「SBI 全世界高配当株式ファンド(年4回決算型)」の詳細がついに判明

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1カ月ほど前に、10月1日設定のSBIアセットマネジメントから世界の高配当を対象とした投資信託「SBI 全世界高配当株式ファンド(年4回決算型)」のYouTubeコンテンツを作成しました。

SBI証券から詳しい内容がYouTubeに発表されたので、その情報に自分なりのデータを加えて紹介&検証していきます。

地域別の組入れ銘柄の比率、上位銘柄の傾向、ライバル・ファンドとのセクターや国別、上位銘柄の比較、大胆将来リターン予想などをお送りします。

 

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SBI全世界高配株のコンセプトは?

まずはファンドのコンセプトを見ていきます。ちなみに、このコンテンツでは、「SBI全世界高配当株式ファンド(年4回決算型)」のことを、「SBI全世界高配当株」と略します。

コンセプトは7つあります。

1は成長と分配を追求。これは株価上昇と分配金利回りの両方を狙うということですね。全世界相手で、この両方を狙うのは難易度が高い挑戦になります。

2の分散投資を実行は、5の日本・米国・欧州・新興国の4地域の株式が投資対象のことです。6と7は高配当が対象という意味ですね。

注目は3のアクティブでもインデックスでもないスマートベータ運用です。

 

スマートベータとは?

こちらがスマートベータ運用の定義

右のイメージ図によると、インデックスとアクティブの中間に位置しており、どちらの意味もあるという意味ですね。

高配当をターゲットに、インデックスよりもプラス・アルファを取りに行く運用で、かつ信託報酬が0.055%と低いというのが、このファンドのイメージでしょうか。

 

ファンドの特徴は?

こちらがファンドの特徴


信託報酬は0.055%で業界最低水準のコストです。

銘柄選定は、SBIアセットが独自に選定した高配当株式ユニバースをベースに、高配当と成長性を加味。時価総額比率をベースに、SBIアセット独自の高配当ユニバースに応じた地域別配分。各国・各地域の高配当株式ユニバースをベースに、高配当銘柄に成長性、流動性を加味した銘柄選択とあります。

気になったのは、「SBIアセット独自の高配当ユニバース」「高配当銘柄に成長性、流動性を加味した銘柄選択」ですね。

ここは具体的な数値で条件を説明してもらいたかったですね。これだとざっくりしたイメージなので、ちょっとわからないです。なので、アクティブ色の強いファンドと理解するのが自然ですね。

 

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SBI全世界高配株の地域比率、銘柄数、スキーム

SBI全世界高配当株の地域比率について見ていきましょう。


米国が60%、日本が10%、欧州が20%、新興国が10%です。これが基本的な比率のようです。世界の時価総額の比率とほぼ同じですね。

組入れ銘柄数は米国が50、日本が79、欧州が45、新興国が30で、全204銘柄のようです。

 

ファンドのスキームは?

こちらはSBI全世界高配当のスキーム。

それぞれの地域でマザーファンドがあります。受託銀行はすべて同じにする必要があるので、三菱UFJ信託銀行で統一しています。

欧州は「欧州高配当株式マザーファンドⅡ」とありますが、中身はすでに運用されている投資信託の「欧州高配当株式」と中身は同じです。この投資信託の受託銀行は三井住友信託銀行です。

SBI全世界高配当株の欧州の部分は、受託会社を三菱UFJ信託にするため、新たに設定して「欧州高配当株式マザーファンドⅡ」になるということですね。

ちなみに、すでに発売されている投資信託の「SBI日本高配当」や「SBI欧州高配当」の信託報酬は0.099%です。

それらをまとめて保有する「SBI全世界高配当株」の方が信託報酬は0.055%と低いです。

その理由としては、戦略ファンドだからのようです。

つまりeMSXIS Slimのオールカントリー、いわゆるオルカンをターゲットとしているようです。

オルカンの信託報酬は0.05775%なので、ここを意識しているようです。世界の高配当ファンドでオルカンに勝利するのが目的という感じですかね。

 

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SBI全世界高配当株のマザーファンドの中身は?

それでは、SBI全世界高配当株のマザーファンド別に見てきます。


まずは米国全体の60%を占めます。組入れ銘柄数は50。予想配当利回りは3.5%

セクターはエネルギー、ヘルスケア、生活必需品の順です。

 

日本の中身をチェック!

