過去の増配率を計算して、将来のYOCを予測する

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配当金を目当てに米国株の運用をする場合、何十年にもわたって増配を続けている「配当王」「配当貴族」がオススメ、という話を聞いたことがありませんか? でも、なぜそれらがオススメなのでしょうか。長年にわたって増配を続けている銘柄を所有すると、購入金額当たりの配当利回り、つまりYOCがどんどん高くなり、得られる配当金の額も上がっていくからです。そこで、過去の配当金の変化から増配率を計算し、その増配率をもとに、購入金額あたりの将来の配当利回り、いわゆる将来のYOCを算出していきます。

 

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増配率を計算する

増配率というのは、年によって配当利回りがどれぐらい増えたかということです。過去5年の増配率というのは、過去5年の増配率を1年あたりに換算したらどれくらいかということです。下はジョンソン & ジョンソン【JNJ】の2014~2019年の配当です。5年間の増配率を計算する場合、6年分が必要となります。

年度 2014 2015 2016 2017 2018 2019
1株あたりの配当 2.76 2.95 3.15 3.32 3.54 3.75

増配率を計算する方法を、このように考えている人はいませんか? 2019年の3.75から2014年の2.76を割って1を引くと0.358。これを5で割ると0.071だから7.1%。これは間違いです。この計算方法は単利のときに使うものです。

増配率は単利ではなく、複利で計算する

増配率は複利で計算する

増配率というのは、毎年成長していくので複利で計算する必要があります。よって、CAGR(Compound Annual Growth Rate)という計算方法を使います。この計算式は、「(N年の配当 ÷ 初年の配当)^ {1 ÷ (N年–初年)}–1」になります。「^」というのはべき乗・累乗のことです。毎年成長していくので、1年ごとに計算して、それを掛け合わせていくというイメージです。

(N年の配当 ÷ 初年の配当) ^ {1 ÷ (N年 – 初年)} – 1

つまりジョンソン&ジョンソン【JNJ】の過去5年増配率は

(3.75 ÷ 2.76) ^ {1 ÷ (2019 – 2014)} – 1 = 0.0632

よって6.32%となります。

算出された増配率を使って、逆算してみましょう。初年(2014年)の配当からN年(2019年)の配当を計算すると、以下のようになります。

{初年の配当 ×(1+増配率)} ^ {(N年 – 初年)-1}
つまり初年の配当に増配率を5年分累乗する計算式は
(2.76 × (1+0.0632) ^ {(2019 – 2014)-1} = 3.75
2019年の配当は3.75となりますので正解です

 

過去5年と過去10年の増配率が計算可能なエクセルファイルのダウンロードはこちら

 

 

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過去5年の増配率をもとにした、5年後の予想YOC

過去5年の計算方法がわかりましたので、それを使って5年後のYOCを予測しましょう。過去5年と今後5年が同じ増配率だった場合、今買った株のYOCが5年度、どうなるかという仮定です。

YOCというのは「Yield oCost」の略で、購入価格に対する年間利回りを意味します。5年後予想YOCというのは、いまある株を買った場合、過去5年と同じだけ増配することを前提に、5年後のYOCがどうなるかを推理します。もちろん今後5年の増配率が過去5年と同じであるという保証はありません。株の購入を検討している際、ある程度の目安として考えてみてください。
過去5年の増配率の数値を、将来の増配率に当てはめる場合、こちらも複利計算になりますので、「^」を使用します。計算式は 「{(現在の配当利回り ×( 1+過去の増配率)} ^ 将来の年数」です。
ジョンソン & ジョンソン【JNJ】の現在の配当利回りは2.88%で、過去5年の増配率が6.32%(0.0632)ですので
現在の配当利回り ×( 1+過去の増配率) ^ 将来の年数
2.88 ×( 1+0.0632) ^ 5=3.91
よって、いまJNJを買えば5年後YOCは3.91%となります。

 

過去5、10年の増配率を使用して、5、10年後のYOCを予想するエクセルファイルのダウンロードはこちら

 

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10年前に【JNJ】を買った人の現在のYOCは?

次に10年前にジョンソン&ジョンソン【JNJ】を買った人の2019年8月時点でのYOCを調べてみましょう。
株価 年間配当額 年間配当利回り
2009年8月1日 70.4 1.93 2.74%
2019年8月1日 130.2 3.75 2.88%

2009年8月1日に70.4ドルのとき、ジョンソン&ジョンソン【JNJ】を買ったとします。当時の年間配当額は1.93ドルなので、配当利回りは「1.93 / 70.4 = 0.0274」2.74%でした。10年後の2019年8月1日は株価が130.2ドルまで上がり、年間配当額は3.75ドルにアップしています。現在の配当額を当時の購入価格で割って算出されるYOCは「3.75 / 70.4=0.0532」で、5.32%になりました。【JNJ】を10年間保有すると、配当額は約2倍、購入額当たりの配当利回り(YOC)も約2倍にアップしたことになります。

過去に買った株の現在のYOCを調べることが可能なエクセルファイルのダウンロードはこちら

 

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10年後、20年後、30年後のYOCはどうなるか?

それではジョンソン&ジョンソン【JNJ】の過去10年の増配率をもとに、10年後、20年後、30年後など将来のYOCを予想してみましょう。計算式は前述した 「{(現在の配当利回り ÷( 1+過去の増配率)} ^ 将来の年数」です。年間配当額は2009年が1.93ドル、2019年が3.75ドルですので、過去10年の増配率は、(3.75 ÷ 1.93) ^ {1 ÷ (2019 – 2009)} – 1 = 0.0687。よって6.87%です。10年後、20年後、30年後なども増配率が6.87%だったと仮定して計算すると、YOCは以下のようになります。

10年後のYOC
{(2.88 ×( 1+0.0687)} ^ 10=5.60 5.60%
20年後のYOC
{(2.88 ×( 1+0.0687)} ^ 20=10.87 10.87%
30年後のYOC
{(2.88 ×( 1+0.0687)} ^ 30=21.13 21.13%

 

過去10年の増配率をもとにした、50年後までのYOCが計算可能なエクセルファイルのダウンロードはこちら

 

いま【JNJ】を買うと、54年後にYOCが100%を超える!

2019年にジョンソン&ジョンソン【JNJ】を買い、将来も増配率が6.87%が続いたと仮定した場合のYOC予想一覧です。60年持ち続けると、買った金額に対する配当利回り(YOC)が154%を超えます。ちなみにYOCが100%を超えるのは、54年後の2073年の予定です! 増配を続けている企業の株、今すぐ、買いたくなりますよね?

何年後 年度 YOC
0 2019 2.88%
1 2020 3.08%
2 2021 3.29%
3 2022 3.52%
4 2023 3.76%
5 2024 4.01%
6 2025 4.29%
7 2026 4.59%
8 2027 4.90%
9 2028 5.24%
10 2029 5.60%
11 2030 5.98%
12 2031 6.39%
13 2032 6.83%
14 2033 7.30%
15 2034 7.80%
16 2035 8.34%
17 2036 8.91%
18 2037 9.52%
19 2038 10.17%
20 2039 10.87%
30 2049 21.13%
40 2059 41.05%
50 2069 79.76%
60 2079 154.98%
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