QYLDの2022年3月の分配金は0.2097ドル。先月よりも3.8%増!(グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF)

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グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF【QYLD】が2022年3月18日に分配金を発表しました。0.2097ドルです。

1年前の同期は0.2239ドルでしたので、1年前の同期との比較では6.3%減です。前回2022年2月の分配金は0.203ドルなので、先月との比較では3.8%増です。

2022年4月5日の終値は21.01ドル、過去1年の分配金は2.7793ドルなので、利回りは13.23%になります。

ちなみに2021年12月の特別な分配金(キャピタルゲイン分配金)をなしでNAVの上限1%で計算すると、過去1年分配金は2.5018ドルなので、利回りは11.9%です。

 

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【QYLD】の過去の分配金と増配率は?

【QYLD】が設定されたのは2013年12月です。下の表は過去の配当金の一覧です。2020年10月以降は、一番右側の列の「過去1年分配金の対前年同期増減率」がプラスになっており、最近は好調と言えます。

※背景がになっているのが対象月と比べてマイナスです

【QYLD】の毎月の分配金は?

【QYLD】は毎月分配金が支払われます。月ごとの分配金を棒グラフにして重ねました。2014年から17年にかけては漸減傾向ですが、2018年以降はほぼ横ばいです。2021年は12月は0.4994ドルでかなり多いですね。その理由は、グローバルX社のCEOが言うには「ボラティリティが高かったことと、税金を考慮した年末の分配のため」とのこと。詳しくはこちら

【QYLD】の分配金と株価の関係は?

【QYLD】の分配金と株価はある程度、連動しています。どちらも横ばいですね。利回りが10%もあれば、このままずっと横ばいが続くだけでも十分な気がします。2021年の年間分配金は、過去最高だった2018年を7.5%上回りました。

最近の分配金と株価の関係は?

下のグラフは2019年6月以降の、期ごとの分配金と株価の関係です。【QYLD】の分配金の上限はNAVの1%です。株価とNAVはだいたい同じです。そこで、権利落ちの前日の終値と、分配金を比較してみます。

グラフの分配金と株価は単位が2桁異なりますので、株価(赤線)が分配金の上限1%の目安となります。ショート・ターム・キャピタルゲインを出した2021年12月を除いて、分配金は株価の1%にほぼ収まっています。2020年2月以降は上限の1%出していることが多いというのが、わかりますね。

 

【QYLD】の年間増配率は?

年間分配金の増配率を見てみましょう。2014年から2017年にかけてはマイナスでしたが、2018年に一気に増えました。設定来で見ると、横ばいですね。

 

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2020年以降の利回りは?

2020年以降の【QYLD】の株価と利回りを見てみましょう。利回りは、過去1年の年間分配金額から算出しました。青線が株価(左軸)で、赤線が利回り(右軸)です。

2020年の年初の利回りは9%台後半で推移していましたが、2月半ば以降はコロナ・ショックで株価が下がったため、3月16日には利回りが約13.1%まで上昇しました。その後、株価はコロナ・ショック前まで戻りつつありましたが、最近はナスダックが軟調のため株価は急降下しています。2021年12月の分配金が多かったこともあり、利回りは13.23%まで上がりました。

 

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【QYLD】を過去に買っていた場合のYOCは?

過去に【QYLD】を買った場合、現在の購入単価当たりの利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から8年4カ月前までの株価、利回り、YOCを見ていきましょう。株価は月末のもので月1回なので、ややアバウトです。

下のグラフの黄色の線が、過去に買った場合の、現在の購入単価当たりの利回り(YOC)です。この線が左肩上がりの場合は、株価好調&増配傾向にあるといえます。

2022年4月5日の終値は21.01ドル、過去1年の分配金額は2.7793ドルなので、現在の利回りは13.23%です。過去の平均利回りは約10.3%なので、現在は割安の状況です。

設定以来、株価はあまり変わらず、分配金額も似たようなものなので、いつ買ってもYOCはあまり変わりません。コロナショック時の2020年3月に購入していれば、YOCは約14.4%になっていました。

