✅2025年2月前半の高配当ファンドについてのニュース
✅ブラックロックの東証版HDV【2013】、東証版DGRO【2014】の4度目の分配金が決定。希薄化の理由とどのくらい希薄化されたか?
✅トレイサーズ日経高配当50の総経費率が下がる!
✅SBI日本高配当株が銘柄入れ替えを実施
✅バンガードの87ETFの経費率が下がった。SBIアセットのVIGが対象の投資信託の信託報酬も下がった!
✅1478(iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF)、1651(iFreeETF TOPIX高配当40指数)の2月分配金が決定
✅東証版QYLD【2865】や東証版XYLD【2868】の最新分配金情報

東証版HDV【2013】、東証版DGRO【2014】の4度目の分配金が決定
東証版HDV【2013】2013と、東証版DGRO【2014】の4度目の分配金が決まりました。
【2013】は1.5円でした。前回が1.7円だったので、11.8%減りました。
【2014】は0.9円でした。前回が1.3円だったので、30.8%減りました。
この分配金が米国ETFと比べてどうだったかをチェックします。
2013の分配金が希薄化されたのか検証
まずは、【2013】と【HDV】について見ていきます。
上の表は、【2013】の分配金データです。
今回の分配金は1.5円。それを年間換算すると6.0円。外国税を戻して6.67円。基準価額から分配金利回りを出すと2.86%でした。
下の表は、【HDV】の分配金データです。
直近12月の分配金は1.1217ドルで、年間換算した分配金利回りは3.95%です。
【2013】と【HDV】の分配金利回りの差は、パーセンテージ差で計算します。計算式は少し複雑です。表の間のカコミです。
【2013】と【HDV】の分配金利回りの、パーセンテージ差はマイナス32.1%です。【2013】が【HDV】に32.1%劣っているという意味です。結構差がついています。
米国ETFと東証ETFの分配金や分配金利回りの差は、希薄化によって起きます。
下の表は、【2013】の決算ごとの純資産の変化と増加率です。
希薄化は2種類あると考えられます。【2013】は【HDV】に直接投資するためです。
1つは、米国ETFの【HDV】の決算から、【2013】の決算までにおける純資産の増加によっておきます。
【HDV】の直近の決算は12月で、当時の純資産は32億円、【2013】の今回の2月決算では40.92億円に増えており、27.9%増えました。
もうひとつは、【2013】の前回決算から今回決算までの純資産の増加です。
【2013】の前回決算は11月で、当時の純資産32.06億円、【2013】の今回の2月決算では40.92億円に増えており、27.6%増えました。
この純資産の増加率の分だけ、分配金が希薄化されるので、分配金利回りの差、つまりパーセンテージ差からマイナスを取り除いた数値とほぼ同じになります。
今回2月の純資産の増加率はどちらも28%ほど増えました。
1つ前の表の【2013】と【HDV】の分配金利回りのパーセンテージ差はマイナス32.1%とあります。なので、純資産が30%ほど増え、分配金利回りの差も30%ぐらいあるというわけです。
ちなみに前回の11月決算の時点では、純資産の増加率は28.8%増と36.6%増。2つの中間は、30%増ぐらいです。
上の表の11月決算時点の【2013】と【HDV】の分配金利回りのパーセンテージ差はマイナス30%です。30%前後でこちらも同じになるわけです。
純資産総額の変化を確認
決算時の【2013】の純資産の比較をグラフにするとこんな感じです。
赤い棒グラフが【2013】の決算時における【2013】の純資産で、青い棒グラフが【HDV】の決算時における【2013】の純資産です。
11月と12月はどちらも32億円で変わらなかったです。今回は純資産が40.92億円とかなり増えたので増加率は1.28倍、結構希薄化されています。
【2013】は設定から間もない2024年3月の純資産が16.66億円と売れ行きがあまりよくなかったです。その後の純資産は増えていますが、そのために純資産の増加率が高くなっています。なので分配金が結構希薄化されたというわけです。
分配金利回りの差は?
分配金利回りの差を見てみましょう。青い棒グラフが【HDV】の分配金利回り、赤い棒グラフが【2013】の分配金利回り。どちらも決算時のものです。
分配金利回りの4回の平均は【HDV】が3.68%、【2013】が2.78%なので、少し差がありますね。
分配金額を比較
こちらは分配金額の比較。通貨が異なるので、分配金利回りの差に合わせて調整しました。
分配金利回り同様、【HDV】の方が多く、差がある感じですね。
東証版DGRO【2014】の4度目の分配金はどうか?
