バンガード社のバンガード米国増配株式ETF【VIG】が、2022年3月に年に1度の銘柄入れ替えを行いました。新たにマスターカード【MA】が組込順位8位に加わりました。他にはシスコ・システムズ【CSCO】、インテュイット【INTU】、アンセム【ANTM】、ゴールドマン・サックス【GS】なども新加入を果たしました。
除外されたのは、スリーエム【MMM】、キンバリークラーク【KMB】などです。
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また、バンガード社のバンガード・米国連続増配ETF【VIG】は2022年3月17日に分配金を発表しています。0.6939ドルです。1年前の同期は0.5131ドルでしたので、1年前の同期から35.2%増です。
利回りを過去1年間の分配金額から算出すると、2022年4月11日の終値は160.56ドル、過去1年の分配金額は2.8409ドルなので、利回りは1.77%になります。
※このページでの利回りは過去1年間の分配金をもとに計算します。
- 【VIG】の過去の分配金と増配率は?
- 2020年以降の利回りは?
- 現在の【VIG】の株価と利回りの関係は?
- 【VIG】を過去に買っていた場合のYOCは?
- 基本情報を確認しよう
- 【VIG】とライバルETFの比較
- 【VIG】の上位組込銘柄はどんな会社か?
- 2022年3月の銘柄入れ替えについて
- 上位組込銘柄の推移は?
- 【VIG】上位20銘柄は主要ETFには組み込まれているのか?
- 【VIG】のセクター比率は?
- ライバルETFとトータルリターンを比較する
- 主要ETFと増配率を比較する
- 過去3年増配率を使った今後のYOC予想は?
- 過去5年増配率を使った今後のYOC予想は?
- 過去10年増配率を使った今後のYOC予想は?
- 過去3、5、10年増配率で推移した場合のYOC予想一覧
- まとめ
【VIG】の過去の分配金と増配率は?
【VIG】が設定されたのは2006年4月です。
今回の【VIG】の分配金が増配or減配なのかは、どのデータを比較するかによって異なります。もっともオーソドックスなのは、下の表の(1)「期別分配金」の今回と前年同期の比較です。その結果が、(2)「期別分配金の対前年同期増減率」です。今回が0.6939ドル、前年の同期が0.5131ドルなので35.2%増になります。
また、(3)「過去1年分配金」を1年前と比較するのも参考になります。表の(4)「過去1年分配金の対前年同期増減率」は今回が2.8409ドル、前年の同期が2.3356ドルなので、21.6%増となります。
色と番号をつけた箇所のデータをグラフにして解説していきます。
期別分配金で1年ごとの分配金イメージをつかもう
(1)「期別分配金」を1年ごとに重ねて棒グラフにしました。2021年の分配金は2.6601ドルで前年2020年と比較して15.8%増と、かなり伸びました。そして今回2022年3月の分配金は、3月としては最高額です。
期別分配金を1つずつ並べて比べよう
(1)「期別分配金」を1つずつ棒グラフにして、株価と比較しました。期ごとの分配金はデコボコしていますが、順調に増えています。6月と12月の分配金が多い傾向ですね。
年間分配金と株価の関係は?
(3)「過去1年分配金」を1年ごとにまとめて年間分配金とし、株価と比較しました。どちらも順調に伸びています。2021年は株価の方が年間分配金よりも上の位置にあります。これは最近は株価が上がりすぎて、これまでよりも利回りが少し下がっていることを意味しています。
過去1年分配金額を1つずつ並べて確認しよう
(3)「過去1年分配金」を期ごとに棒グラフにして、株価と比較しました。過去1年分配金額の伸びと株価の動きは、結構程度連動しています。2020年の後半以降は、株価の伸びが素晴らしかったですが、2022年に入って少し調整しています。
期別と過去1年分配金を、前年同期と比較しよう
(2)「期別分配金の対前年同期増減率」、(4)「過去1年分配金の対前年同期増減率」をグラフにしました。
ETFの場合、「期別分配金の対前年同期増減率」で増配や減配を決めることが多いですが、大きく減ることも比較的あるので、あまり気にする必要はありません。ただし、2020年の12月以降、6回続けて前年同期よりも8%以上増えており、好調なのがわかりますね。
それよりも「過去1年分配金の対前年同期増減率」がプラスで推移しているかが重要です。ほぼプラスが続いており、長期で増配傾向にあるといえます。2008年9月のリーマン・ショックの直後を除くと、かなり安定していると言えます。2020年3月のコロナ・ショックの頃でもマイナスがわずかでした。
年間増配率は?
