石油メジャーのシェブロン【CVX】が、2021年4月28日に増配を発表しました。
これまで四半期ごとの配当が1.29ドルだったのが、1.34ドルに上がる予定です。年間配当は5.16ドルから5.36ドルになる予定です。増配率は3.9%です。2020年4月30日の終値は103.07ドル、配当利回りは5.20%です。
シェブロン【CVX】の連続増配年数は34年です。
シェブロン【CVX】の過去の配当、年間増配率
ここ数年のシェブロン【CVX】は、2月に権利落ちを迎える期に増配を発表していましたが、今回は一期あとの5月に増配となりました。表内の青字は予想です。次回の配当落ちは5月18日です。
シェブロン【CVX】の年間配当額と年間増配率は?
シェブロン【CVX】の配当金と増配率を1年ごとにまとめてグラフ化しました。年間の増配率は2018年以降は回復しています。
シェブロン【CVX】の期別の配当は?
下のグラフは期別の配当です。基本的に配当落ちの月を基準にしています。2014~18年は微増でしたが、2019年以降は盛り返しています。
シェブロン【CVX】の株価と配当の関係は?
下のグラフは株価と配当の比較です。株価は2021年を除いて年末のものです。株価は冴えないですね。
最近のシェブロン【CVX】の株価と配当利回りは?
2020年1月以降のシェブロン【CVX】の株価と配当利回りを見てみましょう。青線が株価(左軸)で、赤線が配当利回り(右軸)です。2020年の年初の配当利回りは4%弱でしたが、2月半ば以降は急降下したため、3月23日に約9.5%まで上がりました。現在、株価はコロナ・ショック前付近まで戻りきっておらず、現在の配当利回りは5.2%です。
現在のシェブロン【CVX】の株価と配当利回りの関係は?
年間配当額が現在と同じだったら、株価によって配当利回りはどのように変化するでしょうか。下のグラフは年間配当額が現在と同じ5.36ドルが続いた場合の、配当利回りと株価の相関図です。配当利回りを0.2%ごとに株価を出しました。今後、シェブロン【CVX】を購入しようと考えている人は、目安にしてください。
シェブロン【CVX】を過去に買っていた場合のYOCは?
過去にシェブロン【CVX】を買った場合、現在の購入単価当たりの配当利回り(YOC)はどのくらいでしょうか? 現在から5年前までの株価、配当利回り、YOCを見ていきましょう。株価は月末のもので月1回なので、少しアバウトです。
2021年4月30日の終値は103.07ドル、年間の予想配当金額は5.36ドルなので、現在の配当利回りは5.20%です。過去5年の平均配当利回りは約4.5%です。過去5年で株価は右肩下がり、増配率もそれほど高くないので、早い時期に買ってもYOCは上がりません。コロナ・ショック時の2020年3月頃に買っていたら、現在YOCは約7.4%になっていました。
競合銘柄とトータルリターンを比較する
シェブロン【CVX】とライバルのエクソン・モービル【XOM】、ロイヤル・ダッチ・シェルB【RDS.B】、BP【BP】との過去10年トータル・リターンを比較します。PORTFOLIO VISUALIZERを使って、2011年5月から2021年4月までの10年を比べます。
2011年4月に1万ドル投資して配当を再投資した場合、2021年3月には【CVX】が1万4000ドル、【BP】が9800ドル、【XOM】が9500ドル、【RDS.B】が7200ドルになっていました。
年次リターン
1年ごとでリターンを比較しました。似たようなパフォーマンスですが、2020年のコロナショックでは、シェブロン【CVX】のダメージが最も少なかったですね。
過去のトータルリターン
過去3カ月、1、3、5、10年の年平均トータルリターンは以下の通りです。過去5年以上のリターンは皆悪いですね。シェブロン【CVX】は3~4%プラスです。
過去の分配金はどのくらいか?
