化学・電気素材メーカーのスリーエム【MMM】が、2021年1月28日に配当を発表しました。
これまで四半期ごとの配当が1.47ドルだったのが、1.48ドルに上がります。年間配当は5.88ドルから5.92ドルになる予定で、増配率は0.7%です。2021年2月2日の終値は175.02ドル、配当利回りは3.38%です。
スリーエム【MMM】の連続増配は63年になります。
スリーエム【MMM】の過去の配当、年間増配率
スリーエム【MMM】は長年増配を続けていますが、ここ2年は今ひとつです。次回の配当落ちは2月11日です。
スリーエム【MMM】の年間配当額と年間増配率は?
スリーエム【MMM】の配当金と増配率を1年ごとにまとめてグラフ化しました。年によって増配率の差が激しいです。
スリーエム【MMM】の期別の配当は?
下のグラフは期別の配当です。基本的に配当落ちの月を基準にしています。2019年以降は増配率はあまり高くないです。
最近のスリーエム【MMM】の株価と配当利回りは?
2020年1月以降のスリーエム【MMM】の株価と配当利回りを見てみましょう。青線が株価(左軸)で、赤線が配当利回り(右軸)です。2020年の年初の配当利回りは3.2%ぐらいでしたが、2月半ば以降は急降下したため、3月23日には配当利回りが約5.0%まで上昇しました。その後株価は回復して、コロナ・ショック近辺まで戻り、現在の配当利回りは3.38%です。
現在のスリーエム【MMM】の株価と配当利回りの関係は?
年間配当額が現在と同じだったら、株価によって配当利回りはどのように変化するでしょうか。下のグラフは年間配当額が現在と同じ5.92ドルが続いた場合の、配当利回りと株価の相関図です。配当利回りを0.2%ごとに株価を出しました。今後、スリーエム【MMM】を購入しようと考えている人は、目安にしてください。
スリーエム【MMM】を過去に買っていた場合のYOCは?
過去にスリーエム【MMM】を買った場合、現在の購入単価当たりの配当利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から5年前までの株価、配当利回り、YOCを見ていきましょう。株価は月末のもので月1回なので、少しアバウトです。
2021年2月2日の終値は175.02ドル、年間の予想配当金額は5.92ドルなので、現在の配当利回りは約3.38%です。過去5年の平均配当利回りは約2.74%です。過去5年で株価は右肩下がりなので、早い時期に買っていてもYOCは上がりません。2020年3月頃に買っていたら、現在YOCは約4.3%になっていました。
スリーエム【MMM】の今後の配当予想は?
現在の配当金額(1.48ドル)と1、3、5、10年前の同時期の配当金額(1.47ドル、1.36ドル、1.11ドル、0.55ドル)を比較して年間増配率を計算し、それを使って将来の配当金とYOCを予想しました。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの配当利回りのことです。スリーエム【MMM】株を2021年2月2日の終値175.02ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。棒グラフが配当金予想、折れ線グラフがYOC予想です。
年間増配率は過去1年が0.7%、過去3年が2.9%、過去5年が5.9%、過去10年が10.4%でした。現在の配当利回りは3.38%です。もっとも増配率の低い過去1年のペースで増配が続くと5年後のYOCは3.5%、10年後のYOCは3.6%になります。もっとも増配率が高い過去10年の増配と同じだと5年後のYOCは5.6%、10年後のYOCは9.1%になります。過去10年や過去5年の増配率が続くようなら、将来YOCはかなり期待できそうです。
スリーエム【MMM】は主要ETFに組み込まれているか?
メジャーなETFに比較的組み込まれていますね。ただ、【VTI】や【VOO】の組込順位は60番台とあまり高くないですね。
ETF | 組込可否 | 組込順位 | 割合(%) |
---|---|---|---|
VYM(414) | ○ | 34 | 0.9 |
HDV(75) | ○ | 16 | 2.0 |
SPYD(80) | × | ― | ― |
VIG(212) | × | ― | ― |
VOO(509) | ○ | 67 | 0.3 |
VTI(3634) | ○ | 66 | 0.3 |
DIA(30) | ○ | 13 | 3.5 |
QQQ(103) | × | ― | ― |
VGT(330) | × | ― | ― |
※表内の「ETF」の右側の()内の数字は全組込銘柄数です。組込比率はバンガード社のETF【VYM】【VIG】【VOO】【VTI】【VGT】は2020年12月末、その他のETFは2月1日のデータをもとにしています。
スリーエム【MMM】の財務データは?
スリーエム【MMM】の財務データです。全体的に横ばいですね。安定はしています。
ライバル企業とトータルリターンを比較する
スリーエム【MMM】とライバル企業のトータル・リターンを比較します。エマソン・エレクトリック【EMR】、ゼネラル・エレクトリック【GE】、ハネウェル・インターナショナル【HON】と比べました。
2011年2月に1万ドル投資して配当を再投資した場合、2021年1月には【HON】が4万5500ドル、【MMM】が2万6100ドル、【EMR】が1万8300ドル、【GE】が7200ドルになっていました。
過去3カ月、1、3、5、10年の年平均トータルリターンは以下の通りです。スリーエム【MMM】の株価は2018年1月頃が最高値だったので、過去3年のリターンは良くありません。ただ、それ以外の期間はまずまず安定しています。
まとめ
スリーエム【MMM】の業績は横ばい、株価は伸び悩んでおり、増配率もここ数年はわずかですが、今回もきっちり増配しました。