SBI日本高配当は生まれ変わったのか?

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設定から半年が経過したSBI日本高配当(正式名称「SBI 日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)」)を徹底分析します。

5月は12銘柄以上が新加入。日本を代表する超大型株が続々加入しました。SBI日本高配当の業種比率や上位組入れ銘柄の比率に注目です。

設定から大変貌を遂げました。アクティブファンドならではの細かい変更と言えるかもしれません。どのように変わったか検証していきます。

さらに、日本株高配当が対象の投資信託やETFとさまざまなデータを比較します。投資信託は「日経平均高配当利回り株ファンド」「Tracers 日経平均高配当株50インデックス」。ETFは【1489】【1698】【2564】、そしてTOPIXの【1306】と比べます。

 

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SBI日本高配当の最新銘柄について

SBI日本高配当の5月末のデータが公開されました。公式サイトのものです。

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左側は4月末と5月末のデータです。大きな違いは組入れ銘柄の配当利回りですね。4.09%だったのが、3.73%に下がりました

右側はファンドの運用状況、今後の運用方針です。銘柄はたくさん入れ替えたようですが、高配当というよりは増配銘柄を増やしたとありますね。そのため、4月末よりも配当利回りが下がったと考えられます。

 

組入銘柄はどうなったか?

組入銘柄について見てきましょう。

上位30銘柄です。上位30銘柄の中では、8位の三井住友フィナンシャルグループ【8316】、12位の三菱UFJフィナンシャル・グループ【8306】、24位のジーエス・ユアサ コーポレーション【6674】が新加入です。

 

新加入銘柄の紹介

主な新加入銘柄の12銘柄です。

先ほど紹介した以外では、第一生命【8750】、三菱商事【8058】、トヨタ【7203】、東京エレクトロン【8035】などが新加入。日本を代表する超大型銘柄が結構入って来たのがポイントです。

 

除外銘柄を確認

主な除外銘柄です。三ツ星ベルト【5192】は4月末では組入順位6位でしたが除外。20位だった三井住友トラスト・ホールディングス【8309】も除外されました。すべて3月9月配当銘柄です。

これまで何度も指摘したように、日本株は配当が3月と9月の2回のケースが多いので、年4回分配金を出すファンドは、そのうちの2回が少なくなってしまいます。

それを回避するために、SBI日本高配当は6月12月配当銘柄などを意図的に増やしている感はあります。4月はそのとおりでしたね。

 

31位以下の銘柄は?

こちらの17銘柄は、31位以下に入っている可能性のある銘柄


SBI日本高配当は現在全50銘柄です。

上位30銘柄と31位以下の新加入9銘柄を足すと全部で39銘柄です。他に新加入がない場合は、この17銘柄から11銘柄が残留しており、6銘柄が除外されていることになります。公式が発表されているわけではないので、確かではありませんが。

ちなみに、たかにんの推測ですが、配当月が3月9月配当銘柄以外の、上の5つは残っていそうな気がします。

 

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SBI日本高配当の業種について

SBI日本高配当の業種について見ていきましょう。

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首位が建設業で9.8%、2位が鉄鋼で8.8%、3位が化学で7.6%、4位が銀行業で6.9%、5位が卸売業で5.6%です。

上位5業種で38.7%です。東証33業種中26業種が入っており、かなり分散されていると言えます。

 

業種比率順に銘柄を確認しよう

業種別比率の高い順に、全50銘柄の紹介です。

背景が薄い灰色の銘柄は、先月までは入っていたけど、今は入っているかどうか微妙な銘柄です。

SBI日本高配当のリリースには上位30銘柄と、主な新加入銘柄と除外銘柄の情報のみなので、31位以下の銘柄については、はっきりとは分かりません。

比率の高い業種は、銘柄の組入順位はあまり高くないですね。どちらかというと、組入れ下位銘柄が複数入っているため、業種比率が上位になったという感じですね。

比率の低い業種の中では、組入上位5銘柄のソフトバンク、日本たばこ産業、SBIホールディングス、武田薬品工業は1業種1銘柄です。4位のMS&AD以外は2銘柄のようです。

ちなみにMS&ADインシュアランス グループ ホールディングスは、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険などを傘下に置く日本の保険持株会社です。MSは「三井住友」、ADは「あいおい、同和」から取ったものですね。

SBI日本高配当の特徴として、特定の業種の比率を高くしないように、業種分散をかなり意識していますね。このあたりはアクティブファンドならではの、細かい調整をしている気がします。

 

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SBI日本高配当のこれまでの変化

SBI日本高配当のこれまでの変化について見てみましょう。かなり変化しました。

設定当初の2023年12月は30銘柄の均等加重でしたが、現在は50銘柄。均等加重ではなくなっており、配当加重っぽくなっていくような気がします。

銘柄の入れ替えも激しいですね。4月は13銘柄追加、1銘柄除外。5月は12銘柄以上を追加、6銘柄以上が除外のようです。

分配金に関しては、最初の2024年4月は140円と多かったです。ただし2度目の7月は通常の日本株だと少なくなるので、3月6月配当以外の銘柄を増やしている感があります。