2011年5月に1万ドル投資して分配金を再投資した場合の年間にもらえる分配金の推移です。分配金は再投資します。税金は考慮しません。PORTFOLIO VISUALIZERのデータです。
10年間の配当金の合計は【BP】が6300ドル、【RDS.B】が4800ドル、【CVX】が4700ドル、【XOM】が3800ドルでした。
シェブロン【CVX】の今後の配当予想は?
現在の配当金額(1.34ドル)と1、3、5、10年前の同時期の配当金額(1.29ドル、1.2ドル、1.07ドル、0.78ドル)を比較して年間増配率を計算し、それを使って将来の配当金とYOCを予想します。YOC(Yield on Cost)とは、購入単価あたりの配当利回りのことです。【CVX】株を2021年4月30日の終値103.07ドルで買った場合、将来の利回り(YOC)がいくらになるかという予測です。
購入金額は1万ドルにします。そうすると、年間配当額から利回り(YOC)が一瞬で計算できます。たとえば、年間配当額が300ドルなら利回り(YOC)は3.0%、年間配当額777ドルなら利回り(YOC)は7.77%になります。
年間増配率は過去1年が3.9%、過去3年が3.7%、過去5年が4.6%、過去10年が5.6%でした。現在の配当利回りは5.2%です。
配当を再投資しない場合
まずは配当を再投資しないケースを見てみましょう。税金は考慮しません。現在の配当利回りが5.2%なので、年間配当額は520ドルです。
もっとも増配率の低い過去3年のペースだと5年目の配当額は602ドル、10年目の配当額は724ドルになります。もっとも成績の良い過去10年の増配率を当てはめると5年目の配当額は646ドル、10年目の配当額は846ドルになりそうです。配当額846ドルはYOC(購入額に対する利回り)8.46%です。
配当を再投資する場合
つぎに配当を再投資するケースを見てみましょう。税金は考慮しません。再投資する場合の配当金額は、現在と10年前の株価を比較して年平均騰落率を計算し、それを使って調整しています。
もっとも増配率の低い過去3年のペースだと5年目の配当額は748ドル、10年目の配当額は1234ドルになります。もっとも成績の良い過去10年の増配率を当てはめると5年目の配当額は806ドル、10年目の配当額は1501ドルになりそうです。配当額1501ドルはYOC(購入額に対する利回り)15.01%です。
配当を再投資する場合(税引き後)
最後に配当を再投資し、税金を引いた額で計算してみましょう。配当金は28%の税金を引いた72%で計算します。1年目は520ドルではなく、税引き後の374ドルになります。
もっとも増配率の低い過去3年のペースだと5年目の配当額は507ドル、10年目の配当額は768ドルになります。もっとも成績の良い過去10年の増配率を当てはめると5年目の配当額は546ドル、10年目の配当額は924ドルになりそうです。配当額924ドルはYOC(購入額に対する利回り)9.24%です。
シェブロン【CVX】は主要ETFに組み込まれているか?
ほとんどのETFに組み込まれています。高配当ETFの【HDV】や【VYM】には上位で組み込まれています。
ETF | 組込可否 | 組込順位 | 割合(%) |
---|---|---|---|
VYM(416) | ○ | 13 | 1.6 |
HDV(75) | ○ | 5 | 5.7 |
SPYD(78) | ○ | 44 | 1.3 |
VIG(247) | × | ― | ― |
VOO(509) | ○ | 31 | 0.6 |
VTI(3705) | ○ | 34 | 0.5 |
DIA(30) | ○ | 23 | 2.0 |
QQQ(102) | × | ― | ― |
VGT(333) | × | ― | ― |
※表内の「ETF」の右側の()内の数字は全組込銘柄数です。組込比率はバンガード社のETF【VYM】【VIG】【VOO】【VTI】【VGT】は2021年3月末、その他のETFは2021年4月14日頃のデータをもとにしています。
シェブロン【CVX】の財務データは?
シェブロン【CVX】の財務データです。他の石油メジャーと比べると、コロナショックのダメージは少なかったですが、それでも売り上げは芳しくありません。
まとめ
今回の増配は意外でした。原油価格の上昇の恩恵もあり、シェブロン【CVX】に限らず、石油業界全体が急激に回復しています。