続いて、【2014】と【DGRO】を比較します。
上の表は、【2014】の分配金データです。
今回の分配金は0.9円。それを年間換算すると3.6円。外国税を戻して4円。基準価額から分配金利回りを出すと1.63%でした。
下の表は、【DGRO】の分配金データです。
直近12月の分配金は0.3780ドルで、年間換算した分配金利回りは2.42%です。
2014と【DGRO】の分配金利回りの、パーセンテージ差はマイナス38.7%です。結構差がついています。
下の表は、【2014】の決算ごとの純資産の変化と増加率です。
【DGRO】の直近の決算は12月で、当時の純資産は66.42億円、【2014】の今回の2月決算では85.99億円に増えており、29.5%増です。
2014の前回決算は11月で、当時の純資産は62.15億円、【2014】の今回の2月決算では85.99億円に増えており、38.4%増です。
上の表の【2014】と【DGRO】の分配金利回りのパーセンテージ差はマイナス38.7%です。
東証版の前回決算からの増加率38.4%とだいたい同じですね。
ちなみに前回の11月時点では、純資産の増加率は8.6%増と15.1%増。
上の表の【2014】と【DGRO】の分配金利回りのパーセンテージ差はマイナス11.1%です。10%前後でほぼ同じというわけです。
ちなみに、その前の8月時点は異なります。純資産の増加率は4.2%増と6.5%増。
上の表の【2014】と【DGRO】の分配金利回りのパーセンテージ差はマイナス24.3%なので、結構異なります。8月上旬に大暴落があったため、株価が不安定だったからかもしれないですね。もしくは最初の2回ぐらいは規模が小さいため、あてにならないのかもしれません。
純資産総額の変化を確認
決算時の【2014】の純資産の比較をグラフにするとこんな感じです。
赤い棒グラフが【2014】の決算時における【2014】の純資産で、青い棒グラフが【DGRO】の決算時における【2014】の純資産です。
11月と12月は62.15億円と66.42億円、今回は純資産が85.99億円とかなり増えたので、増加率は1.29倍と1.38倍です。結構希薄化されました。
【DGRO】のような、地味な優良ファンドは、設定当初の純資産が少なく、コツコツと純資産が増えていくので、希薄化の影響が大きいと言えます。
逆に設定当初に100億円以上を集めてしまうような人気ファンドだと、純資産の増加率が少なくなるので希薄化も少ないですね。
分配金利回りの差は?
分配金利回りの差を確認しましょう。青い棒グラフが【DGRO】の分配金利回り、赤い棒グラフが【2014】の分配金利回り。どちらも決算時のものです。
分配金利回りの4回の平均は【DGRO】が2.31%、【2014】が1.79%なので、少し差がありますね。
分配金額を比較
こちらは分配金額の比較。通貨が異なるので、分配金利回りの差に合わせて調整しました。
分配金利回り同様、【DGRO】の方が多く、差がある感じですね。
Tracers 日経高配当50の総経費率が下がる!
続いて、Tracers 日経高配当50の総経費率についてです。
正式名称はTracers 日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配型)です。
このファンドは2024年1月に設定され、信託報酬が0.10725%と低いことで注目を集めました。
日経平均高配当株50指数に連動する投資信託です。ETFだと【1489】がベンチマークが同じで、2017年に設定されています。
【1489】の信託報酬は0.308%なので、それと比べると、Tracers 日経高配当50の低さが目立っています。
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2024年5月に発表された総経費率は0.17%でした。隠れコストは0.06%ほどかかっていました。
今回発表されたのは2024年12月の決算で、総経費率は0.14%まで下がっていました。隠れコストは0.03%ほどまで下がりました。
Tracers 日経高配当50とSBI日本高配当株式の総経費率を比較
少し前のコンテンツで、SBI日本高配当株式の総経費率が下がったことをお伝えしました。
SBI日本高配当株式は、日本株が対象の高配当ファンドで、信託報酬が0.099%と低いことで知られています。
設定されたのが2023年12月なので、Tracers 日経高配当50とほぼ同じで、1年ちょっと前です。
SBI日本高配当株式の総経費率は0.11%から0.10%に下がりました。
純資産が655億円から819億円に増えたため、隠れコストが減ったようです。
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一方、Tracers 日経高配当50の総経費率は0.17%から0.14%に減りました。
純資産が63億円から113億円に増えたためと言えそうです。
SBI日本高配当株式は、隠れコストがほぼ0と限界ですが、Tracers 日経高配当の隠れコストは0.03%ほどなので、今後規模が大きくなれば、もう少し下がるかもしれません。
Tracers 日経高配当50とSBI日本高配当株式のリターンを比較
どちらも設定から1年強なので、直近1年のトータルリターンを比較します。
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Tracers 日経高配当50はプラス13.4%で、SBI日本高配当株式はプラス8.02%。やや、Tracers 日経高配当50が上回っています。
組入れ銘柄の配当利回りは1月末の時点で、Tracers 日経高配当50が4.18%で、SBI日本高配当株式は3.94%です。
ただし、SBI日本高配当株式の直近4回の分配金から算出した分配金利回りは4.8%ほどです。
なので、分配金利回りは互角ですかね。
SBI日本高配当株式が、銘柄入れ替えを実施
SBI日本高配当株式が、久々に銘柄の入れ替えを行いました。
2024年の前半は頻繁に銘柄入れ替えを行っていましたが、8月以降は変更がなかったです。
2025年1月に、しずおかフィナンシャルグループやひろぎんホールディングスなどの地銀株、電子部品を中心に業績の伸張が期待できるヒロセ電機、市況関連の中で高い配当が期待できる双日などを購入しました。
そして、減配リスクのあるUTグループや、配当魅力が乏しい信越化学を売却しました。とあります。
銘柄や業種はどう変化したか?