ちなみに利回りは過去1年の分配金から算出しているので、設定から11カ月は出ません。そのため、上のグラフの左端の利回りはありません。

 

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ライバルETFとの比較

【QYLD】と日本で購入可能な主なカバードコール系のETFの比較です。2021年11月上旬より、日本の大手ネット証券でも【XYLD】【XYLG】【QYLG】が購入できるようになりました。

【QYLD】【QYLG】はナスダック100が対象です。【QYLG】は50%カバードコールなので、利回りは【QYLD】の約半分で、値上がり益が期待できます。

【XYLD】【XYLG】はS&P500が対象です。【XYLG】は50%カバードコールなので、利回りは【XYLD】の約半分ですが、値上がり益も狙えます。

【JEPI】はS&P500に近い大型株を約8割を保有。残りの2割弱でELNという仕組債を保有して、カバードコールと似たようなオプション取引を行います。【XYLD】のライバルという位置づけですね。

運用総額は【QYLD】【JEPI】がほぼ同じで約9000億円前後、【XYLD】が1600億円です。経費率は【JEPI】が0.35%と低く、グローバルX社の4ETFは0.6%。

過去1年分配金から算出した利回りは、通常は【QYLD】【XYLD】【JEPI】の順で高いです。ただ、2021年12月の分配金で50%カバードコールETFの【QYLG】と【XYLG】がキャピタルゲイン分配金を出したため、この両銘柄は通常よりかなり高い状態になっています。

分配金利回り(12カ月)は過去1年の配当から算出したものです。

分配金利回り(直近)は直近の分配金が今度1年続いたものとして算出しました。

 

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カバードコール系ETFの利回り推移

カバードコール系ETF【QYLD】【QYLG】【QRMI】【XYLD】【XYLG】【XRMI】【JEPI】の利回りの変化を見てみましょう。利回りは直近の分配金を1年換算したものから算出しました。株価は月末のものです。

※2021年12月に【QYLD】【QYLG】【XYLG】はキャピタルゲイン分配金をたくさん出しました。これを含めて計算するとイメージしづらくなるので、2021年12月分配金は【QYLD】がNAVの上限1%、【QYLG】【XYLG】はNAVの上限0.5%で計算しました

 

カバードコール系ETFの利回りを過去1年分配金から算出

先ほどのグラフだと、月によって分配金の変動があるため少しイメージしづらいかもしれません。過去1年の分配金から利回りを算出しました。

【QYLD】12%弱、【XYLD】10%、【JEPI】7.5%、【QYLG】6.0%、【XYLG】5%ぐらいですね。【QRMI】と【XRMI】は設定間もないので、何とも言えないですね。

※このグラフも前項同様に、2021年12月分配金は【QYLD】がNAVの上限1%、【QYLG】【XYLG】はNAVの上限0.5%で計算しました

 

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【QYLD】はどんなETFか?

【QYLD】はオプション取引を行って利益を狙います。オプション取引というのは保険料みたいなものです。

オプションの中でも、カバード・コール戦略という方法を取ります。ナスダック100インデックスを保有しながら、ナスダック100インデックスを将来買う権利を売ります。ちなみにナスダック100インデックスというのは、ETFでいうところの【QQQ】のことです。

将来買う権利を売ることを、「コールオプションの売り」と言います。表の上から2番目の黄色の部分です。

オプションを売ったことで、プレミアムを受け取ることができます。そして獲得したプレミアムは、【QYLD】ホルダーに分配金として支払います。この分配金額が多額で、毎月、株価のほぼ1%が最大値です。年利に換算すると12%を目標としています。

ナスダック100インデックスという近年の米国を牽引してきた新興市場【QQQ】で超高配当を狙うというのが【QYLD】の人気の理由とも言えます。

ちなみに分配金に支払われた残りは【QYLD】に再投資され、株価の上昇に寄与します。

【QYLD】は2番目のコール・オプション(買う権利)を売るに該当します

プロセスは?

