✅米国の大人気高配当ETF【SCHD】の日本版の投資信託が、楽天投信投資顧問から登場
✅「楽天・高配当株式・日本ファンド(四半期決算型)」
✅日本版SCHDというイメージのファンド
✅2025年2月7日に設定
✅ライバルの日本株が対象の高配当ファンド、1489、SBI日本高配当などと比較
楽天・高配当株式・日本ファンド(四半期決算型)はどんなファンドか?
それでは、楽天・高配当株式・日本ファンド(四半期決算型)はどんなファンドか見ていきましょう。
この商品は、マザーファンドを通じて、日本の株式に投資します。配当の確保と中長期的な値上がり益を狙います。
ベンチマークはダウ・ジョーンズ日本配当100インデックスです。
ダウ・ジョーンズ日本配当100インデックスは、S&P日本500指数の中から、財務やファンダメンタルズの強さを考慮して選定された、安定した配当実績を持つ高配当企業100社で構成される指数です。
ざっくりいうと、SCHDの日本株版ですね。
名前が似ているファンドがあった気がするが?
ちなみに、昨年9月に設定された米国高配当ETF【SCHD】の投資信託版の名称は、楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)です。
2月7日に新たに設定される【SCHD】の日本版の名称は、楽天・高配当株式・日本ファンド(四半期決算型)です。
ファンド名は似ていますね。違いは、米国と日本だけです。
分配金はいつもらえるのか?
分配金は年4回です。3、6、9、12月の各25日が決算です。日本の投資信託は決算日の数日後には、分配金が振り込まれます。
最初の分配金は6月か9月だと思います。どちらでしょうかね。
信託報酬はどのくらいか?
信託報酬を見てみましょう。
内訳は、委託会社に0.165%、販売会社に0.11%、受託会社に0.022%。合わせて0.297%です。
0.3%を切っているので、日本株を対象とした高配当ETFなどと比較してもまずまず低いです。
申し込み手数料や解約手数料などはありません。
さらに、隠れコストが追加され、総経費率となります。隠れコストは、投資信託の売れ行きに左右される傾向があり、売れ行きが好調なら低くなります。
たかにんの推測ですが、このファンドは結構売れると思いますので、隠れコストはそれほどかからないんじゃないかなと思います。
どの証券会社で購入できるのか?
販売会社は基本的に楽天証券のみですね。
注目は、SBI証券が同じファンドを設定してくるかということですね。
米国の【SCHD】の投資信託版の場合は2024年9月に楽天SCHDが登場し、3カ月後の2024年12月にSBI・SCHDが登場しました。今回はどうなるでしょうか?
NISAの対象なのか?
この楽天・高配当株式・日本ファンド(四半期決算型)、いわゆる日本版SCHDは、NISAの成長投資枠の対象です。
対象指数のダウ・ジョーンズ日本配当100インデックスとは?
それでは、楽天・高配当株式・日本ファンド(四半期決算型)のコンセプトや対象指数について見ていきましょう。
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ベンチマークは、ダウ・ジョーンズ日本配当100インデックスです。
親指数は、S&P日本500指数です。REITは対象外です。S&P日本500指数は、日本を代表する500社が対象です。S&P500の日本版のようなイメージです。
1、最低10年間連続で配当を支払っていること
2、直近3カ月の平均売買代金が最低30億円以上であること
3、日本国内の上場企業であること
これらのすべてに当てはまる銘柄から、配当利回り上位半分が対象となります。
1、フリーキャッシュフロー対総負債比率
2、自己資本利益率(ROE)
3、配当利回り
4、過去5年間の配当成長率
スコアの上位100銘柄で指数が構成されます。
現在指数に含まれる銘柄については、ランキング上位120以内であれば優先的に採用。
組み入れ比率は、この資料だと配当利回りを勘案とあります。たぶん時価総額加重平均だと思います。1銘柄あたりの上限比率は4%、1セクターあたりの上限比率は25%などの条件を設けることで、バランスをとっています。
リバランスは半年に一度、5月と11月の最終営業日です。
まとめると、「日本国内の上場企業の中から、配当実績が安定し、成長性が期待される銘柄を厳選した高配当株指数」というイメージです。
米国SCHDとの違いは?
