✅2025年3月の日米高配当ファンドについてのニュース
✅【SCHD】の2025年3月分配金が決定。前年同期より22.2%増と好調
✅【SCHD】が年に1度の銘柄入れ替えを実施。意外なセクターが上位に!
✅楽天・SCHDの信託報酬が0.1238%に引き下げ、愛称を楽天・SCHDに変更
✅SBI欧州高配当株の総経費率が下がった!
✅SBI欧州高配当株の分配金が決定。二重課税調整は?
✅レックス・シェアーズの超高配当カバードコールETF【FEPI】【AIPI】【CEPI】の3月分配金が決定。超高配当だが…
✅【VIG】【VTI】【VOO】の3月分配金は好調。【FDL】もまずまず

【SCHD】の2025年3月分配金は0.2488ドル、対前年同期22.2%増
まずは米国の高配当ETF【SCHD】の2025年3月分配金についてです。3月25日に決定しました。
1株あたり0.2488ドルで、前年同期から22.2%増と好調でした。分配金利回りは3.75%と好調です。
ちなみに、このSCHDは日本の証券会社では購入できません。SBIか楽天の投資信託版で購入可能です。
増配率の変化は?
増配率の変化を見ていきましょう。
左のグラフが前回2024年12月時点、右のグラフが今回の2025年3月の分配金反映後です。
1年増配率は16.7%、3年増配律は11.3%、5年増配率は11.4%、7年増配率は13.5%、10年増配率は11.3%になりました。
前回時点でもかなり高水準でしたが、今回はさらに良くなりました。いずれも二桁以上で、かなり高いですね。
ライバルETFと増配率を比較
ライバルとの増配率を比較しましょう。比較対象は高配当ETFの中でも増配率の高い【VYM】、【FDL】、【DVY】、増配の【DGRO】、【VIG】です。
【SCHD】は3年、5年、10年とすべて11%台と素晴らしいです。
対して、10%を超えているのは【VIG】の5年増配率11.1%だけですね。
ここに上げたのは高配当&増配の優秀なETFばかりですが、増配率は6~9%ぐらいですね。
【SCHD】の増配率の高さが際立っていると言えます。
SCHDの弱点は?
【SCHD】は優秀な米国高配当ETFですが、すべてが素晴らしいというわけではないですね。
こちらは1年のプライスリターン。【SCHD】はオレンジ色のチャートです。
リターンは3.76%で、この中では一番成績が悪いです。
【SCHD】は長期のリターンはよいですが、短期のリターンでは一時的に不調の時もあります。情報技術セクターが少ないのが原因かもしれないですね。
なので、昨年設定されたばかりの楽天やSBIの投資信託版の基準価額が振るわないのも、仕方ないのかなと思います。
SCHDが年に一度の銘柄入れ替えを実施
【SCHD】が年に1回、銘柄入れ替えを実施しました。時期は3月の第3金曜日の後です。
下は【SCHD】の銘柄選定方法とコンセプトです。
コンセプトは米国企業の中から、規模が大きく、財務が健全、効率よく稼ぐ力があり、直近5年の増配率の高い、高配当銘柄を、時価総額加重平均で組入れるというものです。
財務健全、増配、高配当銘柄の三拍子が揃った銘柄を集めたイメージです。
最初のスクリーニングでREITを対象外として、規模や取引量の大きな銘柄を抽出し、配当利回り上位に絞ります。
スクリーニングで残った銘柄を、以下の4つの項目でスコアをつけます。
1、フリーキャッシュフロー・総負債比率のことです。2、ROE・株主資本利益率です。3、配当利回り。4、過去5年間の配当成長率。
総合スコアの上位100銘柄が選ばれ、既存銘柄は上位200位以内なら残留します。
組入方式は浮動株調整後の時価総額加重平均です。
銘柄はどう変化したか?
今回3月に行われた銘柄入れ替えについてです。左が主な除外銘柄で、右が主な新加入銘柄です。
除外されたのは17銘柄で全体の16%ほど。金融が目立っていますね。
ファイザー【PFE】やブラックロック【BLK】などが除外されました。
新加入銘柄は20銘柄で、全体の18%ほど。エネルギーと生活必需品が目立っています。
コノコフィリップス【COP】やメルク【MRK】などが新加入です。
セクターはどう変化したか?
