✅楽天SCHDの純資産が設定から1カ月で275億円に到達
✅楽天SCHDとライバルのSBI・VYMを徹底比較
✅SCHDとVYMをあらゆる角度から比べる
✅40以上のグラフを使って、45項目で比較
✅ファンドのコンセプト、基本データ、上位銘柄やセクターの比較、ライバルETFとの重複率、分配金情報、増配率、リスク、リターン、シャープレシオ、過去に買った場合のYOC、将来YOC予想など、膨大なデータを比較
✅どちらが優秀なファンドなのか?

SCHDに関する最新ニュース
まずは、楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)に関するニュースです。このコンテンツでは、この投資信託のことを「楽天SCHD」と呼びます。
楽天SCHDは設定から1カ月で純資産が275億円まで増えました。とてつもない勢いで売れていますね。
楽天証券におけるNISAの積み立て設定件数ランキングで首位になるなど、様々な項目で上位に入っています。
本家SCHDが株式分割
続いて、株式分割についてです。米国に上場しているETFの【SCHD】が10月10日に1対3の株式分割を行いました。
楽天SCHDのような投資信託には関係のない話ですが、その投資先であるETFの情報なので、一応伝えます。
1株が3株に
株式分割前後の分配金についてです。1株が3株に分割されるため、直近9月の分配金は0.7545ドルでしたが、0.2515ドルになりました。
10月11日の分配金利回りは3.42%です。これは変わりません。増配率も変わらないですね。5年増配率が12.0%、10年増配率は11.1%です。
SCHDとVYM、投信版の楽天SCHD、SBI・VYMを比較
ここからは【SCHD】と米国株高配当ETFの代表格【VYM】を徹底比較していきます。SCHDの事実上のライバルです。今後のグラフで使用するカラーは【SCHD】が紺色、【VYM】を紅色に統一します。
まずは2つのETFの基本情報比較です。
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最も大きな差は、【VYM】は日本の証券会社で購入できますが、【SCHD】は購入できないという点です。そのため、今回SCHDの投資信託版が出たことで、注目を集めているわけです。
設定されたのは【SCHD】が2011年で、設定から13年。【VYM】は2006年に設定され、約18年が経過しています。どちらも歴史はありますね。
経費率はどちらも0.06%で互角です。かなり低いですね。
運用総額は【VYM】が10.8兆円ほどで、【SCHD】は9.4兆円ほど。ただし、これはSeekingAlphaの情報です。ETF Databaseというサイトでは【SCHD】が9.3兆円、【VYM】が8.8兆円なので、掲載されているサイトによって微妙に異なっており、規模はほぼ互角と考えていいでしょう。
高配当ETFの中では、この2つのETFが規模では圧倒的です。
10月11日時点での分配金利回りは【SCHD】が3.42%、【VYM】が2.79%です。過去1年分配金から出したものです。
投資信託の楽天SCHDとSBI・VYMを比較する
続いて、投資信託の比較です。
年4回分配金を出すタイプは、楽天証券から、【楽天SCHD】。SBI証券からは【SBI・VYM】が出ているので、この比較をします。
ちなみに分配金を出さないタイプの【VYM】の投資信託版は、楽天証券とSBI証券からそれぞれ出ています。
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【楽天SCHD】は楽天証券のみで購入可能、【SBI・VYM】はSBI証券のみで購入可能です。どちらの証券会社も顧客囲い込みのための戦略と言えそうです。
【楽天SCHD】は9月18日に運用が開始され、購入可能となったのは9月27日からと半月ほどしか経過していません。運用総額は210億円ほどになっており、短期間で物凄く売れており、かなり注目を集めています。
一方、【SBI・VYM】は今年の1月末に設定されたので、8カ月半ほど経過しています。運用総額は130億円ほど。これでもかなりの売れ行きですが、【楽天SCHD】の売れ方がハンパないですね。
信託報酬は、どちらもETFに支払うのが0.06%で、それ以外に少しかかります。合計すると【楽天SCHD】は0.192%、【SBI・VYM】は0.1238%です。どちらもかなり低いです。
総経費率は【SBI・VYM】が0.19%です。信託報酬が0.1238%だったので、0.07%ほどプラスされました。
この総経費率は、設定からしばらく経過しないと出ないので、【楽天SCHD】はまだ不明です。おそらく0.25~0.3%ぐらいになりそうな気がします。
いずれにしても、どちらのファンドもかなり経費率が抑えられています。これが売れ行きが好調の理由の1つと言えます。
分配金の支払いはどちらも年4回で、2、5、8、11月です。【SBI・VYM】はすでに2回分配金が支払われています。【楽天SCHD】は2024年の2月が最初の分配金になる予定です。
分配金の税金はどのくらいか?