(4)「過去1年分配金の対前年同期増減率」の1年ごとのデータを見てみましょう。いわゆる年間増配率です。最初に分配金が支払われたのが2006年の6月からなので、データは2008年からです。リーマン・ショックの影響で2009年はマイナスでした。2010年以降は好調ですが、2013、2016年はマイナスでした。その前年の2012年は20%、2015年は15%とかなり増配だったので、その反動のようにも見えます。
長期の増配率をチェック!
年間増配率だとざっくりしすぎていて、若干イメージしづらいかもしれません。そういう時は、複数年単位で増配率をチェックしましょう。下のグラフは過去3年と過去5年の増配率の推移です。
過去5年増配率は、ほぼ5%以上で推移しており高いレベルを維持しています。今後も期待できそうです。
2020年以降の利回りは?
2020年以降の【VIG】の株価と利回りを見てみましょう。過去1年の年間分配金額から算出しました。青線が株価(左軸)で、赤線が利回り(右軸)です。2020年の年初は利回りは1.7%前後でしたが、2月半ば以降は株価が下がったため、3月23日には利回りが約2.4%まで上昇しました。現在の株価はコロナ・ショック以前を大きく上回りましたが、増配もされたので利回りは1.77%です。
現在の【VIG】の株価と利回りの関係は?
年間分配金額が現在と同じの場合、利回りはどのように変化するでしょうか。下のグラフは年間分配金額が現在と同じ2.8409ドルが続いたときの、利回りと株価の相関図です。利回りを0.1%ごとに株価を出しました。今後【VIG】を購入しようと考えている人は、目安にしてください。
【VIG】を過去に買っていた場合のYOCは?
過去に【VIG】を買った場合、現在の購入単価当たりの利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から10年前までの株価、利回り、YOCを見ていきましょう。株価は月末のもので月1回なので、ややアバウトです。
下のグラフの黄色の線が、過去に買った場合の、現在の購入単価当たりの利回り(YOC)です。この線が左肩上がりの場合は、株価好調&増配傾向にあるといえます。なので【VIG】はかなり好調ですね。
2022年4月11日の終値は160.56ドル、過去1年の分配金額は2.8409ドルなので、現在の利回りは1.77%です。過去10年の平均利回りは約1.9%なので、今は少し割高です。
利回りはあまり変動がなく、レンジは1.5~2.3%です。2.0%を超えたら買いと言えそうです。
過去10年で株価は右肩上がりで、増配もしていますので、早い時期に買った方がYOCは上がります。2012年5月に買っていたら、現在YOCは約5.1%になっていました。
基本情報を確認しよう
【VIG】は財務が健全で10年以上連続して増配の実績がある銘柄を、時価総額加重平均方式で組み入れています。利回りの上位25%とREITは除外されます。個別銘柄の加重の上限は4%です。
ベンチマークは、S&P U.S. ディビデンド・グロワーズ・インデックス。2021年9月に変更されました。それまではNASDAQ US ディビデンド・アチーバーズ・セレクト・インデックスでした。
・財務が健全で10年以上連続して増配実績のある銘柄を集めたETF
・利回り上位25%とREIT(不動産)は除く
・時価総額加重平均方式で組み込む
・個別銘柄の上限は4%
・年に1回、3月に銘柄の入れ替えを行う。リバランスは3、6、9、12月
【VIG】とライバルETFの比較
【VIG】と連続増配系ETF【DGRW】【SDY】、高配当ETF【VYM】、全米ETF【VTI】を比較します。成績が良い箇所を赤色、まずまずのところをオレンジ色にしました。
【VIG】の利回りはそれほど高くないですね。10年増配実績銘柄から上位25%を除いているためです。運用総額は8.3兆円とかなり売れています。経費率はバンガード社の【VIG】【VYM】【VTI】がいずれも0.1%以下と低く抑えられています。
【VIG】の上位組込銘柄はどんな会社か?
