前回はウォーレン・バフェット氏が10年前に所有していた上位10銘柄を、同じように10年前に買っていたら現在どうなったか検証しました。今回は、5年前にバフェット氏が所有していた銘柄と同じものを5年前に自分が所有したらどうなったか調べます。今回もバフェットのマネをします。
投資金額は1銘柄あたり約1000ドル、計1万ドルで、配当再投資はしないでというルールで検証します。2014年9月1日にすべて買って、2019年9月17日現在の株価と比較します。
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- 2014年9月時点で現在バフェット氏が所有している上位10銘柄
- 1銘柄あたり1000ドルに近い額で2009年9月1日の終値で購入
- 配当はそのまま保有
ウェルズ・ファーゴはバフェットのお気に入り
2009年9月時点でバフェット氏が所有している上位10社は以下の通りです。セクター別では金融が4社、生活必需品が3社、情報技術とエネルギー、ヘルスケアが1社ずつです。ポートフォリオ内比率ではウェルズ・ファーゴ【WFC】が22.6%、コカ・コーラ【CO】が15%。10年前に比べてこの2社の比率はほぼ逆転しています。アメリカン・エクスプレス【AXP】とアイビーエム【IBM】を含めた上位4社で全体の63%を占めています。
順位 | 銘柄 | ティッカー | セクター | PF内比率 |
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1 | ウェルズ・ファーゴ | WFC | 金融 | 22.6% |
2 | コカ・コーラ | KO | 生活必需品 | 15.7% |
3 | アメリカン・エクスプレス | AXP | 金融 | 13.3% |
4 | アイビーエム | IBM | 情報技術 | 11.8% |
5 | ウォルマート | WMT | 生活必需品 | 4.1% |
6 | プロクター・アンド・ギャンブル | PG | 生活必需品 | 3.8% |
7 | エクソン・モービル | XOM | エネルギー | 3.8% |
8 | ユー・エス・バンコープ | USB | 金融 | 3.2% |
9 | ダビータ・ヘルスケア・パートナーズ | DVA | ヘルスケア | 2.5% |
10 | ムーディーズ | MCO | 金融 | 2.0% |
5年前に10銘柄を1000ドル分ずつ購入!
まずは、2009年9月1日の終値で購入したとします。すべての銘柄が1000ドルに近づくようにします。10銘柄の合計は一番下にあるように10002ドルで、ほぼ1万ドルになりました。なお、購入手数料や税金は考えないものとします。
ティッカー | 5年前株価 ($) | 購入単位 | 購入($) |
---|---|---|---|
WFC | 51.87 | 19.3 | 1000 |
KO | 42.66 | 23.4 | 998 |
AXP | 87.57 | 11.4 | 998 |
IBM | 189.83 | 5.3 | 1006 |
WMT | 76.47 | 13.1 | 1002 |
PG | 83.74 | 11.9 | 997 |
XOM | 94.05 | 10.6 | 997 |
USB | 41.83 | 23.9 | 1000 |
DVA | 73.14 | 13.7 | 1002 |
MCO | 94.50 | 10.6 | 1002 |
合計 | 10002 |
5年前と現在の株価を比較
5年前の株価と現在の株価を比較しましょう。株価上昇率はムーディーズ【MCO】が125%と飛び抜けていますが、同社の10年前は上昇率938%でしたので、近年の伸び率は鈍化しているといえます。また、アイビーエム【IBM】、エクソン・モービル【XOM】、ダビータ【DVA】、ウェルズ・ファーゴ【WFC】は5年前より株価がマイナスになってます。
なお、グラフの一番右には、ベンチマークとしてS&P500に連動しているETF、SPDR S&P 500 ETF トラスト【SPY】のデータを載せておきます。
配当は重視していないようだが
過去5年の増配率ではムーディーズ【MCO】が12.3%でトップ。アイビーエム【IBM】、ユー・エス・バンコープ【USB】、アメリカン・エクスプレス【AXP】は9%台です。YOC(元本利回り)は最も高いウェルズ・ファーゴ【WFC】で3.93%と低調です。
現在の配当利回りはアイビーエム【IBM】、エクソン・モービル【XOM】、ウェルズ・ファーゴ【WFC】が4%台です。これらの銘柄は株価が低迷したため、配当利回りが上がったともいえそうです。なお、グラフの一番右には、ベンチマークとしてS&P500に連動しているETF、SPDR S&P 500 ETF トラスト【SPY】のデータを載せておきます。
評価額と配当の合計値は?
現在の評価額と配当を合わせた額です。全体としては約1万ドル分購入して、5年後には評価額が1万2458ドル、配当の合計が1173ドル、合計1万3631ドルになりました。また、1銘柄あたりの平均は投資した1000ドルが評価額1246ドル、配当を117ドル得て、合計は1363ドルです。5年間で1.3倍、低調ですね。
個別の銘柄ではムーディーズ【MCO】の評価額と配当の合計が2258ドルで圧倒的にトップ。アイビーエム【IBM】、エクソン・モービル【XOM】、ダビータ【DVA】は1000ドルを割っています。ただしエクソン・モービル【XOM】は2014年12月までにすべて売却し、アイビーエム【IBM】も2018年前半には手放したようです。なお、グラフの一番下には、ベンチマークとしてS&P500に連動しているETF、SPDR S&P 500 ETF トラスト【SPY】のデータを載せておきます。
バフェット銘柄など、これまでの記事を比較
これまでの記事で検証したものを比較します。10年前に買ったという前提で、現在の評価額と配当金の合計を計算しました。ベンチマークとして【SPY】の5年と10年のデータも記載。「SPY(5年)」以下は5年間の成績です。
もっとも優れているのは、現在のバフェット銘柄2軍(上位11~20位)を10年前に買ったものでした。10年前にバフェットと同じ銘柄を買うよりも、現在のバフェット銘柄を10年前に買ったほうが成績が上回っております。これは10年前にバフェットが所有していた上位銘柄の中で、期待できそうにないものは売却したり比率を減らしたからです。まさにバフェットが進化し続けているというわけです。さすがオマハの賢人。米寿を迎えてもまだ伸びしろがありそうです。