バンガード・米国グロースETF【VUG】の2021年6月末データが更新されたのでまとめてみた

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バンガード社のバンガード・米国グロースETF【VUG】の2021年6月末データが更新されたのでまとめます。

2021年8月3日の終値は297.02ドル。利回りを過去1年間の分配金額から算出すると、過去1年の分配金額は1.6213ドルなので、利回りは0.55%になります。

※このページでの利回りは過去1年間の分配金をもとに計算します

 

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基本情報を確認しよう

【VUG】は米国の大型・並びに中型のグロース株が対象です。ベンチマークはCRSP USラージキャップ・グラース・インデックス。1株当たり利益(EPS)の短期並びに長期の予想成長率、1株当たり利益(EPS)の過去3年成長率、売上高の過去3年成長率、現在の投資対資産比率、資産収益率という6項目に基づいて銘柄を選定しています。

下の表は米国ハイテク・グロースの代表的な4つのETFの基本情報です。成長銘柄が多いため、利回りはいずれも1%を切っています。その中でも【XLK】と【VGT】の利回りが高いですね。

【VUG】は運用総額が約8.8兆円で、かなり売れています。経費率は0.04%とほぼゼロです。

 

 

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【VUG】のセクター別のファンド構成比は?

【VUG】に組み込まれている銘柄のセクター別の組込比率です。バンガードの公式サイトではICB(Industry Classification Benchmark)で分類されていますので、これをGICS(Global Industry Classification Standard)に変換しました。情報技術の割合が最も多く、全体の半分弱を占めています。以下、一般消費財、通信サービス、ヘルスケアと続いています。

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【VUG】の上位組込銘柄はどんな会社か?

【VUG】の組込比率上位20銘柄です。ベンチマークは、CRSP USラージキャップ・グロース・インデックスです。上位20銘柄で全体の約56%を占めています。構成銘柄数は全部で288銘柄です。情報技術セクターが多いですね。

 

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2020年8月以降の上位銘柄は?

2020年8月以降の組込上位20銘柄の推移です。今月はマイクロソフト【MSFT】とアップル【AAPL】がほぼ同じ比率になりました。先月との比較では、ウォルト・ディズニー【DIS】が21位以下だったのが、一気に13位にランクインしました。

 

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【VUG】組込上位銘柄は主要ETFには組み込まれているのか?

【VUG】の組込比率上位20銘柄は、他のETFにどのくらいの割合で組み込まれているのでしょうか? 高配当【SPYD】【HDV】【DVY】【VYM】、連続増配【SDY】【VIG】、市場全体【DIA】【VOO】【VTI】、ハイテク・グロース系【QQQ】【VUG】【VGT】の主要12ETFへの組込比率(%)をまとめました。

【VUG】の上位10銘柄は【QQQ】に9つ組み込まれています。【VGT】に組み込まれているのは4つです。

【SPYD】との重複率は【SPYD】が1%、【HDV】3%、【DVY】1%、【VYM】7%、【SDY】5%、【VIG】が21%、【DIA】は16%、【VOO】が55%、【VTI】が51%、【QQQ】61%、【VGT】43%です。

※組込比率は、バンガード社のETFは2021年6月末、【DIA】は7月22日、【SPYD】は7月30日、その他のETFは7月16日のデータをもとにしています。【DIA】は株価の高い銘柄が比率が高くなり、【SPYD】は均等平均加重組入なので、これらのETFの組込比率はあまり重要ではありません。

主要ETFの並び順は基本的に左端が最も利回りが高く、右に行くにつれて下がっていきます。ただし、【VGT】は少し毛色が異なるセクターETFなので、右端にしました。主要ETFのティッカー・コードの下の数字は7月20日の利回り(%)です。

 

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【VUG】の過去の分配金と増配率は?