以下のような手順で行われます。

(1)ナスダック100インデックスのすべての株式を購入します。
(2)毎月第3金曜日に、1カ月後に満期を迎えるナスダック100インデックス・オプション(NDX)を販売します。翌月の第3木曜日が満期です。
(3)オプションの販売と引き換えに、プレミアムを受け取ります。
(4)満期日が過ぎたら、プレミアムの一部を【QYLD】ホルダーに分配します。
(5)翌月以上もこのプロセスが繰り返されます。

プレミアムの価値は?

プレミアムの価格は、次の5つの要因によって決定されます。

(1)原資産価格
(2)オプションの権利行使価格
(3)オプション満期までの残り時間
(4)原資産のボラティリティ
(5)リスクフリーレート(金利)

オプションの権利行使価格は?

オプションの権利行使価格はATM(アット・ザ・マネー)です。原資産価格と権利行使価格が同じです。ナスダック100は近年好調だったので、1カ月後に同じ価格で買うことができるのは買い手に有利です。そのためプレミアムの代金はそれなりに高くなります。

権利行使日に価格が上がった場合は、実際の株をやり取りせずに、その差額を支払うことになります。これを差金決済と言います。

ただし、保有している原資産も値上がりしているので、その分をカバーできるという意味でカバード・コールと言います。

※権利を行使すれば利益が出る状態が「イン・ザ・マネー(ITM)」、損失が出る状態が「アウト・オブ・ザ・マネー(OTM)」、同じ場合は「アット・ザ・マネー(ATM)」です

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実際の取引を図で解説

原資産であるナスダック100インデックスの株価が(1)5%上がる場合、(2)横ばいの場合、(3)5%下がる場合の3パターンで考えてみましょう。

まず前提として、現在の【QYLD】の株価を20ドルとします。原資産であるナスダック100の株価も同じく20ドルと仮定します。プレミアム(オプション料)はNAVの2%で0.4ドル、【QYLD】のホルダーがもらえるプレミアムはNAVの1%である0.2ドルにします。最近の【QYLD】の株価は20ドル前後、分配金が0.2ドル前後なので、妥当なところですね。ちなみにNAVと株価は厳密には異なりますが、ここでは同じとして考えます。

1カ月後の株価が5%上昇した場合

利益はコール・オプションの売却によるプレミアムのみとなります。原資産(ナスダック100)の上昇による収益は、保有している原資産の上昇と、売却したコール・オプションの値上がりで相殺されます。カバードコール戦略をせずに、ナスダック100を保有しているだけの方が利益は大きかったですね。

1か月後の株価に変化がなかった場合

1か月後の株価に変化がない場合は、コール・オプションの買い手は権利を行使しません。行使してもしなくても同じですね。獲得したプレミアムの分だけ、【QYLD】は利益が出ます。【QYLD】は原資産(ナスダック100)のパフォーマンスを上回る可能性があります。

1か月後の株価が5%下落した場合

1か月後の株価が下がった場合は、コール・オプションの買い手は権利を行使しません。QYLDの株価も下がりますが、プレミアムを獲得する分だけ、原資産(ナスダック100)と比較して損失が軽減されます。

軟調な相場が中長期にわたって続くと、オプションの買い手がいなくなり、プレミアムの価格が下がり、【QYLD】の株価も下がってしまいます。これが【QYLD】にとって考えられる最悪のケースです。

権利行使日の株価とQYLD・原資産(ナスダック100)の収益の関係

これまでの3パターンをまとめると、以下のような図になります。権利行使日の株価が、行使価格にプレミアムの代金を加えた株価よりも低い場合は、QYLDの方が儲かります(もしくは損失が少ない)。ただし利益はプレミアムに限定されます。

そして、権利行使日の株価が、行使価格にプレミアムの代金を加えた株価を超えると、超えた分だけ、ナスダック100の利益が増えるというわけですね。

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分配金額の決め方

【QYLD】の毎月の分配金は、(1)純資産価値(NAV)の1%、(2)受け取ったオプション・プレミアムの半分、のいずれか低い方を上限とします。受け取ったオプション・プレミアムに超過分がある場合は、ファンドに再投資されます。