【VIG】の組込比率1%以上の銘柄です。全部で32あります。上位10銘柄で全体の約29%、上位20銘柄では45%を占めており、それなりに集中投資と言えそうです。ちなみに組込比率1%以上の32銘柄では59%です。
左端の「組込順位」の背景がピンク色が新加入銘柄です。
上位組込銘柄のセクターはバラエティに富んでおり、なかなかバランスがいいですね。セクターの背景色をGICSによる分類で色分けしています。カラフルですね。中でも上位組込銘柄のセクターは情報技術、生活必需品がやや多いですね。ちなみに構成銘柄数は全部で288です。
【VIG】は連続増配年数は10年以上が対象です。アボット・ラボラトリーズ【ABT】は9年とありますが、これは2013年にアッヴィ【ABBV】がスピンオフしたので、この年から数えてという意味です。実際は50年連続増配中です。
※組込順位や構成比は2022年3月末日、時価総額や配当利回りは2022年4月14日のデータです
2022年3月の銘柄入れ替えについて
【VIG】は年に1度、3月に銘柄入れ替えを行います。今回新加入となった上位銘柄は、世界2位のクレジットカード会社マスターカード【MA】、通信機器メーカーのシスコ・システムズ【CSCO】、会計ソフト最大手インテュイット【INTU】、全米2位の医療保険会社アンセム【ANTM】、世界有数の投資銀行ゴールドマン・サックス【GS】などです。いずれも連続増配年数が10年に到達したためです。
除外された主な銘柄はスリーエム【MMM】、キンバリークラーク【KMB】などです。【VIG】の組込条件は連続増配が10年で、利回り上位25%は除外です。この両銘柄は利回りが4%弱くらいなので、利回りで弾かれた可能性が考えられます。
来年2023年、連続増配が10年に到達して新加入になりそうなのは、デジタル機器のパイオニアで、時価総額世界No.1のアップル【AAPL】ですね。そのほか、アッヴィ【ABBV】、ゾエティス【ZTS】、メットライフ【MET】なども新加入の可能性があります。ただし、アッヴィ【ABBV】は利回りが高いので微妙ですが。
※アップル【AAPL】の増配年数を○囲み数字にしました
上位組込銘柄の推移は?
2020年4月以降の組込比率1%以上銘柄の推移です。
2022年3月に銘柄変更が行われ、上位銘柄では8位にマスターカード【MA】、12位にシスコ・システムズ【CSCO】が新加入となりました。
個別銘柄の上限は4%なので、首位のマイクロソフト【MSFT】は1カ月前の4.67%から4.09%に減らしました。今回の銘柄入れ替えで、上位銘柄は全体的に比率を下げています。5位のプロクター・アンド・ギャンブル【PG】、7位のホーム・デポ【HD】は先月から0.4%ほど比率が下がっています。
※毎年3月に銘柄の組み換えをしましたので、太い線を入れました。2021年9月にはベンチマークが変更されたので、ここも太線を入れています
【VIG】上位20銘柄は主要ETFには組み込まれているのか?
【VIG】の組込比率上位20銘柄は、他のETFにどのくらいの割合で組み込まれているのでしょうか? 高配当【SPYD】【HDV】【DVY】【VYM】、連続増配【SDY】【DGRW】【VIG】、市場全体【DIA】【VOO】【VTI】、ハイテク・グロース系【QQQ】【VUG】【VGT】の主要13ETFへの組込比率(%)をまとめました。
背景色のオレンジ色が濃いほど、組込比率が高いことを意味しています。
【VIG】の組込上位10銘柄中8銘柄が【DIA】と【DGRW】にも含まれています。財務が健全な銘柄の集まりという意味では、この3つのETFは似ています。また、【VIG】の上位20銘柄は【VYM】には11銘柄組み込まれています。
【VIG】との重複率が最も高いのは【DGRW】で52%、【VYM】が47%、【DIA】【VOO】が33%と続いています。
同じ連続増配の【SDY】は重複率26%で少なめです。【SDY】は利回りの高い順に組み込まれており、【VIG】は連続増配銘柄の中から利回りの高い25%を除外しているため、上位に組み込まれている銘柄は結構異なっています。
※組込比率は、バンガード社のETFは2022年3月末、その他のETFは4月14日頃のデータをもとにしています。【DIA】は株価の高い銘柄が比率が高くなり、【SPYD】は均等平均加重組入なので、これらのETFの組込比率はあまり重要ではありません。
主要ETFの並び順は基本的に左端が最も利回りが高く、右に行くにつれて下がっていきます。ただし、【VGT】は少し毛色が異なるセクターETFなので、右端にしました。主要ETFのティッカー・コードの下の数字は4月14日頃の利回り(%)です。
一番下のETF同士の比率は「etfrc.com」のデータです。
【VIG】のセクター比率は?