この1カ月のSBI日本高配当株式の変化について見ていきます。上が2024年12月末、下が2025年1月末です。
※クリックで拡大します
組入れ銘柄の配当利回りは4.00%から3.94%なので、あまり変化はないです。
組入れ銘柄数は78から85に増えました。
上位5銘柄では2位だった長谷工が11位になり比率が下がりました
TOYO TIREは8位から3位にランクアップしています。
組入れ銘柄は地銀をいくつか新規加入したため、銀行業が3位の7.37%から首位の10.26%に変化しました。
バンガードのファンドやETF87本の経費率が下がった
2025年2月1日より、バンガードは87のファンドやETFの経費率を引き下げました。0.01~0.06%です。
こちらは今回、経費率が引き下げられた主要ETFです。
一番下の【VT】は全世界が対象のETFです。0.07%から0.06%に引き下げられました。
上から2番目は米国の連続増配株が対象の【VIG】です。0.06%から0.05%に引き下げられました。
そのほか、米国を除く先進国が対象の【VEA】、情報技術セクターの【VGT】、米国を除く世界が対象の【VXUS】なども下がりました。
これにより、バンガードの資産加重平均経費率は0.07%となり、業界平均の0.44%を大きく下回っています。
SBI・VIGの信託報酬も下がった!
これに伴い、SBIアセットは、運用する投資信託の信託報酬の引き下げを発表しました。
高配当投資家にとっての注目は、上から3番目のSBI・V・米国増配株式インデックス・ファンド(年4回決算型)ですね。
これは米国のETF・VIGに投資するファンドです。従来の信託報酬0.1238%から0.1138%になります。
SBI・VIGの売れ行きは?
ちなみにこちらは、SBIアセットが運用する米国の高配当投資信託(年4回分配型)です。
昨年の1月や2月に設定されたものです。
純資産総額はVYMが172億円、SPYDが54億円、VIGが21億円です。
米国ETFだとVIGが圧倒的に規模が大きいですが、投資信託のVIG版はあまり売れていません。
信託報酬が下がったのをきっかけに購入する人が増えるかもしれません。
【1478】の2月分配金は52円。対前年同期18.2%増
ブラックロックの【1478】の分配金について見ていきます。正式名称は、iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回りETFです。
配当利回りの高さに加え、配当の継続性、配当性向、企業の財務体質などを重視する高配当ETF。分配金は年2回です。
2025年2月の分配金は52円です。対前年同期18.2%増と好調でした。
分配金利回りは2.59%とそれほど高くないですが、増配率は7年11.6%、5年9.0%と高水準です。
1651の分配金も決定!