オプション・プレミアムが好調で2%を超えていたケースは、オプション・プレミアムの半分が1%を超えるので(1)となり、分配金はNAVの1%になります。下の表の背景色のついていない箇所です。

(2)はオプション・プレミアムが2%を下回った場合です。オプション・プレミアムの半分になるので、分配金はNAVの1%未満になります。下の表の背景が緑色の箇所が、オプションプレミアムが2%を下回っていたケースです。NAVに対して1%未満になるので、(1)より少ないですね。下の表の背景色が黄色の割合になります。

ただし(2)オプション・プレミアムが2%を下回った場合はオプション・プレミアムのちょうど半分の50%ではないようです。下の表の背景がオレンジ色の箇所が比率です。48~50%のようです。

また、2021年7月や2022年1月のように、オプション・プレミアムが2%を上回っていても、分配金が1%ではないケースもあるようです。

ちなみに、NAVと株価はほぼ同じです。オプション・プレミアムを2%以上獲得できていれば、株価の1%ぐらいが分配金の目安と言えそうです。つまり、毎月株価のほぼ1%が上限なので、年間の利回りの最高値は12%になります。

ただし、2021年12月だけは、分配金が上限の1%を大きく上回って2.25%です。1年間の運用がうまくいったため、キャピタル・ゲイン分配金を合わせたものと考えられます。

2021年11月以降、5回連続で分配金はNAVのほぼ1%を獲得しています。

 

上の表のオプションプレミアムと分配金をグラフにしました。いずれもNAVに対しての「%」です。例外だった2021年12月を除いて、1%に収まっています。

 

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オプション・プレミアムとボラティリティの関係

カバードコール戦略はボラティリティが大きいと、プレミアムをたくさん稼ぐことができると言われていますが、本当でしょうか? 下のグラフは、ナスダック100の近い将来のボラティリティを予測する指数【VXN】と、【QYLD】が獲得したオプション・プレミアムの関係です。

オプション・プレミアムのデータは、分配金の支払われた月に合わせています。

ほぼ連動していますね。オプション・プレミアムが2%を超えるには、【VXN】の値が22~23ぐらいが目安のようです。2021年5~9月の【VXN】は超えたり超えなかったりと微妙でしたが、11月以降は高い数値になっています。

 

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参考サイト

カバードコール戦略については、ニッセイアセットマネジメント株式会社のサイトで分かりやすく説明しています。
よくわかる!カバードコール戦略|投資信託のニッセイアセットマネジメント
ディスクリプション

 

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【QYLD】の決算をチェックしよう

分配金が多く、利回りの高い【QYLD】は、財務面では安全でしょうか。下のデータはグローバルX社の公式サイトにある年次報告書に日本語訳をつけたものです。期首が11月頭で期末が10月末です。

赤い文字のところを、下の表のようにまとめました。【QYLD】の1株あたりのデータです。期首が11月で、期末が10月末です。「A」期首純資産額は前年11月1日のNAVです。株価とほぼ同じです。「B」運用による合計が保有額の含み損や獲得したオプションプレミアム。「F」分配による合計は支払った分配金。AにBを足して、Fを引くと、「G」期末純資産額になります。つまり1年後の10月末のNAV=株価です。

薄いオレンジ色の「B」運用による合計が、オプション・プレミアムなどの利益です。バラつきがありますね。

2020年の「B」運用による合計に数値がないですね。コロナ・ショックによるダメージがあり、利益がでなかったようです。それに対して2021年は「B」運用による合計が4.75ドルと好調でした。2021年のトータルリターンは約24%もプラスでした。

「B」運用による合計から「F」分配による合計を引いた数値が、一番下の「損益」です。2017年を除いてマイナスでしたが、最新2021年が2.17ドルのプラスとなり、この6年間で0.69ドル減まで回復しました。この6年間の分配金の合計は13.96ドルなので、それを合わせて計算すると、かなりのプラスになっています。

 

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【QYLD】のセクター比率は?