続いて日本全体の10%を占めます。組入れ銘柄数は79。予想配当利回りは4.3%。米国よりも高いですね。

中身は、投資信託の「SBI日本高配当」と同じです。

セクターは資本財、金融、素材、一般消費財が上位です。

 

欧州の中身をチェック!

欧州です。全体の20%を占めます。組入れ銘柄数は45。予想配当利回りは5.3%。日本よりも高いです。

中身は、投資信託の「SBI欧州高配当」と同じです。

セクターは金融、ヘルスケアで約半数ですね。

国別では英国、スペイン、スイス、フランス、ノルウェー、オーストリア、オランダ、ドイツの順です。

 

新興国の中身をチェック!

最後は新興国です。全体の10%を占めます。組入れ銘柄数は30。予想配当利回りは7.6%。一番高いですね。

セクターは金融が47%で約半数。エネルギーが23%。この2セクターで3/4弱と多いです。新興国らしいです。

国別では中国、南アフリカ、インドネシア、韓国、ブラジル、ポーランドと続きます。

 

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SBI全世界高配当株の中身はどうなっているのか?

それではSBI全世界高配当株の全体を見ていきます。

国別のウェイトです。米国がトップで60%日本が10%と続き、英国4.7%、スペイン2.5%、スイスとフランスが2.4%、中国1.9%と続きます。

世界の時価総額を意識しているようです。世界における日本は6%ぐらいなので、若干高めです。

 

セクターはどうなっているか?

SBI世界高配当株の組入れ銘柄のセクター別ウェイトです。

金融が18.8%で首位エネルギーが14.2%、ヘルスケアが13.0%、生活必需品が12.6%、一般消費財が10.4%です。

上位5セクターが10%台なので、なかなか分散は利いています。ちなみに情報技術は5.9%と少なめです。

 

上位10銘柄は有名どころばかり

上位10銘柄について見ていきましょう。

SBI証券のYouTube動画では、上位10銘柄と主要銘柄2つの計12銘柄が公表されていました。
上位10銘柄はすべて米国で、比率は1.5%です。

均等加重のようですが、米国は50銘柄で全体の60%を占めるので、この表のように1.5%ずつだと全部で75%になってしまいます。

なので、このあたりがどうなるかは未知数です。最初の月報で確認するといいかもしれないですね。

ざっとみると、10位のマリオット・バケーションズ・ワールドワイド【VAC】以外は、高配当の定番銘柄ですね。時価総額も1000億ドル以上の超巨大企業ばかりです。なので、SBI全世界高配当株の米国部分は、わりとオーソドックスのようです。

 

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SBI全世界高配株とライバルファンドを比較する

ここからはSBI全世界高配当株とライバル・ファンドの比較を行います。

※クリックで拡大します

SBI全世界高配当株にとって、投資信託のライバルといえば、アムンディ・オルカン高配当ですね。6月末に設定されたばかりのファンドで、MSCI ACWI、いわゆるオールカントリーの高配当版です。

信託報酬は0.165%なので、SBI全世界高配当株の方がかなり低く設定されています。

ちなみに、ETFの中で全世界の高配当株が対象というのは、有名はありません。ウィズダムツリー社【DEW】が全世界高配当が対象ですが、157億円と規模は大きくありません。2006年に設定されたので、18年ほどの実績があるので、参考にするといいかもしれません。

一番右は、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)いわゆるオルカンです。規模は4兆円と巨大で、日本の投資信託の中でもeMAXIS SlimのS&P500に次ぐ大きさです。

信託報酬は0.05775%です。SBI全世界高配当株の信託報酬は0.055%とさらに低くして、このファンドに挑戦するようです。

SBI全世界高配当株は、高配当が対象なのに、全世界が対象で時価総額加重平均型のオルカンを意識しているようです。

この4つのファンドを細かく比較していきます。

 

国別を比較する

国別のウェイトの比較です。基本的にそれぞれ上位10カ国で、アムンディ・オルカン高配当だけは上位5カ国。

他のファンドの上位に入っている国は順位が書いてある場合もあります。

一番左がSBI全世界高配当株で、1位から10位まで順番に並んでいます。

米国はどのファンドもトップです。だいたい60%前後ですが、アムンディ・オルカン高配当だけは46.8%とやや少なめです。

SBI全世界高配当株の上位5カ国は、他のファンドでも上位にいるケースがほとんどです。

例外はカナダとオーストラリアが他のファンドの上位ですが、SBI全世界高配当株はランク外ですね。SBI全世界高配当株は米国、日本、欧州、新興国が対象なので、日米欧を除いた先進国が入っていないため、カナダやオーストラリアがいないようですね。

