ITサービス大手のアイ・ビー・エム【IBM】が、2021年4月27日に増配を発表しました。
これまで四半期ごとの配当が1.63ドルだったのが、1.64ドルに上がります。年間配当は6.52ドルから6.56ドルになる予定で、増配率は0.6%です。2021年4月30日の終値は141.88ドル、配当利回りは4.62%です。
アイ・ビー・エム【IBM】の連続増配年数は26年です。ちなみに正式な会社名はインターナショナル・ビジネス・マシーンズです。
アイ・ビー・エム【IBM】の過去の配当、年間増配率
アイ・ビー・エム【IBM】は年々増配率が下がってきています。前回に続き、今回も最小限の増配となりました。表内の青字は予想です。次回の配当落ちは5月7日です。
アイ・ビー・エム【IBM】の年間配当額と年間増配率は？
アイ・ビー・エム【IBM】の配当金と増配率を1年ごとにまとめてグラフ化しました。年間の増配率は右肩下がりですね。
アイ・ビー・エム【IBM】の期別の配当は？
下のグラフは期別の配当です。基本的に配当落ちの月を基準にしています。ここ数年はほんの少しずつの増配ですね。
アイ・ビー・エム【IBM】の株価と配当の関係は？
下のグラフは株価と配当の比較です。株価は2021年を除いて年末のものです。株価は低迷しています。
最近のアイ・ビー・エム【IBM】の株価と配当利回りは？
2020年1月以降のアイ・ビー・エム【IBM】の株価と配当利回りを見てみましょう。青線が株価（左軸）で、赤線が配当利回り（右軸）です。2020年の年初の配当利回りは4.8%前後でしたが、2月半ば以降は急降下したため、3月23日に約6.8%まで上がりました。現在、株価はコロナ・ショック前まで戻っておらず、現在の配当利回りは4.62%です。
現在のアイ・ビー・エム【IBM】の株価と配当利回りの関係は？
年間配当額が現在と同じだったら、株価によって配当利回りはどのように変化するでしょうか。下のグラフは年間配当額が現在と同じ6.56ドルが続いた場合の、配当利回りと株価の相関図です。配当利回りを0.2％ごとに株価を出しました。今後、アイ・ビー・エム【IBM】を購入しようと考えている人は、目安にしてください。
アイ・ビー・エム【IBM】を過去に買っていた場合のYOCは？
過去にアイ・ビー・エム【IBM】を買った場合、現在の購入単価当たりの配当利回り（YOC）はどのくらいでしょうか？ 現在から5年前までの株価、配当利回り、YOCを見ていきましょう。株価は月末のもので月1回なので、少しアバウトです。
2021年4月29日の終値は141.88ドル、年間の予想配当金額は6.56ドルなので、現在の配当利回りは4.62%です。過去5年の平均配当利回りは約4.42%です。過去5年で株価は右肩下がり、増配率もそれほど高くないので、早い時期に買ってもYOCは上がりません。コロナ・ショック時の2020年3月頃に買っていたら、現在YOCは約5.9%になっていました。
競合銘柄とトータルリターンを比較する
アイ・ビー・エム【IBM】とライバルのアクセンチュア【ACN】、情報技術セクターで利回りの高いシスコ・システムズ【CSCO】、インテル【INTC】との過去10年トータル・リターンを比較します。PORTFOLIO VISUALIZERを使って、2011年5月から2021年4月までの10年を比べます。
2011年4月に1万ドル投資して配当を再投資した場合、2021年3月には【ACN】が6万1700ドル、【CSCO】が3万8900ドル、【INTC】が3万3500ドル、【IBM】が1万1600ドルになっていました。
年次リターン
1年ごとでリターンを比較しました。ここ10年のアイ・ビー・エム【IBM】のリターンは冴えないですね。
過去のトータルリターン
過去3カ月、1、3、5、10年の年平均トータルリターンは以下の通りです。アイ・ビー・エム【IBM】は過去3年以上のリターンがよくないですね。5%を下回っています。過去10年は1.5%と低調です。
過去の分配金はどのくらいか？
2011年5月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合の年間にもらえる分配金の推移です。分配金は再投資します。税金は考慮しません。PORTFOLIO VISUALIZERのデータです。