【VUG】が設定されたのは2004年1月です。下の表は過去の分配金の一覧です。

2021年6月の【VUG】の分配金が増配or減配なのかは、どのデータを比較するかによって異なります。もっともオーソドックスなのは、前年の同期との分配金額の比較です。今回が0.3736ドル、前年の同期が0.4189ドルなので10.8%の減配になります。また、前年同期との過去1年分配金額の比較では、今回が1.6213ドル、前年の同期が1.7103ドルなので、5.2%減配となります。

※背景がになっているのが減配です

 

【VUG】の期別分配金は?

2021年6月の分配金0.374ドルは前年2020年、前々年2019年の同期よりも少ないですね。

【VUG】の年間分配金額と年間増配率は?

【VUG】の分配金を1年ごとにまとめてグラフ化しました。年間分配金額は2018年がピークで、そこから緩やかな右肩下がりです。

 

【VUG】の分配金額を棒グラフで確認しよう

期ごとの分配金を株価を比較しました。デコボコしていますね。長期で見ると分配金は増えていましたが、ここ2~3年は足踏み状態です。株価は続伸ですね。

【VUG】の過去1年分配金額を棒グラフで確認しよう

過去1年分配金額を棒グラフにして、株価と比較しました。2020年以降の株価はかなり上昇しています。過去1年分配金額は2019年の3月を頂点に、少しずつ減っています。

 

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2020年以降の株価と利回りは?

2020年以降の【VUG】の株価と利回りを見てみましょう。過去1年の年間分配金額から算出しました。青線が株価(左軸)で、赤線が利回り(右軸)です。2020年の年初は利回りが0.9%前後でしたが、2月半ば以降は株価が下がったため、3月23日には利回りは約1.3%まで上昇しました。現在の株価はコロナ・ショック以前を大きく上回り、利回りは0.55%です。

 

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現在の【VUG】の株価と利回りの関係は?

年間分配金額が現在と同じく1.6213ドルで変わらなかったら、利回りはどのように変化するでしょうか。下のグラフは年間分配金額が現在と同じ1.6213ドルが続いた場合の、利回りと株価の相関図です。利回りを0.1%ごとに株価を出しました。今後【VUG】を購入しようと考えている人は、目安にしてください。

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【VUG】を過去に買っていた場合のYOCは?

過去に【VUG】を買った場合、現在の購入単価当たりの利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から5年前までの株価、利回り、YOCを見ていきましょう。株価は月末のもので月1回なので、ややアバウトです。下のグラフの黄色の線が、過去に買った場合の、現在の購入単価当たりの利回り(YOC)です。

2021年8月3日の終値は297.02ドル、過去1年の分配金額は1.6213ドルなので、現在の利回りは0.55%です。過去5年の平均利回りは約1.0%です。過去5年の株価は強烈な右肩上がりだったので、早い時期に買った方がYOCは上がります。2016年10月に買っていたら、現在YOCは約1.5%になっていました。

 

 

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ライバルETFとトータルリターンを比較する

ナスダック100【QQQ】、情報技術セクターETF【VGT】、そして全米S&P500【VOO】とトータルリターンを比較します。PORTFOLIO VISUALIZERを使って、2011年8月から2021年7月までの10年間を比べます。

2011年8月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合、2021年7月には【VGT】が7万3200ドル、【QQQ】が6万9400ドル、【VUG】は5万2000ドル、【VOO】は4万1500ドルになっていました。

過去のトータルリターン

過去3カ月、1、3、5、10年の年平均トータルリターンは以下の通りです。過去3年以上の期間では【VUG】は【VGT】【QQQ】より劣っていますが、【VOO】は上回っています。過去10年のリターン(年平均)は、【VGT】が22.0%、【QQQ】が21.4%、【VUG】は17.9%、【VOO】は15.3%でした。

危険度はどのくらいか?