ファンドの配当利回りは当初は5%近かったですが、現在は4%を切っています配当利回りの低い超大型株や増配系を増やして、ポートフォリオの安定を図っています。

ベンチマークしているETFについては、たかにんの勝手な解釈です。当初は30銘柄、均等加重、小型株多めということで、グローバルXの【2564】と似ていました。現在は、超大型株が増えたという意味では【1489】、4回の分配金の差をなくす【1698】に少し近づいています。ただし、SBI日本高配当は、この2つのETFよりは中小型株多めで、配当利回りが高めな気がします。

 

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SBI日本高配当の設定当初と現在を比較する

SBI日本高配当の設定当初と現在を比較します。

左が設定当初の2023年12月末。右が2024年5月末です。設定当初は均等加重なので、順位はあまり気にする必要はありません。

設定当初は全30銘柄でしたが、現在は全50銘柄あります。現在は上位30銘柄です。

2024年5月末の表の一番左の「設定当初」の〇が設定当初にも入っていた銘柄、×が入っていなかった銘柄です。

×は11銘柄です。1/3ぐらいが新加入ですね。31位から50位もあるので、はっきりとした数値ではないですが。

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新加入の特徴としては、三大メガバンクの三井住友、三菱UFJ、みずほが入ったことですね。

上位30位にはありませんが、今月新たに第一生命、三菱商事、トヨタ、東京エレクトロンのような日本を代表する超大型企業が新加入したことは、先ほど話しましたね。

右から2列目が時価総額です。時価総額1兆円以上が背景色をつけており、規模が大きいほど濃くなっています。太字にしています。

時価総額1兆円以上の銘柄は、設定当初は9銘柄でしたが、現在の上位30銘柄には14銘柄あります。約半分です。このことからも、かなり規模の大きな銘柄を増やしているのが分かります。

それと、現在は規模の大きな銘柄が比較的上位にいますね。これは超大型株が株価が上がったことと、意図的に比率を増やしたことの両方が考えられます。

そんなわけでSBI日本高配当は【1489】のような大型株の高配当ETFに近づいてきているとも言えます。

 

設定当初に比べて業種どう変化したか?

それでは、設定当初と現在の業種の変化を見ていきましょう。左が設定当初の2023年12月末。右が2024年5月末の業種比率です。

上位2業種は建設業と鉄鋼で変わりません。鉄鋼は少し比率が下がりました。

化学が3.34%の12位から、現在は7.56%で3位に上がりました。

銀行業は設定当初は0でしたが、現在は6.92%で4位です。

機械は3.4%の9位だったのが、現在は1.62%の23位に下がりました。

非鉄金属は6.7%で3位から、現在は1.09%で25位に下がりました。

REITは東証33業種ではないので、一番下に置いておきました。設定当初は0でしたが、現在は2.94%あります。東証33業種の中に入れると13位ですね。

銀行業とREITが新たに加わり、化学の比率が上がったというイメージですね。

 

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SBI日本高配当とライバル・ファンドの基本データ比較

ここからはSBI日本高配当と、ライバルのETFや投資信託を比較します。いずれも日本の高配当株を対象としています。左の3つが投資信託で、右の3つがETFです。

赤字は他のファンドよりも優れているという意味です。

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一番左が「SBI日本高配当」。このコンテンツの主役です。アクティブファンドです。設定が2023年12月で、約6カ月で純資産が759億円まで増やしました。素晴らしい売れ行きです。信託報酬が0.099%と低く、分配金利回りも高いですね。

左から2列目が「日経平均高配当利回り株ファンド」。日経平均から配当利回りの高い30銘柄を集めたものです。新NISAのつみたて投資枠に入っています。純資産は1328億円で、かなりの規模です。信託報酬が0.693%と少し高いのが気になります。

左から3列目は「Tracers 日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配型)」。設定が2024年1月末なので、4カ月半ぐらいしか経っていません。日経平均から配当利回りの高い50銘柄を集めたものです。ベンチマークは右隣の【1489】と同じです。信託報酬が約0.11%なので、かなり低いです。分配金が年6回ありますが、最初の分配金は9月のようです。

右から3列目は【1489】。「NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信」です。日経平均から配当利回りの高い50銘柄を集めたものです。純資産が2600億円ほどと、一番規模が大きいです。

右から2列目は【2564】「グローバルX MSCIスーパーディビィデンド-日本株式 ETF」。配当利回りの高い25銘柄を集めたETFです。設定当初はSBI日本高配当のライバルっぽい位置づけでしたが、現在はSBI日本高配当は【1489】や【1698】を意識しているような感があります。

一番右は【1698】「上場インデックスファンド 日本高配当(東証配当フォーカス100)」。2010年に設定された古株です。年4回の分配金がほぼ均等というのが特徴です。日本株は3月決算が多いので、3月と9月に配当を出す傾向がありますが、12月決算銘柄などを多く組み入れることで、分配金が均等化しています。

 

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SBI日本高配当とライバル・ファンドのトータルリターンを比較

それではリターンを比較します。まずはSBI日本高配当が設定された2023年12月12日から2024年6月7日までの比較。約6カ月です。

青い棒グラフが基準価額赤い棒グラフが分配金を再投資した基準価額、トータルリターンです。

トータルリターンが最も優れているのは【1489】で25.7%、2番手は「日経平均高配当利回り株ファンド」で21.3%。

「SBI日本高配当」は3番手で18.8%です。【1698】やTOPIX【1306】とほぼ同じですね。

 

直近4カ月半のリターンは?