分配金にかかる税金について考えましょう。
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【VYM】など通常の米国上場ETFは、特定口座で保有した場合は、米国で10%税金がかかり、日本で約20%がかかるため、合計28%ほど税金で引かれます。
ただし、確定申告をすれば、二重課税のため、米国で掛かった税金の10%を取り戻せる場合があります。
【VYM】をNISA口座で保有した場合は、日本では非課税ですが、米国で10%ほど税金が引かれます。
【楽天SCHD】や【SBI・VYM】など米国が対象の投資信託の場合は、NISA口座では日本では非課税ですが、米国で10%ほど税金が引かれます。ETFと同じです。
特定口座で保有した場合は、日本では約20%の税金がかかりますが、米国の10%は自動で二重課税調整をしてくれるためにかかりません。そのため、合計で20%になります。
まとめると、NISA口座で保有した場合は、米国ETFでも投資信託でも10%税金がかかります。特定口座の場合、投資信託だと日本の20%のみで、米国で課税される分はかからないということですね。
SCHDとVYMはどんなETFか?
それでは、【SCHD】と【VYM】の銘柄選定方法とコンセプトについて紹介します。
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親指数は【SCHD】が2500銘柄、【VYM】が1700銘柄ほどなので、時価総額で考えると全米の95%ぐらいですね。
【SCHD】の銘柄選定は少し複雑です。REITは対象外です。
最低10年間の連続配当、浮動株調整後の時価総額が5億ドル以上、過去3カ月の日次取引量が最低200万ドルのすべてに当てはまる銘柄を選び、配当利回り上位50%に絞ります。
続いて以下の4つの項目でランク付けをします。「フリーキャッシュフロー・総負債比率」、「ROE(株主資本利益率)」、「配当利回り」、「過去5年間の配当成長率」です。
4つのランキングを同程度に加重して総合スコアを作成し、上位100銘柄が選ばれます。銘柄入れ替えの際、既存銘柄は上位200位に入っていれば残留となります。
組み入れ方式は時価総額加重平均で、3月に銘柄入れ替えを行い、四半期ごとにリバランスします。上限は単一銘柄が4%、セクターは25%です。現在の銘柄数は103です。
まとめると、規模が大きく、財務が健全、効率よく稼ぐ力があり、直近5年の増配率の高い、高配当銘柄を、時価総額加重平均で投資します。高配当の中でも優良銘柄にしぼり、それでいて分配金利回りは高めを狙うイメージですね。
【VYM】の銘柄選定は、【SCHD】ほど複雑ではありません。ざっくり言うとREITが対象外で、予想配当利回りが上位50%の銘柄を選び、時価総額加重平均で組入れます。
銘柄入れ替えは3月で、リバランスは行いません。銘柄数は554。基本的には、配当利回りが平均以上の銘柄を、時価総額加重平均で投資するシンプルな投資戦略ですが、パフォーマンスは良好です。
【VYM】の投資戦略は投資家にヒントを与えてくれます。余計な売買は控えて、優良銘柄に絞って購入し、保有しつづけるのが最適だと教えてくれるようでもあります。
SCHDとVYMの上位銘柄比較
ここからは【SCHD】と【VYM】の中身を見ていきます。
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まずは上位20銘柄の主要データ比較です。銘柄が赤字なのは、どちらも上位10位以内。黒い太字は20位以内です。
10位以内は2銘柄で、ホーム・デポ【HD】とアッヴィ【ABBV】。20位以内は5銘柄でシスコ・システムズ【CSCO】、シェブロン【CVX】、ベライゾン【VZ】、ペプシコ【PEP】、コカ・コーラ【KO】ですね。
【SCHD】は上位10銘柄で41%、20銘柄で71%なので、結構集中投資です。
【VYM】は上位10銘柄で25%、20銘柄で37%なので、【SCHD】よりも分散が効いています。
セクターはどちらもヘルスケア、生活必需品が多いです。この2セクターは比較的ディフェンシブな銘柄が多いので、この2つのETFの安定度が伺えます。【SCHD】はエネルギーも結構多いですね。
上位20銘柄を細かくチェック!
