グローバルX社のカバードコールETF、QYLD、XYLD、QYLG、XYLGの年次報告書をチェックしよう

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グローバルX社が2021年度の年次報告書を発表しました。11月が期首で10月末が期末のETFです。その中から、日本で購入可能なカバードコールETF【QYLD】【XYLD】【QYLG】【XYLG】のデータをチェックして、それぞれのETFの現状を確認しましょう。

 

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【QYLD】の決算をチェックしよう

まずは1番人気の【QYLD】の財務面を見ましょう。下のデータはグローバルX社の公式サイトにある資料に日本語訳をつけたものです。

赤い文字のところを、下の表のようにまとめました。【QYLD】の1株あたりのデータです。期首が11月で、期末が10月末です。「A」期首純資産額は前年11月1日のNAVです。株価とほぼ同じです。「B」運用による合計が保有額の含み損や獲得したオプションプレミアム。「F」分配による合計は支払った分配金。AにBを足して、Fを引くと、「G」期末純資産額になります。つまり1年後の10月末のNAV=株価です。

薄いオレンジ色の「B」運用による合計が、オプション・プレミアムなどの利益です。バラつきがありますね。

2020年の「B」運用による合計に数値がないですね。コロナ・ショックによるダメージがあり、利益がでなかったようです。それに対して2021年は「B」運用による合計が4.75ドルと好調でした。2021年のトータルリターンは約24%もプラスでした。

「B」運用による合計から「F」分配による合計を引いた数値が、一番下の「損益」です。2017年を除いてマイナスでしたが、最新2021年が2.17ドルのプラスとなり、この6年間で0.69ドル減まで回復しました。この6年間の分配金の合計は13.96ドルなので、それを合わせて計算すると、かなりのプラスになっています。

一番下の「トータルリターン(%)」は、その上の「損益($)」と比べると値がかなり異なります。%と$の違いもありますが、その違いは分配金の扱いが異なります。

損益というのは、資産額の変動を意味しており、分配金を支払うと、支払った分だけ資産が減ります。

トータルリターンは資産の変動に分配金を追加して計算します。ただし、資産には支払った分配金のマイナス分がすでに織り込まれています。

よって2018、2019年は損益はわずかにマイナスですが、トータルリターンは7~9%プラス。ちょうど利回りぐらいのプラスになりました。

2021年12月の分配金は含まれているのか?

さきほどの表の「F」分配による合計に、かなりの額となった2021年12月の分配金0.4994ドルは含まれているのでしょうか? 2021年は2.58ドルとありましたね。

下の表は【QYLD】の分配金データです。過去1年分配金を見ると、上から3つめの赤い線を引いた、権利落ちが2021年10月18日の2.5793ドル。ここが2021年度の年間分配金2.58ドルに該当します。11月が期首で10月末なので、2021年12月の分配金0.4994ドルは含まれていません

純資産額と株価をチェック

1株当たりの純資産額と株価の関係について確認しましょう。

期末の10月31日の株価が赤い線で、先ほどの表にあった期末の純資産額が青い線です。ほぼ一致しています。2015年末と2021年末を比較すると、0.7ドルほどマイナスです。ほぼ横ばいですね。

 

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【XYLD】の財務は健全か?

続いて【XYLD】を見てみましょう。2017年はベンチマークを変更したため、2つデータがあります。

こちらも分かりやすく変更しました。【XYLD】の1株あたりのデータです。

薄いオレンジ色の「B」運用による合計というのが、オプション・プレミアムなどの利益です。バラつきがありますね。

こちらもやはり2020年の「B」運用による合計はマイナスです。コロナ・ショックの株価暴落の際に、運用がうまくいかなかった可能性などが考えられます。

ただ、それ以外の年は【QYLD】と比べると損益がプラスが多いですね。損益はこの6年間で7.26ドルのプラスです。この5年間の分配金の合計は17.08ドルなので、それを合わせて計算すると、かなり好調ですね。

2021年は「B」運用による合計が12.53と好調でした。トータルリターンは約30.7%もプラスです。

純資産額と株価をチェック

【XYLD】の1株当たりの純資産額と株価を比較しましょう。期末の10月31日の株価と、先ほどの表にある期末の純資産額を比較しました。ほぼ一致しています。2018年は微妙にずれています。2016年末と2021年末を比較すると、7ドルほど増えています。

 

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【QYLG】の運用状態をチェックしよう

今度は続いて【QYLG】を見てみましょう。

【QYLG】は設定されたのが2020年9月18日です。なので、2020年のデータは期首が9月18日で、期末が10月30日とわずかな期間しかありません。

2021年は「B」運用による合計が8.58ドルと好調でした。分配金を引いた損益が6.82ドル。トータルリターンは33.4%と素晴らしかったです。

ちなみに2021年12月の分配金は1.6035ドルという、とてつもない額でしたが、ここには含まれていません。この金額は2021年の1年間の合計1.75ドルとほぼ同じですね。

純資産額と株価をチェック

【QYLG】の1株当たりの純資産額と株価の比較です。こちらもほぼ一致しています。2021は前年の2020年と比べて6.8ドルほど上がりました。好調ですね。

 

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【XYLG】の運用状態をチェックしよう

最後は【XYLG】を見てみましょう。

【XYLG】も設定されたのが2020年9月18日です。こちらも2020年のデータは期首が9月18日で、期末が10月30日とわずかな期間しかありません。

2021年は「B」運用による合計が8.51ドルと好調でした。分配金を引いた損益が7.14ドル。トータルリターンは35.2%と素晴らしかったです。ひとつ前の【QYLG】とほぼ同じですね。

ちなみに2021年12月の分配金は1.1037ドルという、とてつもない額でしたが、ここには含まれていません。この金額は2021年の1年間の合計1.37ドルと近いです。

純資産額と株価をチェック

【XYLG】の1株当たりの純資産額と株価の比較です。こちらもほぼ一致しています。2021は前年の2020年と比べて7.1ドルほど上がりました。好調ですね。

 

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トータルリターンを比較する

これまでご紹介してきたグローバルX社の資料のトータルリターンをグラフ化しました。前年の11月からその年の10月末で1年という区切りのトータルリターンです。【JEPI】も追加しました。【QYLG】【XYLG】【JEPI】は設定が2020年の途中なので、2020年のデータは丸1年ではありません。

2021年はいずれも20%を超える素晴らしいリターンでした。50%カバードコールの【QYLG】と【XYLG】が優勢です。【QYLD】はこの中では、一番成績が悪いですね。

 

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まとめ

設定から日が浅く、コロナショック後に登場した50%カバードコールの【QYLG】【XYLG】は好成績ですね。2021年12月に莫大な分配金を出したのもうなずけます。

【QYLD】は過去6年の純資産額は横ばいですが、支払った分配金の分だけプラスになっています。このままのペースが続けば、インカム投資家にとってはうれしいですね。

【XYLD】はベンチマークを2017年12月、2020年8月と2回変更しましたが、運用はうまくいっています。