続いて、ダイワの【1651】の分配金について見ていきます。正式名称は、iFreeETF TOPIX高配当40指数です。
TOPIX100構成銘柄のうち、配当利回りが相対的に高い40銘柄により構成されたETFです。分配金は年4回ですが、2月と8月は少ないです。
2025年2月の分配金は2円です。対前年同期より多いですが、今回は少ない月なので、あまり重要ではないですね。
重要なのは5月と11月の分配金なので、次回がどうなるか注目です。
こちらも分配金利回りは2.62%とそれほど高くないですが、増配率は5年9.0%、3年17.3%と高水準です。
1478、1651とライバルのリターンを比較
この2ETF、【1478】と【1651】はリターンもなかなかいいです。ライバルETFと5年のトータルリターンを比較します。
高配当ETFの代表格、日経平均高配当50指数に連動している【1489】は、プラス156%と素晴らしいです。ピンク色のチャートです。先ほど紹介したTracers高配当50も同じベンチマークです。
【1651】は緑色のチャートで、プラス144%です。【1489】には及びませんが、なかなか優秀ですね。
【1478】はオレンジ色のチャートでプラス121%です。まずまずです。
上場高配当の【1698】は紅色のチャートでプラス107%です。
高配当ではありませんが【TOPIX】は紫色のチャートでプラス82%。
そんなわけで日本の高配当ETFは、ここ5年のリターンはかなり優秀です。
東証版QYLD【2865】、QYLDの最新分配金を確認
カバードコールETFの分配金を確認しましょう。
まずは【2865】(東証版QYLD)の分配金と取引所価格の比較です。
数値がちょうど二桁異なるので、赤い折れ線グラフの取引所価格に対して、青い棒グラフの分配金が重なると月利1%になり、年間分配金利回りは12%の目安となります。
ただし東証版は外国税の10%が引かれた状態の数値です。なので、取引所価格より10%ほど低いあたりが月利1%と考えてください。
1月の分配金は、キャピタルゲイン分配金があり23円と突き抜けていました。
直近の2月分配金は10円でした。2カ月前の12月と同じです。最近は10円が多いですね。
QYLDの分配金と基準価額を確認
こちらは、【QYLD】の分配金と基準価額の比較です。
2024年12月は、キャピタルゲインがあったため0.3386ドルとかなり多かったです。
直近の1月の分配金は0.1877ドル。今まで通りです。
VXNとQYLDのオプションプレミアムを比較
続いて、ナスダック100指数のオプション価格から算出されるボラティリティを示す【VXN】と、【QYLD】が獲得したオプション・プレミアムの関係をチェックします。
【VXN】と【QYLD】のオプションプレミアムはほぼ連動しています。
直近の【VXN】の値は18.4です。12月前半ごろに比べると少し高くなっています。
東証版XYLD【2868】、XYLDの最新分配金を確認
最後に【2868】(東証版XYLD)の分配金と取引所価格の比較です。
1月の分配金は、キャピタルゲイン分配金があり28円と突き抜けていました。
直近の2月分配金は10円でした。最近は9円が多かったので、それと比べるとやや多いです。
XYLDの分配金と基準価額を確認
こちらは【XYLD】の分配金と基準価額の比較です。
2024年12月は、キャピタルゲインがあったため1.1895ドルとかなり多かったです。
直近の1月の分配金は0.3730ドル。今までと同じくらいです。
VIXとXYLDのオプションプレミアムを比較
最後に、S&P500指数のオプション価格から算出されるボラティリティを示す【VIX】と、【XYLD】が獲得したオプション・プレミアムの関係をチェックします。
【VIX】と【XYLD】のオプションプレミアムもほぼ連動しています。
直近の【VXN】の値は14.7です。こちらも12月前半ごろに比べると少し高くなっています。
楽天・高配当株式・米国VYMファンド(四半期決算型)は、楽天証券で購入可能です【PR】
楽天証券は、国内手数料が完全無料、ポイントが貯まる・使える、投資初心者が使いやすいなど、さまざまな特典があります。
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まとめ
✅ブラックロックの東証版HDV【2013】、東証版DGRO【2014】の4度目の分配金が決定。純資産が増えた分だけ、希薄化された
✅東証版DGRO【2014】のような優良ファンドはコツコツと純資産が増えるので、希薄化の影響が大きい。純資産100億円くらいから希薄化の影響が少なくなりそう
✅Tracers 日経高配当50の総経費率は0.17%から0.14%に下がった。1年のリターンは好調。SBI日本高配当株式を上回っている
✅SBI日本高配当株式が銘柄入れ替えを実施。地銀が新たに加わった
✅バンガードのETFの経費率が下がった。VIGは0.07%から0.06%に。SBIアセットのVIGが対象の投資信託の信託報酬も下がった。0.1238%から0.1138%に
✅1478の2月分配金は52円、前年同期より18.2%増。分配金利回りは2.59%と高くないが、増配率は7年11.6%と高水準
✅東証版QYLD【2865】や東証版XYLD【2868】、QYLD、XYLDなどの直近の分配金は通常通り














1489(NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信)を徹底分析!



