。

【SPYD】の過去1年配当額を棒グラフで確認しよう

先ほどの表の過去1年配当額を棒グラフにして、【SPYD】の株価と比較しました。過去1年配当額は、株価とある程度は連動しています。ここ1、2年は少し伸び悩んでいるようにも見えますね。

【SPYD】の配当額を棒グラフで確認しよう

こちらは期ごとの配当額を株価と比較したものです。今回の配当0.3657ドルは、過去と比べても低水準ですね。

 

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【SPYD】の今後の配当予想は?

現在の年間配当金額(1.7068)と1、2、3年前の同時期の年間配当金額(1.6955ドル、1.7999ドル、1.5715ドル)を比較して増配率を計算し、それを使って将来の配当金とYOCを予想しました。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの配当利回りのことです。【SPYD】株を2020年6月18日の終値29.31ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。棒グラフが配当金予想、折れ線グラフがYOC予想です。

増配率は過去1年が0.7%、過去2年が-2.6%、過去3年が2.8%でした。現在の配当利回りは5.82%です。もっとも増配率が低い過去2年のペースで増配が続くと10年後のYOCは4.47%、20年後のYOCは3.42%に下がってしまいます。もっとも増配率が高い過去3年の増配と同じだと10年後のYOCは7.67%、20年後のYOCは10.1%になります。過去1年の増配率だと10年後のYOCは6.22%、20年後のYOCは6.65%になります。減配だった今回を起点にするため、あまりいい結果ではなかったですね。

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【SPYD】を買うタイミングを考える

下のグラフは過去5年の【SPYD】の株価、配当利回り、YOCです。過去5年の配当利回りの平均は4.57%です。2020年2~3月のコロナ・ショック時の大幅株価下落を除くと、配当利回りは4%台が多かったです。

黄色の線はYOC(Yield on Cost)です。過去5年に購入した場合、現時点での購入単価当たりの利回りが何%になっているかを、過去に買ったタイミングごとに示しています。配当利回り(赤い線)と連動した動きになります。

YOCを上げるコツは(1)増配率の高い銘柄を買う、(2)連続増配年数の長い銘柄を買う、(3)株価が低迷しているときに買うなどがあります。いずれの場合もなるべく早い時期に買った方が、YOCは上がっていきますが、長期にわたって株価が右肩下がりの場合は最近購入した方が数値が上がります。

【SPYD】の株価は横ばいの期間が多いですが、それほど増配をしているわけではないので、早い時期に購入すればYOCがたくさん上がるというわけではないようです。過去5年で最もYOCが高いのが2020年3月頃に買った場合で、現在約6.9%になっています。

今年に入ってからの【SPYD】の株価と配当利回りは?

先ほどのグラフは少し大雑把なので、もう少し細かく1日ごとのデータで見ていきます。下のグラフは、2020年に入ってからの【SPYD】の株価と配当利回りです。青線が株価(左軸)で、赤線が配当利回り(右軸)です。配当利回りは4.5%前後で推移していましたが、2月半ば以降は株価が下がったため、3月23日には配当利回りが8.6%まで上昇しました。現在は株価がある程度回復して、配当利回りは5.82%です。

 

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現在の【SPYD】の株価と配当利回りの関係は?

年間配当額が現在と同じく1.7068ドルで変わらなかったら、配当利回りはどのように変化するでしょうか。下のグラフは年間配当額が現在と同じ1.7068ドルが続いた場合の、配当利回りと株価の相関図です。配当利回りを0.2%ごとに株価を出しました。今後、【SPYD】を購入しようと考えている人は、目安にしてください。

 

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【SPYD】のセクター別のファンド構成比は?

【SPYD】に組み込まれている銘柄のセクター別の保有比率です。不動産が18.1%と最多で、以下金融、エネルギー、公益事業、生活必需品、素材、ヘルスケアと続きます。

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【SPYD】にはどんな銘柄が組み込まれているのか?