【VIG】のセクター比率推移です。GICSによる分類です。約1年前と1カ月前を比較します。【VIG】は2021年9月にベンチマークを変更しましたが、セクターの比率はほとんど変わっていません。
銘柄入れ替え前である1カ月前との比較では、情報技術が約4%増え、金融やヘルスケアも少し増えました。比率を減らしたのが資本財で1.7%、生活必需品も1.3%減りました。
情報技術セクターが増えたのは、上位銘柄にマスターカード【MA】、シスコ・システムズ【CSCO】らが新加入したため、資本財セクターが減ったのはスリーエム【MMM】が除外されたためです。
【VIG】と主要ETFのセクター比率を比べる
【VIG】とライバルのETFとのセクター比率を比較します。対象は連続増配系【DGRW】【SDY】、高配当【VYM】【HDV】、全米【VTI】。バンガードの公式サイトではICB(Industry Classification Benchmark)で分類されていますので、これをGICS(Global Industry Classification Standard)に変換しました。【VYM】【VTI】はFidelityのデータです。
【VIG】は情報技術の割合が最も多く、金融、ヘルスケア、資本財、生活必需品が同じくらいの割合で続いています。
【VIG】とセクター比率が似ているのは【DGRW】と【VTI】ですね。【DGRW】は情報技術が最多で、生活必需品、ヘルスケア、資本財が多いのは【VIG】と共通しています。【VTI】は情報技術セクターが最多で、ヘルスケア、金融、資本財が多いのが【VIG】と同じです。
【VIG】【DGRW】【VTI】の共通点は利回りが2%を切っており、キャピタル(値上がり益)を狙うタイプのETFです。
利回りが2%後半でキャピタル(値上がり益)とインカム(分配金)の両方を狙う【SDY】【VYM】は、【VIG】とはセクター構成が異なります。利回り3%台でインカム(分配金)に重きを置いている【HDV】も似ていないですね。これらのETFはいずれも情報技術の割合が低いです。
ライバルETFとトータルリターンを比較する
連続増配ETF【DGRW】、高配当ETF【VYM】、全米【VTI】とトータルリターンを比較します。もっとも後発の【DGRW】が設定されたのが2013年5月なので、2013年6月から2022年3月までの8年10カ月を比較します。PORTFOLIO VISUALIZERを使います。
2013年6月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合、2022年3月には【VTI】が3万1800ドル、【DGRW】が3万1100ドル、【VIG】は2万8700ドル、【VYM】は2万6100ドルになっていました。【VTI】がやや優勢です。
ライバルETFと株価推移を比較する
今度は株価推移を比較します。
2013年6月に1万ドル投資して分配金を再投資しない場合、2022年3月には【VTI】が2万7000ドル、【DGRW】が2万5800ドル、【VIG】は2万3900ドル、【VYM】は1万9700ドルになっていました。【VTI】がやや優勢です。チャートの形はトータルリターンと似ています。再投資しないため、この中では利回りの高い【VYM】が株価ではやや劣っています。
過去の分配金はどのくらいか?
2013年6月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合の年間でもらえる分配金の推移です。税金は考慮しません。
8年10カ月間の分配金の合計は【VYM】が4500ドル、【DGRW】が3300ドル、【VIG】が2900ドル、【VTI】が2800ドルでした。【VIG】は【VTI】とほぼ互角ですね。
主要ETFとのトータルリターン比較
高配当【SPYD】【HDV】【DVY】【VYM】、連続増配【SDY】【VIG】【DGRW】、インデックス【DIA】【VOO】【VTI】の過去1、3、5、10年のトータルリターンを比較しました。現在の利回りは紫の★です。
過去10年のリターン(年平均)は【VIG】は13.0%、【VTI】が14.3%、【VYM】が12.2%でした。5年以上のリターンでは【VIG】は【VOO】【VTI】に対して、1%強ぐらい劣っています。
危険度はどのくらいか?