10年間の配当金の合計は【CSCO】が6500ドル、【INTC】が5300ドル、【ACN】が4500ドル、【IBM】が3400ドルでした。
アイ・ビー・エム【IBM】の今後の配当予想は？
現在の配当金額（1.64ドル）と1、３、5、10年前の同時期の配当金額（1.63ドル、1.57ドル、1.4ドル、0.75ドル）を比較して年間増配率を計算し、それを使って将来の配当金とYOCを予想します。YOC（Yield on Cost）とは、購入単価あたりの配当利回りのことです。【IBM】株を2021年4月30日の終値141.88ドルで買った場合、将来の利回り（YOC）がいくらになるかという予測です。
購入金額は1万ドルにします。そうすると、年間配当額から利回り（YOC）が一瞬で計算できます。たとえば、年間配当額が300ドルなら利回り（YOC）は3.0%、年間配当額777ドルなら利回り（YOC）は7.77%になります。
年間増配率は過去1年が0.6％、過去3年が1.5％、過去5年が3.2％、過去10年が8.1%でした。現在の配当利回りは4.62%です。
配当を再投資しない場合
まずは配当を再投資しないケースを見てみましょう。税金は考慮しません。現在の配当利回りが4.62%なので、年間配当額は462ドルです。
もっとも増配率の低い過去1年のペースだと5年目の配当額は474ドル、10年目の配当額は489ドルになります。もっとも成績の良い過去10年の増配率を当てはめると5年目の配当額は632ドル、10年目の配当額は935ドルになりそうです。配当額935ドルはYOC（購入額に対する利回り）9.35%です。
配当を再投資する場合
つぎに配当を再投資するケースを見てみましょう。税金は考慮しません。再投資する場合の配当金額は、現在と10年前の株価を比較して年平均騰落率を計算し、それを使って調整しています。
もっとも増配率の低い過去1年のペースだと5年目の配当額は571ドル、10年目の配当額は749ドルになります。もっとも成績の良い過去10年の増配率を当てはめると5年目の配当額は779ドル、10年目の配当額は1664ドルになりそうです。配当額1664ドルはYOC（購入額に対する利回り）16.64%です。
配当を再投資する場合（税引き後）
最後に配当を再投資し、税金を引いた額で計算してみましょう。配当金は28％の税金を引いた72％で計算します。1年目は66ドルではなく、税引き後の47ドルになります。
もっとも増配率の低い過去1年のペースだと5年目の配当額は391ドル、10年目の配当額は479ドルになります。もっとも成績の良い過去10年の増配率を当てはめると5年目の配当額は530ドル、10年目の配当額は1023ドルになりそうです。配当額1023ドルはYOC（購入額に対する利回り）10.23%です。
最近の増配傾向からすると、過去1年か過去3年の増配率が今後も続きそうです。
アイ・ビー・エム【IBM】は主要ETFに組み込まれているか？
多くのETFに組み込まれています。組込順位もそれなりに高いです。ニューヨーク・ダウ採用銘柄なのは、あまり知られていないかもしれません。
| ETF | 組込可否 | 組込順位 | 割合(%) |
|---|---|---|---|
| VYM（416） | ○ | 33 | 0.9 |
| HDV（75） | × | ― | ― |
| SPYD（78） | ○ | 50 | 1.3 |
| VIG（247） | × | ― | ― |
| VOO（509） | ○ | 64 | 0.4 |
| VTI（3705） | ○ | 64 | 0.3 |
| DIA（30） | ○ | 20 | 2.6 |
| QQQ（102） | × | ― | ― |
| VGT（333） | ○ | 17 | 1.1 |
※表内の「ETF」の右側の（）内の数字は全組込銘柄数です。組込比率はバンガード社のETF【VYM】【VIG】【VOO】【VTI】【VGT】は2021年3月末、その他のETFは2021年4月14日頃のデータをもとにしています。
アイ・ビー・エム【IBM】の財務データは？
アイ・ビー・エム【IBM】の財務データです。売り上げは右肩下がりで、配当性向も上がってきています。
まとめ
IBMはクラウド部門は好調です。ITサービス部門はKyndrylとして2021年末までにスピンオフする予定です。