【SPYD】の保有銘柄数は64銘柄です。1月と7月にS&P500採用銘柄の中から、配当利回りの高い80社を選んで均等に1.25%ずつ購入します。現在、組込比率の高い銘柄は2020年1月に比べて株価が上昇したため、【SPYD】における組込比率が増えたということです。

元々の組込銘柄は80銘柄でしたが、コロナ・ショックで大幅減配された14銘柄が削除されて、現在64銘柄です。

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【SPYD】上位22銘柄は主要7ETFには組み込まれているのか?

【SPYD】の組込比率1.6%以上の22銘柄は、他のETFには組み込まれているのでしょうか? その一覧が下の表です。左から高配当【SPYD】【VYM】【HDV】、連続増配【VIG】、S&P500【VOO】、米国全体【VTI】、ダウ30平均【DIA】、ナスダック【QQQ】です。表内の数字は組込順位一番上の行をクリックすると、その項目の順番に並び直します。同じ箇所を続けてクリックすると数値の大小が逆になります。試してください。

※「Tik」はティッカー・コード、「配利」は配当利回りです。配当利回りは2020年6月17日の終値から算出しました

ティッカー 配当利回り SPYD VYM HDV VIG VOO VTI DIA QQQ
GILD 3.69 1 28 59 60 23
GIS 3.17 2 56 28 144 146
ABBV 4.93 3 16 34 34
CCI 2.83 4 78 78
DLR 3.14 5 146 173
KHC 4.88 6 101 258 265 46
CAH 3.62 7 113 295 316
D 4.47 8 36 13 80 79
AMCR 4.48 9 35 289
K 3.40 10 112 292 311
AVGO 4.18 11 23 48 53 19
VZ 4.34 12 5 5 16 16 24
DUK 4.38 13 41 16 94 90
IRM 8.88 14 435 538
IBM 5.25 15 25 52 52 12
BEN 4.80 16 176 46 219 463 671
WMB 8.43 17 84 21 209 219
DOW 6.80 18 68 174 179 28
PM 6.32 19 22 50 50
HBI 5.06 20 210 488 838
CVX 5.49 21 14 3 32 32 20
PFE 4.55 22 7 6 20 19 30

この表からわかるのは、【SPYD】と【VIG】の採用銘柄はほとんど重複しないということですね。どちらにも採用されているのは、フランクリン・リソーシズ【BEN】ぐらいでしょうか。

【SPYD】は7月に銘柄の組み換えが行われます。S&P500の配当利回り上位80銘柄になりますので、現在配当利回りが4.0%が上位80番目ぐらいになります。現在の配当利回り4%以下のギリアド・サイエンシズ【GILD】やゼネラル・ミルズ【GIS】、カーディナル・ヘルス【CAH】、ケロッグ【K】などは除外される可能性が高いですね。

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トータルリターンを比較する

最後に、米国高配当ETFの【VYM】【HDV】【SPYD】のトータルリターンを比較します。下のグラフは、もっとも後発の【SPYD】が設定された2015年10月22日以降のトータルリターンです。上げ相場では【HDV】が苦戦しており、下げ相場では【SPYD】が劣っているように見えます。

過去4年間のトータルリターンを比較

過去のトータルリターンを細かく比較してみます。全体的に【SPYD】の成績が悪いですね。ただしこれは、コロナ・ショック後の2020年6月19日を起点としているため、直近の下落相場で成績が悪かった【SPYD】が全体的に悪い結果になります。

1年ごとのトータルリターンを比較

それでは、1年ごとのトータルリターンを見てみましょう。相場が好調だった2016~2019年は、どれも似たような成績ですが、若干【HDV】が苦戦しているように見えます。【SPYD】の成績が悪いのはコロナ・ショックがあった2020年のみといえます。【VYM】はどの時期を比較しても安定しています

 

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まとめ

コロナ・ショック以降、【SPYD】採用80銘柄から16銘柄が、配当カットにより除外されました。ちょうど20%分の銘柄がなくなりました。前年同時期との配当額の比較は20.8%の減配なので、今回の結果は妥当といえるかもしれません。今後は7月に銘柄の入れ替えがあるので、注視する必要がありそうです。

なお、例年通りだと、次回は9月19~20日頃に配当金額が決定し、翌日には配当落ちになりそうです。ご購入はお早めに!

 

 

 

 

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