ETFの安定度を比べてみましょう。最大ドローダウンは、計測期間における最大下落率です。マイナスの数値が小さいほど最大下落率が低いです。
シャープレシオとは、同じリスクを取った場合のリターンです。「(ファンドのリターンー無リスク資産のリターン)÷標準偏差」の値です。
ソルティノレシオはシャープレシオの改良版で、相場が軟調の際の成績を示しています。「(ファンドのリターンー無リスク資産のリターン)÷下方偏差」で計算します。
【VIG】のシャープレシオ、ソルティノレシオは【VOO】【VTI】とほぼ互角です。最大ドローダウンは【VIG】が最も優秀です。インデックスよりも安全度が高いと言えそうです。
主要ETFと増配率を比較する
高配当【SPYD】【HDV】【DVY】【VYM】、連続増配【SDY】【DGRW】【VIG】、インデックス【DIA】【VOO】【VTI】の過去の増配率を比較しました。
【VIG】はいずれの期間も素晴らしいですね。【VIG】のように過去3年と過去10年、どちらも10%弱というのは、他のETFではないですね。
過去3年増配率を使った今後のYOC予想は?
現在の過去1年分配金額と3、5、10年前の同時期の過去1年分配金額を比較して増配率を計算し、それを使って将来YOCを予想します。
YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの利回りのことです。それぞれのETFを2022年4月11日の終値で買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。
「分配金を再投資しない、税金は考えない」「分配金を再投資する、税引き後」の2つで検証します。過去3年、過去5年、過去10年増配率とこの2つを組み合わせるので、計6つとなります。
比べるETFは連続増配系【VIG】【DGRW】【SDY】、高配当【VYM】【HDV】、全米【VTI】にします。
現在の利回りは【VIG】1.77%、【DGRW】1.85%、【SDY】2.60%、【VYM】2.76%、【HDV】3.14%、 【VTI】1.34%です。
分配金を再投資しない・税金も考えない場合
まずは過去3年増配率で検証します。分配金を再投資しない場合のYOCを見てみましょう。税金は考慮しません。
過去3年の年間増配率は【VIG】が9.7%、【DGRW】が7.2%、【SDY】が11.5%、【VYM】が4.8%、【HDV】が2.9%、【VTI】が1.8%でした。
表の一番左の「スタート」が、それぞれのETFの現在の利回りです。過去1年の分配金から計算しています。
もっとも成績が良かったのは【SDY】。10年後YOCは7.7%、20年後YOCは22.8%まで伸びました。次点は【VIG】で、10年後YOCは4.5%、20年後YOCは11.3%でした。3番手は【DGRW】で10年後YOCは3.7%、20年後YOCは7.4%。
分配金を再投資する・税金を考える場合
次に分配金を再投資するケースで、税金を引いた場合のYOCをチェックしましょう。分配金は約28%の税金を引いた72%で計算します。再投資する分配金額は、3年間の株価の年平均成長率(CAGR)を計算し、それを使って調整します。
もっとも成績が良かったのは【SDY】。10年後YOCは7.4%、20年後YOCは50.2%まで伸びました。次点は【VIG】で、10年後YOCは3.8%、20年後YOCは15.0%でした。3番手は【VYM】で10年後YOCは4.0%、20年後YOCは9.1%でした。
過去5年増配率を使った今後のYOC予想は?
