クレジットカード会社の世界最大手ビザ【V】が、2020年10月23日に配当を発表しました。
これまで四半期ごとの配当が0.3ドルだったのが、0.32ドルに上がります。年間配当は1.2ドルから1.28ドルになる予定で、増配率は6.7%です。2020年10月29日の終値は184.87ドル、配当利回りは0.69%です。
ビザ【V】の連続増配は13年です。
ビザ【V】の過去の配当、年間増配率
ビザ【V】はかなり高い増配率が続いていましたが、今回はそれほどでもないですね。次回の配当落ちは11月12日です。
ビザ【V】の年間配当額と年間増配率は?
ビザ【V】の配当金と増配率を1年ごとにまとめてグラフ化しました。凄まじい増配率です。
ビザ【V】の期別の配当は?
下のグラフは期別の配当です。基本的に配当落ちの月を基準にしています。急激な右肩上がりです。
今年に入ってからのビザ【V】の株価と配当利回りは?
2020年に入ってからのビザ【V】の株価と配当利回りを見てみましょう。青線が株価(左軸)で、赤線が配当利回り(右軸)です。配当利回りは0.6%前後で推移していましたが、2月半ば以降は株価が下がったため、3月23日には配当利回りが0.9%弱まで上昇しました。株価はコロナ・ショック前まで一時は戻りましたが、9月以降は相場軟調で配当利回りは0.69%です。
現在のビザ【V】の株価と配当利回りの関係は?
年間配当額が現在と同じだったら、株価によって配当利回りはどのように変化するでしょうか。下のグラフは年間配当額が現在と同じ1.28ドルが続いた場合の、配当利回りと株価の相関図です。配当利回りを0.1%ごとに株価を出しました。今後、ビザ【V】を購入しようと考えている人は、目安にしてください。
ビザ【V】を過去に買っていた場合のYOCは?
過去にビザ【V】を買った場合、現在の購入単価当たりの配当利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から5年前までの株価、配当利回り、YOCを見ていきましょう。株価は月末のもので月1回なので、やや大雑把です。
2020年10月29日の終値は184.87ドル、過去1年の配当金額は1.28ドルなので、現在の配当利回りは約0.69%です。過去5年の平均配当利回りは約0.68%です。過去5年で株価は右肩上がりで、増配率も高いので、早い時期に買っていればYOCは上がります。2016年2月頃に買っていたら、現在YOCは1.8%前後になっていました。
ビザ【V】の今後の配当予想は?
現在の配当金額(0.32ドル)と1、3、5、10年前の同時期の配当金額(0.3ドル、0.195ドル、0.14ドル、0.0375ドル)を比較して年間増配率を計算し、それを使って将来の配当金とYOCを予想しました。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの配当利回りのことです。ビザ【V】株を2020年10月29日の終値184.87ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。棒グラフが配当金予想、折れ線グラフがYOC予想です。
増配率は過去1年が6.7%、過去3年が18.0%、過去5年が18.0%、過去10年が23.9%でした。現在の配当利回りは0.69%です。もっとも増配率が低い過去1年のペースで増配が続くと10年後のYOCは1.3%、20年後のYOCは2.5%になります。もっとも増配率が高い過去10年の増配と同じだと10年後のYOCは5.9%、20年後のYOCは50.4%になります。現在の配当利回りが低いため、過去1年増配率と同じだとYOCはあまり期待できませんが、それ以外の期間のペースなら、将来YOCはかなり期待できそうです。
ビザ【V】は主要ETFに組み込まれているか?
高配当以外の主要なETFのほとんどに組み込まれており、組込順位は10番以内ばかりです。【QQQ】には組み込まれていません。
ETF | 組込可否 | 組込順位 | 割合(%) |
---|---|---|---|
QQQ(103) | × | ― | ― |
VGT(330) | ○ | 4 | 3.44 |
VIG(212) | ○ | 5 | 3.65 |
VTI(3566) | ○ | 10 | 1.00 |
VOO(508) | ○ | 10 | 1.20 |
DIA(30) | ○ | 8 | 4.56 |
VYM(413) | × | ― | ― |
HDV(74) | × | ― | ― |
SPYD(79) | × | ― | ― |
※表内の「ETF」の右側の()内の数字は全組込銘柄数です
ビザ【V】の財務データは?
ビザ【V】の財務データです。配当性向には余裕があり、営業利益率はベラボーに高いですね。
ライバル企業とトータルリターンを比較する
ビザ【V】とライバル企業のトータル・リターンを比較します。マスターカード【MA】、ペイパル【PYPL】、Vanguard S&P500 ETF【VOO】と比べました。
2015年10月に1万ドル投資して配当を再投資した場合、2020年9月には【PYPL】が6万3400ドル、【MA】が3万8700、【V】が2万9600ドル、【VOO】が1万9300ドルになっていました。
過去10年のトータルリターンを比較する
それでは、過去10年の場合はどうでしょうか? ペイパル【PYPL】の上場が2015年のため、替わりにアメリカン・エキスプレス【AXP】と比較しましょう。2010年10月に1万ドル投資して配当を再投資した場合、2020年9月には【MA】が15万9000ドル、【V】が11万5700ドル、【VOO】が3万6000ドル、【AXP】が2万7600ドルになっていました。
まとめ
ビザ【V】は近年順調に売り上げを伸ばしてきましたが、2020年は第3四半期に続き、第4四半期も前年同期比減益となりました。
