全世界、S&P500、ナスダック100の投資信託でアセット・アロケーションを考える

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普段は米国の高配当や増配のETFの紹介ばかりしているのですが、今回、とある事情により投資信託を運用をすることになりました。

そこで今回は、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、iFreeNEXT NASDAQ100インデックスという、3つの人気投資信託を使って、アセット・アロケーションを考えていきます。

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ベンチマークは?

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスがベンチマークです。信託報酬は年0.1144%(税込)。先進国23か国、新興国(エマージング)26か国が対象で、これ1本でほぼ全世界をフォローすることが可能です。ETFだと、iシェアーズ MSCI ACWI、いわゆる【ACWI】です。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)のベンチマークは、米国を代表する企業500社で構成されているS&P500です。信託報酬は年0.0968%(税込)。ETFだと【SPY】【IVV】【VOO】に該当します。

iFreeNEXT NASDAQ100インデックスは、米国のナスダック市場に上場されている企業の時価総額の大きい約100社で構成される指数、NASDAQ100がベンチマークです。信託報酬は年0.495%(税込)。ETFだと【QQQ】になります。

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年平均リターンはどのくらいか?

3つの投資信託のリターンはどのくらいなのでしょうか? eMAXIS SlimシリーズやiFreeNEXTは始まって数年なので、データの蓄積があまりありません。ベンチマークが同じETFを使って検証します。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は【ACWI】、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は【SPY】、iFreeNEXT NASDAQ100インデックスは【QQQ】を使用します。

過去1、3、5、10年の株価の変化を配当を再投資して計算し、年平均成長率(CAGR)を求めました。最近株価がかなり上がっているため、オールカントリーやS&P500の直近1年のリターンは高く、15%を超えています。実際は、オールカントリーは平均すると年5%ぐらいが妥当かもしれません。ナスダック100は凄まじいリターンですね。

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3つの投資信託の国・地域をどうするか比率を考える

3つの投資信託の国・地域比率を考えてみましょう。eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は米国株58%、日本株7%、日米を除く先進国株22%、新興国株13%です。eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とiFreeNEXT NASDAQ100インデックスは米国株が100%です。

 

3つの投資信託を同じ比率にする

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、iFreeNEXT NASDAQ100を同じ比率で購入すると、以下のようになります。米国株が86%とかなり大きな割合となります。今後も米国の強さが続くのなら、これでも問題ありませんが、違うシナリオになった場合は結構ダメージを受けるかもしれません。

 

オール・カントリーが全体の半分になるようにする

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を50%、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とiFreeNEXT NASDAQ100を25%ずつの比率にすると、以下の円グラフのようになります。米国株は80%を下回りました。これぐらいにした方が良さそうな気もしますね。

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セクター比率を比較する

3つの投資信託のセクター比率を比べてみましょう。投資信託は細かいデータを頻繁に公開しないので、ベンチマークが同じETFを代用します。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は【ACWI】、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は【SPY】、iFreeNEXT NASDAQ100インデックスは【QQQ】を使用します。この3つなら、ほぼ1日前のデータを公開しています。

オールカントリー(ACWI)はバランスがいいですね。世界に分散しているのですから、必然ともいえますが。

 

S&P500(SPY)は、オールカントリー(ACWI)と比較すると情報技術の割合が増え、金融が減ります。米国はITが強いですからね。

 

NASDAQ100(QQQ)は情報技術が50%近くもあります。一般消費財はアマゾン【AMZN】やテスラ【TSLA】、通信サービスはグーグル【GOOGL】【GOOG】やフェイスブック【FB】がかなりの割合を占めており、これらも広い意味でハイテクなので、NASDAQ100はほとんどがハイテクです。

セクター比率はどうなるか?

3つの投資信託を同じ割合で購入すると、左の円グラフのようなセクター比率になります。eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を50%、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とiFreeNEXT NASDAQ100インデックスを25%ずつにすると、右の円グラフのようなセクター比率になります。米国は情報技術が強いので、オールカントリーの割合を増やせば、情報技術の比率が少し下がります。

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上位組込銘柄を比較する

3つの投資信託の上位組込銘柄を見てみましょう。上位組込銘柄はだいたい同じ、GAFAMです。世界に分散されているオールカントリーだとGAFAMの比率が低く、NASDAQ100は比率が高いですね。

表の左下の「比率」は上位20銘柄の占める割合です。NASDAQは上位20銘柄で70%もあります。なお、オールカントリーの背景が薄い灰色の銘柄は、米国以外です。アリババやテンセントは中国、TSMCは台湾、ネスレはスイス、サムソン電子は韓国です。

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GAFAMの比率はどうか?

3つの投資信託のGAFAMの比率を比較してみましょう。GAFAMとはグーグルの持ち株会社アルファベット【GOOGL】【GOOG】、アマゾン【AMZN】、フェイスブック【FB】、アップル【AAPL】、マイクロソフト【MSFT】の5社の頭文字をとったものです。

この5社を合計した割合は、オールカントリーは11.7%、S&P500は21.9%、NASDAQ100は44.4%です。S&P500はオールカントリーの2倍、NASDAQ100はS&P500の約2倍をGAFAMが占めています。

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上位組込銘柄はどうなるか?

3つの投資信託を同じ割合で購入した場合、上位組込銘柄がどうなるか見てみましょう。GAFAMの割合が少し多いかもしれません。

オールカントリーの比率を上げるとどうなるか?

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を50%、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とiFreeNEXT NASDAQ100インデックスを25%ずつにすると、個別銘柄は以下のような組込比率になります。

GAFAMの比率がS&P500とほぼ同じなりました。それでいて米国以外の銘柄も組み込まれています。アリババやテンセント、TSMCは0.4%ぐらいです。なかなか、いいところ取りのような感じにも見えます。

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まとめ

オール・カントリー、S&P500、NASDAQ100、いずれもGAFAMが上位を占めていますので、組込比率を変えても、これらの銘柄が上位にいるのは変わりません。ただ今後、米国株が弱まることを考えると、オールカントリーの割合をそれなりにとっておいた方が良さそうです。

今までと同様、もしくはそれ以上に米国が強いと考えるのなら、S&P500やNASDAQ100の比率を高くしてもいいと思います。

将来がどうなるかはわかりませんね。