それでは米国のSCHDとの違いについて考えてみましょう。
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左が日本版SCHDとも言える、楽天・高配当株式・日本ファンド(四半期決算型)です。
ベンチマークはダウジョーンズ日本配当100インデックス。
右がSCHDで、ベンチマークはダウジョーンズUSディビデンド100インデックスです。
中身はほとんど同じです。大きな違いは対象が日本株なのか、米国株なのかですね。
SCHDのコンセプトの一番の特徴は、配当利回りを2回条件に入れていることですね。赤字のところです。最初のスクリーニングで配当利回り上位50%に絞り、ランク付けのところにも配当利回りを条件に入れています。
2度配当利回りを入れることで高配当銘柄をベースに、財務の健全性や増配銘柄も加わるということです。そして最後に時価総額加重で組み入れることで、株価上昇も狙うということですね。
このあたりがSCHDの芸の細かさのような印象があります。
楽天・高配当株式・日本ファンド(四半期決算型)の業種や上位銘柄は?
それでは、楽天・高配当株式・日本ファンド(四半期決算型)の業種について見ていきましょう。
GICSによる分類ですね。
※クリックで拡大します
首位が資本財で25.2%です。商社や海運などです。2位は一般消費財で20.4%。自動車などのメーカーです。
3位は金融で17%。銀行や保険です。4位がコミュニケーションで9.5%。携帯電話のキャリアなどの通信ですね。
5位が素材、6位がヘルスケアです。
日本の高配当銘柄が多いセクターが上位ですね。情報技術が2%と少ないのが、高配当ファンドらしいとも言えます。
組入れ上位10銘柄は?
続いて上位10銘柄についてです。
銘柄は公開されていましたが、比率は公開されていません。
※クリックで各愛します
損保がSOMPOホールディングス、MS&AD、東京海上ホールディングスです。3銘柄は少し多いですね。
それ以外だと、携帯キャリアがKDDIと日本電信電話、商社が伊藤忠商事と三井物産、メーカーが本田技研とブリヂストン、そしてタバコの日本たばこ産業です。
損保が3銘柄というのが少し多いですが、全体的に高配当の常連銘柄です。オーソドックスな銘柄とも言えます。
配当利回りも調べてみました。右から2列目の赤字です。平均すると3.67%です。まずまずですね。
ファンドの配当利回りは?
こちらは公式資料です。
配当利回りは3.69%。米国のSCHDとほぼ同じですね。配当利回りは結構高いですね。【1489】よりも少し高そうです。ただし、この配当利回りは組入れ銘柄から算出したものかもしれません。過去1年分配金から出したものとは異なる可能性があります。
上位10銘柄で40.3%とあります。結構集中投資です。
日本版SCHDとライバルの高配当ファンドを比較
それでは、楽天・高配当株式・日本ファンド(四半期決算型)を、ライバルの高配当ETFや投資信託と比較します。
楽天・高配当株式・日本ファンド(四半期決算型)だと長いので、日本版SCHDにします。
まずは基本情報の比較です。一番左が日本版SCHDです。
※クリックで拡大します
財務の健全性を重視しているという点では【1478】と似ていますが、日本版SCHDは分配金利回りが3.67%と高いのがポイントです。
【1478】の分配金利回りは2.4%です。日本版SCHDは財務の健全、増配を重視しながら分配金利回りも高いファンドです。
日本版SCHDの信託報酬は0.297%。【1489】や【1698】の0.308%よりもわずかに低く設定されています。
Tracers 日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配型)は、ベンチマークが日経平均高配当株50指数なので、【1489】と中身は同じです。
上位10銘柄を比較
上位10銘柄の比較です。
※クリックで拡大します
上段の【1489】、【1698】、【235A】は規模の大きな銘柄を対象とした高配当ETF。
下段の左2つ、【1478】と【1651】は規模はかなり大きいですが、配当利回りがやや低めの中配当っぽいETF。
下段の右2つは、高配当の投資信託です。
日本版SCHDと上位10銘柄が最も重複しているのは【1478】で5銘柄です。KDDI、日本電信電話、伊藤忠商事、三井物産、本田技研が同じです。