 

セクターを比べる

続いてセクター比率を比較します。アムンディ・オルカン高配当は上位5セクターのみです。

SBI全世界高配当株は、【DEW】と少し似ています。金融が首位で、エネルギー、ヘルスケア、生活必需品が上位なのは共通していますね。

オルカンは情報技術が23.8%で首位ですが、高配当ファンドはいずれも情報技術の割合が低いですね。

 

組入れ銘柄は似ているのか?

上位組入れ銘柄を見てみます。アムンディ・オルカン高配当は、上位5銘柄のみです。

※クリックで拡大します

SBI全世界高配当株は上位10銘柄と主要銘柄2つの計12銘柄が米国です。なので、米国の高配当ETFである【VYM】、【HDV】、【FDL】、【SCHD】も比較対象とします。

SBI全世界高配当株の12銘柄は、他のファンドの何番目に入っていて、どのくらいの比率かというデータです。

ざっとみたところ、オルカン【VYM】にはほとんどが入っています。ただし一番下の合計比率を見ると、オルカンは3.4%、【VYM】は15.2%とそれほど高くないです。

合計比率は【HDV】は33.7%、【FDL】は28.8%、【SCHD】は24.5%と高いですね。

このことから、SBI全世界高配当株は米国の【HDV】【FDL】【SCHD】のような、やや分配金利回りの高い高配当株と中身が似ているということが分かります。

 

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ライバル・ファンドのパフォーマンスを確認する

それでは、SBI全世界高配当株パフォーマンスを予測します。

実績がないので、予測するのは無理なんですが、対象が同じETFのデータで考えます。

一番左から、世界高配当の【DEW】、オルカンのACWI、米国高配当が4つで【VYM】【HDV】【FDL】【SCHD】、日本高配当が【1698】、先進国高配当が【FGD】、新興国高配当が【DEM】です。

世界高配当の【DEW】に注目してください。10年リターンは5.1%ほどです。全世界の高配当ETFが売れていない理由はここなんですよね。

隣のオルカン、米国高配当、日本高配当と比べると、10年リターンがかなり差があります。

その理由が一番右の2つ、先進国高配当の【FGD】、新興国高配当の【DEM】のリターンが悪いからです。

つまり、世界の高配当の内訳として、米国や日本高配当のリターンは悪くないですが、日米を除く先進国や新興国高配当のリターンがよくないです。

なので、SBI全世界高配当株は60%を占める米国と、10%の日本の部分はリターンは期待できるかもしれませんが、20%の欧州と10%の新興国が足を引っ張り、リターンがイマイチになる可能性があります

全世界高配当株としてまとめて保有するよりも、米国や日本の高配当ETFや投資信託をそれぞれ保有して、欧州や先進国、新興国の高配当は少しだけ持つ方が無難な気がします。

 

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まとめ

✅SBIアセットマネジメントから世界の高配当を対象とした投資信託、年4回分配型が10月1日に登場

✅コンセプトは高配当をベースにしたスマートベータだが、組入れ条件の具体的な数値などは不明なので、アクティブ色が強い

✅信託報酬は0.055%と激安。マザーファンドを自社で設定して、運用報酬をゼロにしたため。eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の0.0575%よりも低く設定しており、意識している

✅地域別の内訳は米国が60%、日本が10%、欧州が20%、新興国が10%

✅セクター別では金融が18.8%で首位、エネルギー、ヘルスケア、生活必需品、一般消費財と続く

✅上位銘柄は米国がほとんど。中身はジョンソン・エンド・ジョンソン、マクドナルド、ファイザー、コカ・コーラ、シェブロンなど規模の大きな高配当銘柄の定番が目立つ

✅気になるところは、全世界の高配当ファンドは、これまでほとんどなかったということ。米国と日本の高配当ファンドはある程度リターンが計算できるが、日米以外の先進国高配当や新興国の高配当ファンドは長期リターンがあまり良くない

✅SBI全世界高配当株の中長期リターンはあまり期待できないかもしれない。地域や国ごとにETFや投資信託を選んだ方がいいかも

✅たかにんは見送り。3年ぐらい経過してリターンが素晴らしかったら購入しようかな

 

 

 

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