ETFの安定度を比べてみましょう。最大ドローダウンは、計測期間における最大下落率です。マイナスの数値が小さいほど最大下落率が低いです。

シャープレシオとは、同じリスクを取った場合のリターンの比較です。「(ファンドのリターン?無リスク資産のリターン)÷標準偏差」の値です。1を超えていれば、優秀です。

ソルティノレシオはシャープレシオの改良版で、相場が軟調の際の成績を示しています。「(ファンドのリターン-無リスク資産のリターン)÷下方偏差」で計算します。1.5を超えていると、素晴らしいです。

【VUG】の最大ドローダウンは【QQQ】や【VGT】よりもマイナス値が少ないですね。いずれのETFもシャープレシオ、ソルティノレシオともに素晴らしいです。

過去の分配金はどのくらいか?

2011年8月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合の年間でもらえる分配金の推移です。分配金は再投資します。税金は考慮しません。PORTFOLIO VISUALIZERのデータです。

【VUG】は【QQQ】と同じぐらいです。【VGT】は増配率が高いため、2020年には【VOO】とほぼ同じまで増えました。

10年間の分配金の合計は【VOO】が3900ドル、【VGT】が2800ドル、【VUG】が2300ドル、【QQQ】は2200ドルでした。

 

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【VUG】の今後の分配金予想は?

現在の過去1年分配金額(1.6213ドル)と1、3、5、10年前の同時期の過去1年分配金額(1.7103ドル、1.6649ドル、1.403ドル、0.771ドル)を比較して年間増配率を計算し、それを使って将来の分配金とYOCを予想しました。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの分配金利回りのことです。【VUG】株を2021年8月3日の終値297.02ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。

購入金額は1万ドルにします。そうすると、年間分配金額から利回り(YOC)が一瞬で計算できます。たとえば、年間分配金額が300ドルなら利回り(YOC)は3.0%、年間分配金額777ドルなら利回り(YOC)は7.77%になります。

増配率は過去1年がマイナス5.2%、過去3年がマイナス0.9%、過去5年が2.9%、過去10年が7.7%でした。現在の分配金利回りは0.55%です。

分配金を再投資しない場合

まずは分配金を再投資しないケースを見てみましょう。税金は考慮しません。現在の利回りが0.55%なので、年間分配額は55ドルです。

もっとも増配率の低い過去1年のペースだと5年目の分配金額は44ドル、10年目の分配金額は34ドルになります。もっとも成績の良い過去10年の増配率を当てはめると5年目の分配金額は73ドル、10年目の分配金額は107ドルになりそうです。分配金額107ドルはYOC(購入額に対する利回り)1.07%です。

 

分配金を再投資する場合

つぎに分配金を再投資するケースを見てみましょう。税金は考慮しません。再投資する場合の分配金額は、現在と10年前の株価を比較して年平均騰落率を計算し、それを使って調整しています。

もっとも増配率の低い過去1年のペースだと5年目の分配金額は45ドル、10年目の分配金額は35ドルになります。もっとも成績の良い過去10年の増配率を当てはめると5年目の分配金額は75ドル、10年目の分配金額は113ドルになりそうです。分配金額113ドルはYOC(購入額に対する利回り)1.13%です。

分配金を再投資する場合(税引き後)

最後に分配金を再投資するケースで、税金を引いた額で計算してみましょう。分配金は28%の税金を引いた72%で計算します。1年目は55ドルではなく、税引き後の39ドルになります。

もっとも増配率の低い過去1年のペースだと5年目の分配金額は32ドル、10年目の分配金額は25ドルになります。もっとも成績の良い過去10年の増配率を当てはめると5年目の分配金額は54ドル、10年目の分配金額は80ドルになりそうです。分配金額80ドルはYOC(購入額に対する利回り)0.80%です。

【VUG】は現在の利回りが低く、増配率もそれほど高くありません。株価上昇率も高いので、再投資効果も薄れてしまいます。そのため、将来YOCはあまり上がりません。インカム狙いのETFではないですし、よりキャピタルが狙えるという考え方ができそうです。

 

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まとめ

グロース銘柄のETFなので、分配金は少なく、多少増えたり減ったりしても気にする必要はないです。株価の伸びは素晴らしいです。

なお、次回は9月24日が権利落ちの予定なので、その前日までに購入すれば分配金がもらえます。