次に過去5年増配率で検証します。
分配金を再投資しない・税金も考えない場合
過去5年の年間増配率は【VIG】が9.1%、【DGRW】が10.3%、【SDY】が8.7%、【VYM】が6.3%、【HDV】が4.3%、【VTI】が5.4%でした。
まずは分配金を再投資しない場合のYOCを見てみましょう。税金は考慮しません。
もっとも成績が良かったのは【SDY】。10年後YOCは6.0%、20年後YOCは13.8%まで伸びました。次点は【DGRW】で、10年後YOCは4.9%、20年後YOCは13.1%でした。3番手は【VIG】で、10年後YOCは4.2%、20年後YOCは10.0%でした。
分配金を再投資する・税金を考える場合
次に分配金を再投資するケースで、税金を引いた場合のYOCをチェックしましょう。分配金は約28%の税金を引いた72%で計算します。再投資する分配金額は、5年間の株価の年平均成長率(CAGR)を計算し、それを使って調整します。
もっとも成績が良かったのは【SDY】。10年後YOCは5.6%、20年後YOCは22.9%まで伸びました。次点は【DGRW】で10年後YOCは4.3%、20年後YOCは18.7%。3番手は【VYM】で、10年後YOCは4.7%、20年後YOCは13.3%でした。【VIG】は4番手で10年後YOCは3.6%、20年後YOCは12.8%でした。
ここまですべて【SDY】の成績が良いですね。
過去10年増配率を使った今後のYOC予想は?
最後に過去10年増配率で検証します。【DGRW】は設定が2013年5月なので、過去10年増配率はありません。過去7年増配率にします。
分配金を再投資しない・税金も考えない場合
過去10年の年間増配率は【VIG】が9.3%、【SDY】が6.7%【VYM】が8.7%、【HDV】が8.9%、【VTI】が9.0%でした。【DGRW】の過去7年増配率は10.4%でした。
まずは分配金を再投資しない場合のYOCを見てみましょう。税金は考慮しません。
もっとも成績が良かったのは【HDV】。10年後YOCは7.4%、20年後YOCは17.4%まで伸びました。次点は【VYM】で、10年後YOCは6.4%、20年後YOCは14.7%でした。3番手は【DGRW】で10年後YOCは5.0%、20年後YOCは13.3%。【VIG】は4番手で10年後YOCは4.3%、20年後YOCは10.4%でした。
分配金を再投資する・税金を考える場合
次に分配金を再投資するケースで、税金を引いた場合のYOCをチェックしましょう。分配金は約28%の税金を引いた72%で計算します。再投資する分配金額は、10年間の株価の年平均成長率(CAGR)を計算し、それを使って調整します。
もっとも成績が良かったのは【HDV】。10年後YOCは7.3%、20年後YOCは35.7%まで伸びました。次点は【VYM】で、10年後YOCは6.0%、20年後YOCは25.5%でした。3番手は【DGRW】で10年後YOCは4.3%、20年後YOCは19.3%。【VIG】は4番手で10年後YOCは3.7%、20年後YOCは13.6%でした。
過去3、5、10年増配率で推移した場合のYOC予想一覧
これまでの過去3、5、10年増配率を使用した将来YOC予想をまとめました。背景のオレンジ色が濃いほど数値が高いです。増配率は背景の青色の濃さで大小を現わしています。
【VIG】は現在の利回りは低いですが、いずれの期間でも増配率が高いので、20年後YOC予想は素晴らしいです。【DGRW】と【SDY】もほとんどの期間で増配率が高いので、この増配率が続くようなら、20年後のYOCはかなり期待できます。
【VYM】は利回りがそれなりに高く、増配率もまずまずなので、将来YOCは堅実に伸びていきそうです。【HDV】は過去10年増配率は高いですが、設定初年度で分配金が少なかったときとの比較です。なので、過去10年増配率で推移する可能性は低そうです。最近の増配率がやや下がっているのが気になります。
まとめ
2022年3月の銘柄入れ替えでは、マスターカード【MA】、シスコ・システムズ【CSCO】、インテュイット【INTU】など情報技術セクターの新加入が目立ちました。来年はアップル【APPL】が入ってきそうなので、ますます情報技術セクター比率が高くなり、【VTI】や【VOO】などと似てきそうです。
【VIG】の2022年3月の分配金は、前年同期と比較して約35%の増配と好調でした。2020年の12月以降、6回続けて前年同期よりも8%以上増えています。
ベンチマークを変更した2021年9月以降も好調を維持しています。
高い増配率をキープし続けており、相場が軟調な時に強さを見せるので安心して長期保有できる銘柄と言えそうです。