1478は財務の健全性を重視する高配当ETFなので、日本版SCHDと共通しているとも言えます。
2番目に重複していたのは【1651】で4銘柄です。日本電信電話、伊藤忠商事、東京海上、三井物産が重複していました。
配当利回りの低い【1478】や【1651】と重複していたのは、意外でした。商社と携帯キャリアが同じでした。
残りのファンドとの重複は、日経平均高配当利回り株ファンドが3銘柄、【1489】、【1698】、【235A】とは2銘柄、SBI日本高配当とは1銘柄でした。
トータルリターンを比較
最後にトータルリターンの比較です。
2024年12月末基準で、WealthAdvisorのデータです。一番右にTOPIXの【1306】も入れておきます。日本版SCHDと【235A】はファンドが発表しているデータなので、比較対象は同じではありません。
日本版SCHDのデータはバックテストの仮説に基づくものです。【235A】も成績が少し良すぎる感じがします。
この2つのファンドに関しては、参考程度と考えた方がいいかもしれません。
まずは1年と3年のトータルリターン。
日本版SCHDの1年リターンは21.0%。高配当ETFの代表格【1489】が24.5%なので、少し劣っています。
日本版SCHDの3年リターンは23.2%。高配当ETFの代表格【1489】が29.2%なので、こちらも少し劣っています。
長期のトータルリターンは?
5年と10年のトータルリターンです。
日本版SCHDの5年リターンは17.6%。高配当ETFの代表格【1489】が19.9%なので、ここでも少し劣っています。
日本版SCHDの10年リターンは12.5%。【1698】の10.6%やTOPIX【1306】の9.4%を上回っています。
全体的に、日本版SCHDのリターンは、【1489】との比較ではやや分が悪かったです。他のファンドとの比較では、互角以上の結果でした。ただし、あくまでも日本版SCHDのデータは、バックテストの仮説に基づくものです。
トータルリターンと分配金利回りの関係は?
トータルリターンと分配金利回りの関係も確認しましょう。
上の数字が分配金利回りです。日本版SCHDと【235A】の分配金利回りは実績ではなく、予想です。
日本版SCHDは分配金利回りが3.7%ほどで、トータルリターンは【1489】【1478】【1651】などには劣りますが、【1698】やSBI日本高配当よりは良いです。
トータルリターンと分配金利回りの両方で高水準なファンドというイメージですね。
分配金を払うタイプの投資信託版の決算日一覧
主な投資信託(年4回分配金を支払うタイプなど)の分配金日程です。SBIアセットのものが中心です。
SBIアセットの商品はSBI証券のみで購入可能。楽天投資投信顧問の商品は楽天証券のみで購入可能です。
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まとめ
✅楽天・高配当株式・日本ファンド(四半期決算型)は、米国の人気高配当ETF【SCHD】の日本版投資信託。コンセプトはほぼ同じ
✅2月7日から運用開始。分配金は年4回。3、6、9、12月の25日
✅信託報酬は0.297%なので、まずまず抑えられている
✅日本版SCHDは、配当利回りが高く、銘柄の規模、財務の健全性、稼ぐ力、増配率などを重視した100銘柄で構成されている
✅上位10銘柄で約40%なので結構集中投資。分配金利回りは3.69%なので高い
✅上位銘柄は損保(金融)、商社(資本財)、携帯キャリア(コミュニケーション)、メーカー(一般消費財)など
✅上位銘柄は1478や1651とかなり似ていた。商社、携帯キャリアが重複していた。1478とは財務の健全性を重視するのが共通、1478と1651はやや中配当寄りの高配当ETFなので意外
✅トータルリターンは高配当ETFの代表格1489と比べるとやや劣る。それ以外の高配当ファンドとの比較では、悪くはなかった。ただ、1489のリターン、1698の増配率などを上回るかと言えば疑問。日本市場は特殊なので、SCHDが米国高配当ETFでトップクラスでも、SCHDの日本版が日本の高配当ファンドの中でトップになるのは難しいかも














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