【SCHD】のセクターの変化を見てみましょう。GICSによる分類です
左が昨年末のセクター比率、右が銘柄入れ替え後のものです。
金融が首位で18.7%ほどでしたが、5位の8.6%まで減りました。エネルギーは6位の11.7%から、首位の21.3%まで増えました。この2つのセクターが入れ替わったようなイメージです。
【SCHD】の性格が「金融依存の高配当+安定型」から「エネルギー依存の高配当+景気循環型」にシフトした印象です。
2位~4位の生活必需品、ヘルスケア、資本財は変化なしです。上位3セクターは【HDV】と同じですね。
上位10銘柄はどう変化したか?
【SCHD】の上位10銘柄の変化を確認しましょう。左は昨年12月12日のものなので、少し古いです。
エネルギー・セクターが急伸し、新加入のコノコフィリップス【COP】が1位、シェブロン【CVX】が2位になり、上位を占めました。
金融のブラックロック【BLK】が除外され、情報技術のシスコ・システムズ【CSCO】が2位から7位に後退しました。
生活必需品はコカ・コーラ【KO】、ペプシコ【PEP】が上位に入り、ヘルスケアとともに安定感を維持。配当重視と分散強化が進み、エネルギー依存が高まった形ですね。
【SCHD】はこの1年の株価がイマイチ冴えなかったので、この銘柄入れ替えで巻き返しが図れるか、注目が集まります。
エネルギーが増えたので、増配や高い分配金利回りはこれまで通り期待できそうですが、キャピタルはどうですかね。
楽天・SCHDが信託報酬を引き下げ
ここからは、SCHDの投資信託版についてです。
楽天SCHDが信託報酬を引き下げます。2025年5月23日より、従来の0.192%から0.1238%となります。
さらに、ファンド名も変更です。楽天・シュワブ・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)となります。
愛称も楽天・SCHDとなります。ファンドの正式名称を読んている人はほぼおらず、誰もが楽天・SCHDと呼んでいたので、これはいいんじゃないかなと思います。
楽天とSBI版のSCHDを比較
楽天とSBIのSCHD投資信託の比較です。
楽天SCHDの信託報酬が0.1238%になったことで、SBI・SCHDと同じになりました。
隠れコストや総経費率はまだ発表されていません。
純資産はどちらも1000億円を突破しており、かなりの売れ行きです。
二重課税調整については、楽天SCHDの初回分配金はほぼ完璧で10%が戻ってきました。
二重課税調整はどうなるか?
こちらは米国株を対象としたSBIの投信と、楽天SCHDの比較。
VYMなどのSBI投信は二重課税調整がほとんどされていなかったです。SBI・SCHDもそうなる可能性はあります。
楽天SCHDは1回だけ分配金が出て、二重課税調整はほぼ完璧でした。2回目以降どうなるかは、現時点ではわかりません。
ちなみに二重課税調整をしないとダメというわけではなく、分配金の安定や、分配金利回りがやや高くなるという利点もあります。
逆に二重課税調整をすると、分配金の希薄化が起きる可能性があります。ファンドが大きくなった分だけ、1人あたりの分配金が減ることです。
どちらがいいというわけではないですね。ファンドの方針にもよるかなと思います。
今後どうなるかは分かりませんが、SBIと楽天の投資信託の分配金と二重課税情報について、頻繁に情報発信していこうと思います。

SBI欧州高配当株式の総経費率が下がる。最新分配金の二重課税調整は?
続いて、SBI欧州高配当株式の総経費率についてです。
このファンドは2024年2月に設定され、信託報酬が0.099%と低いことで注目を集めました。
2024年6月に発表された総経費率は0.25%でした。隠れコストは0.15%ほどかかっていました。
今回発表されたのは2024年12月の決算で、総経費率は0.17%まで下がっていました。隠れコストは0.07%ほどまで下がりました。
投資信託は規模が大きくなると、隠れコストが減る傾向です。現在の純資産は136億円となかなかです。
SBI欧州高配当株式の直近の分配金が決定
直近の分配金が3月21日に発表されました。155円です。
これで4回発表となり、合計595円です。これを単純に基準価額で割ると、分配金利回りは5.6%。
欧州の源泉が12%と仮定して、0.88で割って100に戻してから基準価額で割ると、分配金利回りは6.4%ほどです。
SBI欧州高配当株の二重課税調整は?