【QYLD】に組み込まれている銘柄のセクター別の組込比率です。ナスダック100の銘柄を保有しますので、【QQQ】とほぼ同じです。情報技術の割合が圧倒的に多くて約5割、通信サービスと一般消費財が2割弱で続いています。エネルギー、素材、金融、不動産はありません。

 

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【QYLD】の上位組込銘柄は?

【QYLD】の組込上位20銘柄です。ベンチマークは、CBOE NASDAQ-100(R)・バイライト・V2・インデックスです。組込上位10銘柄は全体の約55%を占めており、上位20銘柄だと全体の約70%です。上位ナスダック100をカバードコールするので、中身はETFの【QQQ】とほぼ同じです。

 

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運用総額の変化は?

運用総額の変化です。表の上に伸びている緑棒が資金が流入(売れた)、下に伸びている赤棒が資金流出(売られた)です。

過去3年間で70.3億ドル(約8400億円)ほど増えています。

2021年に入ってからかなり売れていますね。コロナ・ショック後に株高が続いたため、高配当ETFの利回りが軒並み下がりました。そんな中、高い利回りをキープし続けている【QYLD】を購入する人が増えたと考えられます。

2021年の年末はかなり売れましたが、最近1カ月は今ひとつですね。

 

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主要ETFとトータルリターンを比較する

ここからはPORTFOLIO VISUALIZERを使用してバックテストをします。

【QYLD】と主要ETFのトータルリターンを比較します。ナスダック100【QQQ】、高配当ETF【VYM】、 S&P500 ETF【VOO】と比べました。もっとも後発の【QYLD】が設定されたのが2013年12月なので、2014年4月から2022年3月までの8年を比較します。

2014年4月に1万ドル投資して配当を再投資した場合、2022年3月には【QQQ】が4万4200ドル、【VOO】が2万8100ドル、【VYM】が2万2800ドル、【QYLD】が1万8900ドルになっていました。

カバードコールETFとトータルリターンを比較

今度は【QYLD】とカバードコール系ETFでトータルリターンを比較します。 ナスダック100を50%カバードコールする【QYLG】、S&P500をカバードコールする【XYLD】、S&P500を50%カバードコールする【XYLG】で比べました。同じく8年間を比較します。

【QYLG】や【XYLG】は設定から1年半ほどしか経っていません。【QYLG】は【QYLD】と【QQQ】を50%ずつ、【XYLG】は【XYLD】と【VOO】を50%ずつという比率でテストしました。

2014年4月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合、2022年3月には【QYLG】が2万9500ドル、【XYLG】が2万2700ドル、【QYLD】が1万8900ドル、【XYLD】が1万8100ドルになっていました。

トータルリターンを比較

7つのETFの過去1、3、5、8年の年平均トータルリターンは以下の通りです。

いずれの期間でも【QQQ】のリターンがいいですね。【VOO】と【QYLG】が続いています。原資産別に見ると、カバードコール100%よりも50%の方がトータルリターンは良く、もっとも成績が良いのは原資産を普通に保有する【QQQ】や【VOO】ですね。「ナスダック100」や「S&P500」の中で比較すると歴然としています。

危険度はどのくらいか?

ETFの安定度を比べてみましょう。最大ドローダウンは、計測期間における最大下落率です。マイナスの数値が小さいほど最大下落率が低いです。

シャープレシオとは、同じリスクを取った場合のリターンです。「(ファンドのリターンー無リスク資産のリターン)÷標準偏差」の値です。

ソルティノレシオはシャープレシオの改良版で、相場が軟調の際の成績を示しています。「(ファンドのリターンー無リスク資産のリターン)÷下方偏差」で計算します。

シャープレシオやソルティノレシオの値は【QYLD】<【QYLG】<【QQQ】ですね。そして【XYLD】<【XYLG】<【VOO】にもなります。ベンチマークが同じ場合は、カバードコールよりも原資産を普通に保有したほうが数値がよいですね。トータルリターンと同じ傾向です。

最大ドローダウン値は原資産内では、あまり差がないです。カバードコールはオプションの代金がもらえるので、それが株価下落時のクッションになります。ただし株価下落が続くと、オプション自体が売れなくなったり、オプションの価格が減る可能性があります。そういう場合は、原資産を取り崩して分配金を支払うことになるので、株価が下がってしまうことが考えられます。

主要ETFとの分配金比較は?