続いて上位20銘柄の細かいデータ比較。時価総額、配当利回り、連続増配年数です。
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どちらも時価総額加重平均を採用しているので、規模の大きい銘柄から上位に入っています。
配当利回りは似ていますが、若干【SCHD】の方が色が濃いですね。つまり配当利回りが高めということです。
連続増配年数は二桁以上を赤色にしています。ほとんどが二桁です。【SCHD】、【VYM】ともに、高配当ETFですが、連続増配ETFという側面もあるということです。
SCHD上位20銘柄はVYMに入っているか?
【SCHD】や【VYM】の上位20銘柄が、お互いにどのくらい含まれているか見ていきます。ここからは参考としてS&P500が対象のETF【VOO】も登場することがあります。
まずは【SCHD】の上位20銘柄です。
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【VYM】は配当利回り上位50%が対象で全550銘柄ほどと多いので、【SCHD】上位20銘柄は【VYM】にすべて入っています。
ただ、一桁の順位は2銘柄しかないですね。10番台も4銘柄です。なので、【SCHD】上位20銘柄は【VYM】の上位には入っていますが、トップクラスは少ないという感じですね。
VYM上位20銘柄はSCHDに入っているか?
今度は【VYM】の上位20銘柄について見ていきます。
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【SCHD】には7銘柄が含まれています。【VYM】は全550銘柄ほどと多く、配当利回り上位50%が対象というシンプルな戦略です。【SCHD】はその中から銘柄を厳選しているというイメージですね。
意外なのは、プロクター・アンド・ギャンブル【PG】、ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】、マクドナルド【MCD】など、消費者向けの超大手企業が【SCHD】に含まれていないことですね。
消費者向け企業は財務の健全性やROEなど、【SCHD】の選定基準に満たさないことがあるからですね。もしくは配当利回りが若干低いからかもしれません。
VOO上位20銘柄はSCHDに入っているか?
