人気高配当ETF【HDV】が前年同期比17.2%の増配

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ブラックロック社のiシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF【HDV】が、2020年6月12日に配当金を発表しました。0.8795ドルです。1年前の同時期は0.7504ドルでしたので、1年前の同時期との比較では17.2%の増配です。

配当利回りを過去1年間の配当金額から算出すると、2020年6月15日の終値は82.18ドル、過去1年の配当額は3.4303なので、配当利回りは4.17%になります。

三大高配当ETF【VYM】【HDV】【SPYD】のトータルリターン比較を追記しました(2020/6/21)

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【HDV】の過去の配当金と増配率は?

【HDV】が設定されたのは2011年3月です。下の表は過去の配当金の一覧です。

配当利回りの計算方法を説明します。年4回配当金を支払う個別銘柄の場合は、最新の配当金額を4倍した額が年間配当額となり、それを株価で割って配当利回りが算出されます。

ところがETFの場合は、組み込まれている銘柄によって配当金を払うタイミングが異なるため、期によってバラバラになります。そこで、最新の配当金と過去3回の配当金を足した数字、つまり過去1年分の配当額が年間配当額となり、それを元に配当利回りが算出されることが多いです。

よって今回の【HDV】の配当が減配かどうかを調べるには、四半期ごとに過去1年分の配当金のデータを作成する必要があります。下の表の右から3番目が過去1年配当額です。今期の【HDV】の過去1年配当額は3.4303ドルで、前期の過去1年配当額は3.3012ドルなので、3.9%の増配といえるでしょう。ただし、この計算方法だと、減配かどうかの判断は今期と1年前の同時期の配当の比較によって決まります。なぜなら、残り3つの期はデータが同じだからです。

ちなみに前年の同時期との配当額の比較では、今回が0.8795ドル、前年の同時期が0.7504ドルなので17.2%の増配になります。また、前年の同時期との過去1年配当額の比較では、今回が3.4303ドル、前年の同時期の過去1年配当額が3.0724ドルなので、11.6%の増配となります。

そんなわけで、個別銘柄の減配とETFの減配は、少し意味合いが異なります。ETFで多少減配されたとしても、それほど神経質にならなくてもいいかもしれません。

※背景がになっているのが減配です

【HDV】の年間増配額と年間増配率は?

【HDV】の配当金を1年ごとにまとめてグラフ化しました。配当を支払い始めたのが2011年の6月からなので、翌2012年は年間増配率はありません。また、2020年は3月と6月の配当額で、今後9月と12月分が加わる予定です。

【HDV】の過去1年配当額を棒グラフで確認しよう

先ほどの表の過去1年配当額を棒グラフにして、【HDV】の株価と比較しました。過去1年配当額は、株価とある程度は連動しています。コロナ・ショックでも配当金は減らなかったですね。なかなかディフェンシブといえます。

【HDV】の配当額を棒グラフで確認しよう

こちらは期ごとの配当額を株価と比較したものです。デコボコですが、ある程度株価と連動しています。

 

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【HDV】の今後の配当予想は?

現在の年間配当金額(3.4303ドル)と1、3、5年前の同時期の年間配当金額(3.0724ドル、2.7843ドル、2.7331ドル)を比較して増配率を計算し、それを使って将来の配当金とYOCを予想しました。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの配当利回りのことです。【HDV】株を2020年6月15日の終値82.18ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。棒グラフが配当金予想、折れ線グラフがYOC予想です。

増配率は過去1年が11.6%、過去3年が7.2%、過去5年が4.6%でした。現在の配当利回りは4.17%です。もっとも増配率が低い過去5年のペースで増配が続くと10年後のYOCは6.58%、20年後のYOCは10.36%になります。もっとも増配率が高い過去1年の増配と同じだと10年後のYOCは12.56%、20年後のYOCは37.81%になります。過去3年の増配率だと10年後のYOCは8.37%、20年後のYOCは16.78%になります。現在の配当利回り、増配率ともに高いため、将来のYOCは期待できそうです。

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【HDV】を買うタイミングを考える

下のグラフは過去5年の【HDV】の株価、配当利回り、YOCです。過去5年の配当利回りの平均は3.52%です。2020年2~3月のコロナ・ショック時の大幅株価下落を除くと、配当利回りは3.2~4.1%の間で推移していました。

黄色の線はYOC(Yield on Cost)です。過去5年に購入した場合、現時点での購入単価当たりの利回りが何%になっているかを、過去に買ったタイミングごとに示しています。配当利回り(赤い線)と連動した動きになります。

YOCを上げるコツは(1)増配率の高い銘柄を買う、(2)連続増配年数の長い銘柄を買う、(3)株価が低迷しているときに買うなどがあります。いずれの場合もなるべく早い時期に買った方が、YOCは上がっていきますが、長期にわたって株価が右肩下がりの場合は最近購入した方が数値が上がります。

【HDV】の株価はゆるやかな右肩上がりなので、早い時期に購入すればYOCが上がります。過去5年で最もYOCが高いのが2015年9月頃に買った場合で、現在約4.9%になっています。

今年に入ってからの【HDV】の株価と配当利回りは?