続いて、「Tracers 日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配型)」が誕生した2024年1月31日から2024年6月7日までを比較します。約4カ月半です。

トータルリターンが最も優れているのは「Tracers 日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配型)」で14.0%、2番手は【1489】で12.9%です。

この2つはベンチマークが同じですが、やや「Tracers 日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配型)」が優勢ですね。Tracersは1月末に設定されて、最初の分配金が9月と遅いので、その分リターンがいいのかなという気がします。信託報酬が約0.1%と低いことも影響しているかもしれないですね。

「SBI日本高配当」のリターンは7.2%で、この期間ではイマイチですね。【1698】「日経平均高配当利回り株ファンド」、TOPIX【1306】などと比べても劣っています。

つまり「SBI日本高配当」は最初の2カ月、12月と1月はまずまず好調でしたが、2月以降のリターンは今ひとつということですね。

4月に13銘柄追加、5月は12銘柄以上を追加するなど、大幅に銘柄を入れ替えたのは、リターンが芳しくないからなのかもしれません。今後どうなるでしょうか。

 

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SBI日本高配当とライバル・ファンドの銘柄、業種を比較

組入れ上位10銘柄を比較します。

パッと見て素晴らしいと思ったのが、「SBI日本高配当」上位10銘柄の業種がすべて異なる点ですね。そして上位10銘柄の比率が29.5%と低く、この中では分散が効いていると言えます。

※クリックで拡大します

「日経平均高配当利回り株ファンド」【1489】【1698】超大型株や大型株が中心です。なので上位10銘柄はメジャーな会社ばかりですね。銀行業が複数入っている点が共通しています。

逆に「SBI日本高配当」は銀行が1銘柄。卸売業や海運業など高配当には必須の業種が上位にいないあたりが、アクティブファンドらしいと言えます。このあたりの業種をあえて少なくして、ポートフォリオの安定を狙っている気もしますね。

 

ライバルファンドと上位業種を比較

上位5業種の比較を見ていきましょう。

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「SBI日本高配当」は建設業、鉄鋼、化学、銀行業、卸売業です。化学がベスト5に入っているのがSBI日本高配当だけです。

銀行業は6.9%で比較的少ないですね。「日経平均高配当利回り株ファンド」【1489】【1698】は10%を超えています。

上位5業種の合計比率は38.7%で、この中では最も低いです。

上位銘柄の比率も少なかったですが、上位業種の比率も少なく、分散させているのがわかりますね。アクティブファンドならではの細かい気づかいが、上位銘柄と上位業種から伝わってきます。

 

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項目別おすすめファンド

これまで6つのファンドの比較を行ってきました。データが細かすぎてどのファンドを買えばいいのかわからない人向きに、ざっくり12項目でまとめました。

「SBI日本高配当」。は「投資信託」「信託報酬の低さ」「分配金利回りの高さ(予想)」「組入れ銘柄数や分散を重視」という項目で秀でていました。

 

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まとめ

設定から半年が経過し、SBI日本高配当は大きく変貌しました。

最近2カ月は10銘柄以上が新加入しており、とくに高配当というよりは増配傾向のある大型株が増えてきています。

5月の銘柄入れ替えでは、三井住友、三菱UFJ、トヨタ自動車、東京エレクトロン、第一生命など、日本を代表する超大型株が新加入。

SBI日本高配当は業種分散を意識しており、特定の業種の比率が高くならないようにしています。とくに銀行業、卸売業、海運業など高配当ファンドに多く組み込まれている業種を、ほどほどにしている点は好感が持てます。

3月9月配当銘柄以外を増やしている感があり、年4回の分配金の差を少なくしようとしているようにも見えます。

ライバルの投資信託やETFとの比較では、信託報酬の低さと、ファンドの分配金利回りの高さは素晴らしいです。

半年間のリターンは、最初の2カ月は好調でしたが、その後の4カ月はやや苦戦。この2カ月で新加入銘柄が多く、大型株を増やしたのは、トータルリターンの改善を狙っているのかもしれないですね。これまでは配当利回りの高さを重視していましたが、やや方針転換したのかもしれないです。

投資信託のライバルは「日経平均高配当利回り株ファンド」「Tracers 日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配型)」。。ETFのライバルは【1489】【1698】などですね。いずれも高配当でトータルリターンも優れています。

アクティブファンドのSBI日本高配当がこれらのファンドに対して、中長期でどのくらいの成績を残せるか、注視したいですね。

あと個人的な意見としては、公式サイトには上位30銘柄だけではなく全50銘柄のデータを掲載していただけるとうれしいですね。