最後はS&P500の【VOO】上位20銘柄を軸に見ていきます。
【VOO】の上位は無配銘柄、もしくは配当利回りの低い銘柄が多いです。
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【VYM】には6銘柄が入っています。【SCHD】は1銘柄のみです。ホーム・デポ【HD】です。
このデータからわかることは、【VOO】の上位20銘柄は【SCHD】にはほとんど入っていないので、SP500をメインに投資している人は、その補完として【SCHD】を保有する戦略もありなのかなということです。
セクター、保有銘柄の規模、重複率を比較しよう
組入銘柄のセクター比率について、見ていきましょう。GICSによる分類です。参考として【VOO】もあります。
【SCHD】と【VYM】は結構似ていますね。トップが金融で20%前後です。2番手以降にヘルスケア、生活必需品、資本財、エネルギー、一般消費財がいるのも似ています。
やや異なる点として、情報技術は【VYM】は3位で12.9%ですが、【SCHD】が7位で10.5%とやや少なめです。【SCHD】は情報技術が少ないので、情報技術の多い【VOO】と組み合わせるといいかもしれません。
セクターのバランスは【SCHD】、【VYM】ともに良いです。突出しているセクターがなく、バランスが取れています。
保有銘柄の規模と重複率を比較
上段は、保有銘柄の規模の比較です。
【SCHD】は超大型株が8.3%と少ないですね。ただ、大型株が57.6%と多いです。【SCHD】は超大型株と大型株を併せると66%、【VYM】は70%です。中型株も追加すると、どちらも90%を超えます。
【VOO】ほどではありませんが、【SCHD】、【VYM】ともに規模の大きな銘柄の集合体です。
下段はライバルETFとの重複率です。
【SCHD】と【VYM】の重複率は21%。それほど重複していないので、両方持つというのはアリかもしれないです。
他のETFとの重複は、高配当ETFに対しては【SCHD】が30%前後、【VYM】はやや低く20%前後です。
増配系に対しては【VYM】が60%前後と極めて高く、【SCHD】は20%前後。
市場全体に対しては、【VYM】が30%台と高く、【SCHD】は10%を切っています。
このことから、【SCHD】は高配当色が強く、【VYM】は増配系という分類ができるかもしれません。
SCHDとVYMの分配金を確認しよう
ここからは【SCHD】と【VYM】の分配金について見ていきます。
まずは【SCHD】の分配金です。
直近の分配金は株式分割後で0.2515ドル。前年の同期と比較では15.3%増です。
分割前の数値は、直近2024年9月の分配金は0.7545ドルでしたが、10月11日に1対3に分割されたので修正しました。2019年以降はかなり増えていますね。
VYMの分配金は?
続いて【VYM】の分配金です。
こちらも好調です。鮮やかな右肩上がりです。
10年間でもらえた分配金の額は?
10年前の2014年10月に1万ドルを購入して、分配金を再投資した場合の、もらえる分配金額の推移です。税金は考えません。
2014年から2018年ぐらいまでは【VYM】の方が多かったですが、2019年以降は【SCHD】が増えています。これは2019年以降の【SCHD】の増配率が高いことを意味しています。
10年間の分配金の合計は、【SCHD】が5877ドル、【VYM】が5024ドルです。【SCHD】が優勢です。
10年前に購入し、再投資した場合の、購入価格に対する10年間の分配金利回り平均が【SCHD】が5.9%、【VYM】が5.0%という意味でもあります。
ちなみに10年間の分配金利回りの平均はどちらも3.0%ぐらいです。この差が増配と再投資によるものということです。
SCHDとVYMの増配率を確認しよう
増配率を見ていきましょう。表の上段は、最新の9月分配金を基準とした1年ごとの過去1年分配金と、前年からの増配率です。背景ピンク色がマイナスです。
表の下段は現在を起点とした1、3、5、7、10年増配率。年率です。背景のオレンジ色が濃いほど、増配率が高いという意味です。【SCHD】が圧倒的ですね
期間ごとの増配率をチェック!
先ほどの表の下の部分をグラフにします。
1年増配率は【SCHD】が11.9%、【VYM】は8.3%です。
3年増配率は【SCHD】が9.5%、【VYM】が7.0%です。
5年増配率は【SCHD】が12.0%、【VYM】が5.3%です。
7年増配率は【SCHD】が11.1%、【VYM】が5.9%です。
10年増配率は【SCHD】が11.1%、【VYM】が6.8%です。
いずれの期間も【SCHD】の方が増配率が高いですね。
平均すると【SCHD】は10.7%、【VYM】は6.5%。【VYM】も悪くはないですが、【SCHD】の増配率が高すぎると言えます。
1年ごとの増配率をチェック
1年ごとの増配率について見ていきます。
【SCHD】は2013年以降のデータです。2024年は3、6、9月の分配金の合計を前年の同時期と比較しました。
【SCHD】は2019年以降はほとんどの年で二桁増配と好調です。
【VYM】は安定していますが、近年の増配率はやや下がっています。ただ5%はほぼクリアしています。
1年単位で見ると、どちらもプラスばかりで、なかなかの増配率です。
3年増配率は?
複数年単位の増配率をチェックしましょう。まずは3年増配率の推移です。
青い線が【SCHD】です。7.9%以上をキープしています。
紅色の線がVYM。【SCHD】に比べるとわずかに劣りますが、近年は5~6%ぐらいです。
5年増配率は?
続いて5年増配率の推移です。
3年増配率と似たような傾向です。
【SCHD】は9.8%以上をキープしています。素晴らしいですね。
【VYM】は5.6%以上なので、悪くはないです。ただ【SCHD】の増配率が素晴らしすぎると言えそうです。
過去に購入した場合の、現在YOCは?
過去に【SCHD】や【VYM】を購入した場合、現在、取得価額に対する利回り(YOC)はどのくらいになっているかチェックしましょう。いわゆる自分利回りというやつです。
グラフが左肩上がりなら、増配しており、価格も好調というイメージです。
上の表は現在の分配金利回りと3年前、5年前、7年前、10年前に購入したら、現在YOCがどうなっているかというデータです。グラフの中にも、3年前、5年前、7年前、10年前の地点を書いておきました。
現在の分配金利回りは【SCHD】が3.42%、【VYM】が2.79%です。
3年前に購入していた場合、【SCHD】のYOCは3.78%、【VYM】のYOCは3.35%になっていました。
5年前に購入していた場合、【SCHD】のYOCは5.28%、【VYM】のYOCは4.05%になっていました。
7年前に購入していた場合、【SCHD】のYOCは6.05%、【VYM】のYOCは4.40%になっていました。
10年前に購入していた場合、【SCHD】のYOCは7.46%まで上がっています。【VYM】のYOCは5.33%です。
【SCHD】の増配率の高さが、この差を生みました。ライバルの【VYM】に差をつけました。
分配金利回り推移を確認しよう
それでは過去10年の分配金利回りの推移を比較しましょう。分配金利回りは過去1年分配金から算出しました。価格は月に1度、月末の取引所価格の終値です。
現在の分配金利回りは【SCHD】が3.42%で、【VYM】が2.79%と少し差があります。
ただ、【SCHD】は2022年以降は分配金利回りが高いですが、それ以前は【VYM】の方が高いことが多いですね。
平均分配金利回りは、【SCHD】は3年が3.35%、5年が3.27%、7年が3.13%、10年は3.04%です。期間が長くなるほど、平均分配金利回りは下がっています。今が一番分配金利回りが高いということですね。
【VYM】の平均分配金利回りは、3年が2.98%、5年が3.07%、7年が3.06%、10年は3.03%です。現在の分配金利回り2.79%がもっとも低く、平均だと3%前後です。
過去10年の分配金利回りだと、【SCHD】は3.04%、【VYM】は3.03%でほぼ互角です。
なので、過去の平均と比べて現在の分配金利回りは【SCHD】が高く、【VYM】が低い状態です。
プライスリターンとトータルリターンを比較しよう
プライスリターンとトータルリターンを比較します。参考として【VOO】のデータも入れておきます。
まずはプライスリターン。過去10年です。
10年前に1万ドルだった取引所価格は、2024年9月末には【VOO】が2万9219ドル、【SCHD】が2万1922ドル、【VYM】が1万9304ドルでした。
【SCHD】が優勢ですが、【VOO】と比べると差をつけられました。
10年トータルリターンはどうか
続いてトータルリターンの比較です。分配金を再投資した取引所価格の推移です。
10年前に1万ドルだった取引所価格は、2024年9月末には【VOO】が3万4976ドル、【SCHD】が3万272ドル、【VYM】が2万6433ドルでした。
【SCHD】が優勢ですが、ここでも【VOO】より劣っています。ただし【SCHD】は分配金が多いので、プライスリターンに比べて、【VOO】に迫っています。
期間を区切ったリターンは?
トータルリターンを比較します。年率です。
SCHDとVYMの比較では、1年リターンは【VYM】が28%、【SCHD】が24%です。
3年リターンは【VYM】が10.8%、【SCHD】が8.2%です。ここまでは【VYM】が優勢。
5年リターンは【SCHD】が13%、【VYM】が11.1%です。
7年リターンは【SCHD】が12.5%、【VYM】が10.2%。
10年リターンは【SCHD】が11.7%、【VYM】が10.2%です。5年以上のリターンは【SCHD】が優勢。
ただし、いずれの期間も【VOO】と比べると劣っています。
1年ごとのリターンは?
過去10年の1年ごとのリターンを確認します。
2014年から2016年にかけては、ほぼ互角です。
2017年から2021年は、毎年【SCHD】のリターンが上回っています。
とくに2020年は圧倒的な差がついています。【SCHD】が15.1%に対して、【VYM】は1.1%です。
2022年から2024年は毎年【VYM】が上回っています。
全体的に見ると【SCHD】が優勢ですが、直近3年は【VYM】の方がリターンが良いです。
リターンとリスク、シャープレシオを比較しよう
リターン、リスク、シャープレシオを比較します。縦軸がリターン、横軸がリスクです。円のサイズが大きいほどシャープレシオが高いという意味です。
シャープレシオは投資効率の良さを示したものです。リターンが高く、リスクが低いと、シャープレシオは高くなります。
表の左上がローリスク・ハイリターンで理想です。右下がハイリスク・ローリターンで良くないです。
まずは3年です。参考までに【VOO】もありますが、【SCHD】と【VYM】を比較します。
【SCHD】はリターンが8.2%、リスクは15.7%、シャープレシオは0.35です。
【VYM】はリターンが10.8%、リスクは15.6%、シャープレシオは0.51です。
リスクはほぼ同じですが、リターンは【VYM】が優勢なので、シャープレシオも【VYM】が勝りました。
5年シャープレシオは?
続いて5年です。
【SCHD】はリターンが13.0%、リスクは17.4%、シャープレシオは0.65です。
【VYM】はリターンが11.1%、リスクは16.9%、シャープレシオは0.57です。
リターンは【SCHD】が優勢で、リスクはわずかに【VYM】が低く、シャープレシオは【SCHD】が高いですね。
7年シャープレシオは?
今度は7年です。
【SCHD】はリターンが12.5%、リスクは16.5%、シャープレシオは0.66です。
【VYM】はリターンが10.2%、リスクは15.8%、シャープレシオは0.55です。
5年とほぼ同じ傾向です。リターンは【SCHD】が優勢で、リスクはわずかに【VYM】が低く、シャープレシオは【SCHD】が高いですね。
10年シャープレシオは?
10年を見てみましょう。
【SCHD】はリターンが11.7%、リスクは14.7%、シャープレシオは0.72です。
【VYM】はリターンが10.2%、リスクは14.2%、シャープレシオは0.64です。
5年や7年とほぼ同じ傾向です。リターンは【SCHD】が優勢で、リスクはわずかに【VYM】が低く、シャープレシオは【SCHD】が高いです。
すべての期間のシャープレシオを比較
3年、5年、7年、10年のすべての期間を表示しました。わかりやすくするために、スタート地点は0ではありません。
【SCHD】は3年はリターンが低かったため、シャープレシオは悪かったです。ただし、5年、7年、10年は、リターンとシャープレシオは、どちらも【VYM】を上回っています。
【VYM】はリスクが低いのが特徴です。
【SCHD】よりも【VOO】のほうがリターンとシャープレシオは高いですね。
増配率、分配金利回り、リターンを比較しよう
今度は増配率、分配金利回り、リターンを比較します。
縦軸が増配率、横軸が分配金利回り、円のサイズがリターンです。右上の黄色のあたりが素晴らしく、さらに円が大きいと申し分ないというデータです。
まずは3年です。参考までに【VOO】もありますが、【SCHD】と【VYM】を比較します。
【SCHD】は増配率が9.0%、分配金利回りが3.4%、リターンは8.2%です。
【VYM】は増配率が6.8%、分配金利回りが3.0%、リターンは10.8%です。
増配率と分配金利回りは【SCHD】が良いですが、リターンは【VYM】が優勢です。
増配率、分配金利回り、トータルリターンの5年を比較
続いて5年です。
【SCHD】は増配率が12.9%、分配金利回りが3.3%、リターンは13.0%です。
【VYM】は増配率が5.8%、分配金利回りが3.1%、リターンは11.1%です。
3項目すべてで【SCHD】が上回りました。
増配率、分配金利回り、トータルリターンの7年を比較
7年を見てみましょう。
【SCHD】は増配率が11.8%、分配金利回りが3.1%、リターンは12.5%です。
【VYM】は増配率が6.4%、分配金利回りが3.1%、リターンは10.2%です。
増配率とリターンは【SCHD】が優勢です。
増配率、分配金利回り、トータルリターンの10年を比較
10年を比較します。
【SCHD】は増配率が11.0%、分配金利回りが3.0%、リターンは11.7%です。
【VYM】は増配率が6.8%、分配金利回りが3.0%、リターンは10.2%です。
7年と同じで、増配率とリターンは【SCHD】が優勢です。
増配率、分配金利回り、トータルリターンのすべての期間を比較
3年、5年、7年、10年のすべての期間を表示しました。わかりやすくするため、スタート地点が0ではありません。
【SCHD】と【VYM】の比較では、増配率とリターンは【SCHD】のが優勢です。唯一3年のリターンが【SCHD】は芳しくありません。
分配金利回りは似たような感じです。
これらのデータからは、【SCHD】が良いファンドのように思えますね。
将来YOCはどうなるか
それでは、いまETFを購入したら、将来、取得価額に対する利回り(YOC/Yield On Cost)がどのくらいになるのかをシミュレーションします。
現在の分配金利回りに過去の増配率を当てはめて計算していきます。3年、5年、7年、10年の増配率を使用します。
「分配金は再投資しない。税引き前」という設定にします。
参考までに【VOO】もありますが、【SCHD】と【VYM】を比較します。
まずは3年増配率を使った将来YOC予想です。
現在の分配金利回りは【SCHD】が3.42%、【VYM】が2.79%、【VOO】が1.27%。ここがスタート地点です。
3年増配率は【SCHD】が9.54%、【VYM】が6.95%です。
10年目のYOCは【SCHD】が7.8%、【VYM】が5.1%です。
20年目のYOCは【SCHD】が19.3%、【VYM】が10.0%になります。結構差がつきました。
ちなみに、例えば【SCHD】に100万円投資した場合、分配金を再投資しなくても、3年増配率のペースだと、1年目の分配金は税引き前で3万4200円、増配によって、20年目には税引き前で19万3000円まで上がるという意味です。
5年増配率から将来YOCを予想する
続いて5年増配率を使った将来YOC予想です。
5年増配率は【SCHD】が12%、【VYM】が5.32%です。
10年目のYOCは【SCHD】が9.5%、【VYM】が4.4%です。
20年目のYOCは【SCHD】が29.5%、【VYM】が7.5%になります。かなり差がつきました。
7年増配率から将来YOCを予想する
それでは7年増配率を使った将来YOC予想です。
7年増配率は【SCHD】が11.14%、【VYM】が5.93%です。
10年目のYOCは【SCHD】が8.9%、【VYM】が4.7%です。
20年目のYOCは【SCHD】が25.5%、【VYM】が8.3%になります。5年増配率と同様に、かなり差がつきました。
10年増配率から将来YOCを予想する
10年増配率を使った将来YOC予想を見てみましょう。
10年増配率は【SCHD】が11.13%、【VYM】が6.81%です。
10年目のYOCは【SCHD】が8.9%、【VYM】が5.0%です。
20年目のYOCは【SCHD】が25.4%、【VYM】が9.8%になります。5年や7年増配率と同様に、かなり差がつきました。
3、5、7、10年増配率から将来YOCを予想する
3年、5年、7年、10年のすべての増配率を使ったYOC予想を表示しました。
右端の一番上は【SCHD】が5年増配率のペースで進んだら、20年目のYOCが29.5%になるという意味です。
【SCHD】は7年と10年の増配率が11.1%でほぼ同じなので、データが重なっています。
【SCHD】は現在の分配金利回りが3.42%と高く、増配率も10%前後と高いので、将来YOCは素晴らしいです。
ちなみに、例えば【SCHD】に100万円投資した場合、分配金を再投資しなくても、1年目の分配金は税引き前で3万4200円、増配によって、20年目には税引き前で19万3000円から29万5000円ぐらいまで上がるという意味です。
ただし、今後20年間も10%前後の増配を続けていればという仮定なので、現実的にはもう少し低くなりそうです。
過去のデータで見た場合、【SCHD】は【VYM】にかなり差をつけたと言えます。
それぞれの項目をランク分け
これまで取り扱ったデータをランクづけしました。「A」が最高で「B」「C」「D」の順です。相対比較で、やや強引に差をつけました。参考程度にしてください。
※クリックで拡大します
左上の銘柄に関する基本的な情報は、【VYM】が「A」が多く優秀でした。
左側の真ん中より下、増配率などや、右側は【SCHD】が素晴らしいです。増配率、過去に買った場合のYOC、リターン、シャープレシオ、将来YOC予想などのデータ関連が素晴らしかったです。
ランキングの数は?
ランキングの数をまとめました。
ランキングの数ではAの数は、【SCHD】は28個に対して、【VYM】が14個で【SCHD】が優勢でした。
Bの数は【VYM】が25個で、【SCHD】が9個。Cはほぼ互角です。
ただ、増配率、過去や将来のYOC、リターンやシャープレシオは1つの項目に対して4~5個あり、さらにYOC関連は増配率と他のデータを組み合わせたものなので、重複箇所が多いです。このあたりを考慮すると、互角かもしれないですね。
個人的にはどちらも良いファンドだと思います。
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まとめ
✅楽天SCHDは設定から1カ月で純資産が275億円に到達。とてつもない勢いで売れています
✅SCHDは配当利回り、銘柄の規模、財務の健全性、効率的に稼ぐ力、増配率などを重視した100銘柄で構成
✅SCHDとVYMの規模は9兆円前後で、米国高配当ETFの中では圧倒的
✅SCHD、VYMともに上位20銘柄は連続増配年数が二桁以上ばかり。高配当と連続増配を合わせたETF
✅SCHDはP&G、JNJ、マクドナルドなど、消費者向けの大手企業が含まれていない
✅SCHDとVYMのセクターは金融が首位、ヘルスケアや生活必需品など安定セクターが上位で、バランスが良い。SCHDは情報技術がやや少なめ
✅SCHDとVYMの重複率は21%ほどと低いので、両方保有するのもアリ
✅SCHDは高配当ETFと重複率が高く、VYMは増配系ETFと重複率が高い
✅SCHDとVYMの分配金と価格はどちらも右肩上がり
✅SCHDの増配率は3年を除いて11%を超えており、かなり高い。VYMの増配率は6%前後
✅10年前にETFを購入していたらSCHDのYOCは7.5%、VYMのYOCは5.3%
✅現在の分配金利回りはSCHDが3.4%、VYMが2.8%ほどだが、10年間の平均分配金利回りはどちらも3%ほど
✅リターンは1年と3年はVYMが優勢だが、5年以上はSCHDに軍配
✅シャープレシオは3年はVYMが優勢だが、5年以上はSCHDが優勢。リスクはVYMが低い
✅増配率、分配金利回り、リターンを総合的に考えるとSCHDが良い
✅現在の分配金利回りに過去の増配率を当てはめた将来YOC予想では、SCHDが圧倒的に良かった
✅楽天SCHDが爆発的に売れている理由もデータ面からの裏付けあり
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