先ほどのグラフは少し大雑把なので、もう少し細かく1日ごとのデータで見ていきます。下のグラフは、2020年に入ってからの【HDV】の株価と配当利回りです。青線が株価(左軸)で、赤線が配当利回り(右軸)です。配当利回りは3.3%前後で推移していましたが、2月半ば以降は株価が下がったため、3月23日には配当利回りが5.2%まで上昇しました。現在は株価がある程度回復して、配当利回りは4.17%です。

 

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現在の【HDV】の株価と配当利回りの関係は?

年間配当額が現在と同じく3.4303ドルで変わらなかったら、配当利回りはどのように変化するでしょうか。下のグラフは年間配当額が現在と同じ3.4303ドルが続いた場合の、配当利回りと株価の相関図です。配当利回りを0.2%ごとに株価を出しました。今後、【HDV】を購入しようと考えている人は、目安にしてください。

 

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【HDV】のセクター別のファンド構成比は?

【HDV】に組み込まれている銘柄のセクター別の保有比率です。エネルギーが27.9%と最多で、以下ヘルスケア、通信サービス、生活必需品、公益事業、情報技術と続きます。

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【HDV】にはどんな銘柄が組み込まれているのか?

【HDV】の保有銘柄数は75銘柄です。下の円グラフは組み込まれている銘柄の一覧です。組込比率1%以上の銘柄が24銘柄あり、全体の約84%を占めています。組込比率1%以下は51銘柄で、全体の約16%です。

【HDV】は上位銘柄の比率が大きいのが特徴です。エクソン・モービル【XOM】とシェブロン【CVX】のエネルギーが17.5%。AT&T【T】とベライゾン【VZ】の通信サービスは15%。ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】とファイザー【PFE】、メルク【MRK】のヘルスケアで16.3%を占めています。この7銘柄3セクターで全体の48%、約半分を占めています。結構集中投資ですね。

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【HDV】上位24銘柄は主要7ETFには組み込まれているのか?

【HDV】の組込比率1%以上の24銘柄は、他のETFには組み込まれているのでしょうか? その一覧が下の表です。左から高配当【HDV】【VYM】【SPYD】、連続増配【VIG】、S&P500【VOO】、米国全体【VTI】、ダウ30平均【DIA】、ナスダック【QQQ】です。表内の数字は組込順位一番上の行をクリックすると、その項目の順番に並び直します。同じ箇所を続けてクリックすると数値の大小が逆になります。試してください。

※「Tik」はティッカー・コード、「配利」は配当利回りです。配当利回りは2020年6月15日の終値から算出しました

Tik配利HDVVYMSPYDVIGVOOVTIDIAQQQ
XOM7.3811047242425
T6.8226271717
CVX5.6631419323220
JNJ2.864137710
VZ4.38559161624
PFE4.566718201930
CSCO3.187922222710
MRK3.308212121
KO3.54912292926
PEP3.13109262714
AMGN2.911119393917
TXN2.90122421515120
D4.47133678079
SLB2.59148061205209
TFC4.521551121120
DUK4.351641139490
SO4.5417442310096
COP3.8818130129
USB4.331949118118
PSX4.76206232156160
WMB8.37218421209219
BLK2.672234267989
VLO6.16237246185187
MPC6.132490229240

この表からわかるのは、【HDV】と【VYM】の上位組込銘柄は比較的似ているということでしょうか。【HDV】とは関係ないのですが、【SPYD】は【VIG】や【QQQ】と正反対っぽいですね。

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トータルリターンを比較する

最後に、米国高配当ETFの【VYM】【HDV】【SPYD】のトータルリターンを比較します。下のグラフは、もっとも後発の【SPYD】が設定された2015年10月22日以降のトータルリターンです。上げ相場では【HDV】が苦戦しており、下げ相場では【SPYD】が劣っているように見えます。

過去4年間のトータルリターンを比較

過去のトータルリターンを細かく比較してみます。全体的に【SPYD】の成績が悪いですね。ただしこれは、コロナ・ショック後の2020年6月19日を起点としているため、直近の下落相場で成績が悪かった【SPYD】が全体的に悪い結果になります。

1年ごとのトータルリターンを比較

それでは、1年ごとのトータルリターンを見てみましょう。相場が好調だった2016~2019年は、どれも似たような成績ですが、若干【HDV】が苦戦しているように見えます。【SPYD】の成績が悪いのはコロナ・ショックがあった2020年のみといえます。【VYM】はどの時期を比較しても安定しています

 

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まとめ

【HDV】は3月に続き、6月の配当でも前年の同じ時期を上回りました。コロナ・ショックでの減配が目立ったエネルギー・セクターの割合が多い【HDV】が増配を続けたのは、さすがですね。ベンチ・マークしているモーニングスター配当フォーカス指数が優秀なんでしょうね。

なお、例年通りだと、次回は9月23~25日頃に配当金額が決定し、配当落ちは翌日になりそうなので、配当が決まる前に購入するのがオススメです。

また、【HDV】は年4回、3、6、9、12月に銘柄の組み換えを行っています。そろそろ銘柄の組み換えが行われそうです。どの銘柄がなくなり、新たに追加されるのか注視する必要がありそうですね。

 

 

 

 

 

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