SBI欧州高配当株の今回の分配金が、二重課税調整でどのくらい戻ってきたか確認しましょう。
2025年3月に支払われた分配金です。
普通分配金1円当たりの外国税額は0.04476円です。赤い下線のところです。
1円あたりの外国税額というのを、イメージしやすい意味に直すと、1円あたりの二重課税調整で戻ってくる外国税額のことです。
欧州の場合は源泉徴収税率が約12%で計算します。なので課税前の1円あたりの外国税額の満額は0.136円になります。米国の場合だと源泉が10%なので0.111円が目安です。
今回の1円当たりの外国税額は0.04476円なので、満額の0.136円に対して32.9%ほどとなります。
SBI投信のVYM、VIG、SPYD、欧州高配当株の二重課税調整はどのくらい?
こちらはSBI投信のこれまでの二重課税調整情報。VYM、VIG、SPYD、欧州高配当株です。
1円当たりの外国税額と、満額に対してどのくらいだったかですね。
欧州高配当は比較的ましで、満額に対して30%前後は戻ってきています。
VYM、VIG、SPYDなどの米国が対象の投信は、満額に対して10%を切っていますね。つまり税率にすると1%を切るぐらいしか戻らないということです。

FEPI(REX ファング&イノベーション エクイティ プレミアム インカムETF)の分配金
ここからは超高配当カバードコールETFの分配金を確認します。3月より日本の証券会社で購入可能となりました。
まずは【FEPI】です。このファンドは、アップル、マイクロソフト、アマゾンなどの米国メガテック企業15社に投資し、これらの株式に対して個別にカバードコール戦略を実行することで、かなり高いプレミアム収入を得ています。
【FEPI】の分配金推移です。
支払い始めたのは2023年の11月からで、だいたい1ドルぐらいですね。
直近2025年3月の分配金は0.9436ドル。先月よりも3.8%減です。
このグラフは分配金と取引所価格の比較です。
グラフの見方としては、赤い折れ線グラフが取引所価格です。青い棒グラフが毎月の分配金。
価格と分配金は二桁異なりますので、赤い折れ線の価格に対して、青い棒グラフの分配金が重なれば、月利1%で、年利換算12%ぐらいになります。
【FEPI】は赤い折れ線の価格に対して、青い棒グラフの分配金が突き抜けています。2倍以上の差がありますね。なので、【FEPI】の月利は2%強。年間分配金利回りにすると24%を上回るということです。
FEPIの取引所価格と分配金利回りの比較
【FEPI】の取引所価格と分配金利回りの比較です。
青い線が取引所価格の終値、赤い線が過去12カ月の分配金から出した分配金利回り、黄色の線が直近分配金を1年換算した分配金利回りです。
青い線の取引所価格は50ドルからスタートして、55ドルほどまで上昇しましたが、3月27日現在42.87ドルです。やや右肩下がりです。
赤い線の12カ月利回りは、最近の株価が軟調だったため、上昇しています。現在の12カ月利回りは30.1%です。
黄色の線の直近利回りは、25%から27%ぐらいで推移しています。こちらは価格が下がるとともに、分配金額も減っているので、現在の直近利回りは26.4%と過去とあまり変わらないです。
価格がヨコヨコで超高配当利回りならいいんですが、最近の下落は少し気になりますね。
AIPI(REX AI エクイティ プレミアム インカムETF)の分配金
つづいて【AIPI】をみていきます。
AI関連企業でカバードコール戦略を取るETFです。
それでは、【AIPI】の分配金と取引所価格の比較を見ていきましょう。
設定されたのが2024年6月なので、分配金はまだ9回しか出ていません。
直近2025年3月の分配金は1.2804ドル。先月よりも5.5%減です。
赤い折れ線の価格に対して、青い棒グラフの分配金が突き抜けており、約3倍の差がありますね。
なので、【AIPI】の月利は3%。年間分配金利回りにすると36%ぐらいです。
AIPIの取引所価格と分配金利回りの比較
【AIPI】の取引所価格と分配金利回りの比較です。
青い線が取引所価格の終値、黄色い線が直近分配金を1年換算した分配金利回りです。12カ月利回りはまだありません。
青い線の取引所価格は50ドルからスタートして、55ドルほどまで上昇しましたが、現在は41ドルまで下がっています。
黄色い線の直近利回りは、36%前後で推移しています。現在は37.2%と高いですね。
先ほどのメガテックが対象の【FEPI】よりも、AIが対象の【AIPI】の方がボラティリティが大きいため、獲得できるプレミアムが多く、分配金利回りは高いです。ただ、長期で価格を維持できるかはわかりません。
CEPI(REX クリプト エクイティ プレミアム インカムETF)の分配金
【CEPI】を見ていきましょう。
暗号資産関連の米国企業の個別銘柄を使ってカバードコール戦略を取るETFです。
分配金と取引所価格の比較です。
設定されたのが2024年12月なので、分配金はまだ3回しか出ていません。
直近2025年3月の分配金は1.4591ドル。先月よりも7.5%減です。
前回は7.1%減なので、2カ月続けて結構減りました。
赤い折れ線の価格に対して、青い棒グラフの分配金が突き抜けていますね。3倍以上の差があります。なので、【CEPI】の月利は3%強。年間分配金利回りにすると40%を超えています。
CEPIの取引所価格と分配金利回りの比較
【CEPI】の取引所価格と分配金利回りの比較です。
青い線が取引所価格の終値、黄色い線が直近分配金を1年換算した分配金利回りです。12カ月利回りはまだありません。
青い線の取引所価格は50ドルからスタートして、現在は36ドルほどです。
直近利回りは45.4%とかなり高いです。
先ほどのAIが対象の【AIPI】よりも、暗号資産が対象の【CEPI】の方がボラティリティが大きいため、分配金利回りは高いです。
設定されたばかりなので、今後どうなるかは未知数ですね。

FDL、VIG、VTI、VOOの2025年3月分配金は好調
最後に高配当、増配、インデックスの3月分配金を見ていきます。
【FDL】はファーストトラストの高配当ETFです。高配当かつ5年間の配当成長率がゼロ以上、配当性向100%未満の企業などが対象です。
2025年3月分配金は0.3573ドル、対前年同期7.6%増となかなか好調でした。
分配金利回りは4.01%です。
VIGの2025年3月分配金は?
【VIG】は配当利回り上位25%を除いた、10年以上連続増配銘柄を集めた増配ETF。
2025年3月分配金は0.9377ドル、対前年同期21.9%増と好調でした。
分配金利回りは1.82%です。

もしよかったらご覧ください。SCHD、FDL、VIGなどを追加したバージョンを4月に入ったら作成しようか検討しています。
VOOの2025年3月分配金は?
【VOO】はS&P500銘柄が対象のETF。米国のベンチマークですね。
2025年3月分配金は1.8121ドル、対前年同期17.4%増と好調でした。
分配金利回りは1.34%です。
VTIの2025年3月分配金は?
【VTI】は全米が対象のETF。
2025年3月分配金は0.9854ドル、対前年同期8.2%増となかなか好調でした。
分配金利回りは1.32%です。
まとめ
✅【SCHD】の2025年3月分配金は0.2488ドルで、前年同期より22.2%増。増配率は1年16.7%、3年11.3%、5年11.4%、7年13.5%、10年11.3%と極めて高い
✅【SCHD】は年に一度の銘柄入れ替えを実施。セクターは首位の金融が5位になり、6位のエネルギーが首位で21.3%に増えた
✅楽天・SCHDの信託報酬が0.192%から、SBI・SCHDと同じ0.1238%になった。愛称を楽天・SCHDに変更。二重課税調整では楽天・SCHDは初回分配金は完璧
✅SBI欧州高配当株式の総経費率が0.25%から0.17%に下がった。分配金利回りも高く、6%前後。ただ、二重課税調整の対応は満額の33%ほど
✅超高配当カバードコールETF【FEPI】【AIPI】【CEPI】の3月分配金が決定。いずれも先月より減った。価格も下落傾向。分配金利回りは26%、37%、45%と高いが
✅【FDL】【VIG】VOO】【VTI】などの3月分配金は好調