2014年4月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合の年間でもらえる分配金の推移です。分配金は再投資します。税金は考慮しません。

8年間の分配金の合計は【QYLD】が1万1400ドル、【QYLG】が7600ドル、【XYLD】が6600ドル、【XYLG】が4800ドル、【VYM】が3600ドルでした。ここはカバードコール100%の成績がよいです。カバードコール50%の【QYLG】や【XYLG】は2021年12月が多かったので、数値がよくなっていますが、実際はやや少ないかもしれません。

 

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【QYLD】の今後のYOC予想は?

【QYLD】株を2022年4月5日の終値21.01ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるか予測します。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの利回りのことです。

通常将来YOCは、過去3年増配率や過去5年増配率などを当てはめて計算しますが、カバードコールETFの性質上、過去の増配率の通りに増配する可能性は低いです。そこで、分配金が変化しない、増配率マイナス2%、増配率マイナス4%という3つのケースで検証します。

過去1年の分配金から算出した利回りは13.23%です。ただこれは、2021年12月のキャピタルゲイン分配金も含んでおり、現実よりは少し高い可能性があります。そこで、2021年12月の分配金をNAVの上限1%と仮定して算出した利回り11.9%という条件も追加します。

「分配金を再投資しない」「分配金を再投資する(税引き後)」の2パターンで検証します

分配金を再投資しない場合のYOC

まずは分配金を再投資しない場合のYOCを見てみましょう。税金は考慮しません。スタート年は、現在の利回りの13.23%と、利回り11.9%の2パターンあります。

【利回り13.23%スタートの場合】 分配金に変化がない場合は、10年後YOC、20年後YOCともに13.23%と変わりません。増配率マイナス2%だと、10年後YOC10.81%、20年後YOC8.83%。増配率マイナス4%だと10年後YOC8.79%、20年後YOC5.85%になります。

【利回り11.9%スタートの場合】 分配金に変化がない場合は、10年後YOC、20年後YOCともに11.9%と変わりません。増配率マイナス2%だと、10年後YOC9.72%、20年後YOC7.94%。増配率マイナス4%だと10年後YOC7.91%、20年後YOC5.26%になります。

再投資をしないパターンなので、増配率がマイナスだとYOCは年々減っていきます。

分配金を再投資する場合(税引き後)のYOC

最後に分配金を再投資するケースで、税金を引いた場合のYOCをチェックしましょう。分配金は約28%の税金を引いた72%で計算します。スタート年のYOCは13.23%の場合は9.52%。11.9%の場合は8.57%になります。

【利回り13.23%スタートの場合】 分配金に変化がない場合は、10年後YOC23.66%、20年後YOC58.76%。増配率マイナス2%だと、10年後YOC17.94%、20年後YOC29.15%。増配率マイナス4%だと10年後YOC13.64%、20年後YOC15.21%になります。

【利回り11.9%スタートの場合】 分配金に変化がない場合は、10年後YOC19.49%、20年後YOCは44.35%。増配率マイナス2%だと、10年後YOC14.89%、20年後YOC22.62%。増配率マイナス4%だと10年後YOC11.39%、20年後YOC12.07%になります。

増配率がマイナス2%ぐらいなら、再投資していけば将来的にYOCはかなり上がります。

 

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まとめ

【QYLD】の2022年3月分配金は0.2097ドルでした。2021年12月以降はボラティリティが高いため、プレミアムを2%以上獲得できています。そのため分配金はNAVの1%が続いています。

ボラティリティが高くなると分配金を多く獲得できるカバードコール戦略は、多くの人が保有している優良銘柄に対して、分散投資的な意味がありそうですね。

 

【QYLD】など超高利回ETFは、ついつい買いすぎてしまうケースが目立ちます。自分のリスク許容度をしっかり把握して、ポートフォリオの数%ぐらいまでとルールを決めたほうがいいかもしれません。

 

 

 

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