バンガード・米国トータル債券市場ETF【BND】は米国の投資適格債券市場全体へ幅広く分散したETFです。株価の変動が少ないため、安全資産として個人投資家に人気です。2020年10月13日の終値は88.14ドル、過去1年配当額は2.06536ドルなので、配当利回りは2.34%です。
株との相関関係が低いため、補完的に所有している人もいます。毎月配当金が支払われるのも特徴で、もちろんタコ足配当ではないので、自分年金用に購入する方法もあります。なお、ETFの場合は「分配金」が正式名称かもしれませんが、当サイトでは個別銘柄を同じく「配当金」と表記します。
【BND】はどんな債券ETFなのか?
【BND】のベンチマークは、米国の投資適格債券市場を網羅する、バークレイズ米国総合浮動調整インデックスです。経費率は年0.035%。構成債権銘柄数は9881と広く分散されています。
【BND】の格付け別構成比率は?
【BND】の中身は、国債など米国政府が発行したものが中心です。それ以外でも信用格付けの高いものが多く、安定しているといえます。
【BND】の残存期間別構成比率は?
【BND】の平均残存期間は8.5年で、その内訳は3~10年が約半数を占めており、中期の債権が中心です。
【BND】の過去の配当金と増配率は?
【BND】が設定されたのは2007年4月です。下の表は2014年以降の配当金の一覧です。背景が黄色の部分は、通常の配当とは別に、ロングターム・キャピタルゲインやショートターム・キャピタルゲインといった償還や途中売却による収益も含めています。
※背景が赤になっているのが減配です
【BND】の期別の配当は?
下のグラフは毎月の配当を1年ごとに積み重ねたものです。通常は月の頭に配当が決定し、数日後に支払われます。ただし、12月は翌月の1月分が12月末に支払われるため、2回の支払いとなります。2017年ごろから右肩上がりになりましたが、2020年は昨年よりも減らす可能性が高そうです。
【BND】の年間配当額と年間増配率は?
【BND】の配当と増配率を1年ごとにまとめてグラフ化しました。2016~19年にかけては米国政策金利が上昇したため配当金も増えましたが、ここ1年は金利の下落によって、配当金が減少傾向です。
【BND】の過去1年配当額を棒グラフで確認しよう
設定以来の過去1年配当額を棒グラフにして、株価と比較しました。株価は年末のものです。2020年は10月までのデータです。
2015年以降の配当利回りは?
2015年以降の【BND】の株価と配当利回り、米国政策金利を見てみましょう。配当利回りは過去1年の年間配当金額から算出しました。青線が株価(左軸)、赤線が配当利回り(右軸)、黄線が米国政策金利(右軸)です。
配当利回りは2.5~2.8%ぐらいで推移していましたが、2020年3月にFRBが政策金利を0.25%に下げたことで、債券価格(株価)が上がって、配当金は減少傾向になり、配当利回りは2.5%を下回っています。
【BND】は暴落に強いのか?
バンガード・米国トータル債券市場ETF【BND】と主要指数を、今年に入ってからの株価で比較してみましょう。下の表の赤線が【BND】です。2月から4月にかけてのコロナ・ショックで相場が暴落しましたが、【BND】はなかなかの耐性を見せました。
【BND】と他のETFのトータルリターンを比較する
それではバンガード・米国トータル債券市場ETF【BND】と他のETFのトータルリターンを比較してみましょう。バンガード・米国長期債券ETF【BLV】、バンガード・トータル・インターナショナル債券ETF(米ドルヘッジあり)【BNDX】、S&P500【VOO】と比べました。下のグラフは、過去5年のトータルリターンです。
2015年10月に1万ドル投資して、配当を再投資した場合、2020年9月には【VOO】が1万9300ドル、【BLV】が1万5100ドル、【BNDX】は1万2300ドル、【BND】は1万2200ドルになっていました。
まとめ
いかがでしたか? 【BND】は配当利回りが2%を超えていて、株価の変動が少なく、毎月配当金がもらえるのがうれしいですね。ポートフォリオの支えとして、少しだけ所有